※この作品はR-18です。

シロマの受難   作:名無犬

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めっちゃ時間かかってごめんなさい。
私生活死ぬほど忙しくなってしまったのです……

※今回いわゆる「おもらし」の表現があります。苦手な方はご注意ください。


ゴブリンに、なったからには、すべきこと

(シロマの反応は動いてないな……)

 

 聡明な少女のことだ。自分がマップカードを起動したことをしっかり覚えていたのだろうと男は判断する。

 男を待つ姿勢になったのだとしたら、とりあえず近づかないことだけは容易だ。男としてもやりやすくなった。

 

(しかし、どうしたものか)

 

 効果がいつ切れるのか。思考そのものは自分のままなので、変成はしても変性はしない類の罠なのだろう。見た目がモンスターになり、どうやら膂力などもそれに準じるものになっているのは間違いないが、精神性などまでは変わっていない。それは、いまこうしてじっとしていても、居場所の分かっている少女を襲いに行こうという凶暴性の発露がないことからも明らかだ。

 

(……ん? 襲う?)

 

 しかし、そこまで考えたことで、悪知恵だけはやたらと働く男に、この状況の利用法が思いついてしまう。

 

(俺はいま、ゴブリンになっているわけだ……とすれば、俺がシロマにいま何をしようと、それはゴブリンがやったことになるわけで……)

 

 そう、男の外見はモンスターのそれ。つまり、この変成が少女に知られない限り、彼女にどんなことをしようともそれは「男がやったこと」ではなく「モンスターにされたこと」になるわけだ。

 

(とすれば、力の差さえなんとかできれば……)

 

 男の思考が回転していく。少女にとっては、間違いなく良くない方向へ。

 

(まずは効果時間を確認する。今のところ、踏んでからはそう経っていないが、短すぎても支障があるからな)

 

 可能であれば、少女に何かを行うには時間が欲しい。さっさと戻りたいと思っていた先ほどまでの願いはとうにどこかに失せていた。つくづく、順応の早い男である。

 

(あの睡眠の罠ほどの持続性はいらないが)

 

 ちなみに、前回の探索で最後に少女がハマった罠による睡眠から彼女が目覚めたのは、大体半刻(一時間)ほど。外的要因で時間が伸縮するのかまでは判然としていないが、今回は四半刻とは言わずともせめてその半分(十五分)程度は欲しい。

 なお、男は村で繰り返し女を襲っていた際、見つからないよう、そして女の音沙汰が無い時間の不自然さで周囲に露見しないように、細心の注意を払っていたおかげで、時計などが無くとも分単位での時間感覚に非常に優れるようになっていた。細やかさの使いどころを完全に間違った方向に向けているが、それらの経験が、このダンジョンでも活きていたりする。

 時間感覚のみならず、近づいてくる気配に鋭敏だったり、事が起きた際にまず身体が動いたりというのは、今までの数々の不埒な行為により培われたものだった。

 

(さて、とりあえず、シロマが動かないうちは俺も少し作戦を練るか……とはいえ、あまり時間がかかってもまずい。余りに時間が経てば、それこそ、次の階層や帰還に動きかねないからな……動き出した場合は近づいて様子を見るとして、あの罠を有効活用するには、とにかく彼女との力関係がまずいな。今の俺はゴブリンなわけだから、意思疎通も出来なければ膂力も普段以下だろう。シロマの杖で最大二発も殴られたら、下手するとゴブリンらしく死んでしまうかもしれん。当たり所がいいとシロマの場合ゴブリンは一撃で倒してるからな……)

 

 いまやらなければならないことを脳内で整理し、順位付けしていく。

 結論として、

 

①効果時間の確認(最重要)

②シロマの帰還、または移動の阻止

③シロマに不意を打つ方法を考える

 

 この三つこそ、いまやるべきことだと整えた男は、その一つずつを解決する方法を思案していく。

 一つ目に関しては正直待っているだけでいい。分で言うと、現時点で十分ほどが経過しているが、今のところは元に戻る様子はない。可能であればもう少し長い、十五分から二十分の変化であれば言うことはない。最長は三十分程度だろう。それ以上動きがなくては、それこそ少女は二つ目の方法を採りかねないからだ。

 そして二つ目は、もう少しで戻るかどうかで取るべき方法が変わる。いま少女のいる部屋は、通路を何個か経由した小部屋が、そう厚くない壁に隔てられて隣接している部屋なのだ。部屋同士の直通路が無いことが逆に幸いした。壁も薄いため、その向こうから声をかければ、かろうじて聞こえるだろう。理想値程度で戻るのならば、その部屋に速攻で移動し、男の健在をアピールすればいい。合流までは時間が稼げる。ただ、問題は、この罠が再利用可能、かつ次回もゴブリン、ないしは人型のモンスターに変化できるのか、ということだ。もしも、再利用性がなかったり、変化先に無作為性があった場合、正直扱うには運要素ばかりが付きまとって手に余るのだ。

 そして戻るのに時間がかかりすぎた場合、引き留めるには偶然彼女をモンスターが襲ってくれることに賭けるか、男が自分でそのモンスター役をするしかない。再利用性の有無の確認がてら、それをすることも可能だが、安全策としては前者を採りたい男だった。

