転生先の学友がちょっとエッチな件 作:豪州侍
長政編と異なり、愛はないです。
昔、1人の少女がいた。
名を双葉と言い、その可憐な容色から江南一の美少女と呼ばれ、多くの六角家中の男を虜にした。
双葉は多くの男から言い寄られたが、最終的には付き合いのある平井家のもとに嫁いだ。
しかし、その結婚生活は長くはなかった。
夫が京で起きた天文法華の乱で戦死してしまったのである。
天文法華の乱自体は定頼様と延暦寺の軍勢で終息したが、戦さ場になった京は下京が全て焼かれ、上京も三分の一が被害を受けた。
それだけの大戦ゆえに、双葉のように夫を亡くした妻……後家が多く生まれることになった。
「此度の戦は勝つには勝ったが、多くの兵が失われた。家族を失ったものも多く、妻子が露頭に迷うものも出よう。義賢、どうにかならぬか?」
そんな状況を憂慮した定頼様が、当時嫡男だった義賢に問う。
すると、義賢は思案したのち次のように言ったという。
「後家を我らの屋敷にて女中として雇いましょう。武家の台所を担ってきた者たちゆえ、作法も家事もできる。禄を与えて食わせることもできる。一石二鳥でありませぬか」
これだけならば、慈悲深い良制だっただろう。
定頼様も大いに満足して、この義賢の案を受け入れたらしい。
だが、後の世を知るわたしからすると、定頼様は将来にとてつもない禍根を残してしまったと断言できる。
なぜならば、義賢は定頼様ほどの慈悲深さを持っていたわけではない。家督争いの種になりかねない元当主の兄の子孫を保護するなど、義賢にはできやしない。
義賢には、ただ打算があった。
当主が後家を養う制度……後に言う後家奉仕の制度さえ作ってしまえば、好きな時に好きなだけ美女を抱ける、と。
*
話は戻して、双葉は真っ先にその策略の手に絡めとられた。
平井家は六角の中でも六宿老の中に数えられる家柄で、屋敷の女中として雇うにしても充分な格があったこと。双葉自身が類いまれな美貌を持っていたこと、この2つが理由だった。
「義賢様、御容赦をっ!」
女中として迎えられた翌日。
早速、双葉は義賢に組み敷かれていた。
自慢の栗色の髪は布団の上に広がり、着物ははだけさせられてその乳房は露わになっている。
年は16歳。
いよいよ、絶世の美少女として開花しようとしていた時だった。
「ふぅ、聞けば一度契りを交わしただけで平井の小倅は戦さ場の露になったそうだな。もったいない。このような傾城に育ったというのにな」
言うと、義賢は双葉の乳首を舐める。
すると、双葉は「ひゃうっ!」と甲高い声で鳴いた。
「ああ、たまらぬ。俺の妻も悪くはないが、いかんせんそろそろ年でな。勃たなくなってしまったが、双葉。お前は良いぞ」
下卑た笑みを浮かべて、義賢は双葉の腹回りと乳房を撫で回す。そのいやらしい手つきはひどく熟れていて、亡夫とただ一度しか交わらなかった経験の浅い双葉はたちまち身体を火照らせていた。
「はあ、はあ、はあ……」
義賢相手に切ない声が自分の喉から漏れ聞こえてくるのを知る。
そして、最悪なことに近日は月の物の周期だった。
双葉は顔がさーっと青ざめていくのを感じた。
(……いやだ! あの人以外に抱かれるなんて、嫌だッ! ましてや子供なんて作りたくないっ!)
双葉は必死に身を捩らせて逃げようとするが、日置流弓術と大坪流馬術の双方を修めた義賢にとっては、子犬が暴れる程度の些事でしかない。
すぐに、容易く取り押さえられる。
「離してっ! 嫌だ! 子供だけは産みたくない! 離してよッ!」
「わざわざお前のために後家奉仕を作ったのだ。そう逃げようとするでない。もっと俺を楽しませてくれよ」
這いつくばる双葉を見て、義賢は嗜虐的に笑う。
憧れた少女を自分の意のままにできるのだ。
これほどの悦楽はないだろう。
(偉大なる父上の後釜。どれだけの苦労を強いられるか、わかったものではない。俺には才幹がないから、どうあがいても父上には勝てない。ゆえに後世に凡夫と謗られる。そう悲観していたが、好きなだけ女を抱けるなら当主も悪くはないッ!)
