俺のハーレムはワル女子だらけ 貸出ホステスと暮らす新生活 作:祐。
夜の時刻。アパートの自室において、自分はラミアとの“営み”に励んでいた。
天井に灯る照明の下、ベッドを激しく揺らしながら運動を行っていく。そうして肉を打ち付ける音を響かせていると、直にも正常の向かい合う体位で快楽によがっていた全裸のラミアが、全身の緊張と共にして快感の痙攣を引き起こしていった。
抑え切れずに漏れてしまった彼女の嬌声に、自分は一層もの興奮を覚えていく。それ故か、今も最高潮に達する彼女が呼吸を荒くしていたその最中にも、自分は行為を止めるどころか更なる運動を働きかけてしまった。
幾度と身体を重ね合わせてきたその回数と、既に二時間にも及ぶ運動によって、彼女の身体を本能で理解しつつあった。そこから来た勘が続行を即決すると、次にも最深部を目指した深々と突き刺さる一撃のそれらによって、ラミアを更なる快楽へと
速度を緩める代わりに、突き当たりまで進行したこちらの“モノ”。全身に巡っていた快楽に、追加で上乗せするよう与えられたこの刺激によって、ラミアは収まらぬ快楽に無意識と身体を反りながらそれを叫んでみせたものだ。
「あっ、ああぁぁっ、カンキさんっ。ヤバいですッ。ソレ、ヤバいですっっ」
両手で鷲掴みにした、彼女の華奢な腰。無心で運動を行う自分の様子に、彼女はこちらに届かない自身の両手を必死にバタつかせていく。
もう止まれない。心臓に火が点いたような、本能からなる衝動が自分を突き動かしてくる。そして、速度を速めるとほぼ同時にして、己に溜め込んだ欲望を余すことなく、彼女の最深部へと吐き出していった。
彼女の内部で響き渡る、細い管から噴き出した鈍い音。
全身の筋肉が引き締まり、全力を振り絞って植え付けていく。そうして己の欲望を全て出し切っていくと、自分は力尽きたように目の前の彼女へとうなだれて、今も恍惚な表情で天井を仰ぐラミアの身体へとゆっくり圧し掛かっていった。
力尽きたこちらを、抱擁で受け止めてきたラミア。彼女は未だ収まらぬ荒い呼吸で見下ろしていきながら、子種を捧げたこちらをあやすように背中をトントンと叩いてくる。
共に果ててもなお、繋がり合っていたその状態。今も入口からはドクドクと熱が溢れ出してくる状況の中で、直にも起き上がった自分は小さな身体のラミアを抱き抱えていくと、次にも二人して汗だくだったその姿で、熱烈なハグを交わしていった。
……自然な流れで口付けを行い、ベッドの上でくっつき合う男女が欲望を共有し合っていく。そうして熱気とニオイがこもった空間で互いの唇を堪能していたのだが、その最中にも突如として、おもむろに玄関扉の鍵が開けられたのだ。
ギクッ。思わず身体が跳ね上がる自分。ラミアは特にこれといった反応を見せずに玄関へと視線を投げ掛けていく中で、その先からは勝気なメーの声が響いてきた。
「たっだいま~!! メー様の帰還だぞー。部屋にいる皆の衆、この私を歓迎したまえ~! …………んぉ、このニオイは~……」
スンスン、と鼻を鳴らすメー。そして、途端にもドタドタと部屋へ上がり込んでくるなり、目撃した光景に猫のような目をした私服姿の彼女は、玩具を見つけたかのような面白げな表情を見せながらそれを口にしてくる。
「おや? おやおやおやおや?? これはこれは、お楽しみの真っ最中でしたかな?? 私、お邪魔だったかなー? あは、ごめんあそばせ~」
ププッと笑みを含めた、悪戯に頬を膨らませたメーのからかう視線。これに、全裸だった自分は焦燥で「ま、待ってくれメー!! これは、その」と何故か誤魔化そうとしてしまう。
で、同じく全裸だったラミアは、今も股から熱を溢れさせながらも平然としたサマで、脇に佇むメーとそんな会話を交わしていった。
