アラサカ防諜部に勤めるストレスは、尋常ではない。
バイタルサインは常に正常値を逸脱し、危険水準を指し示すアラームがひっきりなしに鳴る。その日もトラブル対応に追われて精神を擦り減らし続け、気づけばアラサカタワーを出る頃には、とうに0時を過ぎていた。
夜の深まったナイトシティの空が、色とりどりのネオン光で照らされている。ビルから吐き出されてくる人々が向かう先は、歓楽街だろうか。群衆は途切れることなく歩道を埋め尽くし、この眠らぬ街を闊歩していた。
普段ならば、あの群衆に混じって進みバーで一杯引っ掛けて帰るか、あるいは翌日を見越してオフィスに泊まっていたことだろう。それが彼女、Vことヴァレリーの日常であった。
それがここ最近変わったのは、自宅以外に心安らぐ場所を見つけたからだった。
愛車のクアドラを走らせ、ナイトシティの夜風を切り裂いていく。バイパスを抜け、ワトソン地区の高架道路の途中に、目的の場所はあった。
高級車ばかりが目につく駐車場の、お決まりのスペースにクアドラを滑り込ませると、Vはエンジンを切って、一息ついた。
目の前にあるのは、メガビルディングの高層階。ここに来るたび、Vはホッとする。それと同時に、高揚感で胸が熱くなる思いもある。これがドライブのせいでないことは、分かりきっている。
その証拠に、下腹部がじんわりと熱を持っていた。
(もう濡れてる……)
キロシに表示されるバイタル値が、目に見えて軽減されていくのが分かる。もはや慣れたとはいえ、自分の心の内を数字によって見透かされているのは、気分がいいものではない。しかし、それと一緒に、なにか背徳的な快楽が生じるのもまた、事実である。
Vは儀式的に息を整えると、車を降りた。向かった先は、愛人が待つ部屋だ。
"彼女"とは、アラサカタワー近くの、行きつけのバーで出会った。陳腐な表現だが、運命的な出会いだったと、Vは感じている。
なにせ、その時まで、Vは自分にレズビアンの趣味は無いと確信していたのだ。今まで寝たことがあるのは、男だけだった。なんなら、上司とも寝たことがあるが、どの男をとっても取るに足らないセックスばかりで、本質的に満足とは程遠かった。しかしながら、同性とセックスする自分を、想像することはなかった。
しかし、あの日からVは変わった。価値観が180度転換するような衝撃をその身に味わった。もっとも、正確に言えば、"彼女"は同性とも言い難い。なにせ、彼女は生まれ持った完璧な美を誇る、生身の女体の股間に、男性器をそびえ立たせていたのだから。
それでいて、彼女には女性器もあった。いわゆる、ふたなり、である。
彼女とのセックスは、これまでの経験が児戯に等しいとすら思わされるものだった。今までに寝たどんな男よりも、テクニックがあり、巨根で、絶倫、そして絶世の美人だった。どんなに出来の良いBDでも、彼女の与える快楽には敵わない。
Vは、たった一晩で彼女の虜になった。バーのVIPルームで体を交えたあの日から、Vは足繁く彼女の自宅に通っている。
高給取りを自認するVをして、遜色ないと感じる住居だ。彼女の収入源が気にならないと言えば嘘になるが、特に調べたこともない。アラサカ防諜部の人間がそれでいいのか……という脳裏のどこか片隅にある意見は黙殺する。
向かう先が破滅かもしれないと思いながらも、Vには目の前にある刹那的快楽から逃れる術がなかった。Vはエレベーターに乗り込むと、コンソールに向かって、目的の階へと指を滑らせた。
部屋の扉の前で、Vはもう一度深呼吸をした。心臓の鼓動が早くなる。興奮しているのだと自覚すると、さらに体が火照ってくる気がした。
インターホンを押してから、数秒後、鍵が開く音がして、Vは唾を飲み込んだ。
扉が開き、中から現れたのは、美女であった。
ブロンドの髪に、碧眼。身長170センチほどだろうか、その肢体は、まるでこの世の美を体現しているかのようだった。
薄手のミニタンクトップを押し上げる形の良い胸、引き締まったへそ周り、レザーのスキニーパンツに包まれた美尻。顔立ちも整っており、美しいとしか、言い表しようがない。
その出で立ちには、クールとセクシーが同居していた。彼女がヴァン神族の美の女神だと言われたとしても、Vは信じただろう。
