ざぁざぁ……雨が窓を叩く音で目が醒める。
遠く響くのは雷鳴……低く轟く音に一抹の恐怖を抱え……身体を起こす。
はてさて?私はこんな所で寝ていただろうか……?
……記憶を辿っても生憎なことに結びつくものがない。
至って普通の学生で深夜まで遊び呆けて……部屋に戻り寝たはずだ。
見渡す限りは……電気一つ通っていない時代遅れな燭台で明かりが灯っている館。
……ただしあちこち荒れていて脳裏にチラつくのは廃墟の二文字。
寝ぼけ眼をこすってみて……はて、ここで異変に気づく。
自分の掌はこんなにも白く細く……女性のようなものであったか?
それに袖を通している衣服もまるで違う、このくすんだような黒に白の縁取り、ふわふわとした印象を与えるデザイン。
恐る恐る下に目を向ければ……なんということか、自分に無いはずの膨らみが二つ目に入る。
「ん……あ、これ……シロコ・テラーの外見」
驚きにいくらか声が震えるも口からでたのは……シロコの声。
身体は……ほぼ間違いない、そうなんだろう。
すっと……股座に手を当てれば慣れ親しんだマイ・サンの感覚は無い。
気持ち悪いほどにぺったんで……親しみのない器官が股座にあるのを自覚する。
動揺はするが……同時に興奮も覚える。
ファンタジーのようなコトが自分の身に起きている、非日常がようこそしているのだ。
シロコ、砂狼シロコ……スマートフォンアプリ、ブルーアーカイブのキャラクター。
それの何というか……悪堕ちじゃないがそういう側面にも見えなくもないバージョンの姿。
少なくとも私がプレイしていた段階では全貌が判明してない。
耳は……ある、ヘイローはどうなんだろう……
「……おぉ、これはクロコ、少し色味がついてる」
ヘイローは残念ながら無かった、シロコ本人でない証明かもしれない。
そして差異としては瞳が若干色鮮やか、ノーマルシロコとテラーの間な感じ。
うんうん、これは悪くない……では、私は今何処にいるの?
顔を確認するのに使った窓ガラスの外は真っ暗、時折稲光が見える。
そしてこの廃墟としか言えないこの……屋敷はなんだ。
言いようのない不安感が私の身を包む。
そして最悪なコトに……シロコが使う銃器やドローンなどは無い。
つまり今の私に抵抗手段があまりないと言える。
……キヴォトス人そのままなら徒手空拳でも大概なんとかなると思う。
「ん……ていっ……ぉぉぉぉぉ~……痛い……」
ぺしっ、たゆんっ
適当な壁を殴ると普通に自分が痛いだけ。
ビクともしない……自分の掌に骨折等が無かったのは幸い。
だから多分だけど自分の今の状況的には……身体はちょっと頑丈めな普通の女の子。
つまり何かに襲われたりしたら一溜まりもない非力な女だ。
ついでに胸元の無防備さをどうにかしたい。
このドレス……本当に、無防備がすぎる。スケベ……
ともあれ……探索して、色々と調べないと。
現在地が何処かなのかさえ分かればどうにかなるかもしれない。
……ん、このパンプス歩き辛い。
私が目を覚ました場所はどうやら館のエントランスホール。
この真っ暗闇で外に出るのは危険きわまりない。
それに燭台が煌々と灯っているコトから誰かしらがこの館に居ると思う。
それにしてはボロボロとは思うが……それは気にしても仕方ない。
「これは……ひど、ズタボロ」
適当に一つ、奥の扉を開けてみれば……その先は見事にヒビやら石ころやらが散乱した通路。
かなり長くこの屋敷の大きさを物語る。
絵画や調度品もかなり年季が入っていて色褪せていたりヒビが入っていたり……
……そして目につくのはすごーく趣味の悪い像。
「ん、すごい悪趣味」
男の精神である私だから鼻で笑える。
その像はセックス中の男女だったり触手に捕らわれてエッチされてる女の像だったり。
いわゆる卑猥なオブジェが多かった。
こんな大きな屋敷なのに、持ち主は相当な悪趣味男だったんだろう。
ゆっくりと歩くとそんなのを目にして鑑賞している変態女に見えるんだろうか。
カツ、カツ……たゆん、ぽよん♥
長い髪も気になるけれど、一番今気になるのは無防備に揺れてる胸。
結構大きく自分の手では掴みきれない。
きっと男の手なら掴みきれるか……ギリギリ溢れるか。
……いけない、頭を振ってリセットリセット。
ぞわり、何か知らない私の感覚が警告してくる。
背後になにか居る、歩みを止めたら不味い、そして振り返りたい本能と……
直視したら不味いとねじ伏せようとする理性がせめぎ合う。
テラーが恐怖してどうするの。
「すー……ふぅ……」
深呼吸して……考えて……ゆっくりと、後ろを向いた。
そして後悔した……見ないで走って逃げていればよかった。
ソコに居たのは人の形を辛うじて保つ……なにかが居た。
顔は陥没して真っ黒な穴が見えるだけ。
両腕は所々欠損しているし……なにより、衣服を一切着ていない。
けれども……その両腕は私の両腕を掴みあげた。
「ん……!離して……!」
よくあるゾンビモノみたく……掴む腕はかなり強く、抵抗しているけれど揺らすばかり。
鼓動は早鐘のようになり焦りで目が乾くような気がしてならない。
ゆさゆさ……ぽよんぽよん♥
こんな緊迫した瞬間でもイヤに自覚するのは豊満そのものな胸の揺れ。
まるで自分で誘っているかのように思えて……!
