天江家の玄関で、輝男が靴を履いている。
靴を履き終えると、傍に置いてあるデイバッグを手にして家を出ようとする。
すると、
「輝男さん」
玄関ドアのノブに手をかけたその後ろから、輝男に呼びかける声が聞こえてきた。
輝男は、ドアノブに手をかけたまま動きを止める。
何故か重い表情を浮かべる輝男の後ろで、真純が憂いを帯びた表情を曇らせる。
「輝男さん……昨日のことだけど……」
沈痛な調子で真純が呼びかけると、輝男の脳裏にある光景が浮かび上がる。
昨晩、東大受験を巡って激しく言い争った自分と父――
底知れぬ傲慢さを見せ付け、心の傷を平然とえぐる父の姿を否が応にも思い出し、沈痛な表情を見せる輝男。
心の傷をほじくり返された自分自身を見せまいと、最愛の義母に背中を向け続ける。
一方の真純は、輝男の心境を知ってか知らずか、背を向け続ける義息をまっすぐに見つめ続ける。
憂いを帯びた真純の形相は、更に重みを増していく。
「お父さんもかなり言い過ぎたかもしれないけど……
決して、悪気があってあんなことを言ったわけじゃないし……
お父さんなりに輝男さんの将来のことを考えて、つい強い態度に出てしまっただけだから……
だから…」
「義母さん……」
輝男は真純に背を向けたまま、彼女の切々とした言葉を中途でさえぎる。
「あなたがそんなことで、何も思い煩う必要なんてないから……」
背中越しに、義母を気遣う言葉を淡々と言って来る。
輝男の今の言葉に、真純は憂いに満ちた顔を見せ続ける。
「でも、輝男さん、あなた、まだお父さんのことで…」
「本当に父さんが自分で悪いことをしたと思っているのなら……
義母さんをよこさずに、自分から足を運んで謝りに来るのが筋じゃないか……
なのに、自分で他人(ひと)を平気で傷付けておきながら……
その人が何も悪いことをしていないのに、一生消えない傷を刻んでおきながら……
父さん、一度たりとも、相手に謝ったことなんか無い……
そんな父さんを庇っても、義母さんには何の得にもならないじゃないか……!」
輝男はなおも真純に背を向け続けると、努めて感情を抑えながら、詫びの一言も言ってくれない父親に対する不快感、怒りを言い連ねる。
輝男の今の言葉に、真純は沈痛な面持ちで唇を閉ざす。
夫と夫婦の関係を保ち、夫の実子たる義息のことを心から思いながらも、当の夫と義息の間で深まる隔たりに、どうしたらいいのかわからないといった困惑の念を募らせる。
背中越しに沈痛な面持ちで立ち尽くす義母に気付いてか否か、輝男は重い表情を見せながら背を向け続ける。
そして、
「じゃあ、これからバイトに行って来るから」
淡々とした口調で真純に言う。
「……気を付けて行ってらっしゃい……」
これ以上は無い弱々しい声で義息に言葉を返す真純。
輝男がそのまま家を出ると、真純は沈痛な面持ちを崩さずにその場に立ち尽くす。
顔を合わせれば合わすほど軋轢を増すばかりの夫と義息の狭間で、深まる憂慮を押し殺せずにいる……
◇ ◇ ◇
カフェ・ホーリーの店内は、来店した客たちによってカウンター席をすべて占められる。
満席の店内で、輝男はマスターの真理と一緒に、注文の品をテキパキと客に提供していく。
店内の時計が十時十分を指している頃、カウンター越しに一人の客と向き合う。
輝男の真向かいには、彼と同い年くらいの私服姿の男性が、グラスに注がれたコーラをグイッと飲んでいる。
「天江、お前の気持ち、痛いほどによくわかるぜ」
「まさか、お前に同情されるなんて、ついこの前までは想像だにしなかったよ」
客席に座る大富 豪の言葉に、輝男はため息交じりに言い返す。
「いつの世も、どの家も、親父なんて息子を上から目線で抑え付け、あれこれうるさく言いやがるものだからな……」
豪はそう言うと、飲みかけのコーラを飲み干す。
空になったグラスをカウンターに置くと、カウンターを挟んだ向かい側に立つエプロン姿の輝男と向き合う。
「……けど、言っちゃ悪いが……
俺ん家に比べたら、お前のところなんかかなり厄介なケースになるぞ。
俺ん家の場合、俺さえもう少しちゃんとして、それなりの結果を出せば許してもらえるけど……
