ひと気が無く静まり返った明朝学園高校の校舎。
教室や廊下には、生徒たちの姿が無くなって久しい状態にある。
教室内に掛かっている時計の針は、四時半を指している。
図書室から一人の生徒が出て来た。
輝男だ。
輝男はいつもと変わらぬ様子で階段に差し掛かり、下の階へと下りようとする。
しかし、次の瞬間、眼下にあるものを見て思わず足を止めた。
(あれは……?)
輝男の視線の先には、下の踊り場で向き合っている女性教諭と男子生徒の姿があった。
(理華さん、それに……)
輝男の目に映るのは、理華と小中高大(こなか・たかひろ)である。
小中は頬を真っ赤にし、緊張した面持ちで理華をまっすぐに見つめる。
「ぼ、僕……実は、先生のことがずっと好きでした……!」
ぎこちなく自らの気持ちを率直に伝える小中。
小中の今の言葉に、理華は神妙な面持ちで沈黙する。
何も言い返さない理華に構わず、小中は話を続ける。
「もし、今度の期末考査、僕が学年トップになったら……
……ぼ、僕と……セックスして下さい!!」
緊張の余り、声を張り上げてとんでもない申し出をする小中。
傍で盗み見していた輝男は、クラスメートの今の言葉に驚き、唖然とする。
(な、何、言ってんだ、コイツ……!)
唖然とする表情の奥で、呆れ果てた気持ちを吐く輝男。
一方の理華は、小中の今の申し出を聞くと、表情を厳しくさせる。
「小中君、今度の期末考査、一生懸命頑張るのは大いに結構だけど……
例え、あなたが今度の期末考査で学年トップになっても……
その申し出は絶対に受け入れられないわ」
厳しい表情で教え子をにらみながら、拒絶の返答を冷淡に言う。
「そんな……! 僕と先生だけの秘密にしますから……だから……!」
小中は左右の手のひらを合わせて、文字通り、祈るように懇願する。
しかし理華は、必死の懇願を前にしても厳しい表情を崩そうとしない。
「いくらお願いしても、ダメなものはダメよ。
そんな浅ましい欲望のために、君も私も、せっかくの学校生活や人生を台無しにするわけにはいかないから」
吐き捨てるような調子で言うと、理華はその場を去って行く。
小中は一人、その場に取り残されたかのように立ち尽くす。
遠のく担任の後ろ姿に、文字通りガクッと肩を落とす。
すると、
「お前、こんなところで何してんだ?」
すぐ傍から、半ば呆れたかのように呼びかける声が聞こえて来た。
振り返ると、輝男がため息を付きながら小中に目線を向けていた。
二人はそのまま並んで階段を下り、下の階へと向かう。
「別に、何でもないよ」
「その様子だと、相当、嫌なことがあったみたいだな」
落胆を隠せない小中に向かって、その理由を察しようとする輝男。
事の一部始終を傍観していたにも関わらず、そのことはおくびにも出すまいとする。
「好きな女の子に告白してフラれたとか……」
輝男がそう言葉を続けると、
「だから、何でもないって言ってるだろ!」
小中は苛立ち紛れに言い返す。
美人の担任教師にセックスを申し出て冷たく拒絶されたなどと、さすがに口が裂けても言えなかったのだ。
間も無くして、輝男と小中は生徒玄関に差し掛かった。
「なぁ、天江……」
「何だ?」
「俺に、女の子を一人でもいいから紹介してくれよ」
小中がそう言うと、輝男は呆れ顔で一瞬、言葉を失う。
「女の子を紹介しろって……俺、別に女の子と付き合ってるわけじゃ……」
ごく自然な態度を装いながら、何人もの少女と関係を持っていることを隠し抜こうとする。
しかし小中は、食い下がるようなまなざしで輝男をとらえる。
「そんなこと、ないだろ。
お前、勉強もできるし、顔もいいから、女の子の一人や二人、普通に寄って来てるはずだ」
「言っちゃ悪いけど、俺、お前が思ってるほど、まったくモテてないから。
それに、勉強ならお前の方がダントツだろ?
