ありふれてないオーバーロードで世界征服 R-18シーン集 作:sahala
今宵はエイプリルフール。一夜限りの嘘が許されるなら、幼馴染に抱かれるユメを描きましょう。
もっとも………雫はずっと
「ちょ、ちょっと止めて! 光輝!」
深夜。雫は自室で大声を上げた。そこにはもはや顔も見たくない幼馴染みの少年が雫を押さえつけていた。思わず以前の呼び名で怒鳴った雫は、目尻を鋭く上げてキッと光輝を睨んだ。
「いきなり来て何よ!? もう顔も見たくないと言った筈よ!」
「雫、君は誤解しているんだ。雫は清水達なんかより、俺と一緒にいるのが相応しいんだ」
光輝は雫の手を掴んだまま、後ろから抱きつく様にして囁いた。学園にいた彼のファンクラブの少女達からすれば垂涎のシチュエーションだろうが、今の雫には気持ち悪さしか感じなかった。
「俺が雫の目を覚まさせる。これは雫の為なんだよ」
「何を言っているの!? んっ、ちょっと触らないでよ!」
光輝の手が雫の胸を弄る。胸に感じた感触に気持ち悪さを感じて振り解こうとしたが、胸を触られた途端、雫の胸にピリッとした痺れを感じた。
「やっ、ちょっ、あん♡」
光輝の手が雫の胸を服の上からまさぐる。その手付きは初めてとは思えないくらい巧みで、あっという間に甘い痺れが胸全体に広がって腰がガクガクと震えてしまった。
「ほら……雫は俺の手で気持ちよくなってるじゃないか。雫の事は俺が一番分かっているんだ」
「なに勝手な事を言って、んぅ!?」
あまりに自分勝手な物言いに雫は抗議しようとした。だが、その口を塞ぐ様に光輝は無理やり雫の唇を奪っていた。
「はぁ、はぁ……雫っ。ちゅぅ」
「んっ、やめっ……んくっ、んぅぅぅぅ♡」
熱に浮かされた瞳で光輝はキスに没頭する。地球でも道端で芸能事務所から声を掛けられるくらい美男子な光輝にここまで求められるなど、普通の少女ならばときめく光景だろう。だが、光輝を嫌っている雫からすれば嫌悪感しか湧かない状況だ。それだというのに愛撫と同じく光輝のキス責めは巧みだった。雫は口を閉じようと必死に抵抗するが、光輝の舌は無遠慮に口内に挿入されて雫の舌と絡み合う。同時に無防備となった口内へ何かが入り込み、ゴクンと光輝の唾液と共に飲まされてしまった。
「は、あっ……何を……!?」
光輝の身体を押し除けようとした雫だが、何かを飲まされたと同時に急に身体から力が抜けてしまった。手足に力が入らず、しなだれかかる様にして倒れそうになる身体を光輝は恋人の様に抱き締めた。
「何を……何を飲ませたの……?」
「大丈夫だよ。雫が素直になれる様になるだけの薬さ」
「っ……最低っ……!」
光輝は力の入らなくなった雫をベッドへと運ぶ。その間もずっと甘いスマイルを浮かべていたが、雫は唾を吐きかけたくなる程に寒気がしていた。おそらくは筋弛緩薬の類いを飲まされたのだろう。そんな物を使ってまで女の子を自分の物にしようとする幼馴染に対して、雫は精一杯の侮蔑を込めて睨んだ。
「怒らないでくれよ。雫が頑固なのが悪いんだろ。それに……」
ベッドに横たわらせた雫へ光輝が手を触れる。スカートの中へ無遠慮に指を入れた。
「んぅっ♡!?」
「ほら。雫のマンコはこんなに悦んでる」
パンティの上から陰唇を触られ、雫は思わず甘い声を上げてしまう。デリケートなI字の部分を光輝の指が淵を沿う様に撫で上げ、閉じられた媚肉の間からトロトロと熱いエキスが漏れ出していた。
「はあっ、やっ、あんっ♡ やめて、やめてよ、光輝っ。こんなの気持ち悪いだけ、んああああああっ♡♡!?」
拒絶の言葉は一際強い嬌声に打ち消された。光輝の指はパンティをずらして、雫の膣内へ挿入されたのだ。
「やれやれ、まだ素直になれないのかい? 雫のマンコはこんなに濡れて感じてるのに」
「感じてなんか……ふぁああぁぁ、くひいいぃ♡♡」
