ぼんやりと目が覚める。
目を開ければ……明り一つ無い廃墟としか形容出来ないコンクリート打ちっぱなしの内壁、天井……
錆の後が滴り落ちたサッシ……底冷えする空気が全身を撫でる……
跳ね起きなければいけない、そう思ってもどこか気怠い。
おかしい、私は……こんな所で寝ていたの……?
目が覚めてきたら今度はずーんとくる頭痛がして額を触る……
「なに、この手……声も、違う……」
白く細く……しなやかな掌は違う、私の掌ではない。
一つの違和感に気がつけば連鎖的に身体の違和感に気付いていく。
髪の毛も胸元も股間も……私を構成する何もかもが違う!なんだこれは……なんだこれは……!!
たまらず眼下を見下ろしてみれば……白磁の肌で築かれた大きな壁があった。
恐る恐ると股に手をやれば……あるべき物がなく、あってはならない割れ目の感触がある。
目眩がする……この動悸は間違い無く私の物だ……だが、だが……
起き上がりふらふらと立ち上がってみれば身体の全貌が見えてくる。
声はどこまでも透き通った鈴のような声で無垢な少女が出すべき物……
『せんせー、すきぃー♥』
衣服や髪色からも十中八九間違い無いとみている女の声が脳裏を過る。
人成らざる者であり、文字通り基礎もなにもかもが人為的に生み出された架空の中の虚像。
……私は……ない、無い……ないっ……私の記憶も殆ど無いではないか……!
私は、何処へ行ったんだ……どこから来て、この身体に押し込められた……!?
震える手で頭を抱え……乱れていく呼吸に身を任せ……恐怖に打ち震える。
何をもってして自分とする? 私は……それまでの積み重ね、連続した自己の記憶、経験を持って自分と……思いたい。
それが霧散したならば……残るのは形容しがたい恐怖だ。
いっそ……死んだも同然ではないか、確かにあるのはアンカレッジという少女の容姿、振る舞い……
そして……私が以前は男であったというどうしようもなくぼんやりと霞んでしまった記憶だけ……!
「違う……違う、違う、違う……!!」
頭を掻き毟り否定しても……何も変わらない。
この胸を満たす不安も恐怖も一切良くなりはしない……
けれども……爆発しそうだった感情は……いくらか……スッとしたような気がする。
泣き喚くのは……心の防衛反応、だったか?
「はぁ……現状把握をしよう」
身体は女の子、声や……このミルク色の髪から察するにアンカレッジなのはほぼ間違い無い。
衣類も……見覚えがある、アンカレッジの結婚衣装だ。
純白で所々シースルーの薄い素材……純白で無ければ可愛らしいワンピースに見えるだろう。
……胸元の解放ぷりは流石アズールレーンとしか言いようが無い。
首に繋がるリードも健在だ……取れないな、はぁ……適当に丸めて……胸の谷間に押し込むか。
身体能力は……見た目相応、非力な女子そのもの。
手近に転がっていた鉄パイプもろくに振れたモンじゃ無い……連続でふれても二回が限度か。
身体はそんな状態……メンタルは言うまでも無い……
では取り巻く環境はと言えば……病院か……それに準ずる何か。
保健室に見えなくも無い……ただどんよりと暗く布団一つとっても汚い……
照明も朽ちていて酷い有様、電気はまず通っていないと思う。
割れたキャビネット……いくつも転がって割れてる薬品瓶……
「……」
鏡ではないけれど……反射するガラスに映り込んだ顔は……仏頂面なアンカレッジの顔だった。
目は困惑に揺れ……私の挙動に追従して変化する……認めざる得ない。
ひとまず……ここから出てみよう……
一個だけある扉は……金属音の悲鳴をあげて開いた。
一歩外に踏み出してみれば廃墟と言うには……余りにも”赤黒”すぎた。
崩壊したコンクリート、剥き出しの鉄筋……さび付いた配管やサッシ……外との往来をせき止めるかのような板張り……
一体何年間放置されたらこんなに朽ち果てるんだ……?