俺、一度も定期考査でお前に勝ったことなんてないんだから」
「ホントかよ……?」
「あぁ……。お前に女の子を紹介してやれるほど、俺はまったくモテちゃいないから」
なおもごく自然な態度を装いながら、真実を隠し、否定しようとする輝男。
担任である理華はもちろん、クラスメートである桜月、同級生にして“鬼の生徒会長”でもある葵、他にも何人もの女の子と関係を持っているなど、他の者に知られるわけにはいかなかったのだ。
ちょっとでも知られれば大事(おおごと)になりかねないという恐れが、輝男に今の行為をうながしているのだ。
小中は、輝男の今の言葉にわずかの間、沈黙すると、ゆっくりと口を開いた。
「話は変わるけどさ……明日か明後日でもいいけど、お前ん家で勉強会でもしないか?」
「勉強会? お前と?」
「一人でも十分かもしれないけど、他のヤツと一緒だと更に勉強がはかどるんじゃないかと」
「すまんが、明日、明後日、大事な用事が入ってるから無理だ」
「何だよ……! ホントに、お前は付き合い悪いな……」
小中は、輝男のつれない返事に落胆しきった面持ちでため息を付く。
しかし、すぐに輝男に背を向けると、一足先に自分の下駄箱へと向かう。
内履きから靴に履き替える小中を見ると、
(俺ん家で勉強会したいだなんて……まさか、義母さんや瑠奈を狙ってるわけじゃ……)
輝男は内心、余計かもしれない懸念を募らせる。
担任教諭にセックスを申し出た小中を傍観していた輝男は、彼のよこしまな感情が自分の義母や義妹にも向けられるのではと心配でならないようだ。
小中が生徒玄関を出て、下校の途に着くのを見ると、輝男もまた自分の下駄箱へと向かう。
すると、
「天江君も、結構、友達思いね」
後ろから、柔らかな口調で呼びかける声が聞こえて来た。
輝男が振り返ると、理華が笑みを浮かべながら立っているのが見えた。
「小中君が落ち込んでいるを見かねて慰めるなんて……
他の子でもそうそうとできることじゃないわ。
それも、私にエッチを申し込んで断られたすぐ後にね……」
「せ、先生……!」
恥ずかしそうに顔を赤らめ、言葉を詰まらせる輝男に、理華はクスッと笑みをこぼす。
「心配しないで。
どんなことがあっても、他の男(ひと)に体を許すようなことはしないから」
「よく言いますよ。俺の他にも一人だけ、体を許せる人がいるのに」
半ば呆れたかのように言い返す輝男に、今度は理華が顔を真っ赤にしてしまう。
「あ、あま……天江君!!」
恥じらいに顔を真っ赤にしながら、ぎこちない口調で声を荒げる理華。
そんな理華に、輝男はクスッと笑みをこぼす。
しかし、すぐに理華は表情を落ち着かせ、改めて輝男と向き合う。
「ところで、天江君、今度の日曜日もバイト?」
「いいえ。期末考査の前日だからということで、特別に休みをもらいました」
「それなら、今度の日曜、うちで期末考査に向けた勉強会でもしましょう」
「せ、先生の家で!?」
「必ず来てね。待ってるから」
一方的に事を決めると、理華はそのまま校舎の方へと消えて行く。
(まったく、理華さんったら……何、考えてんだか……)
輝男は遠のく理華を見つめながら、呆れ顔でため息を付く。
◇ ◇ ◇
今にも雨が降りそうな曇天が、タワーマンションを見下ろす。
マンション七階の廊下を、カバンを手にした私服姿の輝男が黙々と歩く。
しばらく歩いていると、目の前にあるものを見て、思わず驚く。
「あ!」
“702”という数字が記されたプレートを備えた入口ドアを挟んで、輝男、そして、私服姿の桜月、葵が、声を揃えて驚く。
「天江君……!」
「まさか、君たちも……!?」
驚きを隠せない桜月、葵に、輝男は驚きながら言い返す。
すると、ドアが内側から開かれた。
「皆、よく、来てくれたわね。ささ、入ってらっしゃい」
ドアの内側から理華が顔を覗かせ、輝男たちに入室をうながす。
輝男たちは半ば恥ずかしそうな顔を見せながらも、そそくさと入って行く。
「まさか、天江君や日向さんも一緒だなんて……」
「もしかして、先生、それぞれ別個に……?」
「どうもそうみたい……」
先導する理華の後ろで、葵、輝男、桜月がボソボソと言葉を交わす。
リビングのテーブルに、教科書や参考書、ノートが、所狭しと広げられている。
輝男と桜月、そして葵は、テーブル越しに理華と向き合う。
「さぁ、皆、今回は特別に私がテスト勉強に付き合ってあげるから、気合を入れて頑張りなさい!」
理華が自信に満ちた笑みを浮かべながら、輝男たちに言葉をかける。
「先生」
すかさず、葵が理華に言葉をかける。
「まさかとは思いますが……今回の試験問題を教えるなんてことは…」
「何、変なことを言ってるの?
