輝男は生まれたままの姿でベッドの上に腰を下ろしている。
彼の股の前では、理華が同じく生まれたままの姿で身を屈めている。
理華は輝男の股から突っ立つ一物をくわえ、懸命にしゃぶり続ける。
口でしゃぶるだけでなく、根元に添えた片手で、口からはみ出た部分をしごいていく。
口と手で自分自身をしごかれ、淫靡な刺激が輝男の神経を蝕む。
(ヤ、ヤバい……そんなにしたら……また……)
輝男は熱に浮かされた形相の奥で、不安に似た思いを吐く。
彼の耳には、唾液交じりの水音が絶えず聞こえて来る。
肉の棒をしゃぶり続ける音に加えて、
「んぐっ……んんっ……うぅっ……んうぅ……」
艶を増したうめき声が流れ込んでいく。
理華の口内では、輝男の一物がまたも固く膨張していく。
生温かい口腔による摩擦が、一物を苦も無く充血させている。
すると、理華がようやく輝男のモノを口から離した。
「プハァッ……」
余程、息詰まったのか、荒く大きな息を吐く。
フェラチオを終えた理華の目の前に、天を向くように突っ立つ輝男の剛直が認められる。
教え子の剛直を見つめると、頬を彩る朱色を濃くさせる。
ウットリとした理華のまなざしに、剛直の主は恥じらいながらもドキッとなる。
「こんなに大きくなって……また欲しくなっちゃった……」
理華は目の前の剛直を見つめながら、恍惚とした調子でつぶやく。
輝男は今の理華のつぶやきに、半ば戸惑ったような顔を見せる。
「先生、まさかまたヤるんですか?」
「天江君だって、もう一回くらいシないと体が鎮まらないでしょ?」
「でも、これ以上、ヤると、何だか、深みにはまりそうな予感がして……」
担任と教え子――
あってはならない関係にためらう輝男。
しかし、次の瞬間、理華の唇がためらいを口走る輝男の唇をふさいだ。
柔らかくて温かいキスに、輝男は思わず驚く。
すると、理華は輝男の体をそっとベッドの上に押し倒す。
「あなたは何も心配しないでいいのよ。黙っていれば問題無いから」
理華は乞うようなまなざしで輝男を見下ろしながら、不安を払い除けるかのような言葉をかける。
「でも……」
「もう一回だけ……天江君が欲しいの……。お願い……」
艶を帯びた声で、理華が輝男に懇願する。
そして、輝男の返事を待たずに、自ら、濡れぼそっている秘裂に輝男の剛直をあてがう。
理華の秘裂は、さっきのセックスの余韻から抜け切れない状態にある。
表面が蜜で潤っているだけでなく、内側から、ドロッとした白濁がこぼれている。
しかし、理華は構わず自ら腰を落とし、輝男自身を自分の中に飲み込む。
「あっ、あぁっ……!」
固くて大きなものを自分の中に飲み込ませ、理華はのけ反りながらけたたましく喘ぐ。
そのままの状態で輝男の真上に被さる。
ちょうど、上下二つの裸体が、真正面に向き合いながら重なる体勢となっている。
理華はゆっくりと腰を前後に動かす。
理華が腰を動かすたびに、彼女の秘裂に突き刺さった剛直が、つられるように往来を繰り返す。
それだけでなく、理華の柔らかくて大きなDカップバストと輝男の引き締まった胸板が、上下に重なり合いながらこすれ合っていく。
「あぁんっ、あぁんっ……んんっ、うぅっ……」
真上から輝男の裸体にすり寄りながら、艶やかな喘ぎを繰り返す理華。
時折、輝男と顔を近付けさせると、すぐさま唇を交わし、キスをする。
いつの間にか、輝男と理華は、互いの手を指で絡ませながら握り合っている。
理華は輝男と手をつなぎながら、自らの裸体を輝男にすり付ける。
美巨乳と胸板――
剛直と蜜壺――
二重の摩擦が、輝男に得も言われぬ刺激をもたらす。
「天江君の……また大きくなってる……」
理華は熱に浮かされたような調子で、輝男に言葉をかける。
理華の中は、自ら飲み込んだ輝男のモノが、更に固く、大きくなっていくのを身をもって痛感する。
そうでなければ、理華のヴァギナが徐々に狭まり、輝男の剛直が大きくなったと錯覚しているに違いない。
理華は輝男に言葉をかけたかと思うと、すぐにまたキスをし、舌を絡ませ合う。
(せ、先生の……理華さんの……すごい締まってる……!)
