チート能力会得してダンジョン潜り ~たまにエロい事します~ 作:塞翁が馬
リストリアとオルガンの二人を加えた一行は、更なる探索の末遂に31階に降りる階段を見つける。が、その階段を守るように周囲に影魔物が集まっていた。
本来なら、階段を下りる為の最後の関門となるのだろうこの影魔物の集団なのだが、
「ブリザード!!」
ササメアの呪文が轟くや否や、影魔物達の周囲を極寒の猛吹雪が襲い彼らの殆どを瞬時に氷漬けにしてしまう。唯一その猛吹雪を耐え抜いたボス格らしき巨体を誇る影魔物も、直後のプレアのたいまつを照らしながらの剣での切り上げで、縦に真っ二つにされてしまった。
「す、凄い…っ!」
その圧倒的な光景を見たリストリアは、驚愕に目をしばたたかせている。彼女からすれば、不意打ちだったとはいえわずか一体で自分のパーティーをほぼ全滅させた相手の集団を、たった二人で蹴散らしてみせた事は驚愕以外何物でもないのだろう。
「さっすがササメアだ!! あんな雑魚共じゃ相手にもならない!!」
一方、オルガンは興奮しながらも相変わらずのササメアびいきだ。が、
「二人ともお疲れ様。プレア、大丈夫か?」
戦闘を即座に終わらせた二人に駆け寄ったディットの声掛けに、ササメアは「いえ、そんな…!」と答えたのだが、その顔の嬉しそうな事。当然ササメア大好きオルガンとしては面白いはずもなく、先ほどの興奮が一転、嫉妬に顔を歪ませる事となる。
「…うん、もう大丈夫。もう怯んだりしないよ」
一方、ディットの問いにプレアは剣の柄をグッと握りなおしながら答える。どうやら、生物を”切る”感覚にもだいぶ慣れてきたようだ。あまりよろしい事ではないかもしれないが、このダンジョンの探索を続ける以上は慣れるしかないのだ。
「それでは、先に進みましょうか」
「ふふ~、何があるのか楽しみです~」
少し場がしんみりしかけたところでアールとマールが行進を促す。そうして階段を下りていく一行。その先にあるだろう、ディットがお楽しみといった光景とは…!?
「うわ…。本当に、ほんとーにダンジョンの中に平原が広がってる!! すんごーい!!!」
階段を降り切った先に合った扉を開けると、信じられない事にそこは緑が美しい平原に続いていたのだ。それも、ダンジョンの中の平原…とかではなく、上空には空があり太陽が輝き、見渡す限り平原か森しかない完全な外なのだ。ダンジョンらしい壁などは一切ない。この超常現象には流石のプレアも快哉を上げるのも無理はない。
「どの階層かは知ってましたけど、実際に見るのは初めてです…」
「これは…。何と摩訶不思議な…」
「あら~。草の匂いが香りますね~。良い感じです~」
「………こりゃ確かにすっげえな…」
「ここが31階…。ここで…」
プレア程大げさではないとはいえ、他の面子も似たように驚いている。ただ、リストリアだけは何かを考えこんでいる様だが。
そして、考え込んでいるのはディットも一緒だった。そうしながら、ディットは近くにあった木によじ登り、その木になっている果実を一つ取り、地面に降りながらその実を一口かじる。
「………………美味い。成程、確かにこれなら金になりそうだ」
「美味しいの? 私にも一口ちょうだい」
その実の味を噛みしめるディットに、プレアの催促が届く。その通りに実を渡すと、プレアは兜を少しだけずらして実の一部を口の中に入れる。
「…っ!? すんごい甘くておいしい!! なにこれ、こんなの城でも滅多に食べた事ないよ!?」
途端に驚きの声を上げるプレア。よほど美味しかったのか、実を掲げながらおいしいおいしいと連呼し始める。そんなプレアに近づくササメアとオルガン。まあ、これだけ大きなリアクションを取られたら気になるのも当然というものだ。
「…あの実。似たようなものを何処かで見た事が…?」
「昔に城を尋ねてきた成金商人が持ってきてましたね~。ダンジョン産の実などという怪しい物に法外な値段を付けてましたが、アレにそっくりです~」
