俺のハーレムはワル女子だらけ 貸出ホステスと暮らす新生活 作:祐。
夜の
「あ、カンキくん! おーい! こっちこっち!」
「え? あぁ、ハオマさん。どうかされましたか?」
無邪気に手を振って呼び掛ける彼女のそれに、自分は尋ねながら歩み寄っていく。その間にもハオマからは、ニヘラ~と微笑むサマで「あーいや、見かけたから呼んでみただけだよー」と言葉を掛けられたことから、自分はちょっと癒された気持ちになりながら「そ、そうですか……」と返答したものだ。
なんか、この前も同じやり取りを交わしたような気がする。
そんなことを思いながらハオマの下へと歩み寄り、カウンター越しに向かい合っていった自分。今もほわほわとした天真爛漫な笑顔を浮かべる彼女に見惚れるよう視線を向けていると、次の瞬間にもこちら目掛けて駆け寄ってくる忙しない足音が他所から聞こえてきて……。
アメフト並みのタックルでこちらの脇腹に突っ込んできたシュラ。タキシード姿の彼女が「ニーチャぁーーーーン!!!!」という声を上げながら行ってきた豪快なそれに、自分はその場で横に二回転ほどしながら、シュラを抱き留めていく。
人力メリーゴーランド。視界が高速で三百六十度の景色を見渡し、思わず目を回しながらも感覚で彼女の頭を撫でていく自分。その間にも、これにシュラはうっとりとした顔で懐に埋まりながら、「ニーチャン……ニーチャン……」といつものように甘えてきたものでもあった。
今日も相当疲れたんだろうな。彼女の苦労がうかがえる、甘えモードのシュラ。せめて彼女の癒しになろうと自分がそれに応えていく中で、この様子を傍で眺めていたハオマがそう喋り出してきたのだ。
「わぁ~、すごい懐いてるねー。今はシュラちゃんって名前だっけ? 鳳凰不動産に居た時は、こんなデレデレな姿を誰にも見せなかったものだから、なんだか意外に思えてきちゃうなぁ~」
そう言えば、シュラもハオマも鳳凰不動産から来た人間だったな。
思い出した彼女らの経歴を、内心で呟いていく自分。今もほわほわとした調子で何気無く口にしてきたハオマのそれだったが、彼女の言葉にシュラは顔を上げてくると、次にもどこかやり辛そうな表情を浮かべながら、シュラは口を尖らせた様相で、ハオマとはこのようなやり取りを交わしていった。
「う、うっす……。どうもっす……」
「そんな、苦手意識をモロに出さないでよっ!!! 確かに私達は鳳凰不動産から来た裏切り者同士だけど、だからってそんな露骨に気まずそうにしないでぇっ!!」
「せやけど、普通に考えてウチらの立場普通に危ういで? 何せ、二人で同じ組織を抜けた挙句に、二人して
「うへぇ~……本当に焼却炉で燃やしてきそうなのがあの会社の怖いところだよねぇ~……。表じゃあ普通の不動産って感じの会社だったけど、裏では工作とか裏取引とかしてて、私達もそういうのに加担させられたのが懐かしいよねぇ……」
「ほんま、酷い職場だったで。黙秘は当然として、工作の加担を断った際には、秘密を知ったっちゅうことで焼却炉送りや。……ここは龍明やさかい、どないな犯罪が起こっても何も驚かへん。せやけど、全国に店舗を出しとる名の知れた不動産がバリバリのブラックだったんや。ウチ、あの環境を知ってから企業っちゅうもんを信用できなくなったわ」
「私もね、なんか、外に工作の情報を横流しした~とか言い掛かりをつけられたみたいなんだよねぇ。なんかイヤな気配を感じて、私は捕まる前に逃げ出しちゃったんだけど。でもさー、私ホントに何もしてないんだよ!? ただ普通に事務員としてデータ管理してただけなんだよ!? もう、ブラック企業で真面目に勤めてただけだったのに、どうしてこんな目に遭わされなきゃいけないのかなー!! 今まで勤めてきた苦労が仇で返されて、さすがの私も怒っちゃったよ! プンプンッ」
本人は本気で怒っているのだろうが、その当人の柔和な雰囲気によって本気度がイマイチ伝わってこない。