「お気になさらずー。イマ、ちょーど終わったトコですから」
「ほぉーん? そうー? 遠慮なんかしなくてもいいのに~。……それで、どうだったよ。今日もカンキ君絶好調だった?」
「絶好調どころか、ゲキヤバでした。カンキさん、ウチのコト知り尽くしてきてますね。伊達に回数をこなしてませんけど、セ〇クスレスどころか、する度にウチの満足感が増してきてるような気がします。こんなお手軽に、お家で性欲を発散できるのはホントに助かりますからねー。カンキさん、また次もお願いしますよー」
「へぇ、辛口なラミアがこんなに絶賛するなんて、カンキ君やるじゃーん。……ねね、せっかくだから次は私の相手してよ。今日は特別に、私の尻も使わせて進ぜよう~」
そう言って、メーは小悪魔風な視線を向けながらこちらの身体を揺すってきた。
彼女のアプローチに、自分は疲労を引き摺りながらも「それじゃあ、お言葉に甘えて」と答えていく。それから抱え込んだラミアをベッドに下ろしていき、“モノ”に垂れていた“熱”をティッシュで拭き取ってから、既にベッドの上でマウンテンパーカーを脱ぎ始めていたメーを迎えるべくこの両腕を伸ばしていく。
……だが、そうして自分もノリ気でメーを抱こうとした時のことだった。
「っ……あれ。ちょっと待って。なんか、痛ッ……」
自分の声だ。
無意識に呟いていた、その言葉。急に迸った痛みでそれを口にしていくと、直にも自分は下半身に走り出した痛みでうずくまってしまう。
こちらの様子に、タオルで額や股を拭っていたラミアと、服を脱ぎ掛けていたメーから疑問の視線を投げ掛けられた。だが、向けられた彼女らの心配にも気が回らないほどに、自分はこの夜、“モノ”に駆け巡るジンジンとした痛みに悩まされたのである。
翌日。昼の龍明において、アパートに戻ってきたレダが神妙な顔つきで自室に上がってきた。
自分らの連絡を受けて、駆け付けてくれた闇医者の彼女。私服姿でホームレスの健康診断を行っていたレダは、黒色のスーツケースを片手に、いつもの艶やかなオーラを醸し出さない真面目な面持ちでこちらへと歩み寄ってきたものだ。
ラミアとメーは、仕事のシフトで部屋を出てしまっていた。そのことから一人残された自分は、未だ迸るモノの痛みでベッドに横たわっていたその中で、レダはベッドに腰を掛けながらこちらに手を添えつつ、優しく言葉を投げ掛けてくる。
「カンキ君、お待たせぇ。容態はどうかしら。これからじっくり診てあげるから、わたしに色々と詳しく教えてちょうだい?」
「あぁ、レダ。わざわざ来てくれてありがとう……」
優しく付き添ってくれたレダの温もりに支えられながら、自分はモノに走る痛みについて説明し始めていく。
事の経緯を聞き、それに何やら確信めいたものを抱いた彼女。次に実物を診るためにこちらのモノを取り出していくと、彼女はソレを入念に観察し、機能の様子を確認しながら、その艶めかしい手つきで男の欲を駆り立て始めていき……。
……激痛を伴いながら立ち上がった我が息子に、自分は悶え苦しみながらも快楽に浸り出していく。且つ、心なしか、手のひらではない柔らかな人肌の感触を覚え始めていくと、ソレは直にも息のような立ち込める熱気に包み込まれると共にして、なんだか歯のようなカルシウムの硬さを感じ取り、先から根本まで彼女の温もりに覆われていく。
あれ? なんか、思っていた処置と全然違う……。
激痛と快楽の狭間に迷い込んだ自分。痛いけど気持ち良いという傍からすると誤解を招きかねない状況に、自分はパンクした思考で訳も分からずに“発射”してしまった。