一方、アールとマールはササメアとオルガンの手に渡った実を凝視しながら何かを思い出すように考え込んでいたが、不意にマールがディットと同じように実を取り始めたのだ。
「姉さん、何を…?」
「勿論、この果実をたくさん回収するんです~。売ればお金になるでしょう~」
唐突なマールの行動にアールは訝し気に尋ねるが、その答えを聞きハッと目を見開くアール。そう、今アール達はお金の為にダンジョンに潜っているのだ。なら、実際に商人も取り扱っていたこの美味い果実は、まさしく絶好の商品となるだろう。
「そっか! だからお兄ちゃん、多少無理してでも地下30階から始めたんだね! ここに来るために!」
「ああ、剣や薬などは買い手が限られるうえに適正値段で買い取ってもらうとなると更に相手が絞られてしまうが、果実…食物なら受け口は広いからな。流石にここにたどり着けるチームも増えて昔ほど幻の一品…とまではいかなくなったが、それでも貴重な物であるに変わりはない。数百年経った今でもこのダンジョンに夢を見る者が後を絶たない理由の一つがここだな」
その二人の話を聞いていたプレアが、得心が言ったとばかりにディットに視線を移し頷きながら口を開き、それにディットも解説を交えて応じる。
「と、いう事は貴女も…?」
しかし、ここで不意に声色を少し険しくしリストリアを見遣るプレア。
「ええ、そうよ。ここの果実が目的」
そのプレアの雰囲気に一瞬だけ怯むリストリアだったが、すぐに気丈に言い返す。ただ、その気丈さには”おこぼれにあずかっているのは分かっている。笑うなら笑え”といった感じの卑屈さも交じっていた。
「…笑わないよ。ここで笑ったら貴女達と一緒だから」
その内心を見透かしたように的確に抉っていくプレア。そして、その抉りに顔を歪めるリストリアを一瞥して、プレアも果実探しを始めるのだった。
31階で持てるだけの果実を収集し、『ルカエレの魔石』という魔道具で瞬時にダンジョンの入り口にまで戻ってきた一行。リストリアとはここで別れたのだが、彼女は最後までプレアとササメアを名残惜しそうに見つめていた。
恐らくは、この二人がいればもっとダンジョンの奥深くまで潜れるはずなので、分かれるのは惜しい…といったところだろう。ディットのレベル操師の件は伝えてないので、こういう感想になるのも仕方ないのかもしれない。
まあ、そこまでは良かったのだが…。
「…な、何故こんな事に…?」
現在ディットは見知らぬ部屋でアールとマールを両脇に侍らせている状態だった。と言っても、上背は少しだけ二人の方が高いので、あまり様になっていないが。
「勿論、ディット様を愛するためです」
「うふふ~、た~っぷりご奉仕しますので、楽しみにして下さいね~」
困惑気味なディットの言葉に、アールは機械的に、マールは蠱惑的な笑みを浮かべて答える。そう、この二人と一緒なのも、今いる見知らぬ部屋…明らかにナニをするための巨大なベッドがあるナニ専用の部屋であるここ…正確にはいわゆるラブホテルにぶち込まれたのも、全てはプレアが仕組んだせいだ。
そのプレアは、ササメアとしつこくついて来るオルガンと一緒にディットの住処に戻っている。曰く4人5人相手は流石にまだしんどいでしょ? だそうだ。…まだ、と言っているのはいずれはそんな大多数を相手にさせるつもりなのだろうか?
ただ、ディットにも男のプライドはある。こんな女にお情けを貰うような形でしけこむのは流石に…!
「まあ~。ディットさん見かけによらず大きいですねえ~」
「…確かに。それに凄く硬い…」
両脇から伸びてくる手がディットの一物をズボンの上から擦り始める。ただそれだけなのに、刺すような快感にううっ…と情けない声を上げてしまうディット。
「あらあら、気持ちよさそう…。それじゃ、もっとすごい事をしてあげますね~…」
そう言って、その身をディットの右横から足の間…股間の前へ滑らせるマール。その行動にアールも続く。そんな二人を見て、この後の快感への期待から哀れにも粉々に砕かれた男のプライドを感じ、心の中で涙を流すディットだった。