眉をひそめて、頬を膨らませながら怒りを表現してくるハオマ。だが、彼女の様子を傍らにシュラは穏やかなサマを見せてくると、彼女はこちらに引っ付いた状態のまま、この懐に頬を擦り付けながらそう喋り出してきた。
「やけど、結果的にはこれで良かったんちゃうか? どないな形でも、あの真っ黒な企業から離れられたおかげで、事務員のネーチャンは天職とも呼べるホステスに辿り着いて、ウチはこうしてニーチャンと一緒になることができた。……鳳凰不動産を裏切った以上は、ウチらのこの先の気苦労も、ほんまに凄まじいもんやと思うで。それも、想像を絶する命懸けの戦いになるんやと思う。せやからこそ、一分でも一秒でも、今の生活を今の内に余すことなく心から堪能しておくんや。ウチはな、ここに来て正解だったと思うで」
懐に擦り付けていた頬を段々と上げていき、首を伝って頭部に到達したシュラの頬が、こちらの頬を擦り付けてくる。
そして、彼女はこちらを抱き寄せるようにして、勢いのままにしれっと口付けを行ってきた。
もう離さへん。彼女の心情が汲み取れる、咥え込むような熱烈なそれ。シュラの熱に絆された自分は彼女の期待に応えるようその身体に両腕を回していき、抱き抱えるようにして暫しものキスを堪能した。
シュラと一緒にいると、心も体も元気になってくる。そうして、彼女に感化されるように明るい気分を蓄えた自分は次第と唇を離していくと、そのあとに二人で見つめ合いながらも、自分は名残惜しむようなゆっくりとした動きで彼女との距離を空けていく。
……もっと、してくれへんの?
シュラの言葉が聞こえてくるような、おねだりする潤いの瞳。子犬みたいに健気なそれを見てからというもの、自分は彼女のアンコールに応えるよう再び顔を近付けていくのだが……。
コツコツと聞こえてきた、こちらへ歩み寄る二人分の靴音。直にもタキシード姿で現れたメーとユノがこちらを発見するなり、メーは玩具を見つけたかのような目を見せながら、からかうような調子で喋り掛けてきたものだ。
「やほー、カンキ君~。今日もお疲れちゃ~……おやぁ?? おやおやおやおや?? おほっ、カンキ君またしてもお取込み中だったかなぁ?? ラミアに続いて、シュラとまでお楽しみしちゃって。カンキ君ってばホント、プレイボーイよのぉ~???」
にじりにじりとすり寄ってきて、自分とシュラの周囲をグルグルと回るメー。こちらの顔を覗き込む視線に自分が返答に困っていると、すぐにも歩いてきたユノが助け舟を出してくる。
「メー、柏島くんをからかうのはやめなさい。彼は大切なお客様よ。彼の扱いは、八百万の高値がつけられたダイヤモンドのジュエリーよりも丁重でなければならないわ」
「ほいほーい、了解でーす。……そういうことで、カンキ君。シュラとのちゅっちゅを存分に楽しんだら、次は仕事終わりのメー様とたっぷりちゅっちゅするぞ?」
そう言い、シュラを手で退けながらメーが視界に入り込んでくる。これにシュラが「何するんや! ニーチャンはウチとお楽しみしとったんや。邪魔せんといて!!」と言いながらメーを退かそうとしたものだったから、次にも二人は目の前でじゃれるような揉め合いを展開していった。
二人の様子に、鼻で息をつくユノ。ハオマはボケ~ッとした表情で「若いっていいなぁ~……」と言葉を口にしていくその中で、ユノはメーとシュラを無視するようにこちらへと言葉を投げ掛けてきた。
「柏島くん。このあとの予定についてなのだけど、貴方が許可してくれるのならば、今夜は私もそちらにお邪魔しても良いものかしら?」
「お部屋にですよね? 構いませんよ。大歓迎です。……ですけど、ユノさんがいらっしゃるのも珍しいですね。どうされましたか?」
「私事にはなってしまうのだけど、今宵は人肌恋しい気分なの。今夜はミネもノアも同伴で出てしまっているものですから、貴方の部屋にお邪魔することを思案していたのよ」
