※この作品はR-18です。

天江輝男の日常   作:原野イアン

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輝男と静流、“お見合い相手”から微妙な二人へ

 新宿駅の正面入口で、輝男と小春が向き合っている。

 既に私服に着替え直している今の二人からは、少し前までラブホテルで激しいセックスに興じていた様子は微塵も認められない。

 どこにでもいる高校生くらいの若いカップルといった雰囲気を漂わせる輝男と小春に、辺りを行き交う人々は、別段、気に留める様子を見せない。

 

 「今日の輝ちゃんとのエッチ、今まで体験したことが無いくらいにメッチャすごく激しかったよ。

 あの時の輝ちゃん、マジでケダモノだったみたいだし」

 

 ほんのりと頬を赤らめつつも、笑みを浮かべながら言葉をかける小春。

 ホテルでのセックスの一部始終を思い返しながら言って来る小春に、輝男は恥ずかしそうに顔を赤らめる。

 

 「すまん……。気持ちがモヤモヤしてたせいか、君にあんなひどいことを……」

 

 申し訳無さそうに言葉を返す輝男の脳裏に、小春に強いたイラマチオ、寝バック等が、ありありと浮かび上がる。

 今更のように罪悪感をにじませる輝男を見ると、

 

 「そんなことより、輝ちゃん、もう大丈夫?」

 

 小春は心配そうにそう呼びかける。

 

 「俺ならもう大丈夫さ。それより、静流さんの方が……」

 

 未だ窮状の中にある静流を憂う気持ちを言おうとすると、

 

 「あの娘のことなら豪兄が何とかするから、大丈夫だよ」

 

 小春は、自信に満ちた表情で、安心を請け負うかのような言葉を返す。

 

 「バカでスケベでどうしようもないろくでなしだけど……

 でも、一度、本気になったら、他の誰よりも真剣になって、勇気と度胸を見せ付けてくれる……

 豪兄ってそういうヤツだから……」

 

 ようやくにして、自分の兄を見直すかのような言葉をかける小春に、輝男は安心したかのような笑みを浮かべる。

 

 「あぁ、そうだな……。俺も今は、アイツを信じるよ」

 

 小春の気持ちを受け止めるかのように、穏やかな笑みと声でそう言葉を返す。

 すると、小春は輝男の真ん前にまで近付くと、そのまま頬にチュッとキスをする。

 小春のキスに、輝男は思わず顔を赤らめる。

 小春はキスを終えると、再び輝男とまっすぐに向き合う。

 

 「じゃあね、輝ちゃん」

 

 「じゃあな、小春」

 

 小春と言葉少なく挨拶を交わすと、輝男は駅舎の中へと消えて行く。

 ようやくにして帰途に着こうとする輝男の後ろ姿を、小春はいつまでも見つめ続けていた。

 その視界から、完全に輝男がいなくなるまで……

 

 ◇ ◇ ◇

 

 薄暗くなり始めた冬空が、明朝学園高校を出る一組の男女を見下ろす。

 

 「……しかし、考えれば考える程、あり得ない話だわ。

 まだ高校に通う身の一人娘を、無理矢理、大物政治家の息子と結婚させるなんて……

 それも、二十以上も年上で、お世辞にも人柄の良くない人と……」

 

 桜月は重い表情を見せつつも、これ以上はない不快感をあらわにする。

 彼女の横では、輝男が沈痛な面持ちを見せながら黙っている。

 

 「親なら、子供……それも、一人娘の幸せを一番に考えるべきなのに……

 まるで、単なる人形のように最上さんを扱って……」

 

 悲憤の念を続けて言う桜月。

 彼女は今、静流が強いられた大物政治家の放蕩息子との政略結婚に対する憤りを言い連ねていたのだ。

 

 「あれから五日も経ってるけど、まったく音沙汰がないんだ……

 大富のヤツ、ちゃんと上手くやったのか? 静流さん、今頃、どうなってるのか?