これに、レダは色っぽい調子で「んっ……」と声を漏らしてくる。その脇で発散した自分が天に召される意識で呆然とする中、彼女は啜る音を立てながらモノの“熱”を拭き取ると同時にして、ゴクリと喉を鳴らしながらそれを喋り出してきたのだ。
「んぅ~っ……ご馳走様。診察料もしっかり頂いたことですし……カンキく~ん、一通りの診察であなたの症状がよぉく分かったわよ~」
「い、今もすごく痛い……っ。これ、何かの病気とかかな……」
「そんな大層なものじゃないわ。単刀直入に言ってしまえば、“エッチのしすぎ”よ」
「え、えっちのしすぎぃ……??」
思わず、上半身を起こしながらレダへと尋ね返していく。これに彼女は舌なめずりを行いながら、艶やかに微笑みつつ返答してきた。
「陰茎の血管が膨張することによって引き起こされた炎症ねぇ。要は、勃起のさせすぎ。主にオ〇ニーのしすぎなんかで見られる症状よ。……そんな心配しなくても平気よ。大丈夫、休ませてあげれば自然と治るものだから。そういうわけで、カンキ君。一日でも早く治したいのなら、しばらくはおチ〇ポの使用は禁止。休肝日ならぬ、休チン日を設けましょう。いい? 分かったわね?」
「あ、あぁ、分かった。診てくれて本当にありがとうレダ、助かったよ。……それにしても、休チン日か……」
発散した直後であるにも関わらず、彼女のセリフで既に欲が溜まりつつあった自分。
だが、痛みを引き起こすに至った経緯に心当たりがありすぎた……。そのことから自分は、レダから病状を聞いた後にも禁欲を心から誓ったものでもあった。
この先も、ホステス達と特別な時間を過ごすために必要となる期間だ。周囲からの誘惑は依然として凄まじいものの、これで万が一の事が起こってモノが機能しなくなってしまえば、それこそ永遠に後悔することとなる。
レダに診てもらって以来、自分は禁欲することをホステスらに伝え、改善のためにも一同には同意してもらう運びとなった。これによって自分は、欲情とは無縁の生活をしばらく送ることになるだろうと、この時ばかりはそう思っていたのだが…………。
禁欲生活を開始して、数日ほどが経過したある日の休日。だいぶ痛みが引いたモノに自分は安堵しつつ、昼下がりの自室でひとりベッドに寝転がりながらボーッとしていると、ふとインターホンが鳴らされた。
起き上がり、玄関先の映像を確認していく。するとそこには、私服姿のユノが佇んでいたのだ。
どうしたんだろう。それを思って、すぐさま玄関へと駆け付けて扉を開いていく。そうして、軽く腕を組んだ凛々しい佇まいの彼女と向かい合っていくと、次にも華麗に微笑んでみせたユノからそのような言葉を掛けられた。
「こんにちは、柏島くん。急にごめんなさい。連絡もせずに訪ね掛けてしまって」
「いえ、そんな。迷惑だなんて思いませんよ。よろしければ上がっていきますか?」
「えぇ、そうさせてもらうわ。私が貴方の下を訪ねた理由は正に、そのことについてだったの」
「理由、ですか」
玄関に並べられた、自分だけの靴。他のホステスのそれらが見受けられないその様子をユノは目で追うように確認してから、再びこちらへと言葉を投げ掛けてくる。
「ここでお世話になっている彼女達は本日、同伴やシフトといった仕事の関連で一日中と出払うことになってしまったわ。しかし、貴方を一人にしてしまうのは些か不安が残る。そこで、今日は私が泊まり込みで、柏島くんの警護にあたる予定よ。それに伴い、私がこちらに滞在する許可を貴方から頂けないものかしら。もちろん、貴方がプライベートの時間を何よりも優先したいのであるならば、私はその意思を尊重して、貴方の目に映らない異なる場所で警護にあたらせてもらうとするけれども」
「いえ、とても心強く思います。ぜひ泊まっていってください。お食事などは作らなければ用意できませんが、清掃はしてあるので快適に過ごせる環境だとは思います……」