そしてもう一点、一際目を引くのは、パンツにその形を浮き上がらせて存在を主張する、長大なふたなりチンポである。人目につかない、家の中でしかしない格好である。その光景を独占しているのだと思うと、Vの胸の内はまたいっそう、熱く煮えたぎった。
Vがこの世で最も愛する女性は、その容貌に相応しい微笑みを浮かべると、言った。
「おかえり、V」
彼女が口にしたのは、やや北欧訛りの英語だった。
「ただいま、ヘルガ」
Vは、逢いたくてたまらなかった、とばかりに彼女の名を呼んで、その体を抱きしめた。
彼女は優しくVを抱き返すと、頬にキスをする。Vはそれに甘えるように顔を擦り付けると、唇を重ねた。そのままなし崩し的に、Vは玄関の壁へと背中を押し付けられる格好になった。玄関の扉が閉じる音がした。
「ん……」
唇と舌で、互いの口内をまさぐりあう。切ない吐息が、鼻から抜けていく。ヘルガが左手をVの首の後ろに回したまま、右手をそっとVの下腹部へ這わせると、スーツ越しにもはっきり分かるほど、そこは湿っていた。
ヘルガが人差し指を上下させると、Vの腰が跳ねた。
「ふぁっ!」
途端に、甘い嬌声がこだました。
「フフフ、悪い子……」
我慢できなかった?――と、耳元で妖艶な声がささやく。Vは、答えずに、再び彼女の唇を求めた。ヘルガは応えるようにそれを受け入れると、Vの秘所を刺激し続ける。
Vの太腿に力がこもり、膝がくだけそうになる。それを察したかのように、ヘルガはそっとVの両肩を掴むと、壁に押し当てたままの姿勢を保った。
やがて、Vは耐え切れなくなった様子で、ヘルガに抱きつくと、懇願するように囁いた。
「ベッドに……連れていって」
ヘルガは、うっとりするような笑みを浮かべると、Vの手を取って寝室へと向かった。
Vをキングサイズのベッドの上へと優しく投げ飛ばすと、ヘルガはゆっくりと焦らすように、服を脱いでいく。ズボンの下から出現した逸物に、Vは生唾を飲み込んだ。クロームではない、本物の肉棒だ。Vの膣内を埋め尽くして尚余り、女の弱点を内側から耕し尽くしてしまう極上の女殺しである。Vは、はやる気持ちを抑えきれずに、自ら股を開いた。
「来て、ヘルガ……」
Vの懇願にも関わらず、ヘルガは意地悪だった。敏感な胸の先端を指で弾き、口づけると、舌で丹念に愛撫する。もう片方の乳首は、指先でカリカリと責め苛まれていた。Vの口から漏れ出る喘ぎが止まらない。Vが身をよじらせ、自慢の赤毛を振り乱すたびに、豊満な乳房が揺れ、乳首が勃起する様がはっきりと見て取れた。
イくか、イかないか、そのギリギリを攻めるヘルガの愛撫に、Vはちりちりと火花が散るような錯覚に襲われた。ひとしきり乳房を責め抜いて、Vがされるがままに喘ぐ様子を堪能したヘルガは、下半身へと愛撫の重点を移していった。
みぞおち、へそ、そして恥丘へと情熱的な接吻を落としていって、最後に辿り着いたのは、愛液の洪水のようになっている秘所だった。彼女の舌先が、器用にクリトリスを捉え、包皮ごと吸い上げると、Vはビクンッと腰を跳ねさせた。
「あああっ! そこぉ……だめぇ……♡」
「駄目じゃないでしょ?」
そう言って、ヘルガは容赦なくVの陰核を吸い上げながら、激しく舐め回す。同時に、指が二本、膣内へと挿し込まれて、Gスポットを圧迫し始めた。
「いやぁっ!!♡ あああっ!!♡」
突然訪れた快感の大波に、Vは甘ったるい絶叫を上げた。脳天まで貫かれるような強烈な感覚。それはすぐに収まったものの、余韻だけでVを絶頂へと押し上げるには十分すぎるほどだった。
いとも簡単にVを絶頂へと追いやって、ヘルガは愛液で濡れた指先を見せつけるように、ねっとりと舐め取って見せた。それを気怠げに見上げるV。まさに二人の関係を象徴するような光景がそこにはある。
「ヴァレリー。愛してる」
不意にいつもの愛称ではなく、本名で呼ばれ、Vの背中をゾクゾクと粟立つような快感が駆け巡った。ヘルガは再び唇を奪うと、唾液を流し込むようにして、自分の体液を分け与えた。Vはそれを拒むことなく飲み下すと、そのままヘルガの剛直を自らの膣内に迎え入れた。
ヘルガのペニスが女殺しなら、Vのヴァギナもまた、男殺しの名器である。彼女の膣内に押し入って、優しく迎え入れられ、チンポをダメにする心地よい締め付けにさらされて、夢中にならない男はいなかった。ヘルガもまた、例に漏れないだろう。しかしそれでもまだ余裕があるのは、さすがはVを堕としたペニスの持ち主であった。