 そのことがずっと頭から離れられなくて……」

 

 憂いに満ちた表情を見せながら、ため息交じりに苦悩をつぶやく輝男。

 彼の今の言葉に、桜月は重い表情で唇を閉ざす。

 何とか元気づけたいが、そのための言葉が中々、出てこない。

 そのまましばらく道を歩いていると、

 

 「輝男さん」

 

 正面の方から、輝男に呼びかける声が聞こえて来た。

 次の瞬間、輝男と桜月は、目の前にあるものを見て驚いた。

 二人の目の前には、制服の下にコートを羽織っている、同い年くらいの少女が立っていた。

 

 「最上さん……!」

 

 「静流さん……!」

 

 桜月と輝男は目の前に立つ静流を見て、驚きの声を上げる。

 驚く二人の前で、静流は柔和な笑みを浮かべる。

 そして、深々と頭を下げると、

 

 「輝男さん、この前はどうもありがとうございました」

 

 輝男に向かって感謝の言葉をかける。

 静流の今の言葉に、輝男は半ば心配そうな表情を見せる。

 

 「静流さん、ところで例の件は……?」

 

 輝男が肝心の問いをかけると、

 

 「はい、大富さんがうちの両親を懸命に説得して下さったおかげで、破談となりました」

 

 静流は心からの笑みを見せながら、何の迷いもない口調でそう返答する。

 

 「じゃあ、あの政略結婚はなしになったってことね?」

 

 「はい、どうです」

 

 「よかったわね、最上さん」

 

 静流を苦しめ、その人生を台無しにさせようとした政略結婚が破棄されたことを、桜月は我が事のように喜ぶ。

 

 「輝男さんや大富さんが、私のために力を貸して下さったおかげです。

 でなければ、今、こうして、輝男さんの前にいられることなど、永遠になかったかもしれません」

 

 そこまで言うと、静流はその笑みをやや寂しげに曇らせる。

 

 「……ただ、輝男さんとの縁談は破談にされたままですけど……」

 

 半ば沈痛な調子で静流が言葉を続けると、

 

 「別に構わないさ」

 

 輝男は笑みを見せながら、安堵をうながすかのような言葉をかける。

 

 「お見合いだの、縁談だの、そんなしがらみは、俺たちにとっては無用の長物さ。

 こうして、仲良く付き合えるのなら、余計なものはいらないから」

 

 輝男の今の言葉に、静流は再び柔和な笑みを見せる。

 輝男にとっては、お見合い……ましてや、親同士が勝手に決めた縁談など、人と人の絆と比べたらわずかでも顧慮するに値しない代物でしかない。

 そのために、大切な人の一人が深く傷付き、心を苦しめられたと思うと、なおさらそんな思いを強めていく。

 輝男は、静流の心からの笑顔を真正面に見ると、再び口を開く。

 

 「でも、どうせ礼を言うなら、大富に礼を言ってあげなきゃ。

 君を助けたのは、俺じゃなくてアイツだから」

 

 「え、えぇ……そうします……」

 

 輝男の今の言葉に、静流は恥ずかしそうに言葉を返す。

 輝男も静流自身も、大富 豪が尽力してくれたおかげで、今の静流がいることを十分に思い知っている。

 そんな二人のやり取りを、桜月は愛しそうに傍観している。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 暗くなった冬空が、ホテル・ラブベストを見下ろす。

 ホテル・ラブベスト内の一室で、輝男と静流が向き合っている。

 制服姿のままの二人は、共に神妙な面持ちを見せている。

 

 「あの時、俺は結果的に、君に何もしてやれなかった……」

 

 静流をまっすぐに見つめる輝男の脳裏に、先日、アパート内で静流、そして豪と向き合った時の光景が浮かぶ。

 二十以上も年上の大物政治家の放蕩息子との愛の無い、望まぬ結婚を強いられ、そこから逃げ出した静流の窮状を聞かされ、そのために救いの手を差し伸ばそうとして拒まれた時のことが、克明な形で記憶によみがえる。