輝男はディープキスを続けながら、理華の中が狭まって来ているのを痛感する。
収縮を続けるヴァギナに、輝男の剛直が強く摩擦する。
自分はただ仰向けに寝ているだけなのに、得も言われぬみだらな刺激が、徐々に強度を増しながら伝わって来る。
何もせずとも、限界に至るみだらな刺激を、相手の女性が与えてくれているのだ。
しかも、同じ学校のクラス担任が……
あってはならない禁断の関係にためらっているはずの輝男も、今は、わずかでもためらいの色を見せない。
美人教諭の懸命な行為と奉仕に、苦も無く理性を取り払われているのであろう。
(な、中だけじゃない……。オッパイも温かく、先っぽも固くなってる……)
輝男は生温かさを増しながら収縮しているヴァギナに加えて、自分の胸に強くこすり付ける美巨乳の微熱と先端の固さも一緒に堪能している。
見た目には小さいが、互いの胸先が固さを増しながら何度もこすり合っている。
舌を絡ませ合いながら体をすり付けていた理華だったが、輝男から口を離すと、ゆっくりと体を起こした。
輝男は紅潮とした顔を呆けさせ、大きなため息を付く。
ボゥッとしたまなざしで理華を見上げる。
一方の理華は、恍惚とした美貌を赤らめながら、輝男をまっすぐに見下ろす。
互いの目に、恍惚のただ中にある相手の顔がハッキリと映る。
「天江君……そのままでいいから……」
荒い吐息を交えながら呆けたように動くと、理華はゆっくりと腰を上下に動かし始めた。
「あっ、あぁっ……!」
理華は艶やかに喘ぎながら、体を大きくのけ反らせる。
理華が腰を動かすと同時に、
「うぅっ……」
輝男もたまらずうめく。
理華の上下運動に伴い、彼女の中にある輝男の剛直が、生温かく狭まっている蜜壺と強く摩擦したのだ。
少なからぬ苦痛と刺激にさいなむ輝男に構わず、理華は徐々に腰の振りをペースアップさせる。
理華はいわゆる騎乗位の体勢で、教え子の剛直を貪っていく。
「あんっ、あんっ、あっ、あぅっ、うっ、うぅんっ……!」
艶やかな喘ぎとなまめかしい上下運動を繰り返す。
理華が腰を振るのに合わせて、彼女の胸元では、左右の大きなふくらみがブルブルと大きく揺れていく。
輝男は恍惚とした理華の美貌と、絶えず揺れ続ける美巨乳を見上げる。
「あっ、あぁっ……!」
今度は、輝男の方が苦悶の喘ぎを発する。
(先生……マジでエロ過ぎる……! ますます、締まってる……!)
内心、苦悶の声を上げながら、みだらに耽り切る理華に驚嘆する。
上下に体がぶつかり合う音が水音混じりに聞こえ、ギュッと中が狭まる感触が強い刺激を与え続けている。
絶え間ないみだらな刺激に理性を失いかけ、輝男の瞳はいつしかうつろなものに変わっている。
輝男のうつろな瞳は、上下に腰を振る動きと、前後に腰をくねらせる動きを交互に繰り返す理華の妖艶な姿をとらえている。
普段、高校教師として見せる知性的で厳しい姿は、今の彼女からは少しも認められない。
すると、輝男は左右の手を真上に向かって伸ばした。
輝男の両手は、絶えず揺れ続ける理華の左右のふくらみをとらえた。
「あっ、あぁんっ……んんっ……」
真下からの愛撫を感じ取ったのか、理華の口から艶やかな喘ぎが漏れる。
輝男の手は、理華の美巨乳を下から突き上げるように揉みしだく。
「いいっ、いいわぁ……。そのまま……もっと揉んで……」
切なそうな吐息を交えながら、弱々しくも艶やかに懇願する理華。
担任からのみだらな懇願に、輝男はジックリとした愛撫で応じる。
理華は、真下の輝男に胸を揉まれながらも、腰の動きを止めようとしない。
上下運動をペースアップさせ、肉と肉の衝突音をトーンアップさせる。
「うぅっ……! せ、先生……ヤバいよ……!」
輝男は仰向けの状態で身を震わせ、苦悶の声を上げる。
輝男の剛直は、これ以上は無理なくらいに固く膨張しきっている。