「なるほど。部屋にいらしてくれるのは大歓迎なので、ぜひとも今夜は泊まっていってください」
「ありがとう、柏島くん。……孤独に苛まれ、断崖に立たされた窮地の私へと差し伸べる救いの手。時間や場所を一切問うことなく、私という愚者であろうとも慈悲なる救済をもたらす貴方という存在に、心からの感謝を捧げたいわ。柏島くん、本当にありがとう」
お、おおう……。
炸裂したユノ節に言葉を失っていく自分。そんなこちらの様子にお構いなしとユノが手を差し伸べてくるのだが、未だシュラと揉みくちゃになっていたメーが横やりを入れるように口出ししてくる。
「ユノさん、今日お客さんの女の子にフラれちゃったんだもんね。好きな男の人ができたってことで、そっちに移られちゃってさ。それで寂しい気持ちになっちゃったんでしょ? ユノさん、分かりやすく悲しい顔してたもんね~」
「メー、貴女が私の寂しさを埋めてくれてもいいのよ? 何なら今宵、柏島くんの部屋で私に抱かれてもいいのだけど」
「ひぇっ……!!! そんなことされたら私、疲れで一日中動けなくなるんだけど……! ユノさんの何がヤバいって、ユノさんとヤったら体中の水分が無くなって天日干しみたいに干からびちゃうし、キス跡も全身について同伴先でめっちゃ困ることになるし、ユノさんとシた後って他の男じゃイきにくくなるから商売的にも影響出てひたすらにマズいんだってば……!!」
焦りながらも、律儀に説明してくれたな……。饒舌な分、ユノという人物の凄まじさを理解しているということなのだろう。
というか、人の部屋で勝手に盛らないでもらえるかな……。
ただただ汗を流しながら、彼女らのやり取りを眺めていた自分。そんなこちらの真横からは、いつの間にか歩み寄っていたハオマがこちらに向かって、キリッとしたサマでそう言葉を投げ掛けてくる。
「あの! 私もみんなについてっていいですか!? なんだか楽しそうだし!!」
「あはい、いいですよ。ハオマさんも大歓迎です。ぜひともいらしてください」
「え、嘘。本当に!? こんなおばさんもみんなに加わっていいの!? やったー!!! ……えへへ、これで私も若者の仲間入りだね~」
「いやいや、ハオマさんもまだまだお若いですって……」
「おやおやまぁまぁカンキ君。ほんと、お上手ですことっ。おほほ~」
バシバシッ。左手を口元に添えながら、右手でこちらの背中を叩いてくるハオマ。
あちこちでいろんなことが起きていて、とにかく忙しないよこの空間……。そんな風に、切実に巡らせたその言葉を内心で抱いていきながらも、自分はこちらから言い出す形で彼女らに帰宅を促したものだった。
場所はアパートの自室に移り、部屋に帰ってきた一同でお疲れ様の乾杯を交わしていく。
自分とユノ、シュラやハオマがチューハイを頂いていき、メーのみは缶ビールをグビグビと飲み進める光景。テーブルの上にはパック寿司が広げられており、慰労の晩餐会といった具合に彼女らは食事と談笑の両方を楽しんでいた。
酒の香りとメスのフェロモンが充満したピンク色の空間。魅惑とも言えるそれらにあてられることで、自分の酔いはどことなく加速していたような気がした。
……色々と刺激が強すぎて、なんだか眩暈までしてきたな。
頭がクラクラするような朦朧さを伴いながらも、メーやシュラの愚痴に相槌を打っていく自分。これに彼女らはご満悦なサマを見せてきた中で、缶チューハイを片手に持ったハオマがこちらに寄り掛かると、彼女はベロベロに酔った調子で、唐突にこちらの匂いを嗅ぎながらそれを喋り出してきた。
「うぇへへへへぇ~~…………ッスゥゥゥゥ。っんぅ~~……カンキ君、男の子のニオイするぅ~……」
「え、ええぇ……まぁ男ですから、そりゃあ……」
「立ち込める男気の香りぃ~……ムンムンする筋肉のむさくてたくましいニオイ大好きぃ~……。ねぇカンキ君~……このあとハオマお姉さんとぉ~……“この前の続き”、してみな~い??」
