チート能力会得してダンジョン潜り ~たまにエロい事します~ 作:塞翁が馬
「そ、それで夜這いってどんな感じでしたか?」
「私、求められてる…って感じでもう本当に最高だったよ! お兄ちゃんもなんだか強気で強引だったし!」
「ご、強引…というのは?」
「寝てる私にいきなりキスしてきたかと思えば、馬乗りになって私の衣服を剥いだ挙句、あちこちを嫌らしく
「そ、それは…ごくっ、う、羨ましい…私もディットさんに滅茶苦茶にされてみたい…」
ディットがプレアに夜這いをかけた翌日。朝食の席は大盛り上がりだった。ディットに夜這いをされたプレアに、ササメア、アール、ヤシュティーの三人が質問をぶつけ、その内容にキャイキャイと盛り上がっているのだ。
「そのけだものの性欲を余裕で受け入れてたじゃないか…」
「うーん、余裕っていう程でもなかったよ。何回もイかされたし…」
が、その内容にたまらずディットは口出しをしてしまう。対して、プレアは指を口に当てうーん…と昨日を思い出す様子でそう口にする。
そう、イかせる事はできるのだ。が、やはり力尽きてしまうのはディットの方が先だった。そもそも、昨日のプレアはいたずらはあったとはいえずっと受け身だった。にもかかわらず攻め続けたディットの方が先にダウンしたのだ。この辺りはディットも悔しく思う所だ。
「ディットさん…その、次はウチに…」
少し悔し気に俯いているディットに掛かる声。見ると、ササメアがもうこれでもかというくらいに媚びた視線をディットに向けているではないか。
いや、ササメアだけではない。アールもヤシュティーも、うるんだ瞳を向けている。
「待てぇい! ササメア、早まるなっ!!」
が、ここで謎の大声が室内に響き渡る。全員がその声の方を振り返ると、なんと数日前に出て行ったオルガンが荒い息を吐きながら必死の形相で立っているではないか。
「…オルガンか? どうやってここに?」
慌ててササメアに駆け寄り、その体に抱きつくオルガンにディットが驚愕の声で問い質す。それもそのはず、今いる所はエルフの村の宿泊地なのだから。
自宅では近所迷惑、しかしいちいち部屋を借りていては出費ばかりかさむ…という事で、エルフ達に相談して宿泊部屋を貸してもらっていたのだ。
そして、ここに来たという事はあのダンジョンの50階を踏破したことになる。オルガンの独力ではまず不可能だと思われるが、一体どうやって…?
「はっはっは! お前ら朝から猥談とはほんと自由な奴らだな!」
その答えがオルガンの入って来た扉から姿を現した。そう、ミジマルだ。今回はエールヒをはじめ何人かの取り巻きも連れている。
「あっ、ミジマルさん! 無事だったんですね!?」
「あったりめえよ! この俺様があんな程度でくたばるかってんだ! っつーかディット。お前もよく無事だったな。かなりの人数のエルフに絞られたって聞いたが…」
「あの、私達を化け物か何かのように語るのは止めて頂けませんか…?」
お互いの無事を確認し笑顔になる両者を見て、思わず…といった様子で苦言を呈するエールヒ。当然ヤシュティーも少し憮然とした表情ではあったが、同じく絞られた経験のあるらしいミジマルの取り巻き達も震えているのを見るに、これはエルフ側に非がありそうな話だ。
「それで、オルガンを連れてきたのもミジマルさんが…?」
「おう! 俺様とお前が知り合いだと知った瞬間、連れて行けってうるさくてな。しゃ―ねえから連れてきてやったんだよ」
「薄汚い幹部共の相手をし終わって、やっとササメアに会えると探し回ったんだ! だというのに、こんなダンジョンの奥深くまでササメアを連れ込みやがって…。お前、絶対に許さないからなっ!!」
ちらりとオルガンに視線を移しながら聞くディットに、ミジマルも少し顔をしかめながら頷く。直後、オルガンから飛んでくる殺意交じりの拒絶の壁。が、
「もう、オルガンちゃん! ウチは自分の意思でディットさんについて行ってるの! あんまり周りの人に迷惑をかけるなら、ウチもそろそろ怒るよ!?」
ここで口調を荒げるササメア。彼女が素面でここまで怒りをあらわにするのを見るのは初めてだったディットは、驚いた様子でササメアを見つめる。
しかし、それ以上に目を見開いているのが誰あろうオルガンだ。体をブルブルと震わせ、信じられないものを見るような目でササメアを見つめ続ける。
そうして、少しの間沈黙が訪れたが、
「………うっ、ううっ…。た、頼む…ササメア…ぼ、ボクを、見捨てないでくれ…。ササメアにまで見限られたら、ぼ、ボクは…もう…」
「オルガンちゃんを見限ったりはしないよ。だから、もうあんまり周りに迷惑かけたり、暴言を吐いたりしたら駄目だよ?」
唐突に涙を流し始めたオルガンを、ササメアは優し気に抱きしめる。オルガンがササメアに依存しているのは何と無く分かっていた事だが、この一部始終を見る限り、オルガンのササメア依存度は予想以上に高い様だ。
「とりあえず、今晩はオルガンちゃんと一緒に寝てあげて、ササメアちゃん」
抱き合うササメアとオルガンを見つめながら、そう口を開くプレア。それにササメアも頷く。
最初はディットもそれが良いと考えていたのだが、不意にプレアがディットの方を見ているのに気づいた。その視線は、明らかに”今晩ササメアに夜這いをかけろ”と言っている。
オルガンも一緒に寝ているササメアに夜這いをかける…それ即ちオルガンも一緒にいただけ…という事なのだろう。その真意にディットはあからさまに狼狽し、冗談だろ? と、視線で問い返す。しかし、プレアからの返事はない。
以前にもプレアはオルガンはディットと寝て貰うみたいなことを言っていたので、恐らくは本気だろう。
「―――ディット、その、頑張れよ」
ディットとプレアの視線のやり取りを傍で見ていたミジマルが、ディットに励ましの声を送る。その憐れみを感じる声色からやり取りの内容も概ね理解しているのだろうが、当のディットからしたらそんな声援より助け舟を出してほしいのだった。