 その時のことを沈痛な調子で言う輝男に、静流は黙って耳を傾ける。

 

 「人生最悪の窮地に追いつめられていた君を助けたのは、俺じゃなくて、大富 豪だ。

 なのに、彼にお礼を言うより先に、俺に抱いてくれって…」

 

 「お願いですから、もうこれ以上は何も言わず、何も聞かないで下さい」

 

 静流は憂いの色を濃くしながら、輝男をまっすぐ見つめる。

 輝男は無言のまま、静流を見つめると、

 

 (静流さん……かなり心が揺れている……。まさか……?)

 

 心の中でそうつぶやく。

 静流が豪に深く感謝している気持ちを認めつつも、彼女が自分のことを捨てきれずにいることを痛感している。

 輝男としては、静流に対して、豪への恩義を大切にして欲しいと強く願っている。

 しかし、その先のことに考えが及ぶと、何とも言えない気持ちになる。

 このまま、静流と関係を持ち続けても、それが彼女にとってプラスになり得るか?

 それとも……?

 微妙な苦悩が頭の中で渦を巻く中、輝男は静流と唇を重ねる。

 内でわき上がる苦悩を押し殺すかのようにキスを交わし、舌を絡ませ合う。

 絡み合う舌の隙間から、唾液が跳ねるような音が漏れ、

 

 「うぅ……ん、うぅ……」

 

 かすかなうめき声が、切なそうな吐息と共に漏れる。

 輝男はディープキスを続けながら、横にあるベッドに静流をそっと押し倒す。

 

 

 床の上に、明朝学園高校の男子制服と聖清学院高校の女子制服が無造作に脱ぎ捨てられている。

 すぐ傍のベッドの上では、静流がシンプルな白のブラジャーとお揃いのパンティーといういで立ちで仰向けになっている。

 恥ずかしそうに顔を背けると、下着姿の輝男が真正面から左右の手を伸ばす。

 色白で形良いDカップバストを覆う白のブラジャーが、輝男の手でわしづかみにされる。

 輝男の手のひらは、下着越しに静流の胸を愛撫する。

 

 「あぁ……あぁっ……」

 

 輝男の愛撫に、静流は切なそうに喘ぐ。

 静流の喘ぎを聞き入りながら、無言で愛撫を続ける。

 やがて、ブラジャーのカップをずり上げると、大きくなだらかな丸みを帯びた美乳がプルンと弾み出る。

 裸の胸を直に揉みしだきながら、胸元に顔をうずめる。

 輝男の指がたわわな肉の果実に食い込み、胸先の蕾を舌が這う。

 

 「あぁっ、う、あっ……」

 

 胸先から来るみだらな刺激に、静流はのけ反りながら喘ぐ。

 輝男は、静流の喘ぎに耳を傾けながら、柔らかく、大きな肉感を堪能する。

 

 (静流さんのオッパイ……柔らかくて、大きくて、温かい……)

 

 内心、感嘆の声を上げながら、赤ん坊のように胸先に吸い付く。

 空いたもう片方の蕾を指でこねくり回し、絶えず刺激をもたらそうとする。

 

 「輝男さん……いい……いいです…わ……」

 

 静流は頬を赤らめながら、弱々しく歓喜の声を上げる。

 一方の輝男は、飽くことなく愛撫を繰り返し、胸先を貪り続ける。

 まるで、これを逃したらもう二度とできないと言わんばかりに、色白の美乳を堪能する。

 やがて、輝男は静流の胸元から顔を離した。

 静流の美乳は、熱を帯びたかのように薄赤色に染まり、先端の蕾は固く突っ立ちながら震えている。

 そのまま体を下の方へ向かわせ、静流の大事なところを覆うパンティーの前に着く。

 輝男の手がパンティーにかかると、

 

 「待って」

 

