※この作品はR-18です。

天江輝男の日常   作:原野イアン

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理華の特別進路相談(2)

 バスルームに湯気が立ち込める。

 室内には、生まれたままの姿をさらす男女が二人、向き合っている。

 引き締まった裸体をさらす輝男は、湯気に煽られたせいか、ほんのりと顔が赤らんでいる。

 真向かいに立つ理華も、ほんのりと頬を赤らめながら、輝男と向き合っている。

 二人はそのまま唇を重ねる。

 何回かキスを交わした後、半開きになった唇の隙間から舌先が入り込む。

 輝男と理華の間で、舌先がうねうねと絡み合う。

 理華は、教え子とディープキスをしながら、優しく抱き付いてくる。

 絡み合う舌先からは、唾液の跳ねるような音に混ざって、

 

 「うぅ……んんっ、んぅ……」

 

 切なそうなうめきが、荒い吐息と混じって漏れて来る。

 ディープキスを続け、輝男に抱き付く理華は、胸元から盛り上がる形良いDカップバストを、輝男の胸板に押し付ける。

 間も無くして、輝男とのディープキスをやめると、ゆっくりと腰を上下に動かす。

 輝男は直立したまま、胸を中心にこすり付けてくる左右の大きな柔肉の感触を甘受する。

 柔らかな肉感が、輝男の神経に得も言われぬ刺激をもたらし、

 

 「あぁ……あぁ……」

 

 感じ入ったかのような切なそうな喘ぎが、輝男の聴覚を否応なく突き刺す。

 自分の胸をこすり付けながら輝男を見つめる理華。

 

 「どう? 輝男君、気持ちいい?」

 

 赤みを増しながら、ウットリとした面持ちで理華がたずねる。

 

 「いいです……。とても気持ちいい……」

 

 熱に浮かされたかのような声で、輝男が歓喜の念を返す。

 輝男の返事に、理華は赤ら顔をほほ笑ませる。

 

 「もっと気持ちよくなって」

 

 艶を帯びた声で言うと、更に腰を上下に動かしていく。

 胸板ばかりでなく、その下の腹の辺りにも、理華の美巨乳の柔らかな感触が当たる。

 理華の美巨乳がもたらす柔らかな摩擦を直に受けて、輝男は深く嘆息するばかりだ。

 

 (まったく信じられないよ……

 ほんの一、二時間前まで、一対一で、真剣に進路相談に臨んでくれた理華先生が……

 今、こうして風呂場でみだらに耽りきるなんて……)

 

 胸をこすり続ける理華を見て、何と言えない気分にさいなまれる。

 彼の脳裏には、厳しい表情で進路相談に乗ってくれた理華の姿が克明に浮かぶ。

 あの時の理華と、今、バスルームでみだらな奉仕に興じる理華が、輝男の中ではどうしても合致できずにいる。

 正直、戸惑いを隠せない輝男だが、全身を通して大きな左右のふくらみの柔らかく心地良い感触を味わっていることに変わりはない。

 小中や殿田をはじめとする男子のクラスメートたちがどんなに望んでも決してかなうことがないシチュエーションを、今、存分に味わっている。

 美巨乳による摩擦を加え続けた理華だったが、輝男の裸の股を凝視しながら膝を屈する。

 輝男の裸の股からは、固く隆起する一物がビンと伸び出ている。

 理華は一物の先端にチュッとキスをすると、ペロッと舌を出し、表面を舐め始めた。

 自らの痕跡を刻み込ませるかのように、輝男自身を隈無く舐め回す。

 一通り舐め終えると、ついでにと言わんばかりに、根元にも口を含む。

 そして、口を大きく開けると、愛しい教え子のモノをゆっくりとくわえ込む。

 

 「ん……んん……」

 

 輝男自身をくわえ込みながら、声を上げてうめく。

 すると、理華はゆっくりと口を動かす。

 スローペースなフェラチオに、輝男は深くため息を付く。

 