お前ん家の場合、お前が東大に入って、そこを無事に卒業してどこか大きい会社に入ったとしても、それで済ませられる問題じゃないからな……」
「……あぁ、そんなことは、俺自身が一番、よくわかっている……」
輝男は昨晩の父との衝突を思い出しながら、豪に言葉を返す。
あの時の父の傲慢な態度から察するに、父の言うことに従ったとしても、それで関係が改善され、心が通い合うとはとても思えない。
自ずと表情を重くさせる輝男を、豪は客席からまっすぐにとらえる。
「俺が思うに、東大に入っても入れなくても……
お前と親父さんの関係は何も変わらんと思うな……」
柄にもなく神妙な面持ちで言って来る豪に、輝男は何も言い返そうとしない。
自分が心ひそかに思っていること、自分と父の関係の本質を鋭く突いたかのような今の言葉に、返すべき言葉が出てこない。
すると、店のドアが外から開かれ、新たに客が入って来た。
入口手前の席に着いた件の客の前に、輝男は早足で歩み寄る。
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
今しがたまでの豪との会話などなかったかのように、客から注文を聞く。
輝男が注文を受けてブラックコーヒーを煎れようとすると、豪はスッと席を立って、会計の方へと向かう。
「さぁて、今日こそは、可愛い女の子をゲットするぞ―――!」
会計へ向かう刹那、豪はわざとらしく気勢を上げる。
ナンパへの意欲に声を上げる豪に、輝男は思わず手を止め、ヤレヤレとため息を付く。
店内の時計は四時を指している。
かつて、豪が座っていた客席に、一人の少女が腰を下ろしている。
少女は両手にカップを持ちながら、並々と注がれたミルクティーを口にする。
「ここのお店の飲み物は、いつ飲んでも美味しいですわ」
静流は笑みを浮かべながら、カウンター越しに立つ輝男に言葉をかける。
「そう言ってもらえて嬉しいよ」
静流からの今の言葉に、輝男は笑みを浮かべて応じる。
店内には、静流の他にもう一人、客がいる。
その客は、間も無くして席を立つと、レジに立つ真理の前で会計を済ませ、店を出ようとする。
件の客が店を出てすぐに、入れ替わるように別の客が入って来る。
「輝ちゃ―――ん、久しぶり!」
店内に入るなり、小春が声を上げて挨拶して来た。
そのまま静流の横に腰を下ろすと、ときめくかのような面持ちで輝男と向き合う。
「このところ、ずっと輝ちゃんに会いたくても中々、会えなかったけど……」
嬉しそうに言って来る小春に、輝男は半ば、呆れたような顔で深くため息を付く。
「ところで注文は?」
「ジンジャーホットティーにチョコカスタードパイね」
「はいはい」
小春から注文を聞くと、輝男はすぐに支度に取り掛かる。
数分後、小春は、カップに注がれたジンジャーホットティーを口にすると、すぐにチョコカスタードパイを一口、食べる。
「う――ん、美味しい。輝ちゃんが作ってくれただけあって、格別に美味いよ」
「お気に召して何よりだよ」
大げさなくらいに称賛して来る小春を、輝男は軽くあしらおうとする。
傍で腰を下ろす静流は、二人のやり取りにクスッと笑みをこぼす。
小春はそのままチョコカスタードパイを食べ終えると、ジンジャーホットティーを三分の二程飲んでいく。
すると、輝男は小春をまっすぐに見つめながら口を開く。
「ところで、午前中に豪のヤツがこっちに来てたけど、一緒じゃなかったのか?」
「え? 兄貴、ここに来てたの?」
輝男からの問いかけに、小春は素っ頓狂な調子で問い返す。
小春の今の反応に、輝男は信じられないといった面持ちで唖然とする。
「何だ、お前、知らなかったのか?」
「うん、兄貴、“また、ダチと遊びに行って来る”って言って、家を出ちゃったから」
「どこに行くかとか言わなかったのか?」
「全然。兄貴のヤツ、遊びに行く時、いつも行き先を言ってくれないから」
輝男と小春がそう言葉を交わす横で、静流は何故か、恥ずかしそうに頬を赤らめながらうつむいている。
そして、カップに飲み残しているミルクティーをチビチビと飲む。
すぐ傍で微妙な態度を見せる静流に気付かぬまま、輝男と小春はそのまま会話を続ける。
「ところで、アイツ、家出やらかした後、どうなってる?
