KAN-SENをもっと身近で親しみやすい存在だと知ってもらおう。
たしかそんな試みだったかしら?歌ならば文化、文明に左右されずに伝わる。
それでもって……艤装に音響をつけてみたら妙な性能がでてそれから……μ兵装って言う形で出来たのだったかしら?
あまりそこら辺は重要じゃないけれど、まさかね……
「姉さんがトップバッターだったけど、私にも来るとは思ってもなかったわ」
μ兵装を扱うのはアイドル、偶像……歌って踊ってステージ上で魅力を振りまき観客を虜にする歌姫。
アイドル活動っていうのにはちょっとばかり興味もあったわよ?
あのツンツン金髪まな板が楽しそうにしていたんだもの。
ボーカルレッスン、ダンスレッスン……まぁこの辺りは予想していたし、メニュー自体は……
戦闘訓練と比べると別ベクトルの辛さがあるけれど、楽しいからそうキツさは感じなかったわ。
「いざ終わってみるとなんだかあっという間だったわね……」
今はステージパフォーマンスのあと、控室に戻ってきて休憩中。
戦闘中の熱気とは一切違う異様な熱気が私達を包んだ。
以前はステージの下や外から見るだけだったけど、あれは……中々緊張したわね。
こんなの鉄血のカタブツ相手にプレゼンする時以上だわ、ふふ……
こういう緊張は……良いわね。姉さんが影でコソコソニコニコしながらSNSで発信したりするわけね。
「さてと、次が個別握手会とチェキ?」
歌って踊って、会場の熱で火照ってる身体で密着?
いざ自分がやる側になると結構気恥ずかしいわね、握手は良いけれど。
チェキって一緒に密着して一枚撮るんでしょ?
汗はそこまでだけど……香水はちょっと振り直してからにしましょ。
物思いにふけっていた私はちょっとばかり出遅れてたし、小走りで握手会場に向かった。
握手会の雰囲気もそう悪くはなかった、一度目のステージですっかりファンになったっていう人が目を輝かせて握手してくれる。
まぁ中にはちょっと……ウッとなる人も居たけど、好意の塊だからそんなのは一瞬だけ。
握手して、体を寄せて……一緒に一枚。手でハートを作るチェキが人気だったわね。
子供から大人まで……ふふ、子供にはこの衣装は刺激が強かったかも知れないわね、真っ赤になってる子がいて可愛かったわ……
もうちょっとイタズラしてあげても良かったけれど……それはまた今度。
まぁ……ドサクサに紛れてこっちもイタズラされたりしたけど。
腕を回して抱き寄せてくる人も居たけど、中にはお尻を触ったりしてくる輩も居た。
台無しにはしたくなかったし……笑顔でスルーしたけど、スタッフには注意しておいたほうが良いかしら?
ただ、この波風を立たせない対応が後々のオイゲンに牙を向くことになった。
大掛かりなステージパフォーマンス、ストリートライブ……はたまたソロでの公演。
日増しにアイドル活動が多くなっていった……それと同時に、その後のファンとの触れ合いでのお痛も増えていった。
スタッフも咎める様子もなかったし……もしかしてアイドルってそういうものなの?
ちょっと見くびっていたかも知れないわね……けど、この程度はまぁ……我慢できなくはない。
そう思っていた。
「……ちょっと、コレはどういう事かしら?」
「どういう事も何も、ファン交流パイ揉み会だが?」
あまりの事に思わず天を仰いで顔を覆う、頭の悪い交流イベントが開催されるなんて聞いちゃいないわよ。
企画書……レッドアクシズの上層部の許諾も出ているし、何なのよ……!
「乱交ドスケベ交流会のほうが良かったか?」
「何も聞かなかったことにするわ……お酒でも飲みたくなってきたわ」
アイドルってそう簡単に身体を許して良いものなのかしら?
特に誰かと付き合ってるわけじゃないけど……はぁ……
ちょっとSNSでエゴサしてみようかしら……まだイベント開始まで時間があるもの。
……思わずそっ閉じ……ブロマイド写真にぶっかけられてるのを見たら流石に滅入るわよ。
……スタッフに任せてる発信用のSNSの方は……うわ、なにこれ。
ちょっとばかりアイドルと……ドルヲタ男っていうのを見くびっていたかも。
かなりの数のセクハラが飛んできてる……もしかして、求められているのはそういう慰安なのかしら?