 制止を呼びかける声が聞こえてきた。

 輝男が顔を上げると、乞うようなまなざしを震わせながら、静流が顔を向けて来た。

 

 「お願いです……。私にも……輝男さんの……」

 

 恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら、静流が弱々しく懇願する。

 

 

 輝男は生まれたままの姿で、ベッドの上で仰向けになっている。

 しかし、すぐに、目の前に突き付けられた美尻に顔をうずめる。

 真ん前にある肉の花弁に舌を這わせると、

 

 「んんっ……んうぅっ……」

 

 美尻に視界をふさがれた向こう側から、艶やかなうめき声が聞こえて来た。

 輝男の股の前では、やはり生まれたままの姿をさらす静流が身を屈めている。

 静流はそのまま、裸の股から立っている肉の棒をくわえている。

 

 「んうぅっ……んむっ……んぅっ……」

 

 陰茎にふさがれた口元から、艶やかなうめき声が漏れる。

 静流は懸命に口を動かしながら、輝男自身を貪り続ける。

 そんな静流の美尻の方からは、ざらつく舌の感触が刺激を伴って彼女の神経を侵している。

 輝男の舌は、肉の花弁を舐め回すと、内側へと入り込む。

 舌先で内側を舐め回さんとする輝男の動きに、

 

 「んくぅっ……!」

 

 静流は陰茎をくわえたままたまらずうめく。

 背後から襲って来るみだらな刺激をまぎらすかのように、フェラチオをペースアップさせる。

 陰茎でふさがれた口元から、唾液が跳ねるような音と、

 

 「んんっ、んぐっ、んむぅっ、んうぅ……」

 

 艶やかなうめき声がトーンアップしながら漏れる。

 美尻を貪り続ける輝男は、静流の大事なところを舐め続けながら、股の方から襲ってくるみだらな刺激を痛感する。

 生温かい静流の口内が、輝男自身を絶えずしごき、固さ大きさを増大させていくのを認める。

 

 「んっ、んぐぅっ、んうぅっ、んんっ……!」

 

 静流は息詰まるかのようなうめき声を漏らしながら、

 

 (輝男さんのオ〇ン〇ン……もっとたくましくなっていく……)

 

 自分の口内で、固く膨張していく輝男の剛直に感嘆とする。

 一方、輝男は、静流の内側から芳醇なメスのにおいが漂い、すぐに濃厚な蜜が続けて漏れ出てくるのを感じ取る。

 

 「んぐ、んぐ、んぐ……んうぅっ……!」

 

 甘くくぐもった声と唾液が跳ねるような音、そして、貪るような水音が、みだらな三重奏となって密室に響く。

 美尻に顔をうずめ、あふれ出る蜜の流れを舐め尽くそうとしながら、

 

 (ヤバい……! このままじゃ、出る……!)

 

 股の辺りで容赦無くわき立つ沸騰感に、内心、苦悶の声を上げる。

 生温かい口内がもたらす刺激は、輝男自身を限界まで膨張させ、暴発寸前にまで追い込もうとする。

 すると、静流が大きく息を吐きながら、剛直を口から離した。

 

 「ハァ、ハァ、ハァ……」

 

 荒く息を吐く静流の目の前には、唾液と別の液に表面をまぶされた剛直が、天を向くように固く突っ立っている。

 静流は身を屈めたまま、後ろの方を振り返る。

 恍惚とした美貌を赤らめ、乞うようなまなざしを震わせる。

 輝男は美尻から顔を離し、静流と顔を合わせる。

 

 「お願いです……。輝男さん……来て……」

 

 艶やかな声で懇願する静流に、輝男は黙ってうなずく。

 

 

 静流は再び、ベッドの上で仰向けになる。

 真正面に向かい合う輝男は、静流の左右の脚を開かせる。

 両脚の付け根には、蜜で濡れぼそり、ひくついている秘裂が認められる。

 固く膨張した剛直の先端が、静流の秘裂にあてがわれる。

 