半ば呆れた様に光輝は雫の耳元で囁く様に言った。まるで駄々をこねる子供を相手にする様な口調に雫は反論しようとしたが、膣内を撫で上げる光輝の指に再び嬌声を上げた。
(い、いやぁ……! 光輝なんかに私のアソコを弄られるなんてっ……! なのに……なんでっ……♡♡)
幼馴染とはいえ、好きでもない男に貞淑な場所を触られるなど嫌悪すべき事の筈だ。だが、光輝の指が動く度に雫の中で甘い痺れが生じて全身に広がっていく。膣口がヒクヒクと痙攣し、どんどんと溢れる愛液が潤滑油となって光輝の指をさらに奥へと入り込ませていた。
「や、やだぁ♡ ダメっ、弄らな、んひいぃぃぃっ♡♡」
「ほら、ここが良いんだろ? 遠慮せずに喘いでくれ」
「はあっ、ひぃっ、くぅ!♡♡ く、悔しいぃ、感じちゃううぅぅぅ♡♡♡」
「ぷっ……ははっ! 本当にそんな台詞を言う奴がいるんだ!」
まるで最初から知っているかの様に光輝の指が的確に雫の感じるポイントを刺激していく。彼らしくないサディスティックな笑顔を向けられながら、雫の身体は彼女の意思とは無関係に絶頂へと導かれていった。
「ほら……ほら! イけよ! 雫のアヘ顔、しっかり見てるからイけよ!」
「はくぅっ、いぃ、ひぃいいっ……♡♡! やだ、やだぁっ♡♡! こうきなんかに、イかせられるのやだぁああぁぁ♡♡♡! はぁぁ、くひぃいいっ♡♡♡!」
好きでもない幼馴染に絶頂させられる事に雫は幼児退行した様にイヤイヤと首を振る。だが、光輝の指はじゅぷ、じゅぷ! と肉壺を刺激し、もはや愛液は洪水となって雫のパンティをぐしょぐしょに濡らしていた。
「くあぁ、っはぁ!♡♡ イ、イく……イきゅぅぅうううぅぅっ♡♡♡♡♡!!」
ぶっしゃああ、ぶしゃあああああ!
雫の背が弓形に反る。同時に雫の身体に快楽電流が駆け巡り、股座から大量の愛液が噴出した。パンティとスカートは漏らしたかの様に粘液塗れとなり、ガクガクと脚を痙攣させながらベッドのシーツに淫らな染みを作った。
「ぶっ、ははは! 無様だなオイ! っと、じゃなくて……可愛いイキ顔だったよ、雫」
一瞬、別人の様に光輝が嘲笑したが、アクメの悦楽に昇らせられた雫はそれどころではなかった。小刻みに痙攣する細顔は艶かしく紅潮し、涙とヨダレを垂れ流す様は『学園の二大女神の片割れ』という肩書きなど感じさせない程に下品だった。
「は、あはぁあ……あっ、あぁ……♡♡」
好きでもない幼馴染に弄ばれ、絶頂してしまった雫。羞恥や屈辱感と共に感じる肉の悦楽に呆然としていたが、遠のきそうなる意識の中で光輝の声が響いた。
「こらこら、まだおねんねは早いよ。雫にはもっと俺の物だ、という証明を刻まないと駄目なんだ」
学校の女子ならば蕩けてしまう様な甘い声と共に、雫の衣服が脱がされていく。絶頂の余韻で呆然としている中、あっという間に雫は裸体を光輝に晒していた。
「い、いや……何するの……?」
「ああ、綺麗だよ雫。イッたばかりなのに、もうマンコが物欲しそうにしている」
今だに力の入らない脚が広げられ、赤ん坊の様に毛の生えてない膣口が光輝に晒された。絶頂したばかりの雫の膣口は割れ目からヌラヌラとした液体を溢れさせており、痙攣しながら割れ目を閉じたり開いたりする様はエサをねだる軟体生物を思わせた。
「欲しがりな雫のマンコには……俺が栓をしないとね」
そう言いながら光輝はズボンを脱いだ。
「ひっ……!?」
ブルンと勢いよく出てきた肉棒を見て、雫は思わず悲鳴を上げる。光輝の肉棒は爽やかな彼の顔に似合わず凶悪な形状をしていた。赤黒い肉が天に向かってそそり勃ち、雫の痴態に興奮して鈴口から湯気が立ちそうな先走り汁を垂れさせている。まるでメスを屈服させる為に使い込まれた様なオスの象徴が、筋肉が弛緩して動けない雫の割れ目に当てがわれた。
「や……やだ……止めて、光輝っ……!」
「大丈夫だよ。俺が雫を気持ち良くしてあげるから……ね!」
「あぁあああああっ♡♡♡!?」
ずぶ、ずぼぼぼぼっ!
