輝男はベッドの上に腰を下ろしながら、横にある窓の方を振り向く。
窓には夜空を舞う粉雪がチラチラと見える。
窓越しに粉雪を見ると、正面の方を向き直し、目線を下げる。
輝男が見下ろす先には、生まれたままの姿をさらしながら身を屈める一人の少女の姿がある。
小春は輝男の股の前で身を屈め、股から突っ立つ肉の棒を片手で握る。
表面を液でまぶされた肉の棒が、小春の手に握られている。
小春はペロッと舌を出すと、肉の棒を舐め始めた。
上から下、下から上、360度…と、隅々まで舐め回していく。
小春は舌で肉の棒を舐め回しながら、表面にこびり付く汚れを拭い取ろうとする。
先程、セックスで果てて間も無いのに、こうして再びみだらな献身をしてくれる小春に、輝男は深くため息を付く。
ざらつく舌の感触が肉の棒の表面に触れ、少なからぬ刺激を輝男にもたらす。
そのままみだらな献身を甘受していると、小春の舌は、輝男の陰茎にこびり付く汚れをすべて拭い取った。
しかし、白濁のかけらや愛液に代わって、唾液が肉の棒をコーティングしている。
小春は、自らの唾液にまみれた愛する男のモノを凝視すると、その先端にチュッとキスをした。
そして、大きく口を開けて陰茎をゆっくりとくわえ込む。
輝男自身をくわえると、ゆっくりと口を動かす。
「んんっ……うぅ……んむぅ……」
艶やかなうめき声を漏らしながら、口を前後に動かし、陰茎をしゃぶり始める。
まず始めは、ジックリと味わうかのようにスローペースに動く。
口内の口腔も、優しく撫でるかのように輝男の陰茎に触れる。
しかし、徐々に口の動きがペースアップし、数分もしない内に、
「んぐ……んぐぅ……んんうぅっ……!」
陰茎をくわえるうめき声もトーンアップする。
うめき声だけでなく、唾液が跳ねるような音もハッキリと聞こえて来る。
輝男はため息を付きながら、自分自身を襲うみだらな刺激を甘受する。
輝男自身を包む口腔は、こすり付けるかのように輝男自身に接触していく。
生温かく柔らかい口腔の感触に、輝男の陰茎は小春の口内で固さと大きさを増していく。
先程、小春の中で果てたせいで多少、萎えてはいたが、今のフェラチオですぐにさっきの固さ、大きさを取り戻していく。
口の動きだけでなく、根元の部分をつかむ片手によるしごきと、何より、輝男自身をくわえ続ける小春の恍惚とした顔が、輝男自身を際限ない充血に追いやる。
「んぐ、んぐ、んぐぅ……!」
息詰まるようなうめきと唾液が跳ねるような音も、いたずらに充血を煽っていく。
口内で固く、大きくなっていく陰茎を認め、多少の息苦しさを感じつつも、小春は輝男の陰茎を離そうとしない。
逆に、口の動きを更に速め、輝男に一層の刺激をもたらそうとする。
「おい、小春、ヤバいって……!」
執拗なフェラチオを続ける小春に、輝男は困惑しきった声を上げる。
小春の口元からは、唾液と別の液が混ざり合いながら漏れて来る。
口と片手による二重の刺激は、輝男の中の沸騰感を否応無しに昂らせる。
このままいけば、間違いなく暴発する……
困惑と懸念に表情を重くさせる輝男に構わず、
「んぐっ、んうぅっ……んぐ、んぐぅ……!」
息詰まるようなうめきを繰り返しながら、輝男自身を貪り続ける小春。
どうやら、口だけで輝男を限界へ追いやろうとする。
しかし、次の瞬間、小春は勢いよく輝男のモノを口から離した。
荒く息を吐く小春の目の前には、固く膨張した剛直が、天を向くように突っ立っているのが見えた。
自らの手で限界まで膨張した剛直に、小春は得意そうな笑みを浮かべる。
一方の輝男は、あくまでも欲望と刺激に忠実な自分自身に呆れ、深く嘆息する。
小春はイタズラっぽい笑みを浮かべて、剛直の先端を指でピンと弾く。
「どうして欲しいかしら? お口でイきたい? それとも中で……」
笑みを絶やさずに上目遣いで見つめながら、小春がたずねる。
輝男は小春の今の問いかけを聞きながら、自分の中で沸騰感が昂っているのを痛感する。
「そんなこと……わざわざ聞くまでもないくせに……」