 「静流さん、行くよ……」

 

 意を決したかのような面持ちで輝男がささやくと、

 

 「はい……。来て下さい……」

 

 静流はうなずきながら、言葉少なく応諾する。

 次の瞬間、輝男は勢いよく腰をぶつけた。

 輝男の猛進と共に、彼の剛直は静流の中に深々と突き刺さる。

 

 「ああっ、あぁ――――――っ!!」

 

 静流はビクンとのけ反りながら、けたたましく叫ぶ。

 輝男はそのまま、真上から被さるように静流に密着する。

 静流はすぐさま、輝男の背中に両腕を回し、彼の体をギュッと抱き締める。

 輝男は静流と密着した状態で腰を前後に動かす。

 

 「あぁっ! あっ! あぁっ! うぅっ! んうぅっ! ん、あぁっ……!」

 

 固く膨張した剛直が中で前後に行き来する様に、静流は身悶えながらけたたましく喘ぐ。

 輝男は真正面に顔を近付けると、そのまま静流とキスを交わす。

 唇を重ね、舌を絡ませ合いながらも、輝男自身は、静流の中で前後に動き続ける。

 輝男を抱き締める腕の力は、その細腕からは想像もつかないかのように強まる一方である。

 密着し合う輝男と静流の間では、Dカップバストが引き締まった胸板に押し潰され、噴き出る汗が混ざり合っている。

 

 「うぅっ……ハァッ、ハァッ……んうぅ……ハァ……」

 

 絡み合う舌の隙間から、歓喜と苦痛の混ざったうめき声と荒い吐息が交互に漏れる。

 

 (し、静流さんの中……かなり、キツくなってる……!)

 

 激しく律動を繰り返す輝男は、自分自身を受け入れる静流のヴァギナが収縮を強めているのを痛感する。

 

 (て、輝男さんの……今までになく激しくて……ダメ……何も考えられない……)

 

 輝男とディープキスを続ける静流は、剛直とヴァギナの摩擦がもたらす刺激に思考能力を薄れさせつつある。

 今、静流が理解できているのは、自分の中を貪欲に荒らす男の動きだけである。

 やがて、輝男と静流はディープキスをやめた。

 二人の間をつなぐ唾液の糸が千切れると、輝男は体を起こし、膝立ちの体勢で静流の腰をグイッと引き上げた。

 激しく小刻みに腰をぶつけ、荒々しい律動を続行する。

 肉と肉の衝突音が水音混じりに響き、輝男と静流の耳に流れ込む。

 輝男による律動に押されるかのように、静流は体を前後に揺さぶり、胸元の美乳を震わせる。

 

 「あぁ、いい……すごい……!」

 

 歓喜の念に声を震わせながら、輝男の荒々しい動きを甘受する静流。

 輝男は荒く息を弾ませ、激しく腰をぶつけながら、眼下にある静流を見下ろす。

 静流の美貌は、恍惚の度合いを増しながら赤らんでいる。

 ベッドのシーツをつかむ手で我が身を支えながら、艶めかしく身悶え、美乳を揺らし続ける。

 みだらに耽り切るかつてのお見合い相手を見下ろしながら、

 

 (俺はいつまでも静流さんと仲良くしていたい……

 でも、この関係がいつまでも続くとは、誰にも断言できない。

 また、こうして静流さんを抱くことが、今後もあるだろうか……?)