 三つ目の不意打ちも、それこそ一番楽なのはこの罠が「ゴブリンに変化する罠」である場合だ。変化先が固定されているなら、先ほど考えた方法で少女をこの部屋へおびき寄せ、マップカードで彼女の動向を注視しながら、部屋に入る直前に変化して待ち構えておけばいいだけの話。

 

(無作為性があったとしても、そのほうが確実か。呼び出しておいて、もし別のモンスターに変化したのなら、そこでモンスターとして振る舞えば、少なくとも俺とはバレない。彼女は逃げるモンスターをわざわざ追ってまで倒そうとはしないだろう)

 

 実際、少女はこれまでの道中で逃げるモンスターは見逃している。というのも、ゴブリンに殴り殺されていたあのモンスターは、唯一、そこまで積極的な暴力性を持たないと思われるモンスターなのである。このダンジョン内で最弱ゆえの生存策だろうと男は認識している。実際戦ってみてもあのモンスターは弱いのだ。

 

(つまり、理想としては、無作為性があった場合、ゴブリンになるのが最善、次善としてはあの素早さがいきなり上がるネズミになることか……逃げる際にあれが使えるかはともかく、形は人に一番近いからな)

 

 男の付けた順位は「人としての形にどれだけ近いか」である。そういう意味ではゴブリンは理想的だ。棍棒を持ってる個体もいることから、少なくとも簡単な道具を扱うだけの器用さと感覚のある「手」を持っているのだから。

 そこまで考えを整理したところで、男の体の奥に、むず痒いような感覚が走る。次の瞬間、視界が一瞬暗転したかと思えば、すかさず明転。

 開けた視界のその先にあるのは、視点が常の高さに戻った洞窟。身体を確認してみれば、見慣れた自分の手足。

 

「やれやれ、戻れたのは一安心だが……だいたい時間は四半刻の三分の二ほどか……ともすると短くはあるが、この間隔は覚えておかねばな」

 

 とりあえず、元に戻る時間と、その予兆が直前にとはいえ、あることは確認できた。あとは運次第になるだろうが、とりあえず少女のもとに向かうのにはこれで支障がない。

 もとに戻る予兆にもう少し余裕があれば言うことなしだったが、少なくとも八割方は男の理想値に近い形でことは進んでいる。

 少女を示す光点が移動していないことを確認し、男は改めて歩を進めた。目指す場所までは歩いて数分もかからない。

 歩いている先の通路にもあるアイテムを回収しながら進む男。変なツメがついた足袋のようなものを一つと、カード一枚を目的の部屋までに手に入れながら、彼は道を行く。

 ワンフロアを踏破したとて、せいぜい一時間そこらというこの階層では、男の目的地にたどり着くのもそう難しいことではなかった。少女の部屋から、何部屋かを経由して辿り着く小部屋。その壁沿いの真ん中辺りから、男は声を上げた。

 

「おぉーい! シロマ、聞こえるか!」

 

 モンスターを呼び寄せてしまう危険こそあったが、この階層ではあの黒ゴブリンにさえ出会わなければ、よほどの群れと出くわさない限り命の危険はそこまで高くない。少女もそれを分かっているのだろう。一拍遅れて、男の胴間声ほどではないが凛と通る彼女の声が返ってきた。

 

「お兄さん!? どこにいるの!?」

 

 壁に近づいてようやく聞こえる程度のそれには、明らかな安堵が含まれている。それは男の身を案じていた少女の優しさ故か、それとも生存を確認した安堵ゆえか。

 その清らかな思いを、期せずしてこのあと踏みつけにできる可能性があるかと思うと、計画外のこの事態も男の股間に血を滾らせるアンプリファイアーの役を果たしていた。

 

「今、君がいる部屋とは壁を隔てた小部屋にいる! その壁を背にして右の通路が分かるか!?」

 

 男が壁越しに、少女の部屋から先程の部屋へと繋がる通路を示すと、少女からは肯定が返ってきた。狙いが先に進むことを確信し、舌なめずりそうになる気持ちをぐっと抑えながら、男は少女に更なる指示を出す。

 

「その先をまっすぐ進むと、抜けた先に小部屋がある! 何度か角があるが一本道だ! 俺もその部屋に向かう! そこで合流しよう! 部屋に着いたら少し待機していてくれ!」

 

 実際は、距離的には男のほうが小部屋には早く着くことをおくびにも出さず、まるで少女のほうが先に到達するかのように誤認させる。

 

「わ、分かった! お兄さんも気をつけて!」

 

 この状況でもまずは男を心配する少女の優しさ。そんな彼女に今から公然と猥褻なことができるかもしれないという期待に、男の股間の硬さはいや増す。

 

「うおっ、流石に寄ってきやがった! いいかシロマ! 右の通路の先だ! どけえ!」

「お、お兄さん!?」

 

 そして、さも「モンスターが集まってきました」感を出しながら、少女が向こうにいる辺りの壁を蹴り飛ばす。

 そう厚くはない壁の向こうにも伝わったのか、はたまた男の言葉自体にか、驚きと心配が入り混じった声を上げる少女に言い捨てるようにして男は駆け出す。

 一方、少女の方も、驚きを振り払い、しかしモンスターが通路の先にいないとも限らないため、合流に逸る気持ちを抑えながら歩を進んだ。男の言葉は、そうと計算したものではなかったが、予想以上に効果を発揮することになる。

 