呆れ顔でため息を付きながら言い返す輝男。
小春は彼の今の言葉に、別段、気分を害する様子を見せない。
クスッと笑みをこぼして、輝男を見つめ続ける。
「今度はアタシが動くから、輝ちゃんは寝そべったままでいいよ」
小春はそう言うと、ベッドの横に置いてあったバッグから何かを取り出した。
小春の手には、小さなビニールの包みが一つある。
一包を破くと、中から一個のコンドームが出た。
「輝ちゃんとはいつも生でヤりたいけど、万一のことが起きるとヤバいからね。
さすがのアタシも、今は中出しで赤ちゃんできちゃうのはマズいし……
もっとも、さっき、一回、思いっきり中出しされちゃったけどね」
小春はそう言うと、コンドームを口にくわえ、再び、輝男の股の前に身を屈めた。
剛直をくわえながら、器用にも口内でコンドームを包ませる。
コンドームの密着が完了すると、輝男は仰向けに寝そべる。
コンドームに包まれた剛直の真上に、小春がゆっくりとまたがる。
剛直の先端が、小春の秘裂に当たる。
「あぁっ、固い……」
剛直の感触に、たまらず声を上げる小春。
しかし、すぐにゆっくりと腰を沈め、輝男自身を受け入れようとする。
「うっ、うぅっ……」
思わず顔をしかめ、苦悶の声を上げる。
固く膨張したモノを飲み込もうとする苦しみを、輝男は間近で認める。
「おい、大丈夫か?」
「だ、大丈夫……だってば……!」
心配して呼びかける輝男に、小春は声を震わせながら言い返す。
大丈夫だと言っても、やはり固く大きなものが体の中に入り込む苦痛は隠しようが無い。
しかし、間も無くして、小春は意を決したかのように一気に腰を下ろした。
「あっ! あぁ―――っ!」
喉を突き出すようにして大きくのけ反りながら悲鳴を上げると、すぐにガクッと大きくうな垂れた。
しばらく、うな垂れたまま荒く息を吐くと、ゆっくりと顔を上げる。
小春の今の表情からは、剛直を飲み込んだ苦痛は認められない。
期待に胸を弾ませるような表情を赤らめ、輝男をしっかりと見下ろす。
「心配しないでいいから……。じゃあ、行くよ……」
小春はそう言葉をかけながら、腰をゆっくりと上下に動かす。
「あっ、あぁ……あっ……」
輝男の股の上で腰を振りながら、切なそうな喘ぎを繰り返す。
自ら飲み込んだ膨張しきった剛直に我が身を慣れさせるためか、比較的スローペースに腰を動かし続ける。
小春の動きに合わせてか、胸元のGカップバストがフルフルと震える。
「あぁ……うぅ……て、輝ちゃんの……キツイよ……」
ウットリとした声で、苦痛と歓喜の念を混ぜ合わせる。
上下に腰を振りながら、時折くねらせる小春を、輝男は真下から見上げる。
やがて、小春の腰はその動きを速めていく。
「あぁ……ハァ……あぁ……うぅ……あぁ……」
輝男の上でかすかに喘ぎながら上下運動を繰り返す。
数分もしない内に、小春の腰は真上から輝男の腰に勢いよく叩き付けてくる。
「うぅっ! お、おい、小春……!」
思わず歯を食いしばり、苦悶の声を上げる輝男に、
「あぁっ! ハァッ! あんっ! んんっ! ん、うぁっ!」
小春はけたたましい喘ぎと激しい上下運動で応じる。
小春の中では、膨張しきった剛直と収縮を始めたヴァギナの間で摩擦が生じてきている。
締め付けを増すヴァギナは、輝男と小春に苦痛と刺激をもたらして止まない。
美巨乳をブルブル震わせ、腰を振り続けながら、
「て、輝ちゃん……気持ちいい……?」
恍惚とした声で小春がたずねる。
「こ、小春……すごく……締まってる……!」
熱に浮かされたような口調で輝男が言い返すと、
「じゃあ……もっと感じさせてあげる……」
荒い吐息を交えながら、小春がウットリとささやきかける。
小刻みに腰を振ったかと思うと、上下、前後に腰をくねらせる。
まるで別の生き物のように複雑に動く腰の中で、輝男自身は強く締め付けられ、いいように弄ばれる。
執拗で貪欲な小春の動きに、輝男は寝そべったまま、ベッドのシーツをギュッとつかむ。
(小春のヤツ……締まりが半端無い……! それに……かなり熱い……!)