光輝の肉棒が一気にぶち込まれた。無毛の秘裂が押し広げられ、膣口の奥にまで快楽棒が突き刺さる。
「はあっ、あぁぁあっ、いやあああっ♡♡♡!」
じゅぽっ、じゅぽっ!
雫の膣へ肉棒が打ち付けられる。発情した肉壺を埋め尽くされ、雫はあられもない啼き声を上げた。
「っ、はは……雫のマンコは本当にぴったりと吸い付くな! 雫も俺のチンポを挿れられて嬉しいだろ?」
「ああっ♡ だ、誰がっ、あひぃぃぃっ♡ ひあぁああっ♡♡」
自分を淫乱みたいなに言われて反論しようとした雫だが、膣壁をノックする肉棒の感覚に快楽の声を上げた。光輝の肉棒は初めてとは思えない程に雫のGスポットを突き上げていた。熱い肉棒が肉ヒダを掻き分けながら突き進んでくる。愛液塗れの粘膜を一枚一枚めくり返される度に、雫の下腹部を甘い幸福感で満たしていた。
「な、なんでぇ♡? なんでこんなに感じちゃうのおおおっ♡♡!? ふあぁ、あ、ああああ!♡♡♡」
「それはね、雫が淫乱だからだよ。言っただろう? 雫の事は俺が一番分かっているって」
「はぁあ、くひぃいっ♡♡ ちが、わたひはいんらんじゃ、おほぉぉおおおっ!♡♡♡」
再び光輝の肉棒に突き上げられ、雫は獣の様に喘いだ。膣襞は光輝の肉棒を洗う様にシゴき、その度にキュッキュッと膣圧を高めて淫靡な熱が子宮を焼いた。
「ひぁっ、っはひぃいいい!?♡♡♡ そん……ま、またぁ……ふあぁ、あっはぁぁぁ♡♡♡♡」
幼い頃から一緒にいた幼馴染に、しかし今では顔も見たくない程に嫌っている男の肉棒で快楽を感じている。身体を動けなくさせられてレイプされているのに、肉棒がピストンされる度に雫の膣肉は求める様に肉棒を一層と締め付ける。頭と身体が別の生き物となった様な矛盾した虐悦に雫は涎を垂らしながら悶えまくった。
これではまるで、盛りのついたメス犬だ。オスならば誰にでも股を開き、肉欲に溺れてアヘ顔を晒すマゾ犬。
光輝が腰を捻る度、肉同士がぶつかり合う淫らな水音が響く。汗の滴る乳房は発情した乳首が痛い程に勃起し、ブルンブルンと桜色の残像を見せながら大きく揺れた。
「ふ、うぅぅぅ……よし、出すぞ。出すから、雫のマンコで受け止めてくれ!」
「ひぃっ!♡♡ やだやだやだぁ!!♡♡♡ ださないでぇ!♡♡ できちゃうぅ!♡♡ こうきのあかちゃんなんてやだぁあぁ!♡♡♡ は、あああっ、あひぃん、ああぁああっ!!♡♡♡♡」
光輝が息を吐きながら腰を打ち付ける速度を加速させる。同時に膣内で一際大きくなる肉棒の感覚。大嫌いな男に孕ませられる気持ち悪さと、絶頂へと昇り詰めていく心地良さがグチャグチャとなって雫の脳を焼いた。
「あ……あっああぁぁぁあぁあっ!!♡♡♡♡♡♡♡♡」
ドピュッ! ビュルルルルル!
