※この作品はR-18です。

シロマの受難   作:名無犬

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お久しぶりです。

FGOの方が完全に手詰まっているので、心機一転の為にこちら挟みます。
相変わらずの設定悪用(今回はダンジョンのアイテムやらをエロ目的に使用する等)がありますので、苦手な方はご注意ください。

純真無垢な少女を思っくそ快楽で染め上げたい諸兄に送る作品にしていこうと思います。
よろしくおねがいします。


出会い

「ああっ♡ やっ、まらイくっ♡ おちんぽ止めてっ、ビクビクきちゃうぅっ♡」

「おらっ、何我慢してんだっ! まんこキュンキュンさせてるくせにいっちょ前にアクメ耐えてんじゃねえぞ! もうてめぇの弱点なんか知り尽くしてんだこっちはよぉ!」

「んおおおおおっ♡ しょこ引っ掻いちゃらめっ、もっ、無理っ、無理ぃ♡」

「おらっ、止めだぁ! 雑魚まん締め付けてイキ散らかせ!」

「やらぁぁっ♡ ひぐぅぅぅぅぅっ♡」

 

 海に張り出した岩場の中腹。そこに建てられた白と赤の壁を持つ小さな家の中で、少女の嬌声と、それを齎す男の荒い声が響いていた。

 野盗じみた粗野な男が、明らかに己の娘でもおかしくない少女を組み敷いて、その毛のひとつさえない女性器に己の剛直を突き立てている。結合部からは泡立った白濁液が溢れ出ており、少女がこの陵辱を長いことその身に、それも繰り返し受けていることは明白だった。

 その濃桃色の髪にも白濁は存分に付着しており、整った顔に映える碧色の瞳は涙だけではなく、その幼気な容貌に似つかわしくない淫靡さで滲んでいる。

 本来少女が身につけていた、家の外壁と同じく、白地に裾や袖を髪色より濃い赤色の山模様で縁取ったローブは、陵辱を軋みながら受け止めるそのお揃いの柄の布団を設えたベッドの脇に乱雑に放り投げられていて、純白であったはずのそれは、ところどころが少女の頭部や性器同様に、男の欲望により汚され黄ばんでいた。

 小さな小屋の中、シンプルではあるが明らかに少女らしい部屋の中は、男女の交わる淫臭という明らかにそぐわぬ香りに支配され、男の与える身勝手かつ暴力的な快感を受け入れてしまうほどに少女が食い散らかされてしまったということを示している。

 

「お、おひ……はひっ♡ も、イ、イっひゃから……おねが、も、やめへ……♡」

 

 ビクビクと絶頂後の余韻が引かぬ中、息も絶え絶えに少女は懇願する。

 既にこの男に逆らう気も起きないのだろう。未だ繋がったままの性器同士を抜くこともできないまま、その小さな膣壺に収まりきらない精を注がれて、虚ろな目と回らぬ呂律で哀願する少女は、あまりにも庇護欲をそそる哀れさを醸し出していた。

 だがそれも、

 

「ひぅぅっ!?♡ なんれ、また、大きくっ♡ ほぉんっ!?♡」

 

 男が尋常の感性を持つ真っ当な紳士であれば、の話。

 少女の姿に庇護どころか嗜虐心を刺激された男のちんぽには、再び血液が充填され、少女のおまんこに収まったままその姿を再び凶悪な肉棒へと滾らせ始める。むくむくと自分の中で大きくなるちんぽに、未だ敏感なままの膣壁を擦られ驚く少女だったが、驚愕の暇も与えず男はその細腰を掴むと、その尻へと自分の腰を猛然と打ち付け始めた。

 

「おっ、おっ、おっ、おっ、おおぉっ!?♡ ひゃめへ、ひぃぃぃんっ♡ おひんぽ、もっやなの♡ たしゅけ、たしゅけへ、ボムおばしゃぁぁぁ♡ こんにゃのやらよぉぉぉ♡」