それでいて……まるで足場に困るほど崩落はしていない……外の様子も見れるはずなのに真っ黒。
黒、灰、赤……異質な空間に突っ立っているのは流石に分かる。
ここは……どこなんだろう……
こんなにも朽ち果てた建屋に白で構成された私は……異質、浮いてしょうがない。
……気が触れてるのか?目に映るモノが現実とは思いたくはない。
「天井に扉……壁は穴だらけ……床にはいくつかの排水口……?」
チグハグだ、何がどうなっている……コンクリートの床が続いていると思ったらタイルになったり……
板張りになったり……めまぐるしく変化していく……変わらないのは私の身体だけ。
見覚えがあるかと言われれば無い……一体ここは何だ……奇妙だ……
「心細いな……一人で居るのがこんなに辛い場所はないよ」
この異様な空間に一人だけ……何てことは考えたくない。
誰か……誰でも良い、誰でも良いから人の気配を感じたい……
カツ、カツと鳴り響くヒールの音と……自分の息づかいだけが支配する世界……?
そんなのは御免だよ、人は独りでは生きていけないよ……
ゆさっ♥たぷん……♥ゆさっ……♥
はぁ……気が滅入ってる時に感じるのは自分の胸の揺れだったり大きめな尻の揺れか……
目を背けていたけどこの感覚にも……対峙して慣れなければいけないのだろうか?
ここから抜け出して……抜け出せたとしてもアンカレッジの身体のままなのか?
そもそも……記憶が無い私に帰る場所は……あるの?
目眩がする……たたらを踏んで壁に寄りかかる……気付いてはいけないことに気付いてしまった。
私に……今の私に居場所は――――
”がしゃん!”
「っ!?……だ、誰かいるの……?」
大きな音がした……前からじゃ無い、後ろからだ……
とても暗い廊下の先から……騒音からしてあまり良い物じゃぁなさそうだけど……
ゆっくりとした足音が近づいてくる、私の声に反応したかのように……真っ直ぐ迫ってくる。
姿が一切見えないのに……不思議とその足音を識っているかのように……胸が苦しくなっていく。
耳鳴りもしてくる……ざー、ざーと……ラジオのノイズみたいに……
音のする方を見つつ……身体は反射的に後ずさりしていた……身体が震える……
足音は至って普通の男の足音だっていうのに。なん……で?
どすっ……どすっ……
重く響く無遠慮に踏み抜く……足音だ。
一つ聞こえる度に心臓が早鳴っていく……苦しい……
暗闇の中から姿が見え……
「……なん、なの……コイツ」
バケモノ……そうとしか形容出来ない何かが居た。
口から上が欠損した6つの腕をもった太った……男だろうか?
血が滴っていて……鼻につくのはアルコール臭。
目がないはずなのに……はっきりとこちらを見ているのが分かる、分かってしまう。
ねっとりと絡みつく視線が上から下へつーっと降りていくのが……
「……はっ……はっ」
目にしてから……動悸が激しくなっていく……身体が叫んでいる、コイツに捕まると……
――――アンカレッジに、ひどいこと……しないで……!!
ろくでもないコトに見舞われる……!
弾かれるように走り出した、走り辛いヒールなのにも関わらず……足は不思議ともつれることはなかった。
それでも……背中に感じる嫌な感じは消えることは無かった。
ばるんっ♥ばるんっ♥
走れば走るほどに胸が弾む、豊満な尻肉が揺れ意識が持って行かれる。
おまけに……あまり、運動をしていないのか……息が切れる……!
「はぁっ……はぁっ……はっ……ふっ……」
もう、ダメだ……息が苦しくてしょうが無い。
膝に手をついて息を整える……はぁ、この動作でもゆっさゆっさと……気が散る……!