同ユニットのフォーミダブルの方も……あらまぁこっちがもっと酷いわ。
「お互い大変な事に巻き込まれたわね……っと即既読、あぁ良かった私だけがイカれてるのかと思ったじゃない」
JustagramのDMでやり取りしてみれば向こうも今日別な公演で……同じようなセクハラ交流会が……
アイドルの通過点とか説明されたって言うけど、嘘を言うなって感じね。
親しみは持てたでしょうけど……これは過剰ってものだわ。
あとで意見陳述しておきましょ……気乗りはしないけど、やりましょ。
交流会の雰囲気ははっきりと言って異常な熱気。
入ってきた段階でズラッと並んだ……見るからに興奮してる男達の海。
鼻息荒くして目線は……私の顔と胸を高速往復。
お触り以上のことは厳禁としてるけど、あの倫理観が終わってるスタッフと上層部だと違反者が出ても特に咎めないでしょうね。
「はいはい、押さない押さない……順に並びなさい、あんまりがっついても損するだけよ?」
鎮めるのは無理そうね……大人しくセクハラされて……熱りが冷めるのを待ちましょう。
そーら一人、馴れ馴れしく抱き寄せてきて……胸を鷲掴みにしてくる。
イヤね……けれど、これで抵抗したら他に迷惑がかかるもの、我慢できる物だし……
「ぁん……意外と大胆な事するのね?」
適当にちょっとおだてて、満足させて変な事をさせないようにしましょ。
自分がしてるのはスゴイことだって勘違いさせれば……
むにゅむにゅ……♥
……そうね、このセクハラしてるファンを人間と思わないでワンちゃん、猫ちゃんだと思えば苦でもないわね。
フン、鼻息荒くして……チェリーなのが丸わかりね。
気持ち悪さが先行していたけど、案外可愛げもあるかもしれないわね。
「ほら、カメラの方向いて、一緒に撮るわよ?」
ちょっと毛色は違ってきたけど、アイドルとファンとの交流会なのは変わらない。
なら、やることは基本同じ……笑顔を振りまいて、コイツラ全員のハートを掴めば良い。
「なぁに?ぎゅーっとして欲しい?」
要望もちょっとばかり……スキンシップが激しくなるけれど、スタッフはGOサイン。
……ワガママな猫ちゃんに構うようなものね。
やっぱり後でしっかりシャワー浴びておきましょ、胸元でふんふんと荒く息されるとちょっとキモいわ。
何事もなく進んでいったかに思えた交流会だったが……オイゲンの予想通りとも言うべきか、一部のファンが暴走した。
アイドル衣装に身を包んだオイゲンの醸し出す色気、至近距離で胸を揉んでも怒られない雰囲気。
タガが外れるには十分な土壌だった。
暴走が始まると我も我もと押し寄せ……会場はおさわり会場から一転、乱交会場へと変わった。
「……ふー」
当のオイゲンはと言えばやっぱりか……といった風の諦めムード、達観している様子だった。
抑えきれず、色欲まみれのファンに囲まれた段階でため息を吐いていた。
だが、それを気に留めるファンは居ない……今のファン達はオイゲンの魅力的すぎる肢体に夢中なのだから。
スタッフも気にも留めない……予定通りとすら思っている。
今ここに集まっているファンはファンクラブの中でも特等セクハラファンレターやリプを飛ばしてきていた連中だ。
金もじゃぶじゃぶ溶かしている大口の客と言っても良い。
「一人一発で満足しなさいよ……」
こうなったならもういっそ楽しむくらいでなければ……と気持ちを切り替えていった。
猫の大群に襲われてペロペロ舐められている程度に思ったほうが良い……とも。
一人、二人と前後からオイゲンを挟み込み、抱え上げ……ショーツを脱がせてしまう。
黒に赤の縁取りのぴったりなショーツだ。
片足に引っ掛けながら……ファンたちは熱狂に任せオイゲンを抱いていく……
誰が最初に……喘がせられるか、そんなレースもしつつ……
にちゅ、ぱんっぱんっ♥♥
「ふっ……ふっ……」
処女ではない、それなりに男遊びを識っている。
オイゲンはただひたすら……どうせならば上手いヤツが居ないか……などと考えながら身体を好き勝手させていた。
……満更でも無さげなのはファン達だけだろうか?
「ん、もう射精したの?早すぎるわ……次はもうちょっと頑張りなさい、ボ・ウ・ヤ♥」
なんだかんだと……オイゲンもまた姉、ヒッパーと同様でノリノリでやり始めていたのだ。
ヒートアップしていくファン……存外乗り気になってきたオイゲン……
乱交会場が真っ白になるのは時間の問題か……