「へへへっ、こんな場所に誰も助けなんか来ねえよ! 恨むんならちんぽに勝てない雑魚メスだった自分を恨みな!」

「ほぉぉぉぉ♡ おっほぉぉぉぉ♡ 奥ズンズンしりゃいれぇ♡ おちんぽもう教えないで♡ 分かった、分かったからぁ、シロマは雑魚メスでしゅ♡ おちんぽ様には敵いましぇん♡ らからやめ、んへぇぇぇぇぇ!♡」

「チン負けまんこの分際で何命令してんだオラァ!」

「ひぃぉぉぉぉ♡ イってゆ♡ イってゆんれしゅぅぅ♡ イってるおまんこどちゅどちゅしないれぇぇぇ!♡」

 

 少女のアクメ声は止まらず、男もまたその腰の動きを止めない。シロマと名乗った少女がなぜこのような受難に遭遇しているのか、話は数週間ほど前に遡る。

 

 

 

 

ーーー 数週間前 ーーー

 

 

 

 男がその地に流れ着いたのは、ただの偶然だった。

 休んでいた洞窟の中でモンスターに襲われ、ほうほうの体で逃げ出したその奥が、とある岬に通じていた。ただそれだけのこと。

 故郷を追い出され、野盗とも追い剥ぎともつかない生活をしながら旅をしていたその男は、その岬に食い込むように聳える巨大な建造物を見つけた。

 男の中にはその知識はなかったが、幸いというのか、入口の前には二頭のモンスターらしき存在が見え、藪に身を隠して近づいてみれば、その建造物が「ダンジョン」なる施設であることと、中には宝があるらしいということが分かった。

 というのも、モンスターの片方は男にも理解できる言語で話しており、丁度、相方らしき黄色の鳥型モンスターに「ダンジョン」なるものについて説明していたところだったからだ。

 彼らには常のことなのだろうか、手短な説明だったが故に男に伝わったのは「一攫千金を狙える場所」という程度の情報しかなかったが、特に気負ったところのない足取りで二頭がそのダンジョンに入っていくのを見て、どのみち行く当てなどない男はその後を追うことに決めた。

 理性があり、人語を解するモンスターは人との共存を否としないことも多く、行く先々でいくつかのモンスター村にも立ち寄ったことのある男にとって、その行動は特に忌避するものでもない。

 問題は、中に入ったあとだった。

 

「なんだこりゃ」

 

 後について入ったはずなのに、先行した二頭どころか、入ってきた入り口さえ次の瞬間には消え去っていた。外観のへんてこな建造物からは想像できない、暗がりの洞窟。かろうじて視認できる程度の明かりはあるものの、見通しが良いわけでもない。

 嫌な予感と致死の予感に同時に襲われた男だったが、後ろに道もない以上進むしかなかった。

 

「……く、くそ……」

 

 そしてそこからが地獄だった。その洞窟内に徘徊するモンスターは、先の二頭とは違い、どいつもこいつも(ある一種を除いて)好戦的で、敵対的だった。男を見るや否や襲いかかってくる怪物共に追われ、なんとか階段を見つけて次の階層に進めば、そこに待っていたのは更なる怪物たちの群れ。男は体格もよく、実際荒事の経験もあったが、相手がモンスターともなれば人の身では少々以上に心もとない。何種類かは一体程度であれば素手でもどうにかなる手合もいたが、このダンジョンとやらがどこまで続くのかも分からない以上、無駄に戦って体力を減らすのも下策と言える。

 あの白いモンスターが言っていたとおり、たしかに道中宝箱はあり、幾ばくかのアイテムを手に入れはしたが、見たこともない薬や使い道のわからないカードばかりで、かさばるばかりで用途がわからない。

 逃げ去りがてら苦し紛れに怪物共に投げつけたりして見ても、特に効果が見えるようなものはごく少数。カードの中に、怪物に当てると相手を眠らせたり錯乱させたりする類のものをみつけて、そのいくつかを模様を頼りに識別できるようになってからは、そればかりを集めて何とか逃げ延びるような地獄が延々と続いた。

 

「畜生……こんなとこ、来るんじゃなかった……」

 