「ん、んぐっ……!」
空洞に思えた顔からは大きな口が形成され私の首筋に噛みついてきた。
痛い、しかし噛みちぎられるとかは無さそうだ。
痛みで身体が竦み抵抗が……止まってしまう。
がぶり、がぶり……きっと首筋には歯型が残ってる。
噛みつきという攻撃と拘束から抜け出そうとした抵抗で体力が……こんなところまで貧弱な女の子してるのか……
シロコはアスリートのハズなんだけど……
身体を動かすのが、だるい……抵抗したいのに、できない……!
これを好機と思ったのか……化け物は私の胸元に頭を寄せた。
無防備な胸はたやすくペロンと捲られ豊乳が飛び出てしまう。
いや、いや……まさかとは思うけれど……
ぢゅぅぅぅっ♥
「んんっ……きもち、わるい……!」
目に浮かぶのは涙、いきなり女の子になったのはいい。
だが今の状況は恐怖しか覚えない。
回りにあるのは卑猥なオブジェ、今襲われている化け物は正体不明。
今いる場所はよくわからない廃墟のようなでっかいお屋敷……
そして……化け物に拘束され、噛まれた後に乳を吸われる……頭の中がぐるんぐるん。
その後のことは……一杯一杯でよく覚えていない。
どれだけ時間がたったのか……私は胸を露出したまま通路に横たわり……
股座からはこれでもかと興奮した痕が垂れている発情シロコちゃんになっていた。
よろよろと起き上がってみれば……この館の異常製が垣間見えた。
今、私の目の前を横切っていったのは人魂だった。
間違いない、青く光る人魂……なぜ、そんなものが……
うーん……シロコちゃんボディになった結果神秘に近づいてしまったのだろうか?
そういうのが見える人間じゃなかったのは覚えている。
それに……この館に渦巻くドロドロとしたものもなんとなく分かった。
「ん……うん、この空気……エロトークしてる野郎のもの……」
色で表すならピンク、性欲の滾りを話す男達のエロトークの空気といえば良い?
……対象は恐らく私だ、見た目、声どちらも国宝級の美少女でどエッチ。
孕ませたくなるしおっぱいも吸いたくなるのも分かる。
でも、そうですかと了承は出来ない。私はまだ男の気分。
……色々もうシロコちゃん風味出てるけど。
もう少し、奥へ行ってみよう……こういうので玄関は鍵が閉まっているか……何かしら罠があると思う。
どうしたらここから解放されるか……ソレ含めて調べないと。
……とりあえずドレスの胸元は直して行こう。
「ん……」
手当たり次第に部屋を開けては中を物色して確認してみる。
すると初っ端から手記が出てきた……失礼して中を見てみれば……童貞の拗らせがずらーり。
うわぁぉ……そして締めには女を一度は抱いてから死にたかった……か。
もしやこの屋敷……童貞のまま死んだ野郎の怨念が宿ってる……?
たらり……冷や汗が頬を撫でた。
竿がバイオと似たりよったりでコレはボツりそうではあるんですよ……
でも、クロコ……書きたいんですよ……ウゴゴゴゴ