※この作品はR-18です。

チート能力会得してダンジョン潜り ~たまにエロい事します~   作:塞翁が馬

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金

「金…だな」

 

 プレア、ササメア、アール、マールの四人を前にしてポツリと…しかしハッキリと宣言するディット。その表情はわずかながら切羽詰まっている感じだ。

 

「お金かぁ…。一応もう一度確認するけど、路銀はもうないんだよね?」

 

「はい~…。残念ながら底をついております~…」

 

「こんな事なら、あの人からもう少しふんだくっておけばよかったです」

 

「アールさんがなんか不穏な事言ってます…」

 

 顎に指を当てながら二人に確認を取るプレア。マールは言葉通りに残念そうに、アールは物騒な事を口にする。特にアールは表情自体は一切変わっていないので、一段と怖い。ササメアが少し怯えるのも無理はないだろう。

 

「―――とにかく、早急に資金が必要だ。堅実に行くならこの街で仕事。一発を狙うならダンジョン潜りだがどっちがいい?」

 

 と、四人に尋ねるディットだったが、その四人の視線による訴えは後者一択なのは明らかだ。まあ、プレアは話を聞く限りでは庶民の仕事などした事がないだろうし、ササメアも生まれてこの方ダンジョン暮らしでは碌な外界の仕事は期待できない。マールとアールは職業上できなくはないだろうが、プレアがダンジョンに行くと言っている以上、彼女達もダンジョンについて来るだろう。

 

「分かった。じゃあ早速今日も行こうか」

 

「よーし! お兄ちゃんとのエッチな日々を過ごすためにも頑張るぞー!!」

 

 頷くディットに、プレアがあからさまな言葉を使って鼓舞する。そう、資金が必要な理由は新居へと引っ越す為なのだ。理由は至極簡単。現在のディットの住まいは簡単に言えば集合住宅の様な物なのだが、その所為で壁が薄く声が筒抜けなのだ。

 

 今日の朝、ダンジョン探索の為の買い物に出掛ける際にこの集合住宅を仕切っている人から苦情が届いた。勿論、ナニをしている最中の声がうるさいというものだ。

 

 これを聞いたササメアは恥ずかしさに顔を真っ赤にし、流石のプレアも恥ずかしそうにモジモジしていた。無論ディットとしても、淫らな声が駄々洩れというのは色々恥ずかしいし、かと言ってエッチは控えようというのはプレアに猛烈に反対されてしまったので、早急にもう少し広く防音の効果もある新居に引っ越そう…という訳だ。

 

 

 

 

 

 そうして再びやってきたダンジョン。今回はディットの能力を信じて一気に地下30階にまでやってきた。メグミに頼めばチーム内で一番深く潜ったメンバーの階層まで瞬時に飛ばしてもらえるという事なので、それを頼ったのだ。

 

「地下30階…。丁度チームのSランク昇格が認められる階層ですね! ディットさんって、かなり凄い人なんですね!」

 

「いや…。凄いのは俺が前に所属していたチームであって、俺自身は完全にお荷物だったよ…。あまりにもお荷物過ぎて、遂に追放されてしまったくらいだからな…」

 

 少し興奮気味なササメアの言葉に、しかしディットは落ち込んだ様子で正直に白状する。

 

「えーっ。追放するなんていくらなんでも酷過ぎない?」

 

「仕方ない。前のチームに限らず、このダンジョンに挑む人たちは、皆自分の目的のために必死なんだ。邪魔な要素は一刻も早く排除しないとな…」

 

 プリプリと怒るプレアに、だがディットは諦念の様子で語りながら両手を胸の前で合わせ、フッと一瞬強く息を吹き込む。

 

 途端にプレア達4人を淡い青色の光が包んだ。

 

「…ふむ。これがレベル強化とかいう物ですか」

 

「う~ん? あんまり強くなってるって思えないけど…」

 

 すぐさま消えてしまった光を確認した後、自分の体を確認したり腕を回したりして効果を確かめているアールとマールだったが、イマイチ実感は出来ていない感じだ。

 

「昨日も思いましたけど、レベル操作をこんな一瞬で終わらせるの、これも凄い技術ですよね!? ウチも過去に何回かレベル操師の方がいるパーティーのお手伝いをした事があるのですけど、どれだけ早くても20秒近くかかってた記憶しかありません!」

 

「操作に時間がかかるのがレベル操師のもう一つの弱点だからな。平時ならともかく、急場でそんなちんたらやっていたら使い物にならない。そう思って、頑張って即時発動できるように訓練したんだ。尤も、相手が既に操作範囲外なほどの高レベルじゃ意味がなかったがな…」

 

「成程ー…。因みに、こんな早くに、しかも5人同時に発動なんかして大丈夫なんですか? 効果を発動している間は魔力を消費し、しかも人数が多い程消費量も上がっていくはずでしたけど…」

 

「ああ、大丈夫だ。多分、異常に跳ね上がったレベルのおかげなんだろうな。こんな無茶な使用方法でも全く辛くない」

 

「あ、そっか! ウチ達と違ってディットさんのレベルは素でしたね! じゃあ、ウチも…ボット!」

 

 一通りの確認を終えるアールとマールを他所にレベル操作について話し合っていたディットとササメアだが、その話を一区切りするとササメアはおもむろに謎の文様が入ったたいまつを取り出し、それに魔法で火をつける。

 

「それじゃプレアさん、先行をお願いします。影魔物はこの『影破(えいは)のたいまつ』で照らさないと物理攻撃は無効、魔法攻撃も効きづらく、何よりあの小鬼などとは比較にならない程非常に素早く、黒一色の為視認も難しいという強敵と化してしまうらしいので、十分に注意して探索しましょう」

 

「分かった! じゃあ行こう!」

 

 ササメアからたいまつを受け取り、それを掲げながら意気揚々と歩き出すいつも通りの全身鎧を着こんだプレア。その後ろをアール、マール、ササメアの順について行く。

 

「30階か…。もしかしたら奴らも探索してるかも…。出くわさないように祈るしかないな…」

 

 最後尾となったディットは、何やら不安そうに呟きながら彼女たちの後を追うのだった。

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