やっぱり、まだ、親父さんとケンカしている最中か?」
輝男が心配そうに表情を曇らせながら、豪を取り巻く状況について妹にたずねる。
先日の大富 豪太郎との邂逅、今日の午前中の豪とのやり取りを脳裏によみがえらせる。
自分も同じように、豪もまた、父親との深い確執を抱えていることが気になって仕方がないのだ。
「あの後、パパに死ぬほど絞られたけど……
さすがに、最近は反省でもしたのか、少しは生活態度を改めたみたい。
ちょっとずつだけど勉強するようになったし、バカやらかす頻度も少なくなったし……
それでも、休みの日には、どこだかわからないけど、遠くへ遊びに行くのは相変わらずだけど……」
愚兄の近況を言う小春の横で、静流は更に顔を赤くして恐縮する。
飲みかけのミルクティーが残っているカップを手にしたまま、口にしようとしない。
何故だかわからないが、恥ずかしそうに顔を赤くしながら黙り込んでしまう。
しかし、輝男も小春も、すぐ傍での静流の異変に気付かず、自分たちの会話に集中している。
「……そんなことより、アタシ、ずっと大変だったから……
バレンタインデーに直にチョコをあげたり、輝ちゃんとこに遊びに行こうとしても、“平日だからダメだ”とか、“進級がかかった期末テストが控えてるから”とか言って、パパが中々、許してくれないの。
テストが終わって、無事、二年に進級することが確定したから、やっとパパがOKを出してくれたんだよ」
ウンザリしたかのような面持ちでため息を付きながら、小春が言って来る。
小春の話を聞く輝男の脳裏に、一度だけ会った豪太郎の厳格な強面が克明に浮かび上がる。
(確かに、あの親父さんなら、普通にそうするだろうがな……)
平素の表情を装う奥で、納得したかのような独白をする。
自分と小春の関係を認め、許してはいても、愛娘の軽率な行動を簡単に許し、放置することなどあり得ない。
輝男はそのことを否応なく認識してしまう。
「ところで、豪はどうしたんだ? アイツ、成績がヤバそうだったけど」
「豪兄、ギリギリで進級できたから」
「そうか。それはよかったな」
豪も無事に進級できたことに、輝男は安堵の念をすぐに漏らす。
すると、小春が身を乗り出すようにして顔を近付けて来た。
「それより、輝ちゃん、高校を出たらどの大学に行くか決めてる?」
小春の今の問いに、輝男は思わず唖然となる。
「え? あ、あぁ……色々と考えてるよ」
輝男が適当な返事でごまかそうとすると、
「もし、まだ決めてないから、御学堂大学に行きなよ!」
小春は期待するかのように声を弾ませながら、輝男に呼びかける。
「御学堂大学なら、輝ちゃんの学力でも余裕で入れるから」
「でも、御学堂大学って……お前も高校を出たら、そこへ行くつもりなんだろ?
何せ、御学堂大附属高に通ってるんだから」
「あ、わかった?」
「やっぱりな……」
御学堂大学への入試を勧める小春の思惑を見抜き、輝男は呆れ顔でため息を付く。
「確かに、うちの連中も進級試験で御学堂大学を受けるから、他の人にとってはその分、狭き門になるかもしれないけど……
輝ちゃん、成績が学年でも十番以内だって言うから、普通に頑張れば絶対に受かるよ」
「まぁ……一応、考えておく」
なおも勧める小春に、輝男は半ば応諾するかのような一言を返す。
すると、輝男はようやく、小春の横にいる静流に目を向ける。
恥ずかしそうに顔を赤らめながらうつむき、そのまま硬くなっている静流を認めて、つい首を傾げる。
「静流さん、どうしたの?」
輝男が訝しげにたずねると、静流はようやくハッと我に返る。
「な、何でもありませんわ……!」
ドギマギしながら言い返すと、飲みかけのミルクティーを最後まで飲み干す。
静流がミルクティーを飲み終え、すぐに表情を落ち着かせると、
「ところで、静流さんはどこの大学を受けるつもりなんだ?」
輝男は静流に大学受験についてたずねる。
静流はまたも顔をうつむかせると、