私が、あなたたち相手にそんなズルをするはずがないでしょ?」
懸念めいた葵からの問いかけを、理華は迷うこと無くはね付ける。
期末考査前日に英語担当教諭の家で勉強会をやるという事態に、ただならぬ予感みたいなものを感じたのだろう。
少なくとも、英語に限って言えば、試験問題の作成にも関わっているのかもしれない。
せっかくの申し出や好意を無碍にするのも気が引けるが、万一のことがあると他の同級生たちに申し訳がない。
そんな思いが、葵に今の問いかけをうながしたのだろう。
「試験問題は教えてあげないけど、これからやる試験範囲のおさらいと応用問題をちゃんとやれば、英語の試験は自信持っていいかもしれないわ」
「はい」
言葉を続ける理華に、輝男たちは応諾の返事をする。
「さぁ、行くわよ。教科書105ページを開いて」
理華にうながされて、輝男たちは指定された教科書のページを開く。
この後、輝男、桜月、葵は、理華相手に英語のテスト勉強を二時間近く行なった。
テスト勉強と言っても、実際のところは、学校の授業と大して変わりはないが……
それから後は、理華を除いた三人で、数学のテスト勉強に取り組んだ。
教科書や参考書を開きながら、試験範囲について絶えず言葉を交わしたり、ノートにペンを走らせたりする。
懸命に勉強に臨む輝男たちの傍で、キッチンに立つ理華は、鼻歌を歌いながら料理を作っている。
リビングに掛かっている時計は、十二時半を指している。
リビングのテーブルに、四人分のメニューが並んでいる。
輝男たちの目の前には、チーズドリアとケチャップをかけられたオムレツ、そして、カップに注がれたコーンポタージュスープが並べられている。
輝男と理華、桜月と葵は、それぞれ横に並んで腰を下ろしている。
桜月、葵と向き合うようにして席に着いている輝男は、チーズドリアとオムレツを順々に食べる。
「美味い……。マジで美味い……」
「当然よ。皆のために腕によりをかけて作ったんだから」
メニューを口にした途端、驚嘆する輝男に、横にいる理華は誇らしげに言葉をかける。
真向かいにいる桜月と葵も、理華が作ってくれた昼食のメニューを口にする。
「悔しいけど……本当に美味しい……」
「理華先生って、授業だけじゃなくて、料理の方もとても上手なんですね」
葵と桜月が理華に向かって驚嘆の念を伝える。
「そんなに美味しいのなら、是非とも、最後まで召し上がれ」
「では、お言葉に甘えて」
理華の今の言葉にうながされて、輝男は食事を進める。
桜月もまた、美味しそうにメニューを食べながら、
「先生、よろしければ、レシピを教えて下さい」
理華に向かって、今、食べている料理の作り方をたずねようとする。
こうして、昼食は滞りなく進み、時計の針が一時十五分を指す頃には、テーブルに並べられた料理皿はすべて空になった。
「先生、ごちそうさまでした」
「美味しいお昼ご飯、どうもありがとうございます」
昼食を食べ終えた輝男と桜月、葵が、理華に向かってお礼の言葉をかける。
すると、理華は、輝男たちを見据えながら不敵な笑みを浮かべる。
理華の今の笑みに、輝男たちは思わず訝しげな顔を見せる。
「どうしたんですか? 先生」
輝男は、理華の今の笑みが意味するところが理解できず、首を傾げる。
すると、
「まさか……お昼をごちそうになって、そのままで済ませるわけじゃないわよね……?
特に……天江君……!」
理華は不敵な笑みを絶やさずに、輝男をまっすぐに見つめる。
明らかに狙いを定めるかのような理華のまなざしに、輝男は戸惑いと驚きの入り混じった顔を見せる。
「どういうことですか? 今のは……」
戸惑いながらたずねる輝男の股を、理華の細い片手がジーンズ越しに撫でさする。
理華の今の動作に、輝男は顔を真っ赤にして言葉を詰まらせる。
桜月と葵も、目の前の理華の動作に、驚きながら顔を赤らめる。
「何のために、今日、わざわざ、私の家まで来させたかわかってるの……?