「ありがとう、柏島くん。貴方の、如何なる存在をも受け入れる寛容なるその姿勢は、お父様譲りといったところかしらね。……私という極道上がりのろくでなしをも許容する貴方の懐の広さに、感服の念を。そして同時に、言葉では表し得ないほどの絶大なる感謝の思いをどうか、貴方へと贈らせてもらいたい。ありがとう。私はまた、柏島という偉大なる血族に救われた」
な、なんともまぁ、お堅い……。
一連のユノ節を耳にして、自分は汗を流しながらも「取り敢えず、どうぞ。上がっていってください……」と言って入室を促していく。これを受けたユノは安心したように凛と微笑んでから、次にも「お邪魔します」と挨拶を口にしつつ玄関に上がり、脱いだブーツを綺麗に並べてから部屋へと歩み進めていった。
今日は、ユノと二人だけで一日を過ごすこととなる。
改めて気が付いた今の状況に、途端に絶大な安心感が巡り始めてくる。普段の彼女らも傍についていてくれるだけで随分と心強いのだが、如何せん皆、中々に性的で魅力的だ。
一方で、女神のような美貌を放つユノではあるものの、彼女は男性に興味を持たない以上は誘惑してくることもないだろう。その思いから来る安堵で、自分は内心ホッと息をつきながらユノを眺めていく。
部屋に上がり、おもむろに中央で佇んだ彼女。そして、着用していた黒色のライダースジャケットを脱いで近くのハンガーへと掛けていき、更には赤色のYシャツに手を掛けて、それをおもむろにボタンを外し始めていくのだが…………?
……彼女の動作によって、シャツの内側からブワッと巻き起こされたメスのフェロモンの香り。心地良くも脳みそを蕩けさせる、大人な色気のそれが振り撒かれると同時にして、彼女は平然としたサマでシャツを脱ぎ終えていくと、その下からは赤色の薔薇の刺繍が魅惑的な、黒色のレースのインナーが姿を現してきたのだ。
って、なんか脱ぎ始めてるーーーー!!!?
ギャグマンガが如く目玉が飛び出した自分は、慌てて彼女に駆け寄りながら言葉を投げ掛けていく。
「ゆ、ユノさん!!? あの、ちょっと。いくら何でもその格好は、俺にとって刺激が……っ」
「あら、ごめんなさい。本日の気温は初夏と同等らしく、衣類の中の蒸れが気になってしまったの。少しだけ、放熱させてもらえないものかしら」
「まぁ、それならば構いませんけど……」
暑がっている女性に対して、むやみに服を着ていろだなんて強制できない。
自分は、ホッと一息つくように佇んでいく。その間も目の前では彼女の着替えは続いており、腰のベルトを緩め始めたユノはそのままバイクパンツのボトムスをおもむろに脱ぎ始めて…………?
って、なにやってんのこの人ーーーー!!!?
次に露わとなった、同じく赤色の薔薇の刺繍が魅惑的な黒いレースのインナー。完全にショーツを披露してきた彼女がバイクパンツも脱ぎ切っていく様子に、自分は彼女の顔色をうかがうようにしながら恐る恐ると尋ね掛けていった。
「ユ、ユノさん!!? あの、ユノさん!!?」
「季節外れの暑さによって、早くも熱中症を引き起こした患者が急増していると報道されていたわ。柏島くんも、こまめな水分補給を忘れずに。必要があれば、半袖などの夏用の衣類に着替えるなどの臨機応変な立ち回りを意識してちょうだい。柏島オーナーの世話になった身として、貴方という柏島の後継者を熱中症にさせるわけにはいかない。いえ、私が命に代えてもそれを阻止してみせるわ」
「いえ、その。いや、お気遣いありがとうございます。しかし、ユノさんのその格好が……」
インナーのみの姿となったユノの風貌。だが、彼女は凛々しいサマで振り返ってくると、ちょっとだけ困り顔を見せながらそれを喋り出してくる。