 男はほうほうの体で何とか階層を進む。もう時間の感覚も分かりはしないが、渇きの具合から日が経っているということはあるまいと判断する。

 そうして降りた先、洞窟の外壁に人工的なものをやや感じるフロアに辿り着いた男は、そこで先行していた二頭を発見する。

 黄色い鳥は部屋の中をふらふらとしており、頭に玉を付けた白い人形じみたモンスターは、レバーの前でうんうん唸っていた。

 壁の影に隠れてその様子を覗っていた男だったが、やがて黄色い鳥が自分の方に向かってくる。

 それまでは、こんな目に合わせた二頭にどうにか復讐してやれないかと逆恨みしていた彼だったが、黄色い鳥は部屋から出てこようとしており、このままだと鉢あってしまうとなって大いに慌てた。

 

(ええい、ままよ!)

 

 どうせ後ろに戻ったところで行き止まり。あの頭の弱そうな鳥は下手すると奥の奥まで戻ってくるかもしれない。

 ならば、まだしも吶喊したほうが、あの鳥を何とか抑え込んで白い方を脅せるかもしれない。

 そう考えた男は、覚悟を決めて物陰を飛びだした。

 

「おおおおおお!」

「キュピィ!?」

「っなんだぁ!?」

 

 しかし、予想外だったのは鳥が思った以上に男の咆哮に驚き、白い方に向けて突進していったことだ。

 そのまま鳥は白いのに飛び込み、自分と同等以上の質量に突っ込まれた白いのがそのまま抑えきれずに倒れ込む。必然、その背にしていたレバーをも諸共に。

 それは、とある罠の起動レバーだった。

 

「あっ」

「えっ」

 

 その瞬間、男の視界が歪んだ。かと思えば、ものすごい勢いで上に引っ張られる感覚があり、細い管の中をあちらこちらへと振り回され、次の瞬間には目に飛び込む強烈な光と浮遊感。何が起こったかもわからず、男は混乱するばかり。

 

「ぐぁっ、なんだ……ってうおおおおおお!?!?」

 

 暗がりからの明転で一瞬目が眩み、しかしすぐに光にやられた視界が戻る。同時に、浮遊感の正体も判明した。広がる青空、錐揉する自分。回転する視界に目まぐるしく映るのは、青空と海と、おそらく先程まで自分が潜っていたダンジョンなる施設。

 そう、男は明らかに、空中高くに打ち上げられていた。

 このまま落ちれば確実に死ぬ。そう思った男は手足をバタつかせるが、残念ながら先の黄色い鳥とは違い、男に羽はない。

 長いようで短い打ち上げが落下に転じるも、どうやら海側に吹っ飛んでいないことを認識するので精一杯だ。

 少なくともこのままでは叩きつけられて死ぬ。そう思った男は、落下で姿勢が安定したのを見るやいなや地面に向けてダンジョンで拾ったものを手当たりしだいに投げつけた。

 結果的に、それは功を奏する事になる。

 まず薬瓶が地面に落ちると、轟音とともに地面に穴が空いた。ついで、放り捨てたカードが空中で消えたかと思うと、空いた穴が瞬く間に液体で満たされる。

 ダンジョン内で拾った薬の一つが爆薬であったこと、投げ捨てたカードがたまたま、近くの穴を泉に変える「わき水のカード」という魔法のアイテムであったこと。二つの要因が男の命を救った。

 とはいえ、身長の数倍もの高さから着水して無傷で済むわけではない。盛大な水音としぶきを上げて落下した男は、そこまで深いわけでもない即席の泉のおかげで死出の旅こそ免れたものの、衝撃は殺しきれず、身体には甚大なダメージを負うことになる。

 全身バラバラになるような痛みの中、何とか溺れる寸前で水からは這い上がるも、そこで力尽きて気を失うことになった。

 

(ぐぅっ……こんなとこで、死ぬのか……最後に、女の一人も抱きたかった……畜生……)

 

 その寸前の思考がゲスな辺り因果応報という言葉がふさわしい男ではあったが、よほど悪運が強いのか、このあと彼は一命を取り留める。

 ひとつは、男が呼び出した泉を満たしていた液体が、幸いにも怪我を癒やす魔法薬「ポーション」で構成されたものであり、落下後にそれを期せずして散々飲み込んだことで、男の負った怪我が急速に回復し始めていたこと。