テスト勉強はもちろん大事だけど……ひたすら勉強漬けだと体に毒だから……
ここで溜まってたものを発散させないと、肝心の期末考査で思うような結果が出せなくなるじゃない……」
理華は輝男の股を撫でさすりながら、輝男、そして、桜月と葵に目を向けて言葉をかける。
不敵な笑みを赤らめながらささやきかける理華に、輝男は羞恥に満ちた顔で言葉を詰まらせる。
理華が言わんとしていることを否が応にも理解し、言うべき言葉が中々、出てこない。
理華の今の言葉に、桜月もまた、恥ずかしそうに顔を赤らめながら言葉を失う。
すると、桜月の横にいる葵が、羞恥に赤らむ顔をキッと鋭くさせる。
「先生! いくらなんでも、今の先生の言葉はハレンチ過ぎます!」
理華に向かって、怒りに満ちた声を張り上げる葵。
理華は葵の今の叫びを聞くと、輝男の股を撫でる手を止め、葵の方を向く。
理華の視線の先には、怒りに満ちた顔を赤らむ葵の姿がある。
「今回の期末考査のための勉強会と言うことで、私は快く応じましたが……
まさか、期末考査を翌日に控えた状況で、私たちにハレンチなことを強要させようとするなんて……!」
葵は相手が学校教諭であるのを忘れて、理華を鋭くにらみながら怒りの声を上げる。
普段、学校では真面目で厳しい理華が、このプライベートの場において何のためらいもなく淫欲をうながそうとすることを、葵はどうしても許容できないでいるようだ。
しかし理華は、真正面からぶつけられる葵の怒りにまったく動ずる様子を見せない。
「黒山さん、それに日向さん、嫌なら嫌でも別に構わないわよ。
それなら、もう用事は無いから、二人ともお引き取り願うしかないわね」
桜月と葵を平然と突き放すかのような言葉をサラッと言ってのけると、理華は再び輝男とまっすぐに向き合う。
「さぁ、輝男君、私がマンツーマンであなたをタップリ気持ちよくさせてあげる」
艶を帯びた声で嬉しそうに言う理華に、輝男は恥じらいと困惑の入り混じった顔を赤らめる。
「り、理華さん……何、言ってんですか……?
そんなことより、テスト勉強が……」
艶やかな笑みを赤らめ、すがり付くかのようなまなざしを震わせる理華に、輝男は戸惑いの声を震わせる。
逃げ出したくても逃げ出せない今、たじろぐのが精一杯といった様子である。
すると、
「やめて下さい!」
傍から、制止を訴える怒号が聞こえて来た。
輝男と理華が振り向くと、葵が怒りの形相を赤らめながら、二人の方へとつかつかと歩み寄って来た。
そして、輝男の右腕に抱き付くと、そのまま彼をグイッと引き寄せる。
「お、おい、黒山!」
「雨宮先生、あなたの好きにはさせませんから!」
理華から引き離すかのように輝男に抱き付きながら、理華を鋭くにらむ葵。
葵の鋭いまなざしと怒りの声に、理華は気分を害するどころか、余裕のある笑みを見せる。
「それでこそ黒山さんね」
勝負を受けて立つと言わんばかりに、理華が言葉を返す。
予期せぬ形で対峙する羽目となった“鬼の生徒会長”と美人担任教諭に挟まれて、
(結局、こういうことになるのか……って言うか、俺の意思は一体……)
輝男は内心、深く嘆息する。
ある意味で悩ましく、あるいはうらやましい状況から、一歩も抜け出せずにいる。
そんな三人の傍で、桜月は戸惑いに満ちた表情で立ち尽くす。
事態の成り行きに戸惑ってはいるが、その場を去る気配はまったく見せない……
◇ ◇ ◇
輝男はバスルームで引き締まった裸体をさらす。
バスチェアに腰を下ろす輝男を、一つのまなざしが凝視する。
「天江君って、ホントにいい体してるのね……」
葵が頬を赤らめながら、輝男に言葉をかける。
葵の目には、恥じらいに赤らむ輝男の顔と、引き締まった胸板、そして、股から立つ肉の棒が映る。
「君だっていい体してるじゃないか……」
輝男は顔を赤らめながら、目の前にある葵の裸体を凝視する。