加えて、剛直を飲み込んでいる理華の中は、彼女が上下、前後と腰を強く動かすのに合わせて、剛直と強い摩擦を引き起こしている。
しかも、剛直を包み込む生温かくぬめった四方の肉壁は、限界ギリギリまで狭まっている。
「が、頑張って……天江…君……! せ、先生も……もう……そろそろ……!」
理華は腰の動きを激しくさせながら、輝男に言葉をかける。
紅潮しきった美貌は、切羽詰まったかのような表情を見せている。
細く引き締まった肢体には、かすかな震えが認められる。
理華もまた、これ以上、長くは続けられそうもない。
それでも、教え子の体を存分に味わうかのように、小刻みに腰をぶつけて来る。
パン、パン…と強く引っぱたくような音を耳にしながら、
「うぅっ……! あんっ! あぅっ! んんっ、うぅっ……!」
苦痛と歓喜が混ざった喘ぎを艶やかに繰り返す。
ラストスパートをかけるかのような理華の動きに、輝男は執拗な愛撫で応じる。
円を描いたかと思うと、形が歪むくらいに強く握る。
輝男の手のひらの中で、理華の色白の美巨乳は、ハッキリと赤みを帯びていく。
「も、もっと……もっと……」
理華は腰を振り続けながら、うつろに声をかける。
目元からは涙がうっすらとにじみ出て、口からはよだれまで垂れている。
「ダ、ダメだ……! 先生……! お、俺、もう……!」
輝男は理華の裸の胸を強く握りながら、体を震わせ、限界の声を上げる。
「い、いいわよ……来て……
天江君のとびっきり濃いの……あたしの中に……たくさん…全部、注いで……!」
理華は震える声で輝男に応諾し、更には膣内射精をもうながす。
そして、勢い良く腰を落とすと、
「あぁっ……イッ……イくぅ――――――!!」
理華は輝男の股の上で大きく体をのけ反らせ、絶頂の叫びを上げた。
輝男は理華の絶叫を耳にすると、ギュッと締まり切った理華の中で、またも濃厚な白濁を一滴残さずぶちまけた……
絶頂に達した理華は、プツンと糸が切れたかのように、輝男の真上にドサッと倒れ伏した。
汗だくの裸体が輝男の上に重なり、
「ハァ、ハァ、ハァ……」
熱っぽく荒い吐息が、輝男の肌に掛かる。
輝男がチラッと横を見ると、恍惚と呆けている笑顔がそこにあった。
「輝男君……あなた……とても最高だったわ……」
理華が呆けた笑顔を浮かべながら、ささやくように言葉をかける。
輝男は、疲れ果てたような顔で理華の今の言葉を聞くと、何も言い返さずにいる。
さっきまでの激しいセックスで疲弊し、汗だくの裸体にはまったく力が入らない状態にある。
今の輝男は、理華の方を振り向くのが精一杯であった……
◇ ◇ ◇
輝男はベッドに背を向けながら制服に着替え直す。
輝男の後ろでは、理華が生まれたままの姿でグッタリと横たわっている。
体に噴き出た汗も徐々に乾き、火照りも収まりかけている様子だ。
制服に着替え終えようとする輝男は、どこか浮かない表情を見せている。
美人と激しいセックスをした嬉しさは、今の輝男からはうかがうことはできない。
むしろ、憂慮に似た思いを垣間見させる。
(どうしよう……。担任の先生とヤっちゃったなんて……)
罪悪感と苦悩が輝男の中で渦を巻く。
理由や事情はどうであれ、担任教諭と淫行に及んだことは、輝男を不安に陥れることはあっても、これ以上は無い歓喜と悦楽に浸らせはしない。
後々のことを考えると、不安だけが輝男の頭の中を占め、端整なルックスを陰鬱なものに変質させていく。
すると、
「天江君……」
背後から、自分にそっと呼びかける声が聞こえて来た。
輝男が後ろを振り返ると、ベッドの毛布で裸体を包んだ理華が、柔和な笑顔を浮かべながら立っていた。
理華の顔を見るなり、輝男は深々と頭を下げた。
「先生……僕、先生を犯してしまって……。こんなこと、いくら謝っても許されることじゃ…」
心から申し訳無さそうに謝ろうとする輝男だが、理華のキスが輝男の謝罪を中途でさえぎった。