「ええぇ、この前の続きですか……?」
先日にも、路地裏で交わした彼女との熱烈な行為。互いの聖域を晒し合い、着衣した立ちの状態で本番寸前に至った大人のひと時。
こちらの反応に対して、ハオマは泥酔しながらもどこか誘惑する声音で、「私ねぇ~……あのあとカンキ君のこと、たっくさん考えちゃったんだぁ~」と答えてくる。それに自分は昂るものを感じながらも「あの、せめてそういう話はみんながいないところで……」とやんわり断っていくのだが、ハオマの言葉に誰よりも反応を示してきたのは、自分ではなくシュラの方だったものだ。
直後にも、真横から盛大にタックルをかましてきたシュラ。これに自分とハオマが二人でよろける中で、シュラは泥酔で顔を真っ赤にしながらも、酔いの勢いに任せた必死な様相で喋り出してくる。
「ニーチャァァン?!! ニーーチャアァーーン??! ジブンまさか、事務員のネーチャンともヤったんか!!? なぁぁニーチャンどないやねん!? 正直に白状しぃ!!!」
「お、落ち着いてシュラ……! ハオマさんとはまだそこまで行ってなっ……」
「まだ!!? っちゅうことは事務員のネーチャンともヤるつもりなんかワレェ!!! ……今までずぅぅぅっと我慢しとったけど、この際だからハッキリ物申したるッ!!! ニーチャンなぁ!! ウチっちゅう存在が居りながら、こないに付きっ切りなウチのコト差し置いて他のネーチャンらとエッチするの、ほんま許さへんでッ!!! ニーチャンなァ。この落とし前、どうつけるっちゅうんや!? なァ!?? こないに傍に、ニーチャンでオ〇ニーするエッチでド変態なオンナがおるっちゅうのにッ!! なァ!!?」
「こ、怖い怖い!! シュラなんか怖い!!」
シュラ、酔うと凶暴になるタイプの人間だ……!
自身の頭部をこちらの頬にグリグリ押し付けてくるシュラ。これに自分がもごもごと言葉を喉に詰まらせていくその最中にも、ハオマはハオマでニヘラ~とした無邪気なサマでそのようなことを口にし始めていく。
「そ~だぁ、前からずっと気になってたんだけどさぁ~、シュラちゃんって不動産にいる時から『オニーチャン』って人を探してたよねぇ~。あれから何年くらい経ったか忘れちゃったけど、シュラちゃんのオニーチャン、今もまだ見つかってないのぉ~?」
え?
突拍子の無い問い掛け。だが、自分としては初耳となる情報を聞いて、思わずシュラと共にピタッと止まっていく。
一瞬だけ、三人の間の空気が凍り付いたかのような静寂に包まれた。それからしばらくして、シュラは理解と同時に酔いが醒めたように見開いていくと、次にも彼女は目を逸らしながらそれを喋り出してきた。
「じ、ジブン、なしてそないな昔の話覚えてんねんッ!? ……そないな話、今更どうでもええやろが」
「あれ? てことはまだ見つかってないんだ。心配だねー、オニーチャンのこと。……う~ん? それか、シュラちゃんの言うオニーチャンって、実はカンキ君だったりするのかな~??」
「っ…………」
どこか、言葉を詰まらせるように息を呑み込むシュラ。
いや、でも自分には妹なんていないぞ? 一人っ子である自分は不思議に思いつつも、シュラを見遣っていく。それでいて、この視線が痛いほど突き刺さったのだろうか、シュラはちょっとだけこちらから距離を置いてくると、次第と彼女は口を尖らせながらそう返答を行ってきたのだ。
「……ウチには兄弟なんておらへんよ。せやけど、隣におるニーチャンは正真正銘、ウチのニーチャンなんや。……まぁ、なんや。ヤクザで言うアニキみたいなモンやと思うてもろてええ……」
「ふ~ん? そうなんだぁ~。シュラちゃん、オニーチャン見つかるといいねぇ~。……ちょっとカンキ君聞いてよ~。シュラちゃん、不動産にいた時ね、監視カメラをこまめにチェックして、オニーチャンって人を探し続けていたんだよ~。お仕事がお休みの日でもねぇ、私と一緒にお出掛けしてる時も、監視カメラをハッキングしてオニーチャンを探したりしててね、シュラちゃんって健気で一途だよねぇ。本当に可愛いなぁぁ~」