「ごめんなさい。汗による蒸した体臭で、不快な思いをさせてしまったかしら。……やはり、殿方の前では衣類を身に着けておくべきなのでしょう」
と言って、既に畳んでベッドに置いてあったシャツに手を掛けていくユノ。だが、別に今の彼女の姿が嫌だというわけではなく、むしろ眼福とさえ思えてしまっていた自分は、また別の慌て具合でこのような言葉を口にしてしまったものだ。
「ああああぁいえいえいえいえ!!! そのままでも全然大丈夫ですっ! 臭いも気になりませんっ! むしろ、これで服を着込んだユノさんが熱中症になられても大変ですからねっ! そちらの格好が過ごしやすいのでしたら、そのままでも俺は一向に構いませんよっ!」
「あら、柏島くんからの手厚い気遣いを無下にするわけにはいかないわね。ならば、私は貴方の気遣いに応えてみせるまでのこと。本日はこの格好で過ごさせてもらうとするわ。貴方の厚意に、心からの感謝を。どうもありがとう」
男の本能には抗えない。それがたとえ、卑しい欲望に付き纏われようとも。
下着姿で徘徊し始めた女神を眺めつつ、自分は己に対する嫌気を通り越した一種の悟りを開いていく。そうして男の欲求に負けた自分はこの日にも、黄金比の女体で歩き回るユノとその一日を過ごすこととなったのだ。
それからというもの、自分は男の本能を掻き立てられる様々なハプニングに見舞われる。
下着姿となった女神様。色白な肌に浮かび上がる黒色のそれらは非常にアダルトな魅力を放っており、この組み合わせで既に欲望がそそり立ってしまう。だが、こちらと世間話を交わしていた彼女は、談笑で微笑みつつも部屋の中で佇むと、ふとそのような行動を取り始めていった。
汗のニオイが気掛かりなのだろうか。体臭が気になる彼女は軽やかに右腕を上げていき、何気無いサマで自身の脇へと鼻を近付けて、そこのニオイを確認していく。この、鼻を鳴らすユノの仕草に自分は唖然としていると、彼女は続けて自身の身体に両手を這わせ、そこらからニオイを回収するかのように滑らかな手つきで触れつつも、その度に手のニオイを入念に嗅ぐことで己の体臭をチェックしていたものだ。
……なんでだろう。この人が行う動作の全てが色っぽく見えてくる。
肉付きの良い、魅惑の色気を売りとするレダとは異なる方向性のそれ。佇む姿はミロのヴィーナスを彷彿とさせ、まるで彼女の存在そのものが芸術であるかのように神々しい。
いや、ユノに限らずホステスの皆が、芸術が如く綺麗で可愛く、美しい。しかし、ユノから放たれる色気は周囲に当て嵌まらぬ異次元なものをうかがわせてくるものだったから、彼女という存在は本当に、人間が生み出した奇跡とも呼べたのかもしれない。
ショーツに指を掛け、それをパツンッと軽く弾いて音を立てるユノ。引き締まったくびれや脚で彼女は堂々と佇んでいると、次にもユノは時計を確認するなり、こちらへとその提案を投げ掛けてきた。
「柏島くん、昼食は済ませてあるのかしら」
「いえ、そう言えばまだでしたね」
「それは聞き捨てならないわね。貴方を飢えで苦しませるわけにはいかないわ。腹の虫が悲鳴を上げ、心の栄養を失った感情が、己の貧困に嘆くがあまりに精神を蝕み始めるその前に、この私が、柏島くんへと捧げるお手製のランチを用意いたしましょう。キッチンを借りてもいいかしら」
「色々と大げさではありますが……ユノさんの手料理、ぜひとも頂きたいです! お手を煩わせてすみません。よろしくお願いします」
「手を煩わせるだなんて、とんでもない。これは私からの、真心を込めた誠意として受け取ってもらえると嬉しいわ」
フフッと微笑し、キッチンへと歩き出したユノ。その先で彼女は、目についた白色のエプロンへと手を伸ばし、それを何気無いサマで身に着けていくのだが……。