ヘルガは、まるで恋人同士のようにキスを交わしたまま、腰を前後に動かし始める。その度に、基幹システムを破壊されんばかりの快楽が駆け巡った。痛覚エディターやその他諸々のクロームの機能を切って、ありのままの感覚を受け入れているのは、信頼しているからこそだ。極上の名器は諸刃の剣でもあり、膣内を専用のペニスケースに躾けられてしまっては、締め付けるたびに圧倒的な存在感の前にひれ伏すのみである。Vは、もはや自分が何をされているのかもわからない状態で、ただひたすらに嬌声を上げ続けた。ヘルガの剛直は、奥の奥まで挿入され、子宮口をノックし続ける。身を焦がすような快楽が、延々と続くのだ。
「ああ……いいわ。最高よ……」
Vの耳元で、吐息交じりの囁きが聞こえてくる。それが自分に向けられているものだと認識したとき、Vは言いようのない幸福感に包まれていた。もう、何も考えられない。気持ち良い。もっと欲しい。
「ねえ、V、私と一緒にイってくれる?」
「ええ……♡」
Vは、ほとんど無意識のうちに、そう答えてしまっていた。それを聞いたヘルガは満足気に微笑むと、一層激しいピストン運動を開始した。パンッ! パァン! という肉を打つ音が響き渡る。Vは、全身を貫く衝撃に身を震わせながら、
「ああっ!♡ ああんっ!♡」
と、甘い声で鳴いた。口端から流れ落ちる快楽の証を拭うようにキスを交わし、二人の美女は激しく水音を立てながら、体液を交換していく。
Vはいよいよ意識が飛びそうになるのを感じながらも、なんとか堪えていた。ヘルガが一際大きく突き入れた瞬間、ポルチオが陥落した。
「おッ♡♡♡」
絶叫と共に、Vは大きく仰け反り返ると、ビクビクと痙攣しながら絶頂を迎えた。それと同時に、Vの膣内で、ヘルガが果てた。熱い奔流が、Vの胎内を満たしていった。
Vの身体が、絶頂の余韻に震える。長い、長過ぎるほどの吐精の後、ようやく引き抜かれた逸物は、未だ硬度を保っていた。Vのヴァギナはぽっかりと開ききっていて、そこから漏れ出る白濁液は、その濃厚さを物語るように、なかなか流れ落ちないほどだった。
どっぷりと出された重たい精液を胎に感じながら、Vは甘く切ない吐息を漏らした。下腹部に手を当て余韻に浸っていると、くるりと体をひっくり返されて、尻をヘルガへと向ける格好になった。
尻を掴まれ、熱を持った逸物が押し当てられる。今宵の情事は、まだ終わりを告げてはいなかった。
「…………♡」
Vが背後に流し目を送ると、ヘルガは覆いかぶさってきて、強引に唇を奪い、口腔を蹂躙してきた。互いに快楽を貪り合い、愛し合う。
Vは、心の間隙が満たされていくのを感じていた。今のVは、ただの女だ。
常に競争の中にあり、謀略渦巻くブラック労働へと身を投じるエリート社員の姿でなく、ただの一人の女として存在することができていた。
それは、どれほど幸せなことだろうか。このナイトシティでは、知らないままに死んでいく人間が大半だ。
ナイトシティの荒波に揉まれ、疲れ果てた人間にとって、ヘルガが与えてくれるものは、劇薬だった。
ヘルガが、再び抽送を始める。今度はバックからの体勢で、後ろから乳房を掴みながら、激しく突いてくる。先ほどとはまた違う角度での刺激に、Vはまたしても翻弄される羽目になる。「あっ!♡ はぁっ!!♡」と甘い喘ぎを垂れ流すだけの肉人形と化したVに構わず、ヘルガの腰は止まらない。
やがて二度目の絶頂を迎えたヘルガのペニスから、大量の精子が流れ込んできて、Vの子宮内を満杯にした。Vはその感触にすら甘イキしてしまい、もう何度目かわからない絶頂を迎える。そのままぐったりとベッドに身を沈めたVだったが、さらなる快楽に身を跳ねさせ、ガクガクと震えた。
膣内を占有する巨根が、その存在感を主張している。二度の射精を経てもなお衰えぬその逸物を抜かずに、ヘルガは再び腰を動かし始めたのだった。
「アッッ♡♡♡♡♡♡♡」
Vが悲鳴を上げる。寝バックは、Vが一番好きな体位だ。
「あっ♡♡♡あーーーーっ♡♡♡♡」
快楽から逃れるすべなく、ベッドのスプリングに合わせて、ドチュ♡、ドチュ♡と子宮口にピストンが叩き込まれる。長大なペニスが引き抜かれる際にも、凶悪なカリ首が快感の爪痕を残していく。