「あなたが謝ることなんか何も無いわ。私が強引に迫ったのが悪いんだから」
理華は笑顔を崩すこと無く、輝男に言葉を返す。
「でも、事情はどうあろうと、生徒と教師がセックスしたなんて……」
「さっきも言ったけど、あなたと私だけの秘密にすれば大丈夫だから」
「ホントに大丈夫ですか? もしかして、いつか、皆にバレそうな気がして……」
「私なら大丈夫よ。それに、天江君も今後、気を付けていれば、何も問題無いから」
安心を請け負う理華の言葉に、輝男は申し訳無さそうに言葉を失う。
嬉しい気持ちも無いわけでは無いが、大きな貸しを作ってしまった後ろめたさの方が比重を占めているようだ。
何も言い返せない輝男に向かって、理華はなおも言葉を続ける。
「今日の昼休みの件は、もう何も心配しないで。
私の方で不問に付して、他の皆や先生方には何も言わないから」
理華がそう言うと、輝男はようやく表情を和らげた。
一番の懸念が無事に解決され、ホッと一安心したのだ。
すると、理華は輝男の耳元に近付き、
「……その代わり、また先生とヤりましょうね……」
そっと艶やかにささやいた
理華の今の不穏なささやきに、輝男は顔を赤くしながら狼狽する。
「せ、先生! そんな……!」
「冗談よ、冗談」
狼狽する輝男に向かって、理華はクスッとほほ笑む。
理華の今のからかいに、輝男は思わず憮然とした顔を見せる……
◇ ◇ ◇
快晴の空が明朝学園高校の校舎を見下ろす。
校舎内、二年A組の教室では、輝男が他の生徒たちと一緒に授業を受けている。
真剣な表情で、正面に立つ女性教諭と向き合う。
「では、これから言う質問に英語で答えなさい」
黒板を背にして立つ女性教諭が、真剣な表情を見せながら言う。
女性教諭――すなわち、雨宮理華は、綺麗に整っているフォーマルジャケットにひざ丈のスカートといういで立ちにノンフレームのメガネを添えている。
ただし、メガネは自分を知的で厳しい人物として印象付けさせるためのただの添え物――具体的に言えば伊達メガネである。
そんな伊達メガネで、輝男をはじめとする生徒たちを鋭く見据える。
「『What do you do from school to bed at night?』
高瀬君。今の質問に答えなさい」
理華が指すと、男子生徒の一人が席を立ち、淀みなく英語で返答する。
「では、次の質問。『Where is your desired university and faculty?』
塩原さん、答えて」
続いて理華が指すと、指された女子生徒は返答しようにもしどろもどろになってしまう。
「いいですか? ただ、教科書をなぞるだけが授業でも勉強でもないのよ。
ありとあらゆるケースを前もって想定し、それに備えて十分に予習を重ねなければ、試験で十分な結果を出すことなど到底できません。
ましてや、今後の定期考査や大学入試は、あなたたちの予想をはるかに凌ぐくらいに難しくなっていくのですから。
それに比べれば、今のはまだ初歩的な問いに過ぎません。
そんな初歩的な問いに難儀しているようでは、今後の成績は確実に落ちてしまいますからね」
理華は表情を厳しくさせながら、目の前で向き合う生徒たちに言い聞かせる。
生徒たちは表情を重くさせながらも、自分たちの担任でもある理華の高説に黙って耳を傾ける。
誰の耳にも痛く感じられる話を、輝男もまた黙って聞き入れる。
しかし、その脳裏では、まったく別の光景が浮かび上がっていた。
昨晩、理華の自宅で繰り広げた、理華との激しいセックス――
教師、担任としての立場を忘れ、みだらに狂うメスとして教え子に抱かれた理華の姿と、今、教え子たちに厳しい言葉を投げかける理華の姿が、輝男の中で否が応にも重なってしまう。
(俺、本当に、あの雨宮先生と昨日の夜、ヤったのだろうか……?