一方的に締め付けて来るヴァギナの感触に驚嘆すると共に、ヴァギナを覆う熱も認める。
愛する男のモノを独り占めにし、好きなだけ弄ぶ喜びを隠そうとせず、激しく腰を振り、前後にうねらせる小春。
剛直をくわえた秘裂の隙間から蜜のようなものが漏れ出て、肉と肉の衝突音に水音を加えさせる。
輝男の目に、大きく上下に波打つ美巨乳が否が応にも映る。
そして、恍惚の極みに達した美貌を赤らめる小春の姿が、輝男の瞳に焼き付かれる。
「あぁ……いい……いいよ……輝ちゃん……」
恍惚とした喘ぎを発しながら小春が呼びかけると、
「輝男君……もっと……もっとぉ……」
一瞬、恍惚とした桜月の姿が、幻のように小春の姿と重なった。
(さ、桜月……!)
またしても姿を現した幻に、輝男はハッと驚愕の表情を見せる。
すると、そのまま小春に向けて腰を勢いよく突き上げる。
「あぅっ!」
突然の突き上げに、小春はのけ反りながらうめく。
そして、一旦、動きを止め、真上から輝男を見下ろす。
小麦色の素肌は、熱を帯びたかのように薄赤色に染まり、汗がにじみ出ている。
荒く息を吐きながら輝男を見つめると、
「輝ちゃんったら……そのまま寝そべってもいいって言ったのに……」
「でも、このまま君に任せっきりにするのも、何だか気が引けて……」
輝男の今の言葉に、小春はクスッと笑みをこぼす。
そして、真上から輝男の体に被さると、そのまま彼とキスをする。
「それでこそ輝ちゃんね……。いいよ、思いっきり動いて……」
小春は輝男に抱き付き、笑みを浮かべながら、ささやくように言葉をかけ、うながす。
小春の今のささやきを聞くと、輝男は何も言い返さず、腰の突き上げを再開する。
「あぁんっ! あっ! うぅっ! あっ、ハァッ!」
激しく小刻みに繰り返される突き上げに、小春は何度ものけ反り、けたたましく喘ぐ。
真下からの突き上げを甘受しながら、輝男の体に真上からギュッと抱き付く。
上下に密着する二つの体で互いの汗が混じり合っている。
たわわな肉の果実は、引き締まった胸板に強く押し潰されている。
引っ叩くような衝突音が水音混じりに響くと、
「あぁんっ、いいっ、すごい! もっと……もっとぉ―――!」
果てしなくみだらを求める美少女の咆哮がそれに重なる。
輝男と小春は、共にベッドの上で腰を上げる。
共に汗だくの裸体をさらしながら、一方は腰を突き上げ、もう一方は腰を振り続ける。
小春は正面から輝男の肩をギュッと抱きながら、
「いいっ、すごい! 激しい……!」
うわ言のように歓喜の念を口走る。
真下から突き上げる剛直の動きを受け入れつつも、自らも真上から腰をぶつけ続ける。
ごく至近距離で、ブルブル震えるGカップバストを輝男に見せ付ける。
輝男は、真ん前で震える美巨乳、恍惚とした小春の美貌を見ながら、
(小春の中……かなりキツく……かなり熱く潤ってる……!)