「ちょぉ、余計なこと言わんといて!!! ほんま、事務員のネーチャンには関係あらへんから!!」
どこか焦った様子で、ハオマへと返答するシュラ。これにハオマもキョトンとした表情でシュラを見遣ってくるのだが、次にもこちらの空気を読むことなく、いつの間にかベッドに寝転がっていたメーが泥酔した調子でこれを口にしてきた。
「ふにゃ……シュラぁ~~……。あんたぁ、まらカンキ君とヤっれないのぉ~?」
「な、なんや突然……っ! っちゅうか、運び屋のネーチャンにはそないなこと関係あらへんやろっ!! 余計なお世話っちゅうやつや!!」
「あはぁ~。れもれもぉ、ホスれスの中らとシュラが一番カンキ君ラブ勢じゃ~ん? そんな子がろ~してカンキ君とエッチしないのか、ちょっとらけ気になってたんらよねぇ~」
ベッドの布団に顔を埋めたメーは、アルコールで顔を真っ赤にしながらも、あざとい小悪魔な視線をこちらに送りながらそれを喋ってくる。これにシュラは、眉をひそめながら「そないなこと言われても、だって……」と言葉を濁らすように答えたものだったから、自分はそれを不思議に思い、つい、彼女のことを見遣ってしまう。
……こちらの視線に、戸惑いのような表情で困り果てたシュラ。彼女の反応に自分は「シュラ……?」と声を掛けるのだが、それに対してもシュラは「に、ニーチャンは気にせんといて……!」と言い、彼女には珍しくこちらを突き放すような仕草で拒否を示してきた。
酒も完全に抜け切ったような、シュラの焦燥混じりの横顔。
……ベッドの上では、寝転がるメーに音も無く近付くユノの姿。直にも、ユノは肉食動物が獲物を捕らえるかの如くメーに覆い被さっていくと、直後にも捕食されたメーは「んみゃあぁ!!?」という奇声を発しながら、敢え無く服を脱がされ始めていったものだ。
尤も、彼女らの戯れに目もくれることなく、自分はシュラを眺め続けていく。その視線に負けたとも言うべきだろうか、次第と彼女はこちらへ振り向いてくるなり、ちょっと気まずそうにした健気な上目遣いでそのようなことを問い掛けてきたのだ。
「……ニーチャン。ウチな、
「どうしたの? 何か悩みがあるのなら、俺に話してくれてもいいんだよ?」
「……ありがとぉ、ニーチャン。……ほなら、率直に訊くんやけど。もし仮に、ウチがニーチャンとエッチしたい言うたら……ニーチャンも、ウチとエッチしたいって、そう思うてくれるんかなって……。前々からな、そないなことをちょっとだけ気にしとったんや……」
先にも話は出ていたものの、いざ本人から訊ねられるとドキドキしてしまう。
……シュラとのエッチ。今までにも彼女とのオーラルな行為や裸を見てきた身として、その先に至りたいという思いが日に日に強くなっていた自分。しかし、本人の誘惑的な言葉とは相反して、彼女自身はこちらとの本番行為を気掛かりに思うサマを見せてきていた。
ここは素直に返事する場面だろう。彼女の問い掛けに自分は頷いてから、思いのままにそう答えていった。
「……シュラが良いのなら、そうしてみたいかな。今まで見てきたシュラの姿が、俺にとってすごく魅力的に映っていたんだ。だから……もしもシュラとエッチできるのならば、正直な話、してみたいな。そして、シュラとも幸せを共有し合ってみたい。……なんて、今のシュラの言葉を聞いて、俺はそんなことを思ったかな……?」
「…………っ、そうやったんやな。ニーチャンも、ウチとシたいっちゅう気持ち、あんねんな」
その瞬間にも垣間見せてきた、巡る安堵で見開いた、非常に晴れ晴れとしたシュラの表情。まるで、胸の内に秘めていたのだろう不安が全て取り払われたかのような、曇り切っていた顔つきが一気に晴れ渡った快晴が如き明るいそれ。