……次にも目の前では、下着姿でエプロンという構図が爆誕してしまった。
あ、これはだめなやつだ。最強の組み合わせに、もはや包み隠さない恍惚の眼差しを投げ掛ける自分。だが、本人は自身の格好を一切と気にすることはなく、その姿で冷蔵庫の中を確認してから、普段通りの調子で料理を開始していったのだ。
思わず、一部始終を眺めてしまっていた自分。その間にも、彼女は簡単に五目チャーハンを作ってくれたことで、これを口にした自分は欲情が吹き飛ぶほどの美味を味わったものでもある。
喜ぶこちらの反応に、ユノは安堵したサマを見せながらエプロンを脱いでいく。それからも自分は、彼女の行動にいちいちムラムラと、そしてヒヤヒヤともさせられた。
ベランダに干してあった布団を取り込もう。そんな話が出た時は、こちらの手を煩わせるわけにはいかないとして、ユノは即座にそれへと取り掛かり始めていった。下着姿で。
恥ずかしげもなく、その格好でベランダに出た彼女。もはや露出狂と変わらぬそれに自分が焦っていくその最中にも、彼女はユノ節を炸裂させながら平然とした凛々しい様相で布団を取り込んでいた。
また、インターホンが鳴らされた時も、彼女が率先してそれに対応していった。下着姿で。
玄関扉が開けられるなり、配達のお兄さんが驚きの声を上げていく。それも当然な上に、対応する女性が圧倒的美女だったため、お兄さんは終始しどろもどろな調子で喋っていた。
で、扉を閉めて荷物を運んできたユノ。依然として凛々しい彼女が、生ものが入ったそれを抱えながら置き場を尋ねてくるのだが、それを冷凍庫に入れてもらってからというもの、自分はさすがにユノのシャツを手に持ちながら歩み寄り、彼女へとそれを勧めていったものだ。
「すんません、ユノさん。やっぱりシャツは着ましょう。その……部屋が急に冷え込みでもして、風邪でも引いてしまったら大変ですからね」
無難な文句を述べることで、彼女には快く納得してもらった。そして自分はシャツを手渡して、彼女にそれを着てもらうのだが……。
そうして誕生したのが、下着姿に開けっ払った赤色のYシャツという、またしても欲を掻き立ててくる構図だった。
加えて、その格好で平然と歩き回るユノが、温かい飲み物を入れたカップを持ってきたり、警護としてこちらに身をくっ付けたりなどしてくる。それら一連の行為から、自分は休ませていた“モノ”が張り詰めるように元気になってしまい、先日の痛みが段々と蒸し返してくる感覚にも苛まれてしまっていた。
……だが、それでもなお自分は男だ。彼女という存在そのものが身体に悪いことを了承しつつも、自分は謎の勿体無い精神から、ついついユノをそのままにしてしまっていた。そして、この調子のまま時刻は夜を迎えることとなり……。
……二人で床に座り、バラエティ番組を視聴していた日常的な光景。ただ、彼女が着ていたそのシャツが、隣にいるこちらの肩にも掛けられていたことから、まるで恋人のように二人でシャツを羽織ったその状態で、共にするひと時を過ごしていた。
未だ下着姿のユノは、右膝を立てた勇ましい姿勢で電子タバコを吸っている。一方で、隣にいた自分はまるで縮こまるように正座で座っていたためか、もはや、どっちが彼氏なのか分からない光景が生まれていた。
凛々しい表情で一服する彼女。艶やかな横顔は大人の顔立ちを一層と際立たせ、本当に、頼りになる姉御として視界に映っている。
と、その時にも給湯器から、電子メロディーの『お風呂が沸きました』という音声が流れてきた。
入浴できる。自分はユノへと振り向きながら、「お風呂が沸きましたね。ユノさん先に入られますか?」と尋ね掛けていく。すると、テレビに映っていた女優に見惚れていた彼女がこちらへ向いてくるなり、平然としたサマでそれを口にしてきたのだ。