今、目の前にいる先生を見ると、どうしても信じられない……)
神妙な面持ちを装いながら、腹の底で信じられない思いをつぶやく。
今の理華の姿からは、昨晩、禁断の淫欲に耽った形跡はまったく認められない。
他の者はもちろん、当の相手である輝男が見ても……
◇ ◇ ◇
空は依然として快晴のままだ。
晴れ渡っている空は、校舎の屋上で並んで腰を下ろしながら弁当を食べている二人の男女を見下ろしている。
共に制服姿の二人は、和やかな雰囲気の中、食事を進めている。
「こうして、晴れた空の下でお弁当を食べるって、ホントに気持ちいいよね」
「あぁ、元々、美味しい弁当がますます美味しく感じられるよ」
桜月と輝男は、弁当を食べながら言葉を交わす。
弁当を食べ終えると、桜月は横にいる輝男の方を振り向く。
輝男は未だに弁当を食べている最中だ。
輝男は箸を持つ手を止めると、桜月の方を振り向く。
輝男の目の前には、半ば心配げに表情を曇らせる桜月の顔が認められる。
「……ねぇ、昨日のお昼休みの件だけど、本当に大丈夫なの?」
「あぁ……先生と色々、話し合って、例の件は一切、取り扱わないことにしてもらったから。
だから、何も心配しないでいいよ」
輝男の今の言葉に、桜月はホッと安堵の吐息を漏らす。
「よかった……。でも、ごめんね。天江君に色々と迷惑をかけちゃって」
「別に迷惑なんてかけてないよ」
安堵の気持ちから笑顔を見せる桜月に、輝男もまた笑顔を見せる。
桜月に言葉を返しつつも、
(まさか、あの時、雨宮先生とヤったなんて、絶対に言えないよな……)
内心、気まずい思いをつぶやく。
教師にして担任でもある雨宮理華との激しいセックスは、容易に消え去りがたい記憶として、輝男の脳裏と心に重くのしかかっている。
しかし、そのことはおくびにも出さず、目の前にいる桜月とまっすぐに向き合う。
「ねぇ、今度の日曜日、何か予定でもある?」
桜月がそうたずねると、
「え? いや、別に無いけど」
輝男は平素の表情で返答する。
すると、桜月はまた輝男に笑顔を見せる。
期待を込めたような笑顔が輝男の目に映る。
「今度の日曜日、よかったら私とデートしてくれる?」
桜月からのまさかの申し出に、輝男は一瞬、唖然となるも、
「……まぁ、考えておくわ。もし、都合が付ければ、早い内に連絡するから」
即答を避けつつも、応諾に似た返事をする。
曖昧ではあるが快諾の可能性のある返答に、桜月は笑顔を崩さずにいる。
「じゃあ、なるべく早くね」
「あぁ…」
桜月の今の言葉に、輝男は笑顔で応じる。
二人きりの空間の中で、輝男と桜月は和やかなひと時を過ごしていく……
◇ ◇ ◇
夜空がタワーマンションを見下ろす。
マンション内、天江家のリビングで、輝男は真純とテーブル越しに向き合っている。
「瑠奈のヤツ、ずっと部屋にこもりっきりだけど」
「中間テストの真っ最中だから、一生懸命勉強しているのよ。
中学に入って初めてのテストだから、絶対、上位の成績を取るんだって頑張ってるわ」
「そりゃ結構なことだな」
輝男は真純と言葉を交わしながら、カップに注がれているホットコーヒーを飲む。
すると、
「それはそうと、輝男さんの担任の先生が同じマンションに住んでいらっしゃったなんて」
真純がやんわりとした口調で話しかけて来る。
真純の今の言葉に、輝男はコーヒーを飲んだまま驚いた。
そして、その場で思わずむせてしまう。
驚きを隠せない輝男に構わず、真純は言葉を続ける。
「今度、ご挨拶に伺おうと思うんだけど……」
「あ、そう……。先生もきっと喜んでくれると思うよ」
真純の今の言葉に、輝男は作り笑いを浮かべながら言葉を返す。
そして、飲みかけのコーヒーをグイッと飲み干す。
(どうしてなんだ……!? 先生が同じマンションに住んでることは、誰にも言ってないのに……!)
輝男は内心、驚愕の念をつぶやく。
理華のことは黙っていたはずなのに、こうも簡単に義母に知られたことに、輝男は冷や汗を感じずにいられなかった。
まさか、理華が自ら秘密をバラすはずなど無いから、却って空恐ろしく感じられる。
輝男は必死に平素の表情を装いながら、真純と向き合う。
(義母さん、昨晩のことを何も聞こうとせず、何も言わなかったし……
それでいて、先生が同じマンションにいることを知っているなんて……)
柔和な笑顔でまっすぐに見つめる真純と向き合いながら、輝男はただならぬ雰囲気を義母から嗅ぎ取る。
輝男の内に芽生えた驚愕を別にすれば、それと言った波乱もなく夜は更け、一日の終わりを迎えようとする……