 (理華さん……温かい……)

 

 自分自身を包み込む口内の感触に、内心、嘆息する。

 理華の口内では、柔らかく生温かい口腔が、撫でるように輝男自身をこすっている。

 口腔の柔らかさ、温かさが、陰茎を通して輝男の神経を伝う。

 しかしすぐに、理華は口の動きをペースアップさせる。

 陰茎でふさがれた口元からは、唾液が跳ねるような音と共に、

 

 「んっ、んうぅっ、んんっ、んぅっ……」

 

 艶やかなうめき声が漏れて来る。

 直立し続ける輝男は、強まる理華のフェラチオを甘受する。

 理華の口の動きは更に速まり、唾液の跳ねるような音と艶やかなうめき声がトーンアップして聞こえる。

 

 「ちょ、ちょっと……ヤバいよ……理華さん……」

 

 熱に浮かされたかのような声で、輝男が苦悶の念を伝えようとする。

 彼は、理華の口内にとらわれている自分自身が、固さ、大きさを増していくのを痛感する。

 懸命にフェラチオを続ける理華だったが、

 

 「んっ、んぐっ、んうっ、んぐ……!」

 

 彼女の口元からは、息詰まるようなうめき声が漏れて来る。

 口内で固く膨張する剛直に、息詰まるような感覚を覚え始めたのだ。

 それでも、理華の口腔は、前後に動きながら教え子自身を強くこすっていく。

 自分自身をしごく口の動きに、輝男は刺激とも苦痛とも取れる感覚にさいなまれる。

 いずれにせよ、担任教諭が仕掛けるフェラチオは、輝男自身をいたずらに充血させるだけだ。

 やがて、理華は輝男自身を口から離す。

 

 「プハァッ!」

 

 荒く息を吐く理華の目の前には、唾液と別の液で表面をまぶされた剛直が、自分をにらみ付けるかのようにビンと突っ立っているのが見える。

 

 「ヤダ、もう、輝男君ったら、こんなにガチガチに大きくなっちゃって……

 そんなに溜まりまくってたのね……」

 

 固く膨張した剛直を見て、理華がからかうかのように言葉をかけると、

 

 「何、言ってんですか? 理華さんのせいでこうなっちゃったんじゃないですか」

 

 輝男は羞恥の極みに顔を赤らめながら、理華に反論する。

 しかしすぐに、理華のキスが輝男の反論をさえぎった。

 

 「時には、欲望に正直になることも大事よ。

 受験や勉強のために自分自身を殺し過ぎても、ろくなことがないんだから。

 ほんのひと時でもいいから、溜まったものを思いっきり吐き出さないと……」

 

 理華は一瞬のキスの後、教諭としての言葉をかけると、

 

 「……それに、欲望や鬱屈を抱えてなければ、こうはならないわよ」

 

 固く突っ立ったままの剛直を指でピンと弾きながら、言葉を続ける。

 理華が言わんとしていることに、輝男は顔を真っ赤にして言葉を詰まらせる。

 恥ずかしさの余り、何も言えない輝男の前で、理華は再び彼と向き合う。

 紅潮した美貌をほほ笑ませると、

 

 「輝男君、今度はあなたの番よ……」

 

 ささやくように行為をうながそうとする……

 

 

 バスルームの壁に、理華が左右の手のひらを押し付ける。

 美尻を突き出すようにして直立する理華の背中を、輝男がまっすぐに見つめる。

 さっきのフェラチオで固く膨張した剛直が、理華の美尻を執拗ににらむ。

 輝男は、理華の美尻を左右から抑え付け、剛直の先端を真ん中にあてがう。

 

 「あぁ、うっ……」

 

 固く大きなものが大事なところに当たる感触に、理華はたまらず声を上げる。

 

 「行きますよ……」

 

 「うん……来て……」

 

 そっとささやくように呼びかける輝男に、理華はか細い声で応じる。

 すると、輝男はゆっくりと腰を進めた。

 