光輝の亀頭から白いマグマが噴出した。子宮を満たしていく精液の感覚に、雫の蜜膣は悦ぶ様に痙攣した。最後の一滴まで搾り上げる様に肉棒を締め付け、光輝は歯を食いしばりながは快楽に耐えた。
「っ、はぁああ……やっぱりお前のマンコは名器だなあ? 雫」
「あぁ……あは……あっ……♡♡♡」
光輝は普段の彼なら絶対にしないだろう下卑た笑みを浮かべていたが、快楽の意識に塗りつぶされて忘我の彼方にいた雫は気が付かなかった。
涙や涎でグチャグチャにした顔はだらしなく蕩け切り、肉棒を引き抜かれてドプゥッと白濁した液を膣の割れ目から溢れさせる姿は堪らなく官能的だった。
「はぁ……はぁ……ぉ゛ェぶッ!!?♡♡」
絶頂で茫然自失していた雫の口に突然の違和感を感じる。いつの間にか光輝は仰向けになった雫の頭の方へ移動しており、半開きとなっていた口へ再び勃起した肉棒を捩じ込んでいた。
「おいおい、俺はまだ満足してないよ? 動けないんなら、せめて口マンコで気持ち良くさせてくれ」
「お゛ぅ♡♡ っご、お゛っ、ごぶっ♡♡ ん゛ぶぅ♡♡ エ゛ぁぉッ♡♡♡」
舌の根を超え、咽喉の奥まで肉棒の先端が貫く。頭を掴まれ、オナホールの様に雫の咽頭が使われた。首が気道を真っ直ぐにする様に逆反りに持ち上げられ、逆さ向きになった口腔全体が肉棒のシゴキに使われる。腰が上下する度に光輝の竿袋が何度も顔に当たり、ベチンベチン! と卑猥な音と共に蒸れた悪臭が雫の鼻腔を刺激した。
(く……苦しいぃぃぃ!♡♡ 死んじゃう!♡♡ チンポで窒息して死んじゃうぅぅぅ♡♡♡♡♡)
喉の締まりを女性器に見立てて肉棒を挿入され、満足な呼吸もままならない。喉がボコォと隆起するくらいに突き立てられ、さらには頭が逆さ向きになった事で頭に血が上っていく。酸欠と血液の逆流。それらが雫の脳に痺れる様な快楽をもたらし、雫は白眼をむきながらビクンビクン! と背筋を痙攣させた。
「ふっ、おおおっ……イクぞ! そら、もう一発だ!」
どびゅぅぅ、びゅくぅっ! ぼびゅるるるぅぅっ!!
「お゛ごぇっ♡♡♡ ~~~~~~ッ!!♡♡♡」
肉棒が一際強く雫の喉に押し込まれると同時に光輝は限界に達した。同時に喉奥に流れ込む白いマグマ。仰け反る様な体勢でいた為に精液が鼻腔へと逆流し、雫は鼻から白濁した液を垂らしながら無様なイキ顔を晒した。
「おお、やってるねえ」
三度の絶頂とイラマチオによる酸欠で雫の意識が朦朧とする中。
見覚えのある少女がいつの間にか部屋の戸口に立っていた。
「それにしても……ぷっ、アッハッハッハッ! これが“学園の二大女神”と言われていた八重樫さんの姿かい? ザーメンで鼻提灯を作ってる無様な女が? こいつの今の顔、ファンクラブの女の子達に見せてあげたいくらいだよね!」
「……なあ、本当にこんな事をやる意味があったのかよ?」
「もちろんあるさ。君もいつもみたいに八重樫さんを犯せて満足だったろう?」
光輝が少女に対して釈然としない様な声を掛ける。だが、その口調は普段の彼と違っており、まるで今までが演技だった様な不自然さが目立っていた。
「ほら、続けなよ。猿みたいに腰を振って、改竄しても八重樫さんの記憶に残る様にしてよね」
「へいへい……じゃあ、次はケツマンコの方にでもするか!」
「あ、あなた……一体だれ、んほおぉぉぉおおっ!♡♡♡♡♡」
その状況に違和感を感じようとして———尻穴に突き上げれた肉棒の感覚に雫の意識は快楽の渦に引き込まれた。
***
早朝の時間帯。光輝は城の廊下を歩いていた。地球にいた頃の彼を知る人物がいたら、これがあの光輝かと目を疑っていただろう。常に自分の正しさを信じて自信に満ちていた顔は疲れ切って覇気が無く、目の下には傍目でも分かる程に隈が出来ていた。足取りも泥の中を歩いている様に重苦しいもので、“光の戦士団”団長として着ている純白の軍服は手入れを怠っている様に襟元がよれてる上に色も燻んでいた。