 そしてもう一つ―――

 

「今の音……なんだろう?」

 

 気絶したその男のもとに、とある事情からたまたま近くに居を構えていた一人の少女が(男にとっては幸運な、彼女にとっては不幸なことに)現れたからである。

 少女は濁った水溜りの縁(男がもがいていたので既にほぼ泥水になっていた)に倒れ伏す男を発見し、その状態があまり良くないことを看て取ると、杖をかざして何事か唱える。すると杖の先から光が迸り、男の体で収束すると、未だ残っていた外傷がみるみるうちに癒えていった。

 少女のジョブは、見た目通り白魔導士。数ある魔導士の中でも癒やしの術を得意とする。その力で男がある程度癒えたのを確認した少女は、何故こんなところの泥水溜りに傷を負って倒れていたのかは気になりつつも、生来の心根の優しさから、ダンジョンの入り口から崖を下る階段の先、崖の中腹に建てられた自身の家に男を運び込む。

 回復魔法のおかげで、朦朧としながらも意識をわずかに取り戻した男に肩を貸し、何度か危なく転落しそうになりながらも、彼女は家にたどり着き、一部屋しかないその家の、それまた一台しかない寝台へと男を横たえた。

 寝具の柔らかさに安心したのか、男の意識はそこで再び落ちる。ほう、と息をついた少女は、棚から薬草の類を取り出すと、休むこともなくそれらの調合に入った。

 見ず知らずの者であろうと、傷ついたものを放ってはおけない彼女はまさしく白魔導士の鑑であったが、彼女は彼女のために、男を見捨てておくべきだったのだということに、この時はまだ気付けないでいた。

 

 

 

 男が意識を取り戻したのは、そこから二日後の朝だった。

 

「うっ……ここは……どこだ?」

 

 目を開いた男の目に映るのは、知らない天井。白く塗られた壁沿いに頭を傾けて見れば、そこにある棚の前に、フードを被った小さな背丈の人物が見えた。

 

(俺は、生きてるのか……?)

 

 その人物が天の御遣いのような白衣を纏っているせいか一瞬自分の生存を疑う男。そんな男に気づいたのか、その人物はフードを外し、振り返って男を見た。

 

「良かった。気がついたんだね」

 

 陽光に照らされ、朗らかに微笑んだその人物は、まだあどけない少女であった。男の記憶では先程まで死にかけていたわけで、その表情があまりにも現実感がなく、思わず警戒してしまう。

 すると、そんな男の態度に少女は少し拗ねたように頬を膨らませた。

 

「貴方、近くで怪我をして倒れてたの。なのに、手当をしてあげた人を見て睨みつけるなんて、ちょっとひどくないかな?」

「手当、して……?」

 

 そう言って身体を動かそうとすると、痛む箇所が全身にあるのがわかった。痛みの程度からしてもう殆ど治ってはいるが、所々に痣や擦り傷などがあるのだろうことも。

 

「とは言っても、すごい勢いで怪我が治っていったから、私がしたことはほんの少しだけど。身体はもう大丈夫?」

「その、すまない……どうにも状況が分からなくて。君が助けてくれたのか」

「私も状況はわからないけど、放ってはおけなかったから。私、シロマ。白魔導士のシロマ。よろしくね」

「俺は、スティルだ……身体は……まだある程度痛むが問題はなさそうだ。ありがとう」

 

 互いに自己紹介をする中で男が告げた礼に満足そうに微笑んだ少女は、はた、と気がついたように部屋の入口に目を向けた。

 

「どういたしまして。不思議な治り方だったけど、無理はしないでね。あ、私、そろそろ出かけなきゃ」

「そう、なのか。では俺も……うぐっ」

「あっ、無理はだめだよ。まだベッドで休んでていいから」

 

 少女は駆け寄って、身を起こそうとした男を再び寝かせる。男の鼻孔を少女の花のような香りがくすぐり、そのせいか抵抗する気も起きずに横たわる男。

 少女は目を弓なりに細め、慈愛に満ちた笑みで男を見つめる。ついぞ味わったことのないその無償の優しさにどう反応していいのかわからず、男は目を白黒させた。

 