「私が、柏島くんを差し置いて一番風呂だなんて恐れ多いわね。それに、入浴は溺れる危険性も孕んでいるものですから、万が一の可能性を鑑みた際にも、貴方を一人で入浴させるわけにはいかないわ。柏島くん、私と共に入浴しましょう」
ドキッ。ちょっとだけ期待していた彼女のセリフに、自分は否定することなく「で、では、一緒に入りましょうか……」と答えていった。
随分と前だが、ユノとは以前にもシャワーを共にしたことがある。
去年の夏、旅行先で彼女に“モノ”をしごかれた。女性との経験しかない故か、男性の“ソレ”を初めて見たというユノは、興味本位からなる生理現象の観察に勤しんでいたものである。
そのことから、自分は既に心の準備が済んだ状態で、彼女との入浴に臨むことができた。
湯気が立ち上り、充満したそれに包まれた極楽の空間。狭い浴槽の中、向かい合う形で湯に浸かった自分らは、膝を折りたたんだその姿勢で入浴を共にしていく。
タオルで髪を束ねたユノが、縁に肘をつきながら心地良さそうな表情を見せてくる。だが、向かい合う自分の視界には黄金比からなる彼女の裸体が映り込んでいたため、ギンギンに反り立たせた“息子”を伴いながら暫し視線が釘付けとなってしまっていた。
……きちんと、すべて剃ってある。
ナニがとは言わない感想。ムダ毛ひとつ無い美麗な人体に感動すらも覚えていくその中で、凛々しいサマで視線を投げ掛けてきたユノから、その言葉を掛けられた。
「柏島くん。いつも、本当にありがとう。この私から改めて、貴方に感謝を申し上げたいの」
「どうされたんですか? むしろ今は、俺が感謝をしなければならない立場だと思いますが……」
裸体に意識が向きつつ、彼女と目を合わせながら応えていく自分。そんなこちらに対して、ユノは言葉を続けてきた。
「ラミア、メー、レダ、ミネ、シュラ、ノア。貴方はいつも、我々ホステスの面倒を見てくれている。……程度に差はあれども、彼女達は皆、人道から逸れた所業を働きし、悪名を轟かせる罪人達であることに代わりはないわ。そんな彼女達の制御など、常人にはとても務まるはずもない。けれども、貴方はそれを一年に渡って見事やってのけてみせた。世の男性が彼女達に振り回されていくその中で、柏島くん、貴方は本当に、彼女達と上手くやることができているの」
思ったよりも真面目な話を振られたことで、自分は欲望を拭い切った神妙な面持ちでユノと向かい合っていく。
彼女もまた、穏やかながらも真剣な声音で言葉を口にしてきていた。それを聞いた自分は静かに頷いてから、思ったことそのままの言葉を並べた返答を行っていく。
「皆さん、それぞれが個性の強い方々ですからね。でも、俺はホステスの皆さんと過ごす時間、大好きですよ。ユノさんも含め、ホステスの皆さんと……いえ、
冗談めかすように、それを口にしていく自分。こちらの言葉にユノは微笑しながら「そうかもしれないわね」と返答してくると、次にも彼女は凛々しいサマで、急にそんなことを喋り出してきたのだ。
「それとは別にして、柏島くん。ところで貴方は、彼女達をきちんと満足させてあげられているものかしら」
「満足させてあげられているか、ですか?」
「彼女達の面倒を見る者として、彼女達の管理は貴方の務めとも言えるでしょう。特に、我々人間に付き纏う性の衝動は、柏島くんにとっても無縁とは言い切れないものじゃないかしら」
「えっと……?」
「満足、させてあげられているのかしら。貴方を取り囲む彼女達の性欲を、貴方はきちんと満たしてあげられているのかどうか。私はそれを、唯一の気掛かりとして懸念しているの」
性欲を、満たしてあげられているかどうか……?