獣のような姿勢を強いられ、逃げ場のない快楽が延々と続く。膣内のヒダというヒダが擦られ、子宮口がノックされる。快楽神経の塊であるクリトリスがシーツに押し付けられていて、絶え間なく責め立てられ続けている。
Vはもはや、自分が何をされているのかもわからなかった。ただただ気持ちよくて、幸せで、何もかもを忘れ去ってしまうことができる。Vはその快楽に、身を委ね続けた。口端からは涎を流し続け、あへあへと喘ぐことしか出来ない。
意味のある言葉を発することも出来ずに、獣のような喘ぎ声が室内にこだます。快楽に溶け切った瞳には、もはや理性のかけらもなかった。
そんな状態になっても、膣奥を執拗に攻められ、Vは鳴かされ続けた。
「……♡♡♡ ――――♡♡♡……………ッッッ♡♡♡♡」
もはや喉が枯れてしまったかのように、声にならない嬌声を上げ、Vは断続的にイき続けた。
「ん……そろそろ出るわ……」
そう言うや否や、腰の動きが激しくなる。パン!パン!!パン!!!と肉同士がぶつかり合う音が響き渡る。
Vには、返す言葉もない。ただただ、打てば響くように喘ぎ声を返すだけ。
そしてついにその時が来た。
最奥で、ヘルガが濃厚な白濁液を解き放つ。
ビュルルルルーー♡♡♡♡♡♡ビューーーーーー♡♡♡♡♡♡♡♡♡
(お゛ッッもッッ♡♡♡)
Vは枕に口を埋め、白目をむきそうになりながら、重さを感じるほどの大量射精を自らの子袋に受け止めた。
(孕む♡♡♡孕み袋になる♡♡♡♡♡♡)
ドクンドクンと脈打つ感覚すらわかるほど濃密な精だった。不健康な生活からくる慢性的な生理不順でなかったとしたら、確実に孕んでいただろうことを想像して、Vは自らのたくましい脳内映像だけで再びイッた。
長い射精を終え、ヘルガのペニスがようやくヴァギナからずるん……♡と引き抜かれる。とぷ……♡♡♡と白濁した愛の証が流れ落ちた。濃厚なそれは、鈴口の先からチーズのように糸を引いて、ペニスとヴァギナの間に精液のアーチを形作るほどだった。
ベッドに縫い付けられたVは、すでに気を失っていた。それでも尚、Vのヴァギナはひっきりなしに潮を吹き出し、愛液と精液の混合液を作り出していた。
そして、ヘルガの股間の逸物も、まだ硬度を持ち、角度を保っていたが、情事の終りを悟ると、やや半勃起になって、俯いた。
ヘルガは、Vの髪を撫ぜると、そっとキスをした。そして、Vの下腹部に手を伸ばすと、子宮を肌の上から、手のひらでマッサージしてやる。すると逆流した精液が溢れ出てきて、シーツを汚し、精液だまりをつくった。
Vは気絶していても、時折ビクンと身体を震わせていた。
ヘルガは、Vの頬を優しく叩く。しかし、反応はない。どうやら完全に意識を失っているようだった。やり過ぎたかなと思いつつも、ヘルガの心には満足感が広がっていた。
「お休みなさい……」
Vを抱き寄せて横になると、ヘルガもまた眠りについた。
***
Vが目を覚ますと、息を呑むような美貌が目の前にあり、自分を見つめていた。
「おはよう」
碧の瞳で見つめられ、Vは昨晩のことを思い出し、生娘のように赤面する。その様子が、たまらなく愛おしい。くたびれた美女――それもエリートアラサカ社員――をセックスの虜にする醍醐味がここにある。
ヘルガは昨晩の情事をもっと思い出させてやろうと、キスを迫った。Vは抵抗することなくそれを受け入れた。舌を差し入れ、互いの体液を交換し、絡ませ合う。
ちゅっ……♡……れろ……♡……れる……♡ 淫靡な水音を立てながら行われる大人のキスに、二人は夢中になった。
やがて、名残惜しそうに、どちらともなく唇を離すと、おはようの挨拶代わりのキスは終わりを告げる。
「今日は休み?」
体を少し起こして、ヘルガは聞いた。それにVは、天井を見上げて、気怠げに答えた。
「今日はリモート出勤よ」
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ジュディ
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パナム
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