「それじゃ、身体がよくなるまでは休んでいて。痛みがひどいならこの薬を飲んで。それと、お兄さんの荷物はそこにまとめてあるよ。あ、そうだ。棚にある薬は飲んじゃ駄目だからね、失敗作だから。こないだのは爆発する薬になっちゃったし、今回のはまだよく分からないんだ」

「あ、あぁ……」

 

 矢継ぎ早に世話を焼いて、シロマが家を出ていく。

 それを呆然と見送った男は、しばらく呆けていたが、次第に今に至るまでの状況を思い出してきた。

 ダンジョンに潜り、死にかけたこと。

 なんとかたどり着いた先で、白いモンスターに罠にはめられたこと。

 その罠によって上空に打ち上げられ、落ちるまでの間になんとかもがいたら、急に現れた泉に突っ込んで何とか生き残ったこと。

 整理してみれば、記憶の混濁もなく、今に至るまでは思いだせた。おそらく白い彼は罠にはめる気など毛頭無かっただろうが、男の中ではそういうことになっていたので(本人的には)齟齬があるわけでもない。

 そう思うと沸々とした怒りも湧いてきたが、あれらを追ってもう一度ダンジョンとやらに入るのは御免蒙るため、その火はあっという間に鎮火した。

 むしろ生き延びたことは僥倖だし、その先で、幼いとはいえ見目は麗しい少女に介抱されたとあらば、ある意味では得とさえ言えた。

 

(少し、言葉に甘えるか……)

 

 兎にも角にも、今は身体を癒やさねば先も後もない。

 

(それにしても……)

 

 男は、身体が動かせなくなった分、巡らすしかなくなった思考の中で、先程の少女のことを思い浮かべる。

 

(まだ幼いが、美しい少女だったな)

 

 シロマと名乗った少女。身元もわからぬ男を介抱し、目を覚ましたことに心の底からを安堵を見せた純粋さ。更には幼気でありながら、美と称して余りあるその容姿。

 死にかけた、というより死に損なった男は、その姿に久方ぶりの邪な昂りを感じる。

 

(……だが、いまは眠るか。全てはそれからにしよう)

 

 だが、その昂りに身を任せるには、男の身体は些か以上に消耗しすぎている。

 そのうち、未だ休息を欲していた身体は男を睡魔に誘い、今度は気絶ではなく、緩やかに意識は微睡んでいった。

 

「……いさん……お兄さん、起きれる?」

「んあ……っと、シロマ、だったか?」

「おはよう、私のこともわかるなら、大丈夫そうだね」

 

 軽い揺り動かしを受けて、男の眠りが覚まされる。そこにいたのは昨日と同じ少女で、男も彼女の名を覚えていた。

 誰何してみれば記憶は正しく、互いに男の状態がそう悪くないことを確認する。そして男は、寝る前に覚えたあの昂りが今もくすぶり続けていることも、同時に。

 

(何をするにも、まずは取り入るか)

 

 そして男はその内心を悟られぬよう、いかにも善人ぶってすまなそうな表情を作ると、少女に向かい頭を下げる。

 

「すまん。嬢ちゃんのベッドだったな」

「気にしないで。怪我してたんだもの。もう起きれそう?」

「ちょっとまってくれ……よっ、と」

 

 男が寝起きの体に活を入れれば、眠る前と違い、身体はその意志に従った。まだところどころに痛みこそあるが、それに呻くほどでもなければ、動きを阻害されるほどではない。あの高さから自由落下させられて、この程度で済んだのならばむしろ御の字だと言えた。

 

「痛みは多少あるが、この通り動けそうだ」

「良かった。何があったのか、聞いてもいいのかな?」

「ああ、とはいっても、俺にも正直何がなんだかよく分からん部分が多いんだが……」

 

 そして、男は助けられた相手にこれまでのことを語る。故郷から出て旅をしていたこと。その旅の途中、モンスターに襲われ、ほうほうの体で逃げた先、とあるダンジョンを見つけたこと。ダンジョンの中で作動した罠によって空高くに放り出され、無我夢中で中で手に入れたものを投げたら、どうにか助かったらしいこと。