細く引き締まっているが均整の取れた裸体、そして、胸元から盛り上がる大きな左右のふくらみが、輝男の目に否が応にも映る。
「ヤダ、もう……。変なこと、言わないで……」
葵が恥じらいに顔を紅潮させると、
「もう、何度も見ているのに、今更、恥ずかしがることなどないじゃないか」
輝男は、幾度とも無く繰り広げた葵とのセックスを思い返しながら、彼女に言葉を返す。
葵はムッと唇を閉ざして、輝男への返事を拒む。
そのまま、たわわな肉の果実にボディーソープを満遍なくかける。
自らの美巨乳を手でこすり付けると、すぐに葵のEカップバストは泡まみれになった。
葵は真正面から輝男に密着すると、泡立った自分の胸で輝男の胸板をこすり付ける。
ムニュッ…と大きく柔らかな肉感が、胸板を通して輝男の神経に伝わる。
葵は至近距離から輝男を見つめると、
「どう? 気持ちいい」
ウットリとした声で、輝男にたずねる。
輝男は、バスルームの湯気と羞恥の念に顔を真っ赤にさせると、
「あぁ……気持ちいいよ……」
言葉少なく返答した。
輝男の返答を聞くと、葵はゆっくりと体を上下に動かし始めた。
上下運動を繰り返しながら、自分の胸をスポンジ代わりにして、輝男の前半身――特に胸の辺り――を何度もこすっていく。
絶えず直撃する柔らかな肉感に、輝男は恥じらいと昂りがいたずらに増すのを痛感する。
顔を真っ赤にしたまま硬直する輝男の真ん前で、
「あぁ……あぁ……」
体を揺らし続ける葵が、感じ入ったかのように切なそうな喘ぎを発する。
自ら胸をこすり付けるも、輝男との間で生じた肉の摩擦は、葵自身にも少なからぬ刺激をもたらす。
バスルームに漂う湯気と合わさって、葵の裸体は、みだらな刺激にその身を薄赤色に染め始める。
「正直、信じられないよ……
“鬼の生徒会長”とまで言われている君が、こんなことをするなんて……」
輝男がため息交じりに戸惑いの念を言うと、
「天江君じゃなきゃ、こんなこと、絶対にしないわよ……」
葵は艶を帯びた声で言葉を返す。
輝男は徐々に恍惚の色を濃くさせる葵の美貌を認め、絶えずもたらされる柔肉の感触を堪能する。
すると、背中の方から別の柔肉の感触が襲ってきた。
「輝男君、私だっているんですからね」
裸体をさらす理華が、背後から輝男に抱き付きながらささやきかける。
クスッと笑みをこぼす理華の胸は、葵と同様に、ボディーソープで満遍なく泡立っている。
輝男に抱き付いたまま、理華のDカップバストが背中からこすり付けてくる。
真正面のみならず、背後からも襲って来る柔肉の感触に、輝男は顔を真っ赤にして言葉を失う。
「どう? 輝男君、気持ちいい?」
「気持ちいいに決まってるじゃないですか」
「黒山さんと私、どっちが気持ちいい?」
「両方とも気持ちいいです」
輝男が背後から胸をこすり付ける理華に返答すると、
「もう、天江君って、どうしていつもそうなの?」
真正面にいる葵が不機嫌に言葉をかける。
どちらか一人に決められず、両方ともいいという曖昧な態度が、葵にはどうも面白くないようだ。
それでも、未だ泡がこびり付く美巨乳で輝男の体を洗い続ける。
最愛の男の煮え切らない態度を不快に思いつつも、惚れた女の弱みと言うか、彼を突き放すことがどうしてもできないようだ。
仮に突き放してしまえば、今、真向かいにいるもう一人の相手に、すぐに彼を奪われかねないかもしれないからだ。
理華は輝男に抱き付いたまま、ゆっくりと腰を上下に動かし、背中に押し付けた美巨乳をゆっくりとこすり付ける。
ゆっくり、ジックリと柔らかな肉感を背中にこすり付け、延々とみだらな刺激を神経に注ぎ込もうとする。
葵も負けじと、泡が完全になくなるまで自分の胸を輝男にこすり続ける。
正面と背後から美巨乳に挟まれ、輝男は成すすべも無いといった様子である。