「よし、マップカードはやはり便利だな」

 

 結局、モンスターになど遭遇していない男は、小部屋に到着すると早速準備に取り掛かった。

 マップカードを確認するに、少女は割と慎重に歩を進めているようで、この部屋につくにはあと数分かかるだろうことを確認する。

 

「これは意外と役に立つかもしれん」

 

 まずは荷袋から、先程拾ったトゲのついた足袋を取り出す。二対のトゲは結構な太さで、強度もそれなりにありそうだった。まずはそれを、変化の罠からほど近い床に放っておく。

 

「先程は荷袋も一時的に取り出せなかったからな」

 

 使うアイテムは、予め変化前に出しておかないとおそらく取り出せなくなることは、さっきの確認時に思考しながらも確かめておいた。

 とりあえず使いそうなアイテムを不自然にならない範囲で出しておくことにした男は、何枚かデブチョコボの店で買い込んでいた手持ちの識別カードを適当に使っていく。掘り出し物があれば良し、無ければ今の段階で考えているこのトゲ付き足袋だけを使う。

 

「なにかあればいいが……」

 

 短い時間しか無いため、識別したのは手持ち四枚を使った四種類。トゲ付き足袋、薬瓶、あと拾った実が二つだ。カードは相当数集めたので、どう転ぶかわからない。

 結果としては、

 

「鉄のツメ……これは足にはめて使う武器なんだな……人間用とは思えんが、鉄製なだけで十分……あとは、デスペルの薬……物の呪いを解く……呪いってこれか、ツメの説明に呪いの項目がある。なにか掛かってるみたいだな……装備をすると脱げなくなる……なんだこれは……危なくて使えたもんじゃないのかまさか……まあいい、あとは……くさった実とつかれる実ぃ? ……くさった実は文字通り腐ってて食べれたもんじゃなさそうだし、つかれる実に至っては、疲れて体の力が抜けてしまう実って……はぁ、ハズレか」

 

 割とさんざんな結果だった。まあ、今まで自分で使ってもメリットのある効果を持ったアイテムのほうが少なかったわけで、ある意味では順当な結果とも言える。

 変に呪われているのでは、下手に使うわけにもいかなくなってしまい、男の目論見は潰えた。装備したりするつもりはないが、うっかりはめてしまうと取れなくなる足袋など、なんの使い道も……

 

「……待てよ」

 

 少女がもうあと少しで部屋につくと分かり、当初の目論見までも潰えて諦めかけたその時、男の頭がフル回転する。もしも思うようになれば、期待以上の結果になるかもしれない。

 あとはなるようになれと、男はその天啓じみたひらめきに従って動く。次の角を曲がってしまえば少女はまもなく小部屋に着く。まずは薬を荷袋にしまいつつ、実をツメのそばに置く。

 自身は変化の床の上に足を浮かべ、あとは少女を待つ。あと数歩で角を曲がるだろうあたりに少女が来た段階で、変化の床を踏む。

 先程も感じたあの感覚に襲われ、男の身体が変化する。確認するより先に、男はツメと実に駆け寄って二つを確保。少女が来る部屋の入口、通路からは見えないその脇にしゃがみ込み、息をひそめる。

 少女が角を曲がり、足音が聞こえる。横においたマップカードの光点から、少女があと数歩で部屋に入ってくるのが分かる。

 三歩、二歩、一歩……。

 少女の爪先が見える。眼差しは部屋の中に、男が来るであろう部屋奥の通路に固定され、すぐ脇にしゃがんでいる男ゴブリンに気づく様子はない。

 少女が部屋の中に踏み込み、しゃがみ込んだ男の前を通り過ぎる。ここまでで男は、拾った手や縮んだ視界の高さから、思う通りのモンスターを引き当てたことを確認している。

 そして少女が背を晒すやいなや、ゴブリンとなった男は少女に飛びかかった!

 

「グケェー!」

「何!? きゃぁ!?」

 

 少女の背に飛びつき、腕で頭を抱えこむようにして視界を塞ぐ。驚いた少女が構えていた杖を取り落とす。

 

「いやぁっ! はなれ、てっ、むぐっ!?」

 

 そしてもう片方の手で、驚きに開いた少女の口に持っていた実を放り込んだ。

 そのまま抑えること暫し。やがて、堪えきれずに少女が異物を飲み込んでしまう。

 男ゴブリンが飲ませたもの、それは先程識別で出た「つかれる実」である。身体から急速に活力を奪い、疲労感を激増させるという、常であればなんの役に立つやら分からぬ実ではあったが、今の男の目的にこれほど沿うアイテムもなかった。

 非力なゴブリンではあるが、少女が飲み込むまで暴れる彼女を封じつつ口を押さえることはできる。そこから振りほどかれるまでに、つかれる実で少女の力を削ぐことができれば、次のステップに進める。

 果たして、つかれる実はその効果を十全に発揮した。飲み込んだ途端に、少女の身体から疲労感が吹き出し、四肢から力が抜けていく。

 その瞬間を男ゴブリンは逃さない。

 

「なに、これ……」

「グケケッ!」

「きゃぁぁぁぁぁ!?」

 