 言葉にしてしまえばそれだけだが、少女はその一言一言をしっかりと聞いていた。

 ちなみに、その男の言葉に嘘はない。意図して理由を言わない部分はあったが。

 

「と、言うわけだ。シロマ、君は命の恩人だな、改めて、ありがとう」

「私は、そんな大したことはしてないよ。前にも言ったけど、お兄さん、怪我がみるみるうちに治っていったから」

「その間に寝床を貸してくれただけでも大恩だ。何か報いることができればいいんだが……」

「怪我人さんがそんなこと考えなくていいのに」

 

 スティルの申し出に、くすくすと笑いながら気にするなと言う少女。

 その少女の屈託のない、無邪気な笑みを受けて、しかし己の中から感謝の念よりも、やはりというか、より黒い情念が湧き上がるのを男は感じた。

 

(……ああ、俺のような男を助けてしまったことの意味を、この少女に教えてやりたい)

 

 即ち、その笑顔を曇らせたいという、善人はおろか常人にさえ理解しかねる、少女へと向けるには相応しくない男としての獣欲。無垢なものを穢したいという下卑た喜び。

 男がそもそも故郷を出た―――というより追われた原因は、村の女を強引に襲って関係を持ったからだった。

 男は生来性欲が強く、その恵まれた体格で強引に村の女を見境なく手篭めにした。それ故、村八分に遭い故郷への出入りさえ禁じられたのだ。

 さらには、その旅路の最中においても、道すがら旅の女に出会えばこれまた見境なく襲いかかり、欲望のたけをぶつけるような強姦魔に成り果てていた。

 少女は、知らずそのような男の命を助け、家にまで招いてしまったのである。

 

(助けてくれてありがとう。お礼に、女の喜びを教えてやろう)

 

 シロマへ、命の恩人に対しての感謝はもちろんある。身元も不明な男に、怪我を負っていたからと自分の寝床を貸し与え、看護して見返りも求めずに微笑む天使のような少女。男にとっては娘であってもおかしくないであろう年齢の少女が持つ無垢さと、少しだけ大人びたおしゃまさ。崇敬さえ感じる神聖性がありながら、少女らしい屈託のない笑顔の魅力。

 しかし、それらが男の欲望を受けて歪むさまを鑑賞したいという、余りにも暗澹たる愉悦を思いついてしまえば、その感謝は自らの獣性に塗りつぶされる。

 その細い腕を掴み、今己が横たわる少女臭の残る寝台に縫い止めてやりたい。そのローブを捲くりあげ、秘めたる柔肌を曝け出してやりたい。きっと驚愕に染まるであろうその瞳を見ながら、桜色の唇にむしゃぶりつきたい。涙に歪み懇願するであろう少女を意に介さず、きっと処女であろうその股座を割り開いて、滾る肉槍を突き入れてやりたい。

 そう思うと、布団の中、己の股間に血が集中していくのを男は感じた。

 しかし、行動に移すにはまだ体力も、情報も足りない。

 シロマのような少女が、こんなところに一人で暮らしている理由も謎であれば、ここに定期的に他人がやってくる可能性も分からない。ほぼ治ったとはいえ、十全とは言い難い今の状態では、逃げ切られる恐れもある。

 故に男は、つい先程までは確かに感謝によって申し出ていた「恩返し」を、この場に留まるために利用することを決めた。

 

「いや、甘えるばかりでは男としても沽券に関わる。ましてや君のような子供に」

「その子供に助けられたのに?」

「それを言われると弱いが、何かシロマに報いることができないだろうか? 君は一人でこんなところに暮らしているのか?」

 

 自然な会話に見せつつ、探りを入れていく。教養のない男ではあったが、こういう技術には天性のものを持っていた。男の水面下の思惑には気づかず、少女は困ったように頷く。

 

「なら、不便もあるだろう?」

「大丈夫。近くの村に住んでる幼馴染が何日かに一度、様子を見に来てくれるんだ」

「そうなのか? 俺が倒れている間も来てたのだろうか?」

「スティルさんがいる間は、もともとの約束もあって一緒にダンジョンに来てくれたから、ここには来てないかな」

 