後ろから迫ってくる感じはしなくなったけれど……アレが来るかも知れないし……
とにかく……身を守る手段を確保しないと……最悪隠れることさえ出来れば良いと思う……うん……
……しかし、この空間は何だ……逃げるのに必死だったが、見下ろせば……あちこちに血糊と肉がこびり付いている。
まるで惨殺があったかのようにも思える……なんだ、この……
「っ……!これ……は……」
ふと横に目をやると……見えてしまった。
教室の中に……うっすらと照らされた焼死体が……誰がこんな惨いコトを……
あ、あのバケモノがしたって線もあるか……
「と、とにかく……出よう……ここに居たら……いけない……!」
階段を探して……見当たらなかったら最悪飛び降りも視野に入れよう。
窓は……開くんだろうか?
撒いたとは思わないけど、音はしない。音を殺すっていう考えも多分無いと思う。
だって……音を殺す事が出来るならそもそも初手で……
マトモに外が見える窓は……酷い錆が浮かんでいるし開いたとしてもかなり抵抗がありそう……
鍵は掛かってない……抵抗感はあるけれども、力をかけたら動く……範疇か……!
――――ひゅぉぉ……
開けてみると生暖かな風が吹き抜けていく。
上を見上げれば……1メートル先も見えないような霧に包まれてる……太陽は昇って居るみたいだけど……
乗り出す形で見下ろしてみれば……地面は見える、高さとしてはやはり二階程度か。
クッションになりそうなモノがあるなら……飛び降りも選択肢に入れても良いな。
……耳を澄ませてもバケモノの音はしない……じゃあ、脱出目指して行こう。
程なくして下る階段を見つけたが……同時に問題が発生。
あのバケモノの他にも異様なモノが多く居る……階段に近づいてみたら見えて来たのは明らかに……通常見る物より大きな虫の大群。
蟲には割と嫌悪感を抱きやすいのもあるからか……かなり、鳥肌が立つ光景。
近づけば一応……離れてくれるので襲われるってことは無さそう。
飛んで来るってことも考えられるから……気が気じゃない……
というかカサカサと音がして精神がガリガリと削られていく……悲鳴が出そう。
カツン、カツン……ゆっさ♥たぽん♥
「……はぁ」
気が滅入るのは蟲や暗闇だけじゃない……この胸の振動もかなり……くる。
自分の物じゃないって思って居ても一挙一動で一々存在感を放ってくる、勘弁して欲しい。
一般的な学校……って言うんだったら出入り口はいくらかあるはず。
廃墟と言っても板張りで覆われてたから……タックルで無理矢理こじ開けられなくも……最終手段だな。
「用務員室……しめた、何か使えるモノがあるかもしれない」
降りきったあと、右、左と見てみれば……奥の方に見えたのは用務員室。
さらにはロッカーもいくらか並んでいる……使えるモノがあるかもしれない。
意気揚々と用務員室のドアノブに手を掛ける……
ぞわっ
嫌な予感がする……背筋に悪寒が走る……あのバケモノを見た時みたいな……
どこからだ、用務員室の中なら引き返せば……
ガタンッ!
背後から大きな物音がした後、襲ってきたのは……両肩、両手首、腰、太もも……要所をぐっと掴まれる感覚と……
『今日もやらしい乳揺らして誘いやがって……そんなにレイプされたかったか?』
『流石、実の親父も誑かした魔性の女だなぁ?』
耳馴染みがないのに……初めて聞く気がしない言葉の囁きだった。
ぐにゅり、むにゅり……すりすり……くりっ……♥
身に覚えがない、無いハズなのに……そうと言い切れない自分がいる。
身体が覚えている……というモノだろうか、それにしても……アンカレッジの無垢さにつけ込んだ……ってワケでもなさそうだ。
「はっ……はっ……!」
この……掌に捕まってから悪寒が強くなった。
そも、この掌も異常だ……ねとねととした……生肉のような感触がする。
それに……掌に掴まれてるハズなのに……ざらざらとした舌の感触もする。
これがまずおかしい……掌に包まれてるハズなのに啄まれているような錯覚に陥る。
暗闇に蠢くモノがあるのは見える、けど……触っているモノが具体的に何かっていうのが……身体が強張って見れない。
恐怖と嫌悪感で頭の中がずっとシェイクされている……!