「私、御学堂大学を受けようと思ってますの」
輝男と目を合わせないまま、自らの志望校を言う。
「へぇ――、アンタも受けるの?」
「えぇ……。将来のことを考えたら、御学堂大学に入るのが一番だと思いまして……」
横で言葉を交わす小春と静流を、輝男はカウンター越しに黙って見つめる。
すると、小春はまた輝男の方をまっすぐに見つめる。
「ところで輝ちゃん、バイト終わったら、その後、何か予定でもある?」
「え? いや、別に今日はその後、特別に予定とかないけど……」
「じゃあ、せっかく久しぶりに会ったんだから、ちょっと付き合ってよ!」
嬉しそうに言って来る小春に、輝男は思わず言葉を失う。
すると、
「あ、あの……もし、よろしければ……私もご一緒させてもらえないでしょうか……」
静流は顔を上げるなり、輝男と小春に向かって同行を申し出る。
静流の今の申し出に、小春は一瞬、唖然とすると、
「え? ま、まぁ……輝ちゃんがいいって言うなら……」
要領が飲み込めないといったような面持ちで輝男に話を振ろうとする。
小春から話を振られると、輝男は思わず顔を赤らめながら静流と向き合う。
「静流さんとも、このところしばらくだったから……
君の方で問題ないなら、一緒にいてもいいけど……」
「あ、ありがとうございます!」
輝男が曲がりなりにも応諾の返事をすると、静流は嬉しそうに深々と一礼する。
輝男は、静流を前にため息を付きつつも、自ずと笑みをこぼす。
◇ ◇ ◇
暗くなっていく空が、ホテル・ラブベストの建物を見下ろす。
入口から入ってすぐのカウンターで、輝男は入室の手続きをする。
カウンターに立つ受付係の男は、小春と静流を両脇に従う輝男と向き合いながら、手続きを進める。
「休憩二時間で三千円となります。もし、延長する場合は三十分ごとに千円追加となります」
受付係からの説明を聞くと、輝男は、小春、静流と一緒にカウンターを後にする。
輝男たちが遠のき、姿を消すと、男は戸惑ったような顔でため息を付く。
「一体、どういうつもりなんだ? 静流お嬢様、今日で二回目だぞ」
男が、輝男の傍にいた静流のことを思い返し、首を傾げると、
「おい、野暮なことは言いっこなしだぜ」
すぐ傍にいたもう一人の従業員の男が、件の受付係に自重をうながすかのような言葉をかける。
ホテル内のバスルームで、輝男はバスチェアに腰を下ろしている。
一糸もまとわぬ引き締まった裸体をさらす輝男の真ん前で、静流が色白の素肌に覆われた裸体を見せる。
ほんのりと頬を赤らめ、柔和な笑みを浮かべると、輝男と唇を重ねる。
柔らかな唇の感触が輝男の神経を伝う。
輝男の後ろでは、小春が彼の背中にギュッと抱き付き、ボディーソープで泡立ったGカップバストをこすり付けている。
大きな柔肉が上下に動きながら、輝男の背中と何度も摩擦を繰り返す。
静流とキスを交わし、舌先を絡ませ合う輝男の耳に、
「どう、気持ちいい?」
ウットリとした小春のささやきがかすかに聞こえる。
上下に腰を動かしながら、スポンジ代わりに自分の胸で愛する男の背中を洗い続ける小春。
小麦色の素肌をかすかに赤らめ、ウットリとした面持ちを見せる。
背後から伝わる柔らかな肉感を認めつつも、輝男は真正面からのディープキスに没頭する。
絡み合う舌先から、唾液の跳ねるような音と、
「んうぅ……んん……んぅ……」
かすかな切ないうめき声が重なって漏れる。
やがて、静流は輝男とのディープキスをやめると、彼の前に身を屈める。
静流の大きな裸の胸は、小春と同様、ボディーソープで泡まみれになっている。
裸の股から突っ立つ陰茎を認めると、泡立った左右のふくらみで優しく挟む。
「し、静流さん……」
輝男が戸惑ったかのように声をかけると、静流は自らの胸でもって輝男自身をしごき始める。
生々しい摩擦音を鳴らしながら、静流のDカップバストが輝男自身をこすっていく。
(ま、まさか……静流さんがパイズリをしてくれるなんて……!)