まるで激務に疲れ果てたサラリーマンだ。度重なる残業で身支度を整える暇も無く、日々の仕事に心身共にすり減らされているブラック企業のサラリーマン。光輝の学校での活躍ぶりから将来はエリートコースを歩むだろうと想像していた人間からすれば、いまの落ちぶれた様な姿にさぞかし驚いたに違いない。
「どうして……どうして皆、俺の話を聞いてくれないんだ……」
重苦しい心情を吐き出す様にどんよりとした声が光輝から呟かれる。それは努力してるのに成果が出ないという、今までの光輝とは無縁だった不満だ。
アンカジ公国近辺の練兵場での反乱を皮切りに、ハイリヒ王国は各地で農民や諸侯の貴族達が反乱を起こす内乱の絶えない国となっていた。その反乱の鎮圧に光輝達も駆り出される様になり、それが光輝に重い心労を与えていた。
どうして自分は同じ人間達と戦っているのだろうか。
自分は魔人族からハイリヒ王国の人々を救う勇者として異世界から召喚された筈だ。
それなのに今は何故、その王国の人達に剣を向けなくてはならないのか。
(きっと……皆、きっと誤解をしているだけなんだ。落ち着いて話し合えば分かり合える筈なんだ。それなのに何で………)
反乱を鎮圧する為とはいえ、本来なら自分が守るべき王国の人間達と戦いたくはなかった。だからこそ光輝は鎮圧部隊と共に赴いた先々で必死に彼等に呼び掛けたのだ。
こんな事は止めるべきだ。
自分は貴方達とは戦いたくない。
きっと話し合えば分かり合える筈だ。
だが、そんな風に必死に説得しようとしても民衆達は落ち着いて話を聞くどころか、怒り狂った様に武器や投石で光輝を攻撃してくるのだ。そしてやむを得ずに光輝が反撃に応じるというのがもはや定番の流れだった。“神の使徒"としての圧倒的なステータスがあるからトータスの一般人達などすぐに無力化できるものの、自分の話を聞こうともしない彼等の事で光輝の精神はすり減らされていた。
(人間同士が争い合うなんて野蛮で悲しい事なんだ……そんな事くらい子供にだって分かる様な話なのに、どうしてあの人達は………)
もちろん反乱を起こした民衆達の恨み言は光輝にも届いていた。
お前のせいだ。お前が考えなしに戦ったから畑が荒れた。“光の戦士団”のせいで生活が苦しくなった。魔人族との戦いに何も役立たなかった役立たずの勇者め。
だが、光輝からすれば全て謂れのない誹謗中傷だったのだ。
(確かに遠征した時にちょっとやり過ぎた時もあったさ……でも、あれは魔物達を倒す為に仕方がなかったじゃないか! それにその後に畑山先生が被害に遭った土地を直した、ってイシュタルさんも言ってたじゃないか!)
だから何も問題は無い筈なのだ。自分達は人命に被害を出した事はないし、壊してしまった土地も直しているのにどうして未だに怒っているのか。
(“光の戦士団”だって……皆で魔人族に立ち向かおう、という話だったから作ったんだ! そりゃあ
“光の戦士団”や“聖戦遠征軍”の結成に大きなお金が動いている事は光輝でも理解できた。だが、魔導国が
そう言っているのに………民衆達は光輝の話を聞こうともしないのだ。
向けられる謂れのない悪意、各地で反乱が勃発している為に休む間も無いくらい連続する出撃命令。そして会話をしようともしてくれない民衆達。それらに光輝は身も心も疲れ果てていて、今日は本当に久々に王宮に帰ってこられたという有様だった。
(あの人達はどうして話し合いに応じてくれないんだ………いや、きっと何かワケがあるんだ。そうに違いない)
こんな時でも光輝の思考は自分に都合の良い解釈を求めていた。彼なりに考え、納得のできる理由を頭の中で作り出す。
(そうだ……この反乱は何故か急に各地で起き始めたんだ。きっと裏で糸を引いている黒幕がいる筈だ! それこそ魔導国の仕業に違いないんだ!)
