夏の夜、学生がすることといえばなんだろうか?
花火、BBQ、キャンプ……まぁイロイロあるがオレらがやってるのは違う。
一際おっそろしい廃トンネルでの肝試しだ。
もうかれこれ30年は前から使われなくなり電気等も通っていないトンネル。
異世界に繋がっているとかっていうバカな話もあるが……
開通していた当初の口伝では通ったものは呪われる。
幽霊を見ただとか……まぁそんなのが多数あがっているらしい。
近所の物知り婆さんがそんな風に語っては居た。
そんなコトはありはしない、臆病な連中が言い出したこと。
オレはそんな臆病なヤツじゃないってコトでこの肝試しを企画した。
臆病者の誹りを受けたくなければ廃トンネルに入ったあと暫く進んでトンネルの壁に落書き。
そしてソイツを撮ってから帰ってくるというもの。
どれだけ長く進めたかでソイツの度胸って言うものが分かるよな?
向こう側まで歩いていったならそれはそれで上等だろ。
「集合っつってたのにだーれもいねぇ……腑抜けどもが」
深夜1時、眠いのを我慢しながらやってきたのは山中にある廃トンネル。
滅須鳴トンネル、まぁ割と有名な心霊スポット。
集合の手筈だったが誰もいない、オレだけだ。
さっきSNSグループで呟いたのには既読がきっちりついているから起きているハズ。
なのに来ないということはクソ腑抜けがビビったな……?
「まぁいい、オレが男って言うのを見せてやるよ」
夜空よりも真っ暗でどこまでも吸い込まれていきそうなトンネルの中。
懐中電灯の明かりを頼りに進んでいくことになった。
非常に暗く懐中電灯の明かりがさしてない自分の身体も見えない程だ。
こりゃ怖くなったのが幽霊とか騒ぎ立てるのも頷けるな。
スマホでちょいと撮影してみても……うわ、なんだこりゃ?
「スマホの画面がおっかしいな……」
見たこと無いレベルで画面がチラついている。
ノイズが走っているって言っても良いな。
まぁ数年前のスマホだし今ガタが来た……って言うのは苦しいな。
流石にこりゃなにかやべぇ……そう思う。
急いで壁に落書きしてから出ちまおう……スプレー缶は……
ゴソゴソと持ってきていたメッセンジャーバックを弄るオレの首筋に冷たい息が掛かったのはその時だった。
ゾッとするオレの顔にこれまた冷たい手が覆い被さり……気がつけば気絶していた。
恐怖からの物ではない、もっと対外的な要因だと思いたい。
目を覚ましたオレはトンネルの出口に寝かされていた。
起き上がってみるとこれまた身体が変だ。身体が妙に柔らかい。
頭と胸が重い……スマホで自分を見てみれば驚愕も驚愕。
ゲームキャラクターの美少女そっくりになっていた。
頭髪は黒から茶髪にピンクの差し色がされたツーサイドアップ。
髪留めは猫耳風、眼はえらくぱっちりしていて赤と青のオッドアイ。
首元には鈴付きのチョーカー、衣服も変わっていてピンクのパーカーを羽織った女子高生服だ。
緩く結ばれているリボンタイ、第3ボタンまで外されているブラウスに足元のルーズソックスがギャル感漂わせる。
「なしてドルフロの……しかもスキン衣装」
思い当たるキャラクターは1人、ドールズフロントラインに登場するMk-23だ。
身体がそうなってるのは驚きだが……銃はないな、うん。
持ち物はそのままオレの物だ……バッグはスクールバッグにかわってる。
そっくりっていうのは中身がオレでMk-23本人じゃないのがあるが……
無視できない差異が一つ存在する、胸のサイズだ。
Mk-23はそもそも中々に大きなおっぱいを持っているロリ巨乳に分類できるキャラだ。
ハロウィン衣装の破壊力はかなりあるし今の学生服でも抜群の破壊力を持っていた。
だが、今のオレの身体は……それらを上回る巨乳の代表格M37にも匹敵するデカパイだ。
「うっわデッカ……重い……」
両手使っても掴みきれない大きさに感動するけれども……あまりの重さに眉を顰める。
小さく細く華奢な身体に凶器とも言える巨乳、最高のオナネタだと思う。
しかしながら……自分がなるのはねぇな……
「……周囲の雰囲気も違うしスマホは完全に圏外か」
夜空の雰囲気もどこか違う、道端のガードレールも白い塗装が完全に剥がれ錆が浮かんでいる。
標識もほとんどが見えない……唯一舗装がマシな道をいくしかねーか。
たしかこの道は……近づくなって言われていた村か。
ま、まぁ一晩だけ世話になるだけだから……
――――おいでませ、滅須鳴村へ
ひっじょーに薄気味悪い村だ。
建物はほとんど木造、古い雰囲気を醸し出していてちょっと蹴ったら崩れそうなほど。
金属部品は軒並み錆ていて道端の草は刈られていないのか伸び放題。
そのクセ街灯はぼんやりと点いていて道を照らしている。
この街灯も例に漏れず錆だらけ……メンテとかどうしてるんだ?