輝男は戸惑いに満ちた面持ちを赤らめながら、かつてのお見合い相手によるパイズリを甘受する。
名の知れた令嬢が、本来、無縁であるはずのみだらな奉仕を進んで行なう様に、何とも言えない気分に陥る。
嬉しくないかと言われると嘘になるが、素直に喜ぶこともできずにいる。
困惑の念を募らせる輝男本人に構わず、彼の陰茎は静流の胸中で固く、大きくなっていく。
泡立った静流の美巨乳は、スポンジ代わりに、輝男自身をこすり、洗っていく。
「輝男さん、気持ちいいですか?」
ウットリと頬を赤らめ、柔和な笑みを絶やさずに静流がたずねる。
嬉しそうにパイズリを続ける静流の胸中で、輝男自身は更に固く、大きくなる。
本能と淫欲に忠実な自分自身に、輝男は深くため息を付く。
(静流さん、とても嬉しそうにシてくれるけど……
どこでそんなものを教わったんだ……?)
精々、フェラチオをするか自ら腰を振るのが限度だったはずの静流の今の姿に、輝男は当然の疑問をわき上がらせる。
最後に抱いてから一ヶ月ほどの間に、静流の身に何があったのか?
そんなことにまで思いを馳せながら、彼女のみだらな奉仕を甘受する。
すると、
「もう、いつまでやってんのよ?」
背後から胸をこすり続けていた小春が、動きを止め、静流に向かって唇を尖らせる。
小春の呼びかけに、静流はようやくパイズリを止める。
「あら、ごめんなさい」
形ばかりの詫びの一言をかけると、輝男の前から離れた。
小春は、静流と入れ替わるようにして輝男の前にしゃがむと、ボディーソープを自分の美巨乳にかけて泡立てた。
さっきの行為で胸にまとう泡はほとんど切れたので、新たに補充しているのだ。
自分の裸の胸が泡まみれになると、ある程度、固く、大きくなっている輝男の陰茎を左右から挟む。
ムギュッと、たわわな肉の果実が、押し潰すかのように左右から肉の棒を挟んでいる。
柔らかく大きな肉圧が陰茎を締め付ける様に、輝男は顔を真っ赤にして言葉を失う。
小春は左右の手で自分の胸をつかむと、そのままGカップバストを上下に動かす。
生々しい肉の摩擦が、小春の胸中から響く。
「どう? 輝ちゃん、さっきより気持ちいい?」
小春が嬉しそうな顔で輝男にたずねる。
輝男は、絶え間無い肉圧とソープのぬめりが絡み合う感触を直に認めながら、
「あ、あぁ……」
言葉少なく返答をする。
すると、背後から、またも、大きな肉の感触が二つ、背中に押されていくのを感じ取る。
輝男が振り返ると、静流がギュッと背中に抱き付きながら、自分の胸を上下にこすり付けているのを認めた。
恍惚とした笑みを赤らめ、ゆっくりと腰を上下に動かし、Dカップの美巨乳を何度もすり付ける。
胸にまとう泡はほとんど切れかけているが、構わず、柔らかな肉の摩擦を加え続ける。
「気持ちいいですか? 輝男さん、私、とても気持ちいいです」
静流が背中越しに歓喜の念を伝えて来ると、
「輝ちゃん、遠慮しないで、イくなら思いっきりイっちゃって」
真正面でパイズリを続ける小春が、声を弾ませながら呼びかける。
小春は、自分の胸中で輝男自身が固く膨張していくのを直に感じ取る。
大きな胸に埋没していたはずの輝男自身は、左右から挟む美巨乳の隙間から、先端部分を突き出していく。
隙間からはみ出た剛直の先端を認めると、小春はパイズリをペースアップさせる。
摩擦音をトーンアップさせて、柔らかく大きな胸でもって剛直をしごき続ける。
胸にまとうボディーソープは、輝男自身を綺麗にさせると同時に、小春の胸の動きを加速させる。
容赦なく強まる小春のパイズリに、
「おい、小春、いい加減にしないと……!」
輝男は困惑しきった形相で懸念めいた声を上げる。
輝男の中では、沸騰感がいたずらに昂っている。
小春の懸命なパイズリのせいもあるが、
「あぁ……あっ、あぁ……」
背後から切なそうな喘ぎを漏らしながら、Dカップバストで胸を摩擦させる静流にも責任の一端がある。
前後から挟み撃ちにする美少女二人の大きな胸の感触は、輝男でなくとも、淫欲の昂ぶりを最大限にまで追い込んでいく。
輝男はバスチェアの淵を強くつかみ、熱に浮かされた顔で歯を食いしばる。