 「うっ、あぁっ……!」

 

 固く膨張した異物が入り込む感覚に、理華はのけ反りながら声を震わせる。

 輝男は、侵入と同時に、理華の中が収縮を仕掛けるのを感じ取る。

 理華の中は、条件反射的に男自身を締め付け、とらえるかのような動きを見せる。

 もっとも、それも輝男が相手だからこそなのかもしれないが……

 予想外に窮屈な感触を認めつつも、輝男は前進を止めない。

 半分ほど進んだ後、深呼吸して一旦、動きを止める。

 そして、すぐに、意を決したような面持ちを見せ、思いっきり腰をぶつける。

 

 「あっ、あぁんっ……!」

 

 輝男自身の猛進に、理華は体を大きくのけ反らせると、声を上げて喘いだ。

 今の叫びを合図に、輝男は初めから勢い良く前後運動を仕掛ける。

 

 「あんっ! んうぅっ!」

 

 何度も腰をぶつけながら律動を繰り返す輝男に、理華は前後に身を揺さぶられながら、艶やかに喘ぐ。

 理華が背を向けているせいで輝男の目には見えないが、彼女の胸元では、左右の大きなふくらみが絶えず揺れている。

 

 「あぁっ、す、すごい……!

 輝男君の…固くて大きいの……お、奥……奥に当たってる……!」

 

 艶を帯びた声で、自らの中を荒らす輝男の動きに驚嘆する理華。

 理華の中では、ヴァギナを突き破るようにして、一番、奥へと、剛直の先端が何度も突き当たっている。

 何かが突き当たる感触をかすかに感じながらも、輝男は律動を繰り返す。

 肉と肉がぶつかり合う乾いた衝突音に、

 

 「あぁんっ! んうぅっ! うっ! んうっ! んあっ……!」

 

 けたたましく艶やかな理華の喘ぎが重なる。

 我を忘れたかのようにみだらに耽る理華の背後で、

 

 (理華さんの中……熱く潤って……キツイ……!)

 

 輝男は律動を繰り返しながら、理華の中の感触に感嘆する。

 剛直が激しく行き来するのに応じて、ヴァギナは収縮を進めている。

 加えて、表面を覆っていく熱と愛液が、輝男自身に絡み付き、浸透していく。

 熱とぬめりに動きを加速され、締め付けを増すヴァギナの肉圧をぶち破らんとする。

 

 「うっ! んぅっ!」

 

 理華は痙攣でも起こしたかのようにのけ反り、うめくと、

 

 「ヤ、ヤダ……すごい……! 輝男君って……どうしてこんなに……激しいの……?」

 

 恍惚とした顔を赤らめ、歓喜に声を震わせる。

 ペースアップしながら自分の中を荒らす剛直を前にして、成されるがままといった状況を甘受する。

 一方の輝男は、絶えず腰を美尻にぶつけるが、その美尻から左右の手を放すと、理華の胸元へと背後から伸ばした。

 腰をぶつけ、剛直を行き来させつつ、同時に理華の美巨乳を背後から揉みしだく。

 

 「あっ、イヤだ、もう……」

 

 背後からの愛撫を認めると、理華は羞恥の声を艶やかに上げる。

 輝男は律動を繰り返しながら、理華の裸の胸を揉みしだく。

 輝男の手のひらは、柔らかく大きな肉感に加えて、内側から染み出る熱を併せて感じ取る。

 

 (理華さんのオッパイ……柔らかくて、大きくて……温かい……)

 

 直に揉みしだく美巨乳の感触に、内心、感嘆の声を上げる輝男。

 パン生地でもこねるかのようにジックリと愛撫をしつつ、先端の小さな蕾を指でこねくり回す。

 胸先から襲って来る刺激に、理華は何度ものけ反らせる。

 

 「あぁ、いい……すごい……!