 膝から少女が崩折れる刹那、拘束を解いた男ゴブリンは、少女の翻るローブの裾を掴むと、飛び上がるようにして少女の動きとは正反対の方向へと一気に捲りあげたのだ。

 倒れる体と、裾を持ち上げられたローブ。その二つが遂行されたときどうなるかなど、明白。

 ふわりと広がる少女のローブが、秘していた彼女の下半身を晒し上げ、そこで止まらず、頭の上まで持ち上がる。

 男ゴブリンは、すかさず、少女の頭の上でローブの裾を素早く結んだ。ローブが巾着のようになり、少女の二の腕もその動きに従った万歳の状態で、頭部もろともに包み込まれる。

 さらに、男ゴブリンは流れるような動きでそこに置いていた例のツメを手に取ると、結び目のやや下へと一息に突き刺した。

 ローブを貫通したツメが、少女を地面へと縫い止める。もがく少女であったが、つかれる実の効果で力が出なくなった今、その拘束を解くことはできそうになかった。むしろもがけばもがくほど、脱するための力が失われていく。

 ついでに念には念を入れて、ツメの留め具を少女のローブを巻き込む形で留める。呪いにより外せないことが、これでメリットになれば儲けもの。

 少女の両腕の動きと視界をまんまと奪った男ゴブリンは、下卑た笑いをもはや隠すこともなく満面に表した。

 

(素晴らしい、透き通るような肌だ!)

 

 目の前にあるのは、胸元から下を曝け出され、思うまま身動きを取ることもできない少女。ローブを茶巾のようにして包んでしまったため、絵面としては間抜けではあるが、その分、異質なエロスに満ちた光景。

 表情こそ見えないが、そこにあるのは男が夢にまで見た少女の下着姿だった。

 

(シロマらしい、シンプルなものだ……だがそれがいい)

 

 肩紐で吊るタイプの白い無地のキャミソールに、同じく白無地のドロワーズ。それがしっとりと汗ばんだ肌に若干吸い付いている。少女のその背徳的なまでの有様に、男ゴブリンは観察もそこそこに飛びかかる。

 じたばたと暴れる両の脚の間に身体を滑り込ませ、その可動域を制限するとともに、少女の腹回りに腕を伸ばし、ハグをするように体を密着させた。

 

「むぐぅっ、何!? 何してるのっ!?」

 

 モゴモゴと、ローブの生地によってこもった音になった少女の悲鳴をBGMに、困惑を添え物にして、そのまま早速とばかりに、少女の胸元に顔面をこすり付ける。

 

「いやぁぁ! 何するの! 何されてるの!? お兄さん、助けてぇぇぇ!」

 

 ゴブリンとなって張り出した団子鼻に、キャミソールの薄い生地を通して、少女の慎ましい胸の感触と汗ばんだ甘露の匂いが伝わる。

 少女はまだ、自分が「どんな意図のもとに何をされているのか」など分かっていない。突然遮られた視界と、目前には間違いなく害意ある何かがいるという認識だけで、パニックを起こしているのだ。

 よしんば、あの瞬間に自分に何かを飲ませたのがゴブリンだということは認識しているかもしれないが、まさか助けを求めた「お兄さん」がそのゴブリンだということなど、想像の埒外だろう。

 

「クシシッ、ゲヘェ〜」

「やだぁ、気持ちっ、悪いよぉ!」

 

 首を左右に振りたくって、顔面のあらゆる部分を少女の胸に擦り付ける男ゴブリン。肌の上を這い回るその不快極まる感触に身悶える少女が出した厭わしさの声は、奇しくも男ゴブリンの表情に一致していた。

 性欲をむき出しにして柔肌を堪能するその顔は、正しく気持ちの悪い醜悪なそれだったからだ。

 紛れもない男の本性であるその下卑た性根は、少女自身のローブと、ゴブリンの形骸に遮られ、直接的に彼女には伝わることがない。それを良いことに、抑圧された獣性を開放できる機会が思いの外早く訪れたことに男は歓喜していた。

 

「グヘヘッ、ギヒッ」

「離れて、放してぇ……!」

 

 鼻を、頬を、額を、耳までをも、キャミソール越しの胸に擦り付けまくる。

 以前、その布の内側にある果実を、男が人間としての手で堪能したときに既に知っていたことだが、幼いながらも少女には「おっぱい」と呼べるべき膨らみは存在している。

 それを布越しとはいえ、より皮膚の薄く神経の集中した顔面で味わうと、手のときのそれとは違う、より確かな柔らかさがそこにはあった。

 鼻で弾けば、ほのかとはいえ脂肪が波立つ乳房。額で擦り付けば、その頂点に鎮座ましましているほんの少しだけ硬度の高い突起。耳を押し付ければ、緊張と恐怖から早まった鼓動。

 谷間とは呼べない程に浅い、胸骨の凹凸さえ感じる乳房の間で呼吸するたび、汗の入り混じった少女のミルクじみた甘い匂いが鼻腔に満ちる。

 その少女から分泌された水分と、男の欲望から滴った唾液は、男の体によって肌に押し付けられたキャミソールの薄地に満遍なく吸収されていく。

 

(おほっ♡ これはこれは……)

 

 ひとしきり堪能した男が顔を上げる(少女はその間中ずっと「嫌だ」「やめて」「助けて」「お兄さん」を繰り返していた)と、そこには汗と唾液で濡れた布地の胸部。

 薄い素材だ。そして白地である。とすれば、それが濡れて肌に完全に張り付いたとき、どうなるかなど自明の理。

 