限界まで締め付けを強め、熱と愛液で表面を潤うヴァギナの感触に感嘆とする。
輝男自身を取り巻く四方の肉壁は、既に輝男自身を強く締め付けて久しい状態にある。
しかし、輝男は自らの動きを停滞させる代わりに、小春の中を覆う熱とぬめりを潤滑油代わりにして激しい動きを続ける。
激しく小刻みな突き上げに、小春は何度ものけ反る。
「うぅっ! んんっ!」
痙攣でも起こしたかのようにのけ反り、うめくと、
「キ、キツイよ……輝ちゃん……! お腹……壊れちゃう……!」
膨張しきった剛直による荒々しい動きにようやく苦痛の声を上げる。
限界まで狭まろうとするヴァギナと膨張しきった剛直の摩擦は、小春の神経を容赦なくさいなむ。
輝男の肩を抱く左右の手はわなわなと震え、均整の取れた引き締まった裸体からは汗が噴き出て止まない。
それでも、小春は自らも腰を上下に振り続けるのをやめない。
自らを責め立てるみだらな苦痛をまぎらすかのように……
一方の輝男も、全身から汗を噴き出し、荒い息遣いを繰り返しながら、腰の突き上げを続ける。
苦痛と恍惚が混ざった小春の顔を真ん前に認めながら、
(桜月……もしかしたら、本当は今頃、ここで君と一緒のひと時を過ごせたかもしれないのに……)
ただ一人だけ、クリスマスパーティーに来れなかった最愛の人を脳裏に浮かばせ、口惜しい思いを独白する。
(桜月も小春も、俺にとっては同じくらいに愛しい人のはずなのに……
なのに、片方がいないだけで、こんなに深く寂しい思いにとらわれるなんて……)
自分の中でわき上がる寂しさを認めると、それを振り払うかのように小刻みな突き上げを激しく繰り返す。
「んあぁっ!!」
突き上げを食らい、のけ反りながら喘ぐ小春の声に、輝男はハッと我に返る。
すると、熱に浮かされたかのような顔で、小春が近付いて来る。
「て、輝ちゃん……キスして……」
荒い吐息を繰り返しながら、恍惚とした声で輝男に呼びかける。
小春は両腕を輝男の首の後ろに回しながら、彼と唇を重ねる。
唇を重ね、舌を絡ませ合いながらも、下の方では互いの腰が上下にぶつかり合う。
「うぅっ! んんっ……!」
小春はディープキスを続けながらも、自分の中を荒らし続ける剛直の動きに、たまらずうめく。
輝男は小春とディープキスを続けながら、彼女の体の震えが更に増していくのを認める。
やがて、小春がディープキスをやめると、
「あぁ、ダメッ! イ、イく……イっちゃう……!」
声を震わせながら自らの限界を切々と訴える。
小春の今の哀訴を聞くと、輝男は小春の腰を両脇からガシッとつかんだ。
そのまま小春の体を抑えると、ラストスパートをかけるかのように強く腰を突き上げて来る。
「あぁんっ! んんっ! あぁっ!」
小春はけたたましく喘ぐと、輝男の体にギュッと抱き付いた。
自分の腰を抑え付け、真下から腰を打ち据える輝男を、自らもまた強い抱擁でもって抑え付ける。
再び、密着した二つの裸体から、肉と肉の衝突音に混じって、
「うっ、うぅっ……んんっ……ん、あぁっ……う、あぁっ……!」
艶やかな喘ぎがトーンアップして響く。
(ダ、ダメだ……! かなり締まってる……! これ以上は……!)