 オ〇ン〇ン、とても激しいし……オッパイもとても恋しがってるし……」

 

 途切れることを知らない剛直の動きと背後からの愛撫に、歓喜の声を艶やかに上げる。

 理華の中は、四方の肉壁が収縮を強め、熱とぬめりがいたずらに増しているが、それに伴う異様な感触や苦痛みたいなものは、恍惚とした理華の表情からはまったく認められない。

 しかし、剛直が絶えず行き来している秘裂の隙間からは、蜜がトロトロとこぼれ続けている。

 そして、理華の身を支える手足は、わなわなと震えている。

 しかし、内側からわき上がるみだらな刺激が、少なからぬ苦痛をはるかに凌いでいく。

 そんな理華の美巨乳を、輝男は飽くことなく揉み続ける。

 たわわな肉の果実を堪能しつつ、熱とぬめりと伴った肉圧を、剛直を通して甘受する。

 

 「すごい……すごく気持ちいい……。もっと……もっとぉ……」

 

 剛直による容赦無い前後運動と背後からの執拗な愛撫に、理華は更なるみだらを求めて艶やかに叫ぶ……

 

 

 輝男は、半分ほどお湯の溜まった浴槽に腰を下ろしている。

 彼の真向かいでは、

 

 「あっ、あんっ、あぁっ、あぅっ……」

 

 理華が艶やかな喘ぎを繰り返しながら、跳ねるように上下に身を揺らす。

 お湯に浸かっていて見えづらいが、輝男の腰は、理華の股に向かって何度も突き上げを繰り返す。

 肉と肉の衝突音の代わりに、お湯の跳ねる音が高く響く。

 温かいお湯に煽られてか、腰の突き上げが勢いを増す。

 突き上げに押されるように、理華の体は上下に揺れ続ける。

 胸元から盛り上がる形良いDカップバストも、絶えずブルブルと震え続ける。

 みだらな責めを全身でもって受け止める理華を目の当たりにして、輝男は熱に浮かされたかのような形相で、荒く息を弾ませる。

 

 「理華さん……気分はどうですか……?」

 

 荒い吐息と突き上げを繰り返しながら、輝男がたずねる。

 理華は押されるように身を揺らし続けながら、

 

 「す、すごい……気持ちいい……。気持ち良過ぎて……何も考えられない……」

 

 恍惚に赤らむ美貌を呆けさせながら、輝男に言葉を返す。

 収縮一途のヴァギナと固く膨張した剛直による摩擦と自らが浸るお湯の熱が、理華の理性と思考を鈍麻させていく。

 

 「もっと……もっと強く突いて……」

 

 最愛の教え子と二人きりのひと時に気持ちが昂り、本能のままにみだらな咆哮を上げる。

 担任の今の叫びに、輝男は激しく小刻みな突き上げでもって応じる。

 トーンアップしたお湯の跳ねる音と、

 

 「あぁっ! あっ! んあっ! ハァッ! んうぅっ! うあっ……!」

 

 上ずったような喘ぎがバスルームに響く。

 

 「すごい……激しい……もっと……もっとぉ――――――」

 

 荒々しく責め続ける輝男に、我を忘れて歓喜の叫びを上げる理華。

 彼女の中では、担任と教え子という関係など、既に頭の中から取っ払われているようだ。

 輝男もまた、求められるがままに湯の中から激しい突き上げを繰り返す。

 湯気と昂ぶりのせいで体は薄赤色に染まり、素肌には汗がにじみ出ている。

 担任教師との禁断の関係を頭から忘れて、目の前の淫欲に神経を集中させる。

 途端、輝男は苦しそうに歯を食いしばり、体をわなわなと震わせる。

 

 「ダ、ダメだ……理華さん……!」

 

 荒く息を吐きながら、自らが犯す担任に向かって苦悶の念を訴える。

 輝男の中では、淫欲の昂ぶりがグツグツとわき立っている。

 とめどもなく沸騰し、いつ暴発してもおかしくない状態にある。

 すると、

 

 「て、輝男君……そのまま……続けて……

 あたしの中に……輝男君の熱いの……全部ちょうだい……」

 