(葵も理華さんも……そんなにオッパイ、こすり付けたら……俺……)
胸元と背中から二重に襲いかかるみだらな刺激に、輝男は内心、戸惑いの念を口走る。
既に輝男の中では、淫欲の昂りがグツグツと煮えたぎっている。
内側で沸騰感がわき立つ輝男に構わず、葵は上下に腰を揺らして、自らの胸を摩擦させる。
しかし、次の瞬間、ふと腰を落とした拍子に、何か固いものが股に当たったのを認めた。
葵は行為を止め、目線を下に下げる。
葵が見下ろす先には、天を向くようにいきり立つ剛直が認められた。
正面、背後から美巨乳による摩擦を受けたせいで、輝男自身はいつも以上に充血し、今の時分で固く膨張しきった姿を見せた。
葵はすかさず輝男の腰の上にまたがり、剛直の先端を自分の秘裂にあてがう。
「おい、葵!」
驚きと戸惑いに声を上げる輝男の唇を、葵のキスがふさぐ。
「輝男君、私、もう我慢できない」
熱っぽく艶やかな形相で輝男を見つめながら、葵が言葉をかける。
そしてすぐに、自ら腰を沈める。
「あっ、あぁっ……!」
葵は体を大きくのけ反らせ、艶やかに喘ぐと、すぐに輝男にギュッと抱き付いた。
そのまま、自ら腰を上下に動かし始める。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……!」
葵はのけ反りながら、荒い吐息を交えて艶やかな喘ぎを繰り返す。
彼女の美巨乳は、輝男の引き締まった胸板に押し潰され、にじむ汗を混ぜ合わせる。
(あ、葵の中……キツイ……)
真正面から密着し、上下運動を繰り返す葵の中の感触に、輝男は感嘆する。
剛直が既に固く膨張しているせいもあってか、葵のヴァギナはかなり狭く感じているようだ。
「うぅっ、す、すごい……! 気持ちいい……!」
葵は輝男自身を飲み込みながら、歓喜の念を熱っぽく吐く。
湯気に煽られたかのように紅潮した顔を見せ、色白の裸体も薄赤色に染まっている。
しかし、葵は動きを減退させるどころか、更に動きをペースアップさせる。
輝男と葵の間で、肉と肉がぶつかり合う乾いた音が響く。
「あぁっ、あっ、んぅあっ……!」
葵の口から漏れる喘ぎも、艶やかにトーンアップする。
自ら進んでみだらに耽る葵を前にして、輝男は何故か理華とキスを交わす。
背後から顔を寄せる理華を相手に、振り向きざまに唇を重ねる。
唇を重ねたかと思うと、すぐに舌をねっとりと絡ませ合う。
愛する男が他の女性とディープキスをしていることなど気付かぬまま、葵は腰を上下に振り続ける。
輝男に抱き付く腕の力が強まっていく。
理華と舌を絡ませ合っている輝男は、自らに絡む力が増していくのを痛感する。
ハッと我に返ったかのような顔を見せ、理華とのディープキスをやめる。
「り、理華さん、せっかくで悪いけど……」
「何、言ってるの。
美女二人がこうして体を張って相手をしてあげているのに、それを拒むなんてあり得ないわ」
理華はそう言い返すと、自分の胸を輝男の背中に押し付け、こすり付ける。
と、同時に、再び輝男とキスを交わす。
すると、
「うぅっ! イヤッ! ヤダッ! キ、キツイ……!」
真正面から抱き付き、上下運動を繰り返す葵が、ブルッと身を震わせながら苦悶の声を上げる。
収縮を続けるヴァギナと固く膨張した剛直の摩擦が、葵に少なからぬ苦痛をもたらしたようだ。
一方の輝男も、
(葵の中、更に締まってる……!)
自らを強く締め付けるヴァギナの感触に、内心、驚嘆する。
しかし、輝男自身は、理華とのキスと背後からの肉の摩擦にとらわれ続けている。
執拗に絡む理華への対抗心からか、葵はみだらな苦痛にさいなまれているのを忘れて、腰を上下に振り続け、中に飲み込んだ輝男自身を貪り続ける。
「あぁっ! んうぅっ! あぁんっ!」
密閉されたバスルームに、美少女の艶やかな叫びが響く。