「小春、静流さん……頼むから……このままだと……!」
自らの中がマグマのようにわき立つのを痛感すると、前後から胸をこすり付ける二人に向かって、苦悶の声を上げる。
すると、静流は輝男の背中から体を離した。
しかし、すぐに小春の横に着くと、
「小春さん、私もよろしいかしら?」
恍惚とした笑みを絶やさずに、小春の胸に自分の胸を押し付ける。
静流の今の動きに、小春はパイズリを中断する。
固く膨張した輝男の剛直を挟んで、小春と静流が真正面に向き合う。
と、次の瞬間、二人の美巨乳は、剛直を挟みながら向き合うように合わさった。
「お、おい……二人とも……!」
まさかの事態に、輝男は困惑しきった形相を赤らめて言葉を失う。
輝男の困惑の声を合図に、小春と静流は互いの胸を合わせながら輝男自身をしごき始めた。
合わせて四つのたわわな肉の果実は、同じ愛する男の一つのモノを上下に強くこすっていく。
剛直に絶えず肉圧を加え、強く摩擦しつつも、同時に互いの胸先をこすり合わせる。
「ヤダ、何だか、変な気分……」
「そうですか? 実は私もですの……」
熱を帯びたような赤ら顔で戸惑う小春に、静流は熱っぽくほほ笑みながら言葉を返す。
当人同士、恐らく初めてであろうWパイズリに、思わず異様な感覚を覚える。
大きな柔肉同士が摩擦し合い、先端がこすれる様に、いつも以上の昂ぶりを痛感する。
自らの中で昂る淫欲に煽られてか、小春と静流はWパイズリをペースアップさせる。
二人の胸中から鳴り出す肉の摩擦音は、輝男の耳にもハッキリと聞こえる。
二重の肉の感触と絶えず響く摩擦音は、幾重ものみだらな刺激となって輝男の神経を伝い、沸騰感を容易に暴発寸前へと追い込む。
歯を食いしばり、汗をにじませ、股の辺りを中心に身を震わせると、
「ヤ、ヤバい、ダメだ……離れて……!」
輝男は苦悶の声を震わせて、小春と静流に退去をうながす。
しかし、二人は輝男の今の叫びなど聞こえなかったかのように、Wパイズリを強く続ける。
小春と静流は、自分の胸で輝男自身を強くしごくと同時に、お互いの胸をも強くこすらせる。
美少女二人によるWパイズリは、輝男を限界へ追い込むと同時に、当人同士に得も言われぬ刺激をもたらす。
しかし、次の瞬間、左右に重なり合う二対のふくらみからはみ出た剛直の先端から、濃厚な白濁が噴水のように噴き出た。
「キャッ!」
噴き出た淫欲のしたたりが顔に振りかかると、小春と静流は声を揃えて驚く。
淫欲を吐き出し、一気に気が抜けたかのような顔を見せる輝男。
深く息を吐き、改めて正面を見ると、すぐに気まずそうな顔を見せる。
輝男の目の前には、その美貌と胸元に白濁が刻み込まれた小春と静流の姿があった。
二人とも、白濁がこびり付く裸体をしゃがませているが、不快感の類はまったく見せない。
さも当然のように、頬にこびり付いた白濁を指ですくい、ペロッと舐める。
「輝ちゃんの熱くてドロッとしたの……もう、癖になっちゃいそう……」
「同感ですわ」
小春も静流も、愛する男の淫欲のしたたりを被りながら、ウットリと歓喜の念を漏らす。
喜色満面と言った様子でみだらに耽る二人を前にして、輝男は深くため息を付きながら言葉を失う。
(小春も静流さんも……どうしてこうなっちゃったんだ……?)
わかり切ってはいても認めがたい答えを持つ疑問を、心の中でわき上がらせる。
すると、
「輝ちゃん、こんなのまだまだ単なるウォーミングアップだからね」
小春が身を屈めながら、不敵な笑みを赤らめて輝男に呼びかける。
小春の目は、裸の股からビンと突っ立つ剛直を注視している。
「私も……久しぶりに、輝男さんのたくましいものが欲しいですわ……」
小春の横で、静流がウットリとほほ笑みながら言葉をかける。
「ねぇ、どっちからヤるの?」
不敵な笑みを絶やさずに小春がたずねる。
輝男は、自分をまっすぐに見つめる小春と静流を交互に見ながら、今しがたの問いかけに対する返答に窮する。
すがり付くかのような二人のまなざしに、戸惑いを隠せないでいる。
拒む気などまったくないが、どう返答すればいいのか正直、迷っているのだ。