れろぉ……♥ちゅっぷ……ちゅぅぅっ……っぽん♥
「ひぃっ……!や、やぁ……!」
服の上からお構いなしに揉まれ、摩られ……局部を一発で探り当てられて……
明らかに辱めの手の動きが身体を襲っている……辱めのしかたも……一朝一夕のモノじゃない。
声に出る悲鳴も"私"の知るモノじゃない……思わずと頭を振ってしまうのも……
ジクジクと疼く胸元も……私の物じゃない……絶対にこんな、感覚……!
「ふぁぁぁぁっ……♥」
吸われて、舐られて……引っ張られて……乱暴に胸を扱われて……悦ぶなんて、私のじゃない……
ちがう……ちがう、ちがう……!
頭を振っても、否定の言葉を心で、声で叫んでも……この悍ましい感覚と否定しきれない昂ぶりは消え失せることなかった。
そんな都合の良い事はない……アンカレッジへのお仕置きはまだまだ、続くの……それ、分かっちゃってる。
嫌な掌……少し咀嚼して言葉にするならば性欲の触指とでも言えば良いのだろうか。
想像の触手のようにねっとりとしていて……言葉や脳裏に浮かぶ知らない情景……フラッシュバックする男たちのギラついた目……
掌の動きも囁く声も……今の私の反応も合致している……
ただ一つ言えるのは今触っている掌は断じて人の者じゃない……だから、触指と呼ぶことにする。
はぁ……一つ一つがチンポみたい……考えるとゾッとする……
ぐちゅ♥にちゅ♥
「ぁっ♥」
そんな考えを巡らせているのも……そうしないと頭が焼けてしまいそうだから。
この身体の反応を、快楽を許容なんてしてしまえば……私は……
身体に宿る記憶に引き摺られ振り回され――――
――――あぁあぁぁぁっっ♥♥あんかれっじぃ♥ぼにゅーぎゅっぎゅって……してもらうの、すきぃ♥
この脳裏に浮かぶ虐げられ続けた結果のアンカレッジに染まってしまいそうだ。
身体に纏わり付いて、胸を、尻を……股を弄り続ける掌の攻めに応じてか……記憶が浮かんでくる。
こんなの……トラウマ物だろう、学友からこんな辱めを受け続けて……
むにぃぃぃっっ♥ぷしっ♥
「ひぇぁあぁぁっっ♥♥」
この、程度……
むにぃぃっっ♥むにっ♥れろぉ……ちゅぅぅぅぅっ♥♥
この……ていど……
こんな……胸いじめ……ていど……ぉ♥
――――どくんっ
ぁぁ……だめ、だ……認めよう、理性で、いくら……ねじ伏せようと足掻いても……
この、弾ける感覚は……真っ白に――――
「あ゙ぁああぁぁああああぁぁぁあっっっ♥♥♥」
おっぱい、いじいじされるの……だめぇ……♥♥
……ぁ、れ?
私は……っ……そうだった、襲われてエッチな事されて……イッて……
頭重いなぁ……ちょっと頭を振って起きてみる。
うぅ……服がびちょびちょ……ロッカーは……もう、何も気配がしない。
ほぅっとするけど……また襲われたらイヤ、早く離れよう。
「よい、しょ……」
嫌な雰囲気は……まだ纏わり付いてる、すごく……イヤ……
用務員さんの部屋には……入ったら駄目、なんでかは……きっと、身体に染みついた事、かな?