 熱っぽくも艶やかな声で理華が求めて来る。

 理華が訴えると、輝男は額から冷汗を流して歯を食いしばる。

 

 「理華さん……すごく締まる……!」

 

 たまらず声を震わせる輝男。

 輝男自身は、自らを限界まで締め付けんとする理華の中の肉圧を痛感した。

 しかし、輝男は動きを止めるどころか、更に激しく小刻みに突き上げを繰り返す。

 理華もまた、小刻みに腰を上下に振って、ラストスパートをかけようとする。

 上下にぶつかり合う輝男と理華の間で、お湯の跳ねる音が絶えず響く。

 

 「あっ、あぁんっ! いいっ! すごいっ! 激しい!」

 

 「り、理華……理華さん……!」

 

 上下に腰をぶつけ合いながら、理華は歓喜の声を艶やかに上げ、輝男はうわ言のように相手の名を呼び続ける。

 垂直に猛進を繰り返す剛直を、熱とぬめりに覆われた四方の肉壁がギュッと締め付けようとする。

 しかし剛直は、最後の悪あがきと言わんばかりに肉壁を突き破り、奥深くに先端を突き当たらせようとする。

 輝男と理華のつながった個所からは、蜜のようなものがこぼれ続け、お湯と溶け込んでいるが、二人ともそこまで意識が向いていない。

 限界まで愛欲を堪能し、互いの身を貪ろうとする。

 理華はなおも腰を振り続け、美巨乳を揺らし続けるが、

 

 「あぅっ!」

 

 輝男の腰の上で突然、喉を突き出すようにして大きくのけ反り、苦悶の声を上げた。

 

 「ダ、ダメ……あたしも……イくっ……!」

 

 理華が声を震わせながら自らの限界を訴えると、

 

 「り、理華さん……俺、もう……出る……!」

 

 輝男は汗を噴き出し、身を震わせながら、限界間近の声を震わせる。

 すると、理華は真正面から輝男にギュッと抱き付く。

 引き締まった胸板に、汗ばんだDカップバストが強く押し潰される。

 体ににじむ汗を輝男の裸体にすり付けながら、

 

 「き、来て……早く……あたしの中に……全部……」

 

 艶やかな声を震わせて、輝男の耳元にささやく。

 理華のささやきに煽られてか、輝男は彼女に向けて、二、三回、強く腰を突き上げる。

 と、次の瞬間、

 

 「あぁっ、あっ……あぁ――――――……!」

 

 理華は輝男に抱き付いたまま、体を大きくのけ反らせ、絶頂の声を上げた。

 理華が果てて間も無く、堰を切ったかのように、淫欲の奔流が理華の中に一滴残さず流し込まれた……

 

 ◇ ◇ ◇

 

 どれくらい時間が経ったか……

 

 輝男と理華は、再び、リビングで顔を向き合わせた。

 制服に着替え直した輝男に対して、理華はパジャマに着替えている。

 ここが理華の自宅だと考えれば、当然と言えるかもしれないが……

 

 「じゃあ、あなたは、東大と関東国大を目指すというのね?」

 

 理華は、さっきまで激しいセックスに耽っていたのが嘘のように、真剣な面持ちで輝男に言葉をかける。

 

 「はい。東大の方は、当たって砕けるくらいの気持ちで臨みます」

 

 輝男は真剣な表情を見せながら、理華に言葉を返す。

 わずかでも揺るがない輝男の表情と今の言葉に、理華は真剣な面持ちを崩さない。

 

 「道のりは険しいけど、目標を立てた以上は、そこを目指して最後まで突き進みなさい」

 

 真剣な表情で言葉をかけると、輝男の頬にチュッとキスをした。

 まさかのキスに、輝男は思わず顔を赤らめる。

 恥じらい、はにかみながら赤らむ輝男に、理華はニコッと笑みを見せる。

 

 「先生、信じてるから。天江君ならきっとできるって……」

 