「やめ……てぇ……はぁ、はぁ」

 

 少女の胸元は、しとどに濡れたせいで布越しに彼女の肌色を完全に浮かび上がらせていた。

 張り付いた布地は少女の肉感を強調し、その胸部が確かに「おっぱい」であることをこれ以上なく主張している。頂点にある乳首は、男の期待通り肌よりはやや濃い程度の桜色を示しており、膨らみの上、ぽっちが鎮座する玉座たる乳輪もまた、同色程度かつ指先程度の可愛らしいものであった。

 

(ぐぅぅっ、誘っているのかこのメスガキがぁ……っ! 今すぐむしゃぶりついて……と、いかん、いかんぞ)

 

 それらが、荒くなった少女の呼吸の度に上下をする様は、まるで男に「召し上がれ」と言っているかのようで、あわや男は理性までモンスターと化すところであったが、どうにかその淵で踏みとどまる。

 だが、代わりに、男はゴブリン姿の自らが穿いている粗末な下穿きを脱ぎ捨て、その股間を公然に晒した。

 立派に怒張しているそれは、男本来のものからするとやや小振りとなってはいたが、ゴブリン自体の身体の小ささには不釣り合いな大きさを持って屹立していた。男の興奮を表すかのようにその怒張には血管が脈打ち、その姿をよりグロテスクなものにしている。

 

「ゲヘェ〜」

「あっ……やだ、やだぁぁ……もう変なことされるのやだぁぁ……」

 

 少女の声に明らかに泣きが混ざり始める。もうまともに動く気力まで奪われたのか、先程まで動きに合わせてモコモコと盛り上がっていた茶巾は、すでにその形状を安定させてしまっている。

 しかし、そんな憐れさを誘う少女の有様にむしろ興奮した下衆男は、再び少女の腹をホールドする。

 

「あぅ……な、なにするの……?」

 

 再び、変なことをされるのかと少女が不自由ながらに可能な限り身構えたのを見て取った男は、本来優しくても弱気ではない彼女の見せる怯えた様子に、サディスティックな興奮を覚える。

 その愉悦感はそのまま口元に表れ、三日月に裂けたそこから、先細りする長い舌を露出する。その団子鼻でも阻害されないよう進化した結果なのかは男には分からないが、何にせよ、これから先のお楽しみに支障がないのは素晴らしいことだと、彼は内心でひとりごちた。

 湿り気を帯びたキャミソールを胸上まで捲り上げる。

 少女の柔肌を守る最後のフィルターが取り払われたことにより、双丘は秘境から暴き出された。

 その盗掘者は口元と目元をそれぞれ相対的な三日月に歪め、到達したパライソをまず舌で味わうことにした。

 

「ひぅっ、な、何かが這ってる……?」

 

 その長い舌の先端を、鳩尾に這わせるようにして少女の胸元を舐め取る男。その汗の塩気すら甘露とばかりに、その動きは次第に横に広がっていく。

 味覚も変化しているのか、それともあくまで自身の分泌液だからかは分からないが、その湿り気の何割かがゴブリンの唾液であることは存外気にならない。むしろ、例え味覚的に不快だったとしても、そんな液体が無垢な少女を穢していることを思えば、男の興奮はより増していた。

 

「うくっ、ひっく、気持ち悪いよ、やめてよぉ……」

 

 とうとう嗚咽を漏らし始めた少女。だがそれで男ゴブリンが止まるはずもなく。とうとう舌の動きは盆地から、なだらかな双丘に登坂を始める。

 動きに合わせ、ほんのりとだが布一枚の下でも弾力を表していたちっぱいの丘を、徐々にその頂点に向かって進む舌の先。わけも分からずゾワゾワとした不快感が少女の背筋を駆け抜けるが、それは勿論快楽の発露などではなく、純粋な恐怖と理解の範疇を超えた状況から来るもの。

 襲われてはいるが、殴るでも、噛みつくでもない。痛めつけるのではなく、ただただ意味のわからないことばかりをされていて、まさに理解の埒外、というのが、紛れもない少女の主観である。

 故に、

 

「ひぃうんっ!?」

 

 その舌先が、少女の乳首を捉えたとき、己の乳首が米粒程度に隆起していることの意味も、わかっていなかった。

 

(乳首をこんなに可愛らしくおっ勃てて……いけない子だ、あぁ、全くいけない子だぁ!)

 

 そのことが、男の内側で性欲を暴走させたことにも、無論。

 勿論、これは単純な生理現象である。濡れた布が張り付き、その気化につれて奪われた熱が少女の胸部を冷やした結果、皮膚の神経が反応しただけのこと。舌先が胸元を弄った不快感のせいもあるだろう。

 それでも、男にとって見れば状況的には「ゴブリンの愛撫で乳首を勃起させてしまった無垢な少女」を、がっしりと抱きすくめていることに違いはない。

 普段と違って固みを帯びた乳首が、直接的に弾かれたことで生じたこそばゆさから上がった声も、その状態では「少女が乳首を弾かれて思わず上がった嬌声」にしか聞こえない。

 

「フゥーッ! フゥーッ!」

「え……? きゃ、きゃあああああああーっ! 何してるの、何してるのぉぉぉ!? ひぃぃぃぃっ!」

 