限界まで締め付ける蜜壺に、輝男は歯を食いしばり、額に冷や汗を垂らすと、
「て、輝ちゃん、もっと……もっと強く……! アタシを思いっきりイかせて――――――!」
小春は限界にさいなまれながらも、更なるみだらを切望し、叫ぶ。
愛する人との聖夜のひと時を心と脳裏に刻ませるため、果てしなく愛欲を募らせようとする。
輝男は小春に言葉を返す代わりに、激しく腰を打ち据えることで、今の切望に応じる。
小春はその身を震わせながら、輝男の体を力一杯に抱き締める。
噴き出る汗をすり付け、ギュッと収縮する蜜壺で愛する者をとらえようとする。
やがて、輝男が二、三度、真下から強く腰を打ち据えると、
「ダ、ダメ……! イ、イく……イくぅ――――――!!」
小春は輝男をギュッと抱き締めたまま、喉を突き出すようにして体を大きくのけ反らせ、絶頂の叫びを上げた。
小春が絶頂に達して間も無く、輝男もまた、小春の中で勢い良く果てた……
◇ ◇ ◇
窓に映る粉雪は、依然として途切れることが無い。
輝男は、ベッドの上で仰向けに寝そべりながら、ボゥッと天井を見上げている。
ボンヤリと天井を見つめていると、一瞬、一人の少女の笑顔が幻のように浮かぶ。
(桜月……今頃、どうしてるんだろう……?)
一瞬の間だけ見えた桜月の笑顔に、輝男は内心、憂慮を募らせる。
すると、
「輝ちゃん……」
すぐ傍から、ウットリとした声で何者かが呼びかけて来た。
輝男が目を向けると、小春が輝男の胸元に頬を寄せていた。
輝男と共に生まれたままの姿をさらす小春は、さっきまでセックスに興じた余韻を引きずるかのように、火照りの収まらぬ素肌をさらしている。
恍惚とした笑みを浮かべて、輝男に目を向けると、
「今日の輝ちゃん、今までに無く激しかったよ……」
「そうか……? それで満足してくれるなら何よりだけど……」
輝男がそう言葉を返すと、小春は何故か浮かない顔を見せる。
「どうしたんだ?」
小春の表情を認め、輝男がたずねると、
「今日の輝ちゃん……何だか変よ……
今日のパーティーの時もそうだったけど、さっきまでのエッチも……
何だか、いまいち気が乗らないって言うか……
ちゃんと相手をしてくれているように見えて、本当は、別のことでも考えてるんじゃないかって……」
小春は重い表情を見せながら、憂いに似た気持ちをつぶやく。
小春の今の言葉を聞くと、輝男は呆れ顔でため息を付く。
「そんなこと無いだろ? パーティーもさっきのエッチもちゃんと…」
「アイツ……じゃなかった、あの娘がいなかったせいね……」
小春は憂いを帯びた声で、輝男の反論を中途でさえぎる。
小春の今の言葉に、輝男は驚き、言葉を詰まらせる。
桜月のいない寂しさを見抜かれ、思わず驚きをあらわにし、言葉を返すことができずにいるのだ。
「そ、そんなことは…」
それでも、何とかしどろもどろながらも言い返そうとするが、
「下手なごまかしは通用しないよ。
輝ちゃんの考えていることくらい、アタシにはちゃんとお見通しなんだから」
小春は不敵な笑みを浮かべて、またも輝男の反論をさえぎる。
小春の今の言葉に、輝男は観念したかのように口ごもってしまう。
しばらく黙った後、天井を見上げながら口を開く。
「パーティーが終わった後、義母さんに言われたんだけど……
桜月、今日ずっと風邪で具合が悪くて、一日中、寝込んでいたらしいんだ。
それで、今夜のパーティーにどうしても行けないって、義母さんに連絡してきて……
桜月本人もそうだけど、義母さんもとても言いづらくて……
パーティーが終わるまで、ずっと俺に言わずじまいだったんだ……」
天井を見上げたまま言う輝男の表情は、自ずと憂いを帯びたものに変わっている。