 定期的な人の往来がありそうで少々厄介なことになりそうだったが、少なくとも数日単位ではあるらしいことが分かって男は胸をなでおろす。ついでに、自分が世話になった数日は家に寄り付いていないことも。つまり、定期的ではあるが間隔にはある程度の日数差があるのだろう、と。

 それはそれとして、聞き捨てならない単語を耳で拾った男は、実体験に基づく驚きが欲望を一時的に勝り、目の前の少女に勢いよく首を向けた。

 

「そうか……ちょっと待ってくれ。あのダンジョンに入ったのか、君みたいな女の子が?」

「私、こう見えて結構戦えるから大丈夫」

 

 ムン、と力こぶのようなポースを取るシロマは少女然として可愛らしいものだが、あのダンジョンから真っ当に生還する日常を送るとなると看過できるものではない。少なくとも、少女がどれほど戦えるのかは見ておく必要が出てきた男は、より情報の収集に務めることにする。

 

「とはいえ、だ。あそこで死にかけた俺からすれば、信じがたいものがある」

「いつも一緒ってわけじゃないけど、一人でもダンジョンに行ったことは何度もあるの。行かなくちゃいけないから……」

「一人で……なおさら、信じられん」

 

 どうやら、シロマは少なくともあのダンジョンに向かうのがルーティーンになる程度には腕が立ち、日々五体満足で生還できる能力を持っているということが判明する。

 そこからしばらくの会話を経て、

・シロマは何か目的があってダンジョンを往来していること。

・一人でも問題ないが、念の為に幼馴染に着いてきてもらうこともあること。

・ダンジョン内には脱出の手段があること。

・ダンジョンそのものを調べるのがメインで、男が拾い集めたようなアイテムの詳細についてはあまり知らないこと。

・あのダンジョンは入るたびに構造が変化する「不思議のダンジョン」と呼ばれる迷宮であること。

 を聞き出した男は、そこで改めて、何か力になれることは無いかと少女に問うた。

 

「え? だからそんなに気にしなくても……あっ」

「何か、あるのか?」

「いや、でも、こんなこと頼むのも悪いし」

 

 急に歯切れが悪くなる少女が、何か頼み事を思いついたのは明白だった。

 此処こそがチャンスとばかりに、男は畳み掛ける。

 

「頼むのが悪いかどうかは、聞いてから判断すればいい。推測だが、ダンジョンに関わる頼み事だったりするのか?」

「う、うん……でも、お兄さんはあそこであんな怪我までして、だから」

「頼みづらい、と?」

「それは、そうだよ。お兄さんだって、死にかけた場所にもう一度行きたくなんて、無いでしょ?」

「それは君だって同じじゃないのか? 念の為に知り合いに伴をお願いすることがあるくらいだ。行き来できることと安全かどうかは別の話だろう?」

「確かに、一緒に来てくれた子はこの間で怖気づいちゃったから、これからは一人で行くことになりそうで、少し不安かな。だけどね、これは私の問題だから、無関係のお兄さんを巻き込めないよ」

 

 どこまでも男の身を案じる少女に、下衆な本性を隠した男は、まるで心外だという風を装って食い下がる。

 

「シロマ、どうせ君に助けられなければあそこで失っていた命だ。それを君のために使うことは吝かではないし、恩人を死地に送って安眠できるほど、俺の神経は太くない」

 

 安眠できるどころか、恩人を陵辱せしめんとしているほどに神経が太すぎることはおくびにも出さず、同行を申し出る。

 少女は気まずそうな顔をしたまま、男の提案を吟味している様子だった。

 確かに、不安なのだ。ダンジョン内には同行者を含め拠点へと転送する「しおり」のアイテムがあるが、それをダンジョン内で手に入れられるかどうかは多分に運次第だ。彼女の幼馴染がいればこそ、安定して手に入れることが出来ていた。彼は村で商店を営んでいて、村の黒魔術研究所や他所で解析された魔法のアイテムを取り扱っている。その供給あればこそのダンジョン探索だったが、怖がりの彼に前回の探索で無理に着いてきて貰った挙句、少々危険な目にも遭わせてしまった今となっては、同行してもらうのは不可能と言えた。