魔導国は人間達が魔物に支配されている地獄の様な国だ、と光輝は聞いていた。アンカジ公国を魔人族から守ったのも魔導王が殺戮を楽しみたいだけだった、と聖教教会の人間や王宮の貴族達が言っていた。この世界に来てから、ずっとお世話になっている彼等を疑う気持ちなど光輝にはなかった。
(きっと魔導王こそが本物の魔王なんだ! そいつを倒してトータスに平和を齎すのが“勇者”である俺の使命なんだ! そうすればエヒト神も龍太郎達を生き返らせてくれる筈だ!)
そしてオルクス迷宮で攫われた幼馴染も魔導国にいるだろう。アンカジ公国の戦いで、香織を攫った裏切り者は姿を見せなかった。ならば何処にいるかというなら、やはり魔導国だろう。自分達や王国の人間達を裏切った様な奴なら魔導王に媚び諂って手下にしてもらい、香織を監禁できる様にしているのだと光輝は予測していた。
(だから人々を守る為にもいつかは魔導国と戦わなきゃいけないんだ! アンカジ公国やヘルシャー帝国も支配した様な国だ、きっとハイリヒ王国にも矛先を向けてくる! その為にも人間同士で争い合ってる場合じゃないのに……!)
人類の平和の為に魔導国に対して一致団結して戦わなくてはならない。しかし、その為にも各地の反乱を鎮圧して人々を説得しなければならない。
おそらくこうしている間にも魔導国の企みは進んでいる。それなのに事態を止められないもどかしさに光輝が歯噛みしていると、廊下の先で見知った後ろ姿を見つけた。
「雫!」
それまで暗澹としていた光輝の表情がパッと明るくなる。こうして雫と会うのもいつ以来だっただろうか。呼ばれた途端、雫の肩がビクッと震えたが久しぶりに会えた嬉しさに光輝は気付かなかった。
「久しぶり! なあ、雫。聞いて欲しい……香織の事だけど、きっと魔導国に―――」
「触らないで!!」
バシンッ! と肩に触れようとした手が強く叩かれた。かつてない程に強い拒絶に光輝の表情が固まった。
「え………ど、どうしたんだ? まだ俺の事を誤解しているのか?」
「誤解……? あんな………あんな事をして、よく誤解だなんて言えたわね!!」
雫は自分の胸を庇う様に抱き締めながら、光輝から距離を取って怒鳴った。まるで痴漢にでもあったかの様な反応だった。
「昨夜に私の部屋に突然押し入って、無理やり薬を飲ませて、それで……それで……! あんな事する様な男だったなんて見下げ果てたわよ!!」
「お、落ち着いてくれ! 昨夜? 一体、何の話をしているんだ……?」
涙すら浮かべて雫は怒鳴るが、光輝には話の内容が掴めない。そもそも先程に王宮に着いたばかりなのだ。それなのに何故、雫は自分が何かした様に語るのか意味が分からなかった。
「と、ともかく何か誤解をしているんだ! 雫、落ち着いて話をしよう!」
「いやあああっ! やめて、近寄らないで!!」
光輝は雫を落ち着かせる為に肩を掴もうとしたが、雫はまさに光輝に犯されそうになっているかの様に金切り声を上げた。
「雫様! どうされたのですか!?」
あまりに騒いでいたからか、近くにいたメイド達がバタバタと駆け寄る。その中には雫付きのメイドであるニアの姿もあった。
「ニアさん! 雫の様子がおかしいんだ、一体―――」
「助けて!! ニア、助けてっ!!」
光輝の言葉を遮る様に雫がニア達に助けを求める。
雫の肩を無理やり掴もうとしている光輝。そして涙目になりながら自分の身体を守ろうとしている雫。
その光景を見て、ニア達はしばらく驚きに固まっていたが―――すぐにキッと表情を鋭くさせた。雫がまだ寝込んでいた時、お見舞いと称して部屋に無理やり押し入ろうとした光輝の姿が思い起しこていた。
「雫様から離れて下さい!!」
「なっ……!?」
メイドの一人が雫を庇う様に光輝の前に立ち塞がる。その隙にニアが雫を保護する様に手を引き、光輝から逃げる様に連れ出した。
「雫様、こちらに!」
「ま、待ってくれ! 誤解だ! 俺は何も―――」
「言い訳など聞きたくありません!」
「勇者様が女性に乱暴を行う様な人だなんて幻滅しましたわ!」