 

 熱に浮かされた形相の奥で、偽らざる思いとわき上がる不安をつぶやく輝男。

 彼の脳裏には、自分を拒みながら、静流を助けることを買って出た豪の姿が克明に浮かぶ。

 静流にとって一番の恩人とも言うべき男の姿が、静流を犯している輝男の脳裏から離れずにいる。

 今、こうして静流とのセックスに興じていても、今後もこのような関係が続くかどうか自信が持てないのだ。

 もしかしたら……という思いが、輝男の中で募る。

 すると、

 

 「て、輝男さん……もっと……もっと強く……!」

 

 迷いを振り払うかのように、静流が艶を帯びた声で呼びかける。

 薄赤色に染まった肢体を絶えず悶えさせ、恍惚に赤らむ顔を輝男に見せ付ける。

 

 

 静流がベッドの上で四つん這いになっている。

 静流の背後では、輝男がプリッとした肉付きの美尻を左右からつかみ、強く腰をぶつけている。

 輝男が腰をぶつけるのに合わせて、彼の剛直が静流の中を突き破ると、

 

 「あぁっ……!」

 

 静流はビクンとのけ反りながら、艶やかに喘ぐ。

 輝男はそのまま、腰を前後に振り続け、絶えず美尻にぶつける。

 

 「うっ、うぅっ……! んんっ……ん、くぅっ……!」

 

 背後からの容赦ない律動に身を押されながら、静流は艶やかにうめく。

 ベッドのシーツをギュッとつかむことで我が身を支えるも、その身を前後に揺さぶられるのを止められずにいる。

 静流の胸元から垂れるDカップバストは、主(あるじ)の動きに応ずるかのようにプルプルと震え続ける。

 輝男は静流に向けて激しい律動を繰り返すと、

 

 (静流さんの中……食らい付いて離さないみたいだ……!)

 

 限界まで狭まるヴァギナの肉圧を認め、内心、驚嘆する。

 しかし、輝男は自らの動きを滞らせるどことか、剛直に絡み付く熱とぬめりを潤滑油代わりにして律動を繰り返す。

 四方の肉壁を突破し、奥深くへと突き当たる輝男自身に、静流は身を震わせ、歯を食いしばる。

 ギュッとベッドのシーツをつかむ手に、汗がにじみ出る。

 

 「うぅっ……あぁっ! うぅっ! ハァッ!」

 

 苦悶と歓喜がない交ぜになった声を上げると、

 

 「て、輝男さん……わ、私……もう……」

 

 声を震わせながら、途切れ途切れに自らの限界を訴える静流。

 すると、震え続ける腕がバランスを崩し、静流の体はうつ伏せに倒れ込んだ。

 すると、輝男は剛直が突き刺さったままの美尻を引き上げ、そのまま腰を強く打ち据える。

 しかし、すぐに、

 

 「し、静流さん……俺も……!」

 

 熱に浮かされたかのような顔で、途切れ途切れに自らの限界を訴える。

 締め付けを強める肉圧、絡み付いたまま離れない熱とぬめり、そして、今の静流の声が、輝男の中の昂りを限界にまで追い込んでいる。

 マグマのように煮えたぎり、いつでも暴発できる状態にある。

 しかし、輝男はそのことをおくびにも出さず、背後からの律動を繰り返す。

 その裸体は薄赤色に熱っぽく染まり、素肌からは汗が絶えず噴き出ている。

 腰と美尻がぶつかり合う乾いた音と、

 

 「あぁっ、あっ、あぅっ、んうぅっ……ん、ハァッ……」

 

 静流の艶やかな喘ぎが輝男の聴覚を突き刺し、彼の内側にみだらな刺激として伝わる。

 やがて、

 

 「て、輝男さん……も、もう……ダメ……!」

 

 「ダ、ダメだ……静流さん……出る……!」

 

 静流と輝男は、まったく同時に限界に達した旨を告げて来る。

 すると、

 

 「き、来て……。そのまま……私の中に……輝男さんの……熱いほとばしりを……」

 

 静流は声を震わせながら膣内射精をうながす。

 恍惚の極みに達し、紅潮しきったその美貌からは、輝男の愛欲を一つ残さず受け入れる意思があることがまざまざと示されている。

 間も無くして、輝男は静流に向けて腰を強く一突きした。

 と、次の瞬間、

 

 「あぁっ……あっ、あぁ――――――……」

 