 辛抱の限界を迎えた男ゴブリンが、その口を大きく開いたかと思うと、少女のちっぱいの片方に思いっきりむしゃぶりついた。口腔に小丘を納めるやいなや、その乳頭を中心に音が立つほどの勢いで舐り、弄び、吸い付く。

 自然とへこへこと動き出した腰が動く度、ギンギンに勃起した陰茎が、我慢汁を垂らしながら少女の太ももやドロワーズに擦り付けられる。カウパー液が唾液同様に少女の肌を濡らす度、陰茎を押し当てられる熱さと別種の熱がもたらす温度差から冷感さえも同時に味わわされ、さらにそれがどちらも「生物的な温かみ」を持っていることが、少女の不快感を頂点に押し上げる。

 

「ひぃっ、助けっ、怖いよ、お兄さぁんっ!」

 

 恐怖心から上がる少女の悲鳴は、男にとってはもはや心地よい環境音。

 己の名を呼びながら助けを求める少女の声には耳を傾けることさえせず、少女の乳房を堪能し、太ももに肉棒を擦り付ける。

 

「た、食べないで……おねがい、食べないでぇ……ひっく、ひっく……」

「ぴちゃ、ぴちゃ……ズゾゾッ、レロォ……」

 

 舌を這わせる、肌を吸われる。それらは男にとっては性的加虐であっても、少女が連想するのはモンスターによって行われる捕食行為。這い上がるのは快感などではなく、根源的な死の恐怖。

 一方、男の心中は歓喜に満ち溢れていた。

 

(あぁ! シロマ、シロマ! 最高だ! シミ一つない肌、幼くも女である肢体、慎ましくも柔らかな胸に、桜色の乳首! 絶対に、堕としてやる、卑しめてやる! 無垢なまま、俺の手で、今感じている恐怖でさえ快感に塗り潰してなぁぁ! いつか、その股ぐらを自ら開くほどの淫乱に変えてから、褥でその花を散らしてやるからなぁぁ……!)

 

 少女の胸を絞り上げるように揉みしだき、人間に類似した指先でその先端の突起とも言えない一粒種を転がす。反対の丘は口中に捕えてから舌による蹂躙を続けている。

 怖気から隆起しても爪の先にかかるかかからないか程度の乳首は、その余りの愛らしさとは対象的な怪物の指や舌に玩弄され、痒みに近い痛みで少女を苛む。

 股間の剛直は少女の柔肌の滑らかさを、その敏感な器官で余すところなく楽しんでいる。幹だけでは飽き足らず、我慢汁を吐き出し続ける亀頭の鈴口を少女のドロワーズの裾から侵入させ、太ももと布の摩擦を堪能すれば、男は擬似的な性行為により脳内に分泌された快楽物質でめくるめく心地を味わっていた。

 

「キヒヒッ、ベロォ……チュパッ、チュゾゾッ」

「ひっく……ひっく……うぁぁ……」

 

 ヘコヘコと腰を動かしながら、同様の行為を続ける男ゴブリン。少女はもはや精も根も尽き果てたのか、抵抗をやめ、されるがまま、ただ嗚咽だけを漏らし続ける。

 暫くして、愛撫ばかりに飽いた男は口を離すと、少女の露出した横腹や、臍へもその狙いを定めた。

 長い舌で臍を舐め、両腕で仄かに浮いた肋骨や脇腹、抱きしめるようにして背中までも掌で味わう。

 胸ほどではないにせよ、薄いながらも、もちもちと柔らかな弾力を備えている少女のきめ細かい肌。抵抗のせいで上気したそれは仄かな桃色を湛え、視覚的にも股間に悪いもので、男の剛直がまた一段その硬度と熱量を上げる。

 柔肌の奥、浮いたアバラや腰骨と、勃った乳首だけが異質な硬さを持ち、そのアクセントも男にとってはカンフル剤のようなものだった。

 

(くっ、とはいえ、これ以上を求められないのは生殺しでもあるがな……)

 

 気ままに玩弄しているように見えるが、男の内心は行為のそれとは真反対に冷静に努めようとしていた。少女の肌の感触にいや増す興奮のまま、本能に従って貪り尽くしたい衝動に何度も駆られるが、それをなんとか抑え込んで悪戯の範囲に収めることに、男は全理性を傾けている。

 本来であれば、男の口と舌が支配したいのは少女のそれらである。今はローブに隠れて見えない、彼女の桜色の唇を割り開き、その小さな舌を己のそれで絡め取って、唾液と唾液を交換しながら口中を啜り尽くしてやりたい。

 ドロワーズをキャミソール同様取り去って、その股ぐらの中央にある未熟おまんこを、ビッキビキに怒張した大人ペニスで一息に最奥まで貫き、処女膜を削り取るほどのピストンで、無自覚にも男を誘惑した無垢さの代償を徴収してやりたい。

 そんな獣じみた欲望を、総動員した理性でもって殴りつけるように抑え込む。少女の華を散らすのは今ではないと。ここで思うままに貪るのは簡単だが、熟成の足りない膳を味わったところで、本来迎えるはずだった極上の時は二度とこないのだと。

 

(どのみち、時間ももうそうは残っていないか)

 