「貴方も他の“戦士団”の男達と変わらなかったのですね!」
光輝は弁明しようと声を上げるが、雫を守る様に立ち塞がったメイド達はまるで女の敵を見るかの様に睨んでいた。たったいま見た光景はどう見ても雫に狼藉を働こうとした様にしか見えないのだ。何よりニアを始めとして彼女達は“ソウル・シスターズ”を自称するくらい雫を好いている者達だ。そしてこの後に雫から事情を聞けば、もはや光輝は彼女達に蛇蝎のごとく忌み嫌う存在となるだろう。
「どうか………どうか俺の話を聞いてくれっ!!」
周りから責められた光輝は必死に真実を訴えようとしたが、誰も聞く耳は持たなかった。
***
「あは、あはははははは!! 良いよ、最高の展開だよ!!」
光輝がメイド達に責められている姿を見て、物陰から恵里は腹を抱えて笑った。
「ここまで思い通りになるなんてねえ。いやあ、八重樫さんも最高の役者だったよ。本当は清水の肉奴隷のクセにさあ!」
望み通りに振る舞ってくれた雫に対して、恵里は嘲笑をもって讃えていた。
昨夜、雫をレイプした光輝の正体―――それは清水だった。彼は闇魔法で雫の認識を改竄して、自分が光輝に見える様に仕向けていた。そしてそうする様に指示をしたのが恵里だったのだ。
「それにしても……ブフッ! 何を今更、生娘みたいな反応をしてるんだろうね? もう既に色々な男どころか、犬とも喜んでヤってる様な変態女のくせにさぁ!!」
闇魔法で意識や記憶を改竄させられている雫はその事実を知らないのだが、真実を知っている恵里は雫の状況を悪魔の様な笑顔で嘲笑っていた。
まだだ。まだ足りない。あの女は長年に渡って幼馴染というだけで光輝を誑かし続けていたのだ。だから女として、そして人間としての尊厳を粉微塵にする様な仕打ちをしないと恵里は気が済まなかった。
(ヤルダバオトは、その時が来るまで八重樫さんが急に消えても不自然にならない状況を作れ、と言ってたからね。だったら、周りからいなくなっても気にも止められない最低の女にしてやれば、問題ないよねえ?)
今はメイド達は光輝を一方的に責めているが、冷静になれば昨夜に光輝が雫の部屋を訪ねるなど無理だと気付く者が出るだろう。そうでなくてもこんな事があった後ならば、夜中にも雫の様子に気を配る様になる筈だ。
だが、雫は今まで通りに清水のおもちゃとして抱かれてもらう。他にも雫が夜の街に繰り出し、金の為にふしだらな事をしているという事実を知れば彼女達も雫に幻滅する筈だ。現にクラスメイト達も薄々と気付いてる者が出始め、ひそひそと雫のいない所で噂し合っていた。女子達の中には軽蔑の目で雫を見ている者もいる。もしもここで雫が蒸発したとしても、『虚言癖のある少女がどこぞの男と夜逃げした』とでも思われるだろうと恵里は考えていた。
ヤルダバオトの命令もこなせ、
「あぁ……可哀想な光輝くん。あんな嘘つきビッチの為に誤解されるなんて」
こっそりと伺っている視界の先には、光輝が必死にメイド達に弁明しようとしている。しかし“光の戦士団”の横暴さを知っている彼女達からすれば、光輝も檜山達と同じ部類だと思われてしまった様だった。これで周りからの信用を無くした光輝の
「たとえ世界中の人間が君を嫌っても、僕だけはずっと光輝くんの
だから、と恵里は呟く。
それは、まるで切なる願いを口にする様に
「今度こそ………僕を振り向いてくれるよね?」
悪魔に魂を売った魔女は、王子様から愛されたい為に暗躍する。
邪魔者であるプリンセスを―――果てなき悪夢へと蹴落として。
というわけで………結局、清水が光輝のフリをしてるだけでした(笑) なんというか個人的に光輝が香織や雫を抱く展開には抵抗感があるから書きたくないと申しますか……それはそれとして光輝がユエを寝取る他作家の作品は興奮するけど(笑)
あとかなり前にアンケートを出してくれてる読者の皆さん、中々要望通りに書けなくて申し訳ありません。R-18版は自分の中で意欲が湧かないと書けないので、更新もかなり不定期です。(一応、全てのアンケート要望には目を通しています)