だが、直後にも彼女は感極まるあまりに泣きそうな表情を見せてくると、次にも乙女のように上ずった声音でその返答を行ってきたのだ。
「そうやったんやな……。ニーチャン、ウチとシたいっちゅう気持ち、あったんやな。……なんやろな。なんやろ……。なんか、めっちゃ嬉しいわぁ……っ。ウチもようやっと、ニーチャンに認められたような気がする。せやから……もうな、包み隠さず、ウチの本音をぶちまけたる。…………エッチしたい。ずっと我慢しとったけど。ウチ、ニーチャンとエッチしたくって、ずっと、ウズウズしとった……ッ。せやさかい、ニーチャンをオカズにオ〇ニーして。それを録画して。ウチで見返すことで満足した気になっとった……!! せやけど、せやけど……もう……ッ」
……私服のホットパンツの、股部分を両手で鷲掴みにして震え始めるシュラ。次にも彼女は唐突に涙をボロボロ零し始めていくと、呆気にとられる自分とハオマに見守られながら、シュラは打ち明けるかのようにその言葉を続けてきたのだ。
「ッ……ウチは、ニーチャンとエッチがしたいねん……!!! ニーチャンのことを思うとな、“ココ”が疼いて疼いてしゃあないんや……っ!! せやけど、ニーチャンはニーチャンで色々と忙しくしとるから、この気持ちをずっと我慢して、これをオカズにウチで処理し続けとった。けど……もう我慢できへんのや……! ウチがこないにして我慢しとる間にも、ニーチャンは他のネーチャンらと気持ち良くなっとって。そないな話を聞く度に、悔しく思うて、ウチな、ほんまに頭おかしくなりそうやった……ッ!!!」
「……シュラ?」
「ニーチャぁン……ッ。ウチの一生のお願いやぁ……! ウチのこと……抱いてほしいねん。ウチの裏切りが不動産の連中にバレて、ウチが始末されるより前に。一夜だけでもええから、ウチ、ニーチャンと愛し合いたいんや……っ!!! どないに大げさや思われてドン引かれてもええ……っ! そんだけな、ウチ、ニーチャンに全てを懸けて生きてきたんや……ッ!!! せやから……お願いやニーチャン。ウチの命に懸けて、どぉか、このお願いだけは聞いてもらえんかな……ッ!!!」
「わ、分かった! シュラ、俺とエッチしよう。そして、二人だけで過ごした尊い時間を、俺とシュラだけの思い出として、永遠に二人の記憶に刻み込もう。……一生の宝物になるように。二人でたくさん愛し合おう。だから、もう大丈夫だよ……。シュラにどんな悩み事があろうとも、俺はずっと、シュラの味方であり続けるからな……」
「うぅっ……。ニーチャン…………」
感極まるシュラを抱き留めて、力強い抱擁を行う自分。これにシュラも両腕を回してくることで、二人は思い出を作る約束を固く結んでいった。
彼女には、彼女なりの事情があったのだろう。その内容自体は知る由もないが、こうして自分自身をだいぶ追い詰めるほどの、真剣で、深刻な悩みであったことは確かだ。
ピンク色の空間で繰り広げられた、兄妹愛? のような熱いやり取り。これに自分は真剣にシュラと向き合っていたその中で、こちらの様子を眺めていたハオマはどこからかハンカチを取り出しつつ、「ブェエエェンッ!!! イイハナシダナァ~~~ッッ」と謎の号泣をかましていく。
で、ベッドの方はベッドの方で、捕食者の眼光で乙女の聖域を貪る半裸状態のユノと、全裸にされた挙句に、大切な部位を執拗に刺激されていたメーの喘ぎ声や噴水の音が響き渡っていた。
……いや、何なんだこの状況は……。
カオス極まっている……。一つの個室内で展開される情報量の多さに、もはや困惑してしまった自分。その状況下でもなお自分はシュラと同伴の約束を交わしていくと、未だ二人の美女が人のベッドで盛りまくる様子の傍らで、良い同伴場所があると提案を持ち掛けてきたハオマも加えた三人で、同伴の話し合いを進めたものでもあった。
次回はシュラとの同伴だ。それも、ミネに続く濃厚な夜の予感がする同伴になることだろう……。