とにかく、学校からは離れよう……
それにここが……どこなのか、調べて逃げて……それから……後のことはその時考えて……
小走りで走り出す……もう、違和感は感じない。
学校の構造も出口も……なんとなく、分かる。
今ならどういう雰囲気だったかも――――
『淫売女は出て行きなよ』
『学校でまで売春?いーわね、金には困らなさそうねぇ』
『おつむはバカ、そのデカい胸にぜぇんぶ行ったわけ?』
『おい乳牛、さっさとヤらせろ。てめぇの親父の分もハメてやるからよぉ』
「……ちがう、アンカレッジは……そんなんじゃない……!!」
これ……アンカレッジの記憶、だよね。
それにこの嫌悪感、気持ち悪さも……吐き気も……
やっぱり……さっさと駆け抜けて離れた方が良いよね。
一つ、確固たる物が分かってきた。
もしかしたら”思い出した”のかもしれない。
考えたら、アンカレッジ自身のトラウマで自己防衛で忘れたって可能性が大きい。
学校を出てしまえばなんとなく、胸に抱えたイヤな感じは消えた。
……つまるところ、虐められてた……精神的暴行と性的暴行の二つ。
男子からはレイプ、女子からは詰られる毎日……だったのかな……
用務員室での悪寒からも考えると先生達もグルだったのかも、逃げ場……無いね。
「すごく、静か……」
学校の外は深い霧に覆われた……アメリカ様式の街だった。
人っ子一人居ないゴーストタウン……そんな風に思える。
ただ……霧の奥には誰かの姿が見え隠れする。
知っているような……知らないような……男の人の影。
もしかしたら私の……意識の元の姿かもしれない、あんまりにも……おぼろげなんだもん。
「ぅ……雨?」
ぽつぽつと肌に感じる物が……雨だ。
近くに雨宿り出来る場所は……あ、あのアパートとかどうかな?
扉は……開いてる、ちょっとだけお邪魔します……
「ぅ……なんだろう、この……胸がざわざわする……」
良くない気配がする、ぞわぞわとして落ち着かない。
足を踏み入れた瞬間からこんな……でも……
ザァァアアアアアア……!!
「この雨じゃ……風邪引いちゃう」
怖いけれども、一気に雨は激しくなって出るに出れない。
この衣装だと透けちゃう……絶対にスケスケになって余計に襲われちゃう。
ミルクに愛液だけでも酷いのに……全身びしょ濡れ……?考えたくない。
ほんのり、暖かい室内……それに反して背筋は寒くてしかたない。
いっぽ、にほ……さんぽ……アパートの廊下を進むにつれて悪寒が酷くなる。
バァン!!
「っ……」
ぁ、あの……学校のバケモノ……!
追ってきてないと思ったら……え、えと……何か、なげつけて……!
『アンカレッジ、お前を育てた恩を仇で返そうってか!?』
『ママに似てるからって……ひどいことしないで……いや、いやなの!!』
『クソッ、それを投げるな、冗談じゃすま――――』
……身体の動きがびくりととまって……イヤな思い出がよみがえる。
右手にとって握ったレンガブロックは……血で赤黒く装飾されていた。
私の掌にも付着していた。
「ァニー……イイコダ……」
「……ぱ、ぱ……?」
おおきな口がにやりと形を変える。
酷いお酒の臭い、覆い被さるように……壁に縫い付けてくるこのおっきな手……
そっか……アンカレッジ、パパを……殺してたんだ……
びりっ、ばるんっ♥
大きな口が私の唇に覆い被さる……掌がおっぱいを……お尻を掴んで揉んで……
ぐちょぐちょのおまんこに突きつけられるおっきな……おちんぽ……
……そっか、そういう……事なのかな。
レイプも泣きながら受け入れていたのは……パパ殺しの――――
罪を抱えた者がたどり着く街、サイレントヒル。
一人の少女は幼き日に犯した戻れない過ちに精神を病み……
その上、類い希な美貌と蠱惑的な肢体は男女問わず目を惹き……羨望、欲情、嫉妬を一身に受ける事になる。