 最後の勝利を確信するかのような励ましの言葉に、輝男は表情を和らげる。

 

 「ありがとうございます」

 

 感謝の言葉を返すと、理華に向かって深々と一礼する。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 天江家のリビングに、輝男が制服姿のまま入って来る。

 

 「ただいま」

 

 輝男が帰宅のあいさつをすると、

 

 「おかえりなさい」

 

 コーヒーカップを二つ載せた盆を手にした真純が、輝男に言葉を返す。

 真純はそのままテーブルに向かうと、盆の上のカップを卓上に置く。

 二つの内の一つは、ワイシャツにスラックスといういで立ちで腰を下ろし、書類に目を通る輝人の前に置かれる。

 輝人は、差し出されたカップを片手で持ち上げると、ふと目線を上げる。

 輝人の目は、真正面で神妙な面持ちを見せる輝男をとらえている。

 

 「こんな時間まで何をしていたんだ?」

 

 父が淡々とした口調で問いただそうとすると、

 

 「大事な用事が長引いちゃって……」

 

 息子もまた、淡々とした声で父親に言葉を返す。

 輝人が黙々とコーヒーを飲むと、輝男は一呼吸、間を置いた後、口を開く。

 

 「父さん、俺、東大を受けることにしたよ。必ず、東大に受かって入るから」

 

 神妙な面持ちを崩さず、努めて感情を抑えた口調で自らの決意を告げる。

 輝人は今の息子の決意を聞くと、改めて息子と向き合う。

 無感情に鋭く見据えると、再び、コーヒーを口にする。

 

 「東大を受ける……

 そんなことは、バカな小学生や頭の弱い幼稚園児でもすぐに言える……

 何十回、何百回と、必ず東大に受けて合格すると言っても、結果を出せなければただのたわ言に過ぎん。

 お前ほどの者が、そのことを理解できぬはずがない」

 

 コーヒーを飲みながら、無感情に傲然とした言葉を言い放つ輝人。

 自分をまっすぐに見据えながら冷たく言い放つ父に、輝男は思わず表情を強張らせる。

 息子が気分を害しているのを目の当たりにしながらも、父はまったく動ずる様子を見せない。

 飲みかけのコーヒーカップを置くと、片手に持ったままの書類に再び、目を通す。

 

 「下らんたわ言を言う暇があったら、東大に入るための勉強でもしたらどうだ?

 父さん相手に生意気な口を叩きたいのなら、無事に東大に入ってからにしなさい」

 

 書類に目を通しながら、目の前に立つ輝男に向かって、傲然とした言葉を吐き捨てるように言い放つ。

 叱咤激励どころか、冷たく突き放すかのような傲慢な態度を見せ付ける父に、輝男は表情を苦くさせ、身を震わせる。

 明らかに不快感と失望を募らせる義息に、義母は困惑しきった顔を見せながら、言葉を詰まらせる。

 距離こそ間近だが、心の方は遠く冷たく隔たっている実の父子を前にして、どうしたらいいのかわからないといった態度を見せる。

 すると、輝男はそのまま、足を蹴り出すかのように急ぎ足で自室へと向かう。

 これ以上、傲慢で無理解な父親と同じ場所にいるのが耐えられないのだろう。

 

 「輝男さ…」

 

 逃げるように去って行く輝男の後ろ姿に、真純がたまらず声をかけようとするが、

 

 「放っておけ」

 

 輝人は書類に目を通したまま、憂いを隠せない妻に制止を呼びかける。

 制止を命じる夫に、真純は困惑しきった面持ちで深く嘆息し、その場に立ち尽くす。

 東大も受験する決意も、結局は父と息子の隔たりを埋めるには何の役にも立たなかった。

 家族にさえ氷よりも冷たい態度を見せ続けて平然とする父の姿を、輝男は改めて痛感させられた。

 担任教師との禁断の愛欲の余韻も、既に輝男の中からは消え失せてしまっている……

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