 なればこそ、男は次の目標を少女の開発へと移行する。

 今の少女の状態は、いわば恐慌に近い。そこに諦めが加味されつつあることで肉体的な抵抗こそ抑えられているが、それは「つかれる実」による効果の副産物のようなものであり、このまま正気と元気を取り戻せば、むしろ逆に状況への反発力に変わりかねない。

 少女の気力が失せている今のうちに、少なくとも「身体を這う感触の不快感」を「未だ知らぬ快楽の蕾」程度には発露させねばならない。

 

(名残惜しいが、思うまま発散するのはここまでか)

 

 こすりつける腰の速度を弱めるとともに、暴力的に舐り、啜っていた乳房への吸引を中断する。不意に止められた感触に少女が正気を取り戻す前に、男は少女の胸下に回していた両腕の拘束を解き、しかし間髪を入れず腰骨の上に鎮座した。

 

「んぐぅっ」

 

 その重みに少女が苦悶を声として表すが、男の目標は次へと定められている。

 腰を抑えられれば、今の少女は結局身じろぐことくらいしか出来ない。彼女が眼前に晒しているのは、無防備になった両の乳房とその頂点のぽっち。そしてそれこそ、男の次なる、そして此度の最終目標だった。

 矮躯となった身故に、そのまま少女に覆いかぶされば、目標にはちょうど届く。つかれる実により力の入らぬ少女は、先ほどまでの抵抗でより消耗してしまったのか、拘束を振りほどくどころか、身じろぎさえも最早できない。

 

「キヒヒッ」

「あっ、また……」

 

 男ゴブリンが、その両手の指をワキワキと動かしながら少女の乳首へと迫る。それぞれの二本が、その芯ある蕾を挟み込む感触を受けて、少女が再びの玩弄の気配を察し怯えた声を上げる。

 しかし、そこから始まるのは先ほどのような暴力的なものではなかった。

 まずはその小さな粒を挟み込むと、引っ張ったり押しつぶすのではなく、やわやわと柔らかい刺激を加え始めたのだ。

 結果襲い来るのは痛みからではない、ただ通常誰にも触れられない部分に触れられているという不快感。

 

「な、なにを……」

 

 男の与える刺激はただ挟み込んで緩々とした刺激を与えるだけにとどまらなかった。

 親指で乳輪の下部をそっと押し、その仄かな勃起をより際立たせたかと思うが早いか、人差し指の腹でその頂点を抑え、円を描くようにその突起をいじくり回す。時計回りに、そして反時計回りに、しかしやはりその動きは痛みを与えるような激しいものではない。

 それは、先刻までの激しい悪戯で敏感になっている少女乳首に、それまでとは違う刺激を染み込ませるような動きだった。

 手慰みに指の腹を擦り合わせるように、少女の突起に摩擦を加え、あるいはレバーのように上下左右に捏ね回す。

 その間、男の舌は次なる場所を求め、少女の鎖骨を這う。先程まで散々自分を弄んだ舌先が、それまでより上に当たる。その感触に少女は恐怖した。

 その先にあるのは己の首。その細く、手弱女ぶりを示す場所にもしその舌を収めている虚の内縁にあるゴブリンの牙を突き立てられたなら、自分は、と。

 

「う、うぅ……食べ、ないでぇ……あ、あぁぁぁ……」

 

 そう理解したとき、先にも感じた根源的恐怖が、先立った以上の実感で再度去来した。その怯えが、身体から熱と力を奪い去るような感覚さえ伴って。

 こんなところで魔物の餌になる。考えうる限り最悪に近い死の実感が彼女に齎したのは、背筋を這う冷たい悪寒と、

 

シャァァァァァ……

 

 股間に広がる水気と熱感。

 

「あ……うぁぁぁ……やだやだ、とまってぇぇ……」

 

 そう、少女は、恐怖のあまりに失禁していた。

 少女のドロワーズに、濃い黄色い染みが広がっていく。染みはやがてその布地の吸水性を超え、地面に液体として染み込んでいく。辺りに広がる少女らしからぬアンモニア臭。

 その香りは、程なく男ゴブリンの鼻孔に届く。

 男は少女の発言と背後から聞こえる水音から、今少女の身に何が起こっているのかを正確に把握していた。加えて、ゴブリンの嗅覚が、本来ならば多少は忌避される排泄の香りを、人とは違う感受で持って受け入れた。

 その据えた匂いが、今の男にとってはまるで桃の果実のような香りに感じられる。不快感はない。むしろこの匂いの根源たる小水をもっともっと少女から引き出したくなる。

 

カリカリカリカリカリカリ

「ふやぁぁぁ……な、なにぃ……カリカリやめてぇ……はぁぁ……」

 

 男は、人であれば爪のある部分―――ゴブリンの指には爪そのものはなく、指の中で他より硬質な部分が腹とは逆にあることで爪に似た役割を果たしていた―――で、少女の乳首の先端を細かくかきむしり始めた。

 爪とは違い肌に覆われているそれが少女に与えるのは、引っかかる痛みではなく、乳首の先をゴムベラで往復されるような感覚。くすぐられるのに近いむず痒さが乳首から少女に伝わっていく。

 恐怖と羞恥に混乱する脳が、少女自身さえ解らぬ間に、放尿による快感と不快感をその動きに紐づけ始めてしまう。

 これまでの無体による摩擦は、その乳首と周辺の肌をより鋭敏なものにしていた。ヒリつくような、仄かな痛痒感が、乾いていく唾液によって奪われる熱とともに、よりその存在感を増していく。