ま、まぁとりあえず……交番がある!やりぃ、そこでちょっと泊めてもらおう。
「すいませー……んぇ……」
ボロッボロの木造交番に居たのは灰色の肌をして眼が窪んだ……ずんぐりむっくりなオッサンだった。
大凡まともな人間じゃないのはひと目で分かる。
ゾワッと身の毛がよだつ、鳥肌が立って身が竦む。
「カミサマが言っタ新しイご奉仕役はオメェだなァ?」
ぎょろっとコッチを見たと思えばオレをなにか勘違いしているのか……
どっかり座っていた椅子から立ってこっちに向かってくる。
衣服はお巡りさんだけど……これ、古くないか!?
と、ともかく逃げ、逃げないと……あ、やべぇ身体が竦んでまるで動かねぇ……!
「ん~身体細いしちっこいなオメェ……乳はデカいから搾るのには困ら無さそうだなぁ……」
「う、うわ……離せ、降ろせよ……!!」
まるで動けないオレを軽々と抱えると村の奥へ奥へと進んでいく。
……うぇ、すげぇ臭い。腐敗臭が半端ないぞ。
ジジくさい親父でもここまで臭わねぇよ!どうなってるんだ。
それに乳を搾る?おいおいエロ同人じゃねぇんだから……母乳とか出ねぇぞ?
抱えられてポコポコ叩いてはいるけれども全然怯むことがない。
「今までのご奉仕役モみーんナ最初は嫌がってたケドなァ……キットすぐに馴染むから安心シロ」
1ミリも安心できない言葉でゲヘゲハと笑いながらオレを運んでいくオッサン。
村の奥には洞窟がありその中にはまぁこれまた錆だらけの牢屋……
オレはそんな牢屋に閉じ込められてしまった……見た目に反して鉄格子は硬くびくともしない。
一晩だけと思ったらえらい扱いを受けているし……どうしたものか。
ガックリと項垂れるオレの背後で……何かが蠢いた気がした。
耳がおかしくなったのかと疑ったが……ソイツはオレの背中にのしかかってきた。
オレよりもデカくガリで節榑だらけのよくわからない人っぽいなにかだった。
オッサンよりも不気味で両目にあたる窪みからはダラダラと緑の液体が溢れていた。
「ひっ……」
耳にあたる部分から触手が飛び出ている……どう見ても怪物だ。
オレが見ると口からも触手が飛び出してえらくグロテスクだ。
喰われる……って訳ではなさそうだがロクでもない事になるのは間違いない!
スリスリと頬ずりしてきていて愛情表現をしているのかなんだか分からんが……
両手はオレの胸をタポタポと揺らしていているし……
「うっ……何すん……ぅぇ」
ある程度胸をタポタポ揺らしたと思ったら肩を掴んでひっくり返してきた。
仰向けに寝かされて胸が重いし服によく分からんキショイ液体が付く。
睨みをつけようとするオレに対して顔を胸元に寄せてきて……触手が首元から入り込んでくる。
あ、あんまり意識してなかったがノーブラだ、直接肌の上をヌルっとした触手が這い回ってくる。
それに口の触手、意外と器用にブラウスのボタンを外していきやがる……脱がされちゃいないが……気持ち悪い。
ゾワゾワと背筋に悪寒が走るが怪物を押しのけるのは……重い!
コイツ、意外と重いぞ……!見た目はクソガリなくせに……!
「うわ、マジかよ……化け物め……」
肩口が盛り上がったと思ったら腕がさらに生えてきた。
ガリガリなのは変わらないが質感が触手のヌルテカな感じ!
そして若干ちっこいな!もしかしなくてもだが……
「うぇぇ……胸を揉まれる感覚なんて味わいたくねぇよ……!」
まだこれが普通の男なら……良くねぇな!
男が男に胸揉まれて喜ぶかよ、バーカバーカ!!
男が揉んで喜ぶのは胸を触ったりケツを触ったりだよ!!
……今はオレの身体女だけどさぁ!!
赤ん坊みたいなちっこい手で鷲掴みにされるとか悍ましい体験だよ。
それに化け物の触手が這い回る感触もあってトラウマになりそうだよ。
「くっ……このっ……!」
ダメ元で化け物の首を叩くも一切意に介さない。
なんてこった……ま、まぁコイツ今のところは胸にばっかり執着してるから……
我慢したらなんとかなるだろ、なんとかなる……
触手に先端食いつかれたけど……なんともない、なんともない。
過剰に反応することはないんだ……
「な、なんだよ……んぶぅっ!?~~~~っっ!?!?」
胸にご執心な化け物がオレの顔を見上げたと思えば口の触手をオレの口に突っ込んできた。
胸からも離れてオレの頭をガッチリ固定して……
生臭さと喉いっぱいに広がる触手の気持ち悪さ、このまま殺されるんじゃないかという恐怖でオレは……意識を手放した。
ムニムニと揉まれる胸の感触が最後までオレを苛んでいた……