 静流は体を大きくのけ反らせながら、絶頂の声を上げた。

 輝男は静流の今の悲鳴を聞くと、ギュッと締まり切った蜜壺に濃厚な奔流を流し込んだ……

 

 ◇ ◇ ◇

 

 都心の中心部にある閑静な住宅街。

 その奥にある荘厳なたたずまいをした白亜の豪邸を、漆黒の夜空が見下ろす。

 その豪邸の二階の一室に、小春と豪がラフな寝間着を身にまとっている。

 

 「……ったく、アタシがパパに必死にお願いしてなかったら、豪兄、マジで家に入れてもらえなかったんだからね!」

 

 小春はベッドの淵で腰を下ろしながら、傍で椅子に腰を下ろす豪に向かって、呆れ顔でため息を付く。

 

 「おい、小春。素敵なお兄様に対して、何、説教ぶってんだよ?」

 

 「よく言うよ!

 元はと言えば、ろくに勉強もしないで、遊びほうけたり、女の子の尻を追っかけてばかりいたから、今回のようなバカ騒ぎを起こしちゃったんでしょうが!」

 

 「それは違うぞ!

 確かに、俺は家出したけど、ちゃんと人のためになるようなこともしたんだぜ!

 お前にも是非、見せてやりたかったよ。

 この俺が、可愛い一人娘をクズオヤジと結婚させようとしたバカ親ども相手に、カッコ良く説得してるところを……」

 

 カッコつけるかのように豪が言うと、すかさず、小春の平手が兄の頭を思いっきり叩く。

 

 「なぁにがカッコ良くよ?

 どうせ、拉致監禁レイプ魔まがいに散々、脅しまくったくせに」

 

 「んなことねぇよ!

 ちゃんと真剣に、あんなふざけた結婚、チャラにしてくれって言ってやったんだから!」

 

 「どうだか……」

 

 小春は、豪の熱弁を軽くあしらうと、

 

 「でも、あの娘が、あんなバカげた縁談を無しにされたのは間違い無いんだよね?」

 

 「そりゃ、もちろんさ。ちゃんと向こうにも念を押したし」

 

 「そう……それならいいんだけど……」

 

 豪が続けて言って言葉に、安心したかのような顔を見せる。

 小春もまた、静流を苦しめようとした政略結婚が破談となったことを、まるで我が事のように喜ぶ。

 小春にとっては、輝男を巡る厄介なライバルの一人だけど、それでも、あの非運には心痛と憤りを覚えずにはいられなかった。

 愛してもいない男……それも、精魂が極めて下劣な二十も年上の男との結婚など、不快極まりない代物でしかない。

 例え、自分にとって目障りなライバルであっても、静流がようやく窮地を脱したことを、小春はどうしても喜ばずにはいられなかった。

 しかし、小春はそのことをおくびにも出さず、豪の方をまっすぐに見る。

 

 「ところで、豪兄……」

 

 「何だ?」

 

 「もしかして、あの娘……最上静流とヤっちゃってないよね?」

 

 ジト目でにらみながらたずねる愛妹に、豪は一瞬、ギクッと顔を赤らめる。

 しかし、すぐに平素の形相に切り替えると、

 

 「んなことしねぇよ!」

 

 声を荒げながら否定の返答を言う。

 

 「そうだよねぇ。まさか、豪兄が他人(ひと)の女に簡単に唾つけるなんて……」

 

 小春が笑いながら、半ば、からかうかのように言うと、

 

 (……ったく、あの娘が“アイツ”の女じゃなかったら……)

 

 豪はやり切れない思いを内心、抱えながら、深くため息を付く。

 彼の脳裏には、静流と輝男の姿が続けて浮かび上がる。

 家出中に偶然、出会い、その窮状を救わんと一肌、脱いでやったせいなのか、豪の中で、静流の存在が離れられずにいる……

 

 輝男と静流、小春と豪――

 

 二組の若き男女は、こうして、各々の夜を過ごすのであった……

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