 それとは正反対に、とまらぬ失禁のもたらす股間の熱。温感と冷感。背反する二つの感覚が、少女の脳にその二点ばかりを意識させていく。

 温感の齎す羞恥心が、ゾワゾワと少女の背筋を這い上がる。冷感の齎す不快感が、ゾクゾクと少女の背筋を這い回る。

 その全く性質は違えど感触は似通う嫌悪感。しかし、そこに足されるのは放尿に伴う開放感。

 ストレスにより励起した交感神経と、排尿によって喚起した副交感神経が、少女の身体に身震いを起こさせる。

 全くもって生理的なその反応はしかし、身震いによって狙いを外れた男の指が少女の乳首を強くつま弾くという結果を齎した。

 

「ひぅっ……!?」

 

 不本意にも意識を集中させてしまっていたそこが、それまでの静的なカリカリ愛撫とは段違いの刺激に襲われる。

 二点の集中が一点に集約され、驚きからさらに収縮した膀胱は、最後にそこに残った液体を常にない勢いでその出口から噴出させた。

 

ぷしゅぅっ!

「ふぁぁぁぁっ……!?!?」

 

 最後の一滴まで余すことなく出し切ることによる快尿感が、少女の脳髄に快感となって叩き込まれる。そして、彼女のそこは同時に、それを齎すことになった原因である行為までも、快感の発露のための起動スイッチとして記録した。

 身体的な未熟さ故に、それがすぐさま性感の花となることはないにしても、このとき、確かに少女の身体には快楽の種が撒かれてしまったのだった。

 

(ふ、ふふふ、ふははははっ!)

 

 同時に、男は内心で快哉を叫んでいた。

 内実はどうあれ、今の少女はまさに「乳首を散々に弄ばれた結果として股ぐらから汁を吹き出す」という、余りにも男の劣情を誘う有様となっていたからだ。

 無論、本質的には全くそんな意味合いがないことなど百も承知。だが、形骸として少女はいま、男の愛撫によって股を濡らしたということには変わりない。

 

(いずれだ! そう遠くない未来に、今はまだ排泄のためでしかないのこのまんこを、俺専用の入り口に仕立ててやるからな! ビキビキにいきり立った俺のちんぽを出し入れするための便器穴になる日を、楽しみにしておけよシロマぁっ!)

 

 男が心の内で余りにも下卑た誓いを宣言する。

 その時だった。男の身体に、ある変化が起こったのは。

 体の奥にあのむず痒いような感覚が走る。それそのもの自体は予期していた男は、予め決めておいた動きを実行に移す。

 

「グゲエエエエエエ!」

「うぁ……ぁ………っ!? な、なに!?」

 

 少女の上から横っ飛びに飛び退きつつ、大げさな悲鳴を上げる。

 自分を嬲っていた存在の突然の悲鳴に、少女も放心から目覚め、困惑の声を上げた。

 飛び退きながら、男は視界が暗転するのを感じ、次の瞬間には投げ出した身体が本来の大きさを取り戻したことでバランスを失い、地面を音を立てながら滑り転がる。

 地面を擦る音が少女の耳に届くやいなや、それすら計算のうちに入れていた男の怒号が響いた。

 

「テメェ、シロマに何してやがるぅぅぅっ!!」

 

 男にとっては失笑を、少女にとっては裂帛の気合を感じる雄叫びが響き、次いでドゴォという地面が震える音が聞こえた。

 未だ視界の見えぬ少女には預かり知らぬことだが、あくまで男はダンジョンの地面に強烈な震脚を見舞っただけにすぎない。しかし、少女にとっては、見えぬ視界の先、男が自分を嬲っていたゴブリンに痛烈な打撃を見舞った音にしか聞こえない。

 

「大丈夫か、シロマ!」

「お、兄さん……」

 

 男が横たわる少女を抱き起こそうとするが、突き刺した地面からこそ抜けたツメが、袖口から外れない。少女の袖口を巻き込むように止められた時点で、どうやら「装備」の扱いになったようだ。体の良い拘束具であったらしいそれに、男は手早くデスペルの薬を振りかける。

 途端、ツメから込められた呪いが霧散し、少女の袖口からそれが外れる。

 男は手早く少女巾着の口を開き、本来のローブの形へと立ち戻らせる。

 ガバリとそのスカート部を元に戻せば、露わになる少女の頭部。そこにある人形のように整った顔は、安堵と恥辱と絶望から流された涙でぐちゃぐちゃになっていた。

 

「ひっ、ヒック……お兄、ざ……わだ、わだじ、食べられ、死んじゃ、かと……うあああああああああ!」

 

 男にすがりついて少女が滂沱する。四半刻足らずではあるが味わい尽くした死の恐怖と理解不能な状況への困惑は、いかなシロマという少女を持ってしてその許容を超えるに余りあるものだった。

 男は、少女が落ち着くまで、少女の頭を抱きかかえてなだめ続ける。

 男の胸に顔を埋めて泣く少女には、決して見せるわけにはいかない、下卑た愉悦の表情を浮かべながら。




男がだんだん本性を出してまいりました。
今後も不定期更新にはなりますが、どうかお付き合いくだされば幸いです。

皆様の良きおかずとなりますよう
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