突如と振られた話題に、自分は呆気にとられるようにユノを見つめていく。これに彼女はおもむろに右手を伸ばしてくると、こちらの右手を取るなり、次の瞬間にも、躊躇いもなく自身の胸へと押し当てていったのだ。
彼女の滑らかな弾力と、聖なる突起の感触が手のひらに伝ってくる。これには思わず、一瞬だけ身体を跳ねさせながら驚いた自分だったのだが、そんな、ユノにお触りというバチさえも当たりそうな行為に興奮混じりの鼓動を速めていく中で、ユノは凛々しいサマで微笑みつつも、少しだけ首を傾げた魅惑の視線でこの言葉を続けてきた。
「貴方が、彼女達の欲求を満たしてあげられているかどうか。今度、私が直々にテストしましょう」
「え、え……!? て、テストですか……??」
「すぐには実現できないでしょうけれども、今現在と引き起こされている様々な事態に一旦の区切りがついた際には、柏島くん、貴方が私を抱きなさい」
「だ、抱く……ッ!? 俺が、ユノさんを……!?」
「ただし、挿入を除いた前戯のみの行為といたしましょう。本来ならば、私も柏島くんに“オンナ”を捧げるべきでしょうけれども、ごめんなさい、そればかりは私の
「ぃ、ぃえいえっ。そんな。えっと。もう、十分ですって色々と……!!」
なんだか、流されるままに“行為”の約束を決められた。
突然の誘いに、うろたえるように自分はしどろもどろな返答を行っていく。その最中にもユノは、自身の胸へとあてがっていたこちらの右手を下方向へ移し始めると、次にもあろうことか自らの“ソコ”を触らせてきたのだ。
……オスを排他した、禁断の聖域。柔軟な丘がこちらの指を受け入れて、谷へと続くその“入口”が男の接触を許可してくる。
瞬間にも巡ってきた高揚感と、指に伝う繊細な感触が、こちらの意識を全て奪い去っていった。
なんだ、これ。一体なにが起こっているというんだ。歓喜に満ちた感情と、女神に招かれた困惑の感情が入り混じる。今も指先に伝う聖なる温柔に心臓をバクバク鼓動させていると、こちらの様子にお構いなしといった具合にユノは凛々しいサマでそれを言ってみせたものだ。
「柏島くん。深呼吸。肩の力を抜いて、神経を指先に集中させなさい。そして、リラックスした状態で、いつものように、彼女達を愛でる感覚で、今、私のことを慰めてみてもらえないかしら」
「ぇ、ぁ。な、慰めですか。は、はい。分かりました……?」
一方通行な彼女の勢いにつられるよう、引きつるような息遣いで返答する自分。そして彼女に言われるまま、恐れ多くも自分は指先へと神経を巡らせると、そこから繰り出した丁寧な手つきによって、あのユノの聖域を愛で始めていったのだ。
……表面の神聖なる部位を重点的に、女性の神秘に触れていく。この指使いにユノは少しだけこそばゆそうな表情を見せてくると、共にしてフフッと微笑しながらも、彼女は見守るかのような優しい眼差しでこれを口にしてきたのであった。
「フフッ、アフフ……。えぇ、貴方の実力はよく分かったわ。リラックスできていない様子から、これが本来の技術ではないことは確かでしょうね。それを加味してもせいぜい、妥協点、といったところかしら」
「ご、ご期待に沿えなくてすみません……」
「謝ることはないわ。しかし、私を満足させるには些か物足りないのもまた事実。……柏島くん。性欲の発散は心身のコンディションに深く影響を及ぼすものであり、貴方の技術によって、我々ホステスのポテンシャルはさらに引き出されるといっても過言ではないわ。だから、精進なさい。私達は所詮、罪に
この夜、自分は天国に招かれたかのような体験をした。
女神の聖域に踏み入れ、極楽と快楽が入り混じる至高の満足感を得られたひと時。人類には早すぎた刺激的すぎる体験によって、自分はこの上ない幸福に包まれたものでもある。
風呂を上がってからというもの、暑いからという理由で衣類を身に着けなかった裸体のユノと、同じベッドで就寝した。護衛という目的でこちらに身を寄せた彼女に抱かれ、自分は全身の神経を活性化させながらも、彼女に守られている安心感からすぐ眠りへと
とても幸せな時間だった。ただ、その代償とも言うべきだろうか。ユノと共にした夜の後にも、“モノ”の痛みが再発したことによって、翌日にも自分は周りのホステス達からこっぴどく叱られるハメにもなってしまった。