苦難に病んだ精神はさらに悪化していき……ついには崩壊してしまったのだった。
だが、少女アンカレッジはサイレントヒルにとってはなくてはならぬ存在でもあった。
生け贄として少女は捧げられるハズだった、その条件は……処女であることだった。
子を生け贄に捧げなければならないと知らされていたアンカレッジの父は狂ってしまい……手を出したのだった。
生け贄により数年の安泰が約束されていたはずだったが……アンカレッジは不完全な生け贄でしかなかった。
その結果……アンカレッジは街に取り込まれ……己の罪に犯され続ける。
父親もまた怪異として取り込まれ、永遠に苦しみ続ける事になる。
誰も幸せになどならない。
元の精神のままであれば……アンカレッジは罪から逃れ続けた事だろう。
そのたびに現れる雄の欲望の具現化……アンカレッジのトラウマたる父親、男子生徒……そして教員達が襲ってくるハズだった。
「ごめん、なさい……ごめんっ、ぱぱぁ♥♥」
溶け込むようにして混ざり合った成熟した精神を依り部に……再構築されたアンカレッジの精神はその罪を認識し……
贖罪にと……バケモノに成り果てた……己の心の闇から出てきた父を受け入れた。
恐る恐るといった様子で背に手を回し……深々と入り込んでくるペニスを受け入れ……甘い声で鳴く。
その様子を切り取ればさながら……夫婦の営みだろう。
若かりし時のアンカレッジの母よりも……ずっと美しいアンカレッジを抱く父の成れの果ては……
ハッ……ハハッ……ハァァッ……
そんな娘……否、極上の女に我を忘れまた狂気に墜ちていた。
美しい形である爆乳を、巨尻を……思うがままに揉みしだき……何度も突いた膣の奥深くをまたぞノックしていく。
ぱちゅん♥ずどんっ♥たぷんっ♥
アンカレッジが胸の揺れを不快に感じていたのも……この、セックス中の揺れを彷彿とさせたからかもしれない。
一発一発の腰の打ち付けは激しく、強く……身体全体を揺さぶる。
どんなに身体を重ねる相手が増えても……アンカレッジの中で一番記憶に残っていたのは……父親だったのだ。
……そして、セックス中だけは……正しく、父はアンカレッジを娘として見てくれた。
事後はしばらく優しくしてくれた……故に、セックスは苦しみであり一つの希望でもあったのかもしれない。
「はぁっ♥ぁっ♥ぱぱ……びゅーってするのぉ?したいんだよね……♥」
股に入り込む膨らみは大きくなり……固く反っていく。
「あ゙ッッ♥あんっ♥♥あんかれ……ぃっっ♥♥はげしっ♥ぁああぁあぁぁああ♥♥♥」
興奮からスパートは酷く激しく……正しく杭打ちの様相を呈する。
贖罪のセックスは始まったばかりだが……淫欲に沈んでいくアンカレッジには楽しい一時になるかもしれない。
父への負い目は……一発ごとに……洗い流されていく……
気がついた時には……アンカレッジは外にいた。
ビリビリにされたお洋服も元通り、一つ違うのは……おっぱいの合間に手紙が残されてた。
「アニー、すまなかった……かぁ……」
全部、アンカレッジの記憶を思い出した今……私は、アンカレッジ以外の誰でも無い。
……この、やるせない気持ち……どうしたらよかったんだろう。
何かがあって、パパはああなった……のかな……?
霧の外……サイレントヒルのお外に出されたのはパパなりの……想いがあるのかもしれない、けど……
「ごめんね、パパ……アンカレッジ……いけない子だから……♥」
火照る身体、うずくおっぱい……今も絡みついている気がする……霧の奥から感じるえっちな視線。
……私ね……ふつーに生きるのはもう、無理みたいなの。
「パパやせんせー達の方から……会いに来てくれたら……アンカレッジ、うれしいな♥」
また、ふらふらと……霧の中へ。
だって、アンカレッジって……みんなのお嫁さん、なんだもんね。
異形の花嫁さん……だもん♥