義賢は歓喜を爆発させ、双葉をさらに押さえつける。
そして、悪趣味なことに覗き込んで双葉の表情を観察していた。
「恐怖しているか。だが、素晴らしいな。並の美女ならば、流石に見苦しくなるものだが、美しい。どうしてお前の泣き顔は俺の逸物を滾らせるのだろうな?」
双葉としては「そんなの知るか」と怒鳴り返してやりたかった。
しかし、もう声が出ない。心が折れて嗚咽しか出てこない。
無理やりに脚をM字に開かせ、膣を義賢がいじる。
すでに濡れているが、もっと念入りにいじる。
その度に双葉の絶望が色濃くなっていく。
「我が妻とは一子しか作れなんだ。これでは跡継ぎとしては心許ない。感謝せよ、双葉。平井の後家といえど、佐々木源氏嫡流の我が子を孕むなど名誉なことぞ」
「ああ、素晴らしいぞ。こんな艶かしい音を立てるとは、余程の名器なのだな」
もう誰も聞いてはおらず、ひたすら独りよがりに義賢は恍惚する。
そして、双葉の膣が完全に湿りきったことを確認すると、義賢は膝裏に腕を通し、双葉を抱え上げた。
「ああ、あう……。ぐすっ……」
汗と涙と愛液に塗れて憔悴し切った双葉は、生来の美しさの他に退廃的な色気すらも醸し出している。その姿は義賢のイチモツを限界まで勃たせるには充分だった。
「ああ、辛抱たまらぬッ! 孕ませるぞっ! 双葉ッ!」
荒ぶるままに叫び、義賢は双葉の膣に巨大なイチモツを挿し入れた。
「いやああッ!? 痛い痛い痛い痛いッ!」
そのあまりのサイズの巨根は濡らし切ったといえど、小柄な双葉への負担は尋常なものではなかった。
あまりの痛さに双葉の朦朧とした意識は覚醒し、ついに今の自分が置かれている状況を再認識した。
(わたし、義賢に射精れてる……? ああ、熱い。熱いよ……!)
途方もない量の白濁が、双葉の子宮を灼いていく。
頭の中も真っ白になっていった。
一筋の涙が頬を伝う。
それを最後に、双葉は完全に意識を失った。
*
そうして、わたしは……六角次郎義定は生まれた。
当主・六角義賢の第二子。家督継承順位は二番目。
弓馬の英才教育を施され、弓では自惚れではなく家中第一の腕前を誇る。さらに容姿だってほとんどの子には負けない。
こう言えば、わたしはいかにも輝かしい存在に聞こえるだろう。
けれど、違う。
「おのれ、六角義賢……! このような恥辱をわたしに与えるなど……!」
わたしは母の呪詛を子守唄にして育った。
話を聞くには、わたしは生まれた瞬間に母に唾をかけられたという。
わたしは父にとってはともかく、母から望まれた子ではなかった。
だから、母はわたしを何度も殺そうとした。
けれども、あと少しというところで未遂に終わった。わたしが当主の娘だから守られる立場だったということもあるが、母は生まれてきたわたし自体に罪はないことを知っていることが大きい。
憎しみに呑まれても、最後はいつも正気に戻って「ごめんね」と涙を流すばかりで手を下すことはなかった。
母はわたしが6歳の頃に義賢に乱暴されている間に亡くなり、わたしは一人になった。
父上や兄上はいたけれども、母の刷り込みのせいで父上はもはや怪物にしか思えなかったし、存分に生母に愛された兄上は家族と思うにしては掛け離れてしまっている。なにより、家族として認識することで自分にもあの淫魔と同じ穢れた血が流れていると思いたくなかった。
その時、あいつはやってきた。
「そうか、お前も父さん母さんがいないのか。なら、俺も同じだな。独り身同士仲良くしようぜ!」
同じく、両親を亡くしていた六角新十郎。……のちの六角高村だ。
粗野でがさつで馬鹿だけど、家中の誰よりもわたしに近しく、唯一この寂寥を分かち合える相手だった。それが、どれだけわたしの救いになったかわからない。
けれど、一つだけ新十郎にも分かち合えないものがある。
(女人を弄び、母に消えない傷を与えた父上だけは許さない)
この、ぐつぐつと煮えたぎる仄暗い復讐心だけは到底分かち合えるとは思えない。だから、ずっとずっとひた隠しにしてきた。
こんな穢れた自分を見せたくはない。
見せたら最後、きっと新十郎に嫌われてしまうだろうから。