 だからといって、シロマには自ら村へ買付に行けない理由もあった。仮にその買付だけを男にお願いするとしても、今の村に「人間」を向かわせるのは少々躊躇われる。

 村というのはモンスター村であり、構成員は理性あるモンスターなのだが、あのダンジョンが現れて以来、どうにも人間に対して敵意を感じさせ始めたのだ。世話になっていたおばさんでさえもそうなったがため、彼女は村に居づらくなり、一人ダンジョン前に居を構えて原因の究明を始めたのだから。

 そういった諸々の事情から、シロマは男の提案を受け入れ難かった。

 

(でも、今のままじゃ限界はある、よね)

 

 しかし、自分一人では現状手詰まりであることもまた事実なのだ。

 死地に再び男を連れ立つことに、生来の優しさが歯止めをかけているが、自分ひとりの探索行では千変万化するダンジョンの構造を調べ、都度帰ってくるだけでもそれなりに苦労する。回復の魔法が使えると言っても、自分に使うのと他人に使うのでは圧倒的に後者のほうが楽ではあるし、手数が単純に倍になるだけでもモンスター相手の連戦では精神的な負担が段違いだ。

 幼馴染にしても、戦闘能力というより周囲を警戒して貰ったりという補助をお願いするのが主だったので、それが男に変わったとて特に影響があるとは思えなかった。

 そう、この時点での男のこの提案は、たまたまではあるが渡りに船だったのだ。そしてシロマも知らない未知の罠に引っかかった男の経験も、それひとつとはいえダンジョンの新情報としては馬鹿にできるものではない。

 

「……………お兄さんは」

「なんだ?」

「お兄さんは、いいの? もしかしたら、また同じ目に合うかも」

「一人であれば問題だったが、君がいればそれも格段に楽だろう? 君はダンジョンも何度も往復しているみたいだし、脱出する術は用意していると見た。幼馴染を連れ立っていたのなら、人数分その手段が確保できることも想像がつく」

「確かに、それはあるよ。でも」

 

 少女の男のためを思う優しい逡巡。それを感じ取るたびに、男の中に欲望は渦巻く。この清らかな少女を手中にし、己の穢れを注ぎ込んでやろうと、より固く決意する。

 

「でも、というならなおさら俺を使って構わん。命の借りは命で返そう。それに、何も積極的に死のうだなんてつもりもない。なにせシロマは命の恩人である白魔道士殿だ。多少のケガならできると思えば、そう恐ろしいものでもないだろうさ。手はあるに越したことはないんだろう?」

 

 そう言って笑みを浮かべる男は、やや強面ではあるが柔和で、いかにも恩人への報恩の念を伝える善人だった。男に手篭めにされた女の殆どは、この上っ面に騙され、その身を貪られたのだ。

 

「無理強いはしない。シロマを困らせるのは本意じゃないからな。だが、どうせ行く当ても無い身だ。精々用立ててもらえれば、義理も恩も返せて、ついでに日暮しのタネにもなる。俺にも得な面があるんだ、そう難しく考えないでくれ」

「…………ありがとう。本当言うと、ちょっと不安だったんだ。お願い、していい?」

「任せてくれ。いや、むしろ守ってもらうのは俺かもしれないが」

「ふふっ、自信があるのかないのか分からないよ、お兄さん」

 

 そして少女もまた、閉塞した現状への焦りもあり、男の上っ面の善意を信じてしまった。

 

(ああ、命には命で。たっぷり命の素を注ぎ込んで犯……『お返し』してやるからな)

 

 その裏のどす黒い欲望に、人生経験の少ない少女に気づけと言うのは酷かもしれない。

 男は提案が受け入れられ、尤もらしい安堵の表情で少女に手を伸ばす。その手を取り、握手する少女。

 自分の取った手が、救いのそれではないことには、とうとう気づかなかった。




次回よりダンジョン探索です。


あ、ツイッターやってるんで良ければ作者マイページよりどうぞ
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