小春は輝男にピタッと密着したまま、黙って耳を傾けている。
その表情は、相手の憂慮に共感するかのように重いものとなっている。
しかし、輝男は小春の方を振り向かず、天井を見上げたまま話を続ける。
「俺、明日、バイトがあるけど……
バイトに行く前に、桜月の家に行って、彼女を見舞って来るよ。
一度は、顔を見せておかないと……」
重々しい口調で言う輝男に、小春は依然として重い表情で沈黙する。
そのまま数分程、沈黙が続いた後、小春が口を開いた。
「ねぇ、輝ちゃん……」
そう呼びかけたかと思った刹那、小春はそこで言葉を途切れさせた。
しかし、一呼吸、間を置いた後、柔らかな笑みを浮かべると、
「もう一回、エッチしない……?」
そっとささやくように更なるみだらを求めて来た。
今のささやきを耳にすると、輝男はようやく小春の方を振り向いた。
小春の目に、至近距離で呆れ顔を見せる輝男の姿が映る。
「お前なぁ……今、何時だと思ってるんだ? 明日、寝不足になるだろ?」
ため息交じりに呆れ果てた言葉をかける輝男に、小春はクスッと笑みをこぼす。
しかし、小春はそのまま輝男に寄り添うと、まぶたを閉じて眠りにつく。
輝男は自分と小春の上に布団を被せると、そのまま自らも眠りにつこうとする。
一日の終わりを迎えるかのように、ピタッと寄り添いながら眠る輝男と小春。
しかし、彼の脳裏には桜月の姿が消え失せそうにない。
夜も更けて久しい空に、粉雪が依然として降り続き、舞い続ける……
◇ ◇ ◇
朝陽を隠す曇天が、うっすらとした雪化粧に彩られた住宅街を見下ろす。
その一角に、厚手のジャンパーにジーンズ、手袋をまとう輝男が立っている。
彼の目の前には、二階建ての一軒家がある。
正面玄関ドアの横には、“HINATA”と横書きで記された表札が掲げられている。
表札横の呼び鈴を押してみる。
しかし、家の内側からは何の反応も無い。
二度、三度と呼び鈴を押すが、やはり無反応だ。
ドアに手をかけると、すぐに開いた。
輝男はそのまま、家――桜月の自宅に入って行く。
静まり返った日向家に、輝男は静かに足を踏み入れる。
今は平日の朝。
家の住人たちは、仕事か何かで家を空けているのだろう。
傍目から見れば不用心極まりない状況だが、輝男は構わず歩を進める。
階段を上がって二階に着くと、階段手前にあるドアの前に立つ。
輝男はドアを見つめながら神妙な面持ちを見せる。
そして、そのままドアをノックする。
しかし、ドアの向こうからは何の返事も無い。
「桜月、いいか? 入るぞ」
輝男はドアの向こうにいるであろう桜月に向かって、ドア越しに呼びかける。
ドアノブに手をかけ、ドアを開ける。
ドアの向こうには、整理整頓され、シンと静まり返った部屋がある。
部屋の入り口に足を踏み入れると、すぐ目の前にあるベッドに目を向ける。
ベッドの上では、しっかりと布団を被りながら寝入っている少女の顔が認められた。
高熱に侵されているのか、息苦しい面持ちを赤らめている。
輝男は静かに歩み寄りながら、ベッドの上で眠り続ける桜月を見つめる。
輝男がごく至近距離にまで近付くと、閉ざされた桜月のまぶたが震え出した。
ゆっくりと目を開ける桜月を、輝男はすぐ傍で黙って見つめる。
間も無くして、桜月は目を覚まし、首を横に傾ける。
熱っぽい顔を輝男に向けて、かすかな吐息を漏らす。
しかし、次の瞬間、目の前にいる者を認めると、ハッと驚きながら起き上がった。
「て、輝男君……!? どうして……!?」
高熱に侵されているのを忘れて、いつの間にか目の前に立つ輝男に驚愕する。
驚きを隠せない桜月を、輝男は神妙な面持ちで黙って見つめる。