「じゃあ、義母さん、行って来ます」
「行って来ま――す!」
制服に着替えた輝男と瑠奈が、挨拶をしながらリビングを出て行く。
「行ってらっしゃい」
真純は柔和な笑顔を浮かべながら、二人の背中に言葉をかける。
玄関に着くと、輝男は一足先に靴を履く。
すると、
「……ねぇ、お義兄ちゃん……」
後ろから、神妙な調子で呼びかける少女の声が聞こえて来た。
輝男が後ろを振り返ると、瑠奈が神妙な面持ちで義兄を見つめていた。
頬はほんのりと朱に染まっている。
「どうしたんだ、瑠奈?」
「……ねぇ、お義兄ちゃん……また、瑠奈とシたくない?」
やや恥ずかしそうに、小声でたずねる瑠奈。
瑠奈の今の言葉に、輝男は呆れ顔で唖然とする。
「お前、こんな時に何、言ってんだ?」
これから学校へ行こうという矢先に突飛も無いことを言われて、呆れ果てずにはいられなかった。
「瑠奈、またお義兄ちゃんが欲しくなっちゃって……
お義兄ちゃんも、瑠奈のことが欲しくてたまらないんじゃないの?」
瑠奈は登校前であるにも関わらず、二人きりでいる状況に負けて、ひそかな強い思慕をさらけ出す。
自分を求める義妹の切なる思いを目の当たりにして、輝男は困惑に表情を曇らせる。
しかし、すぐに表情を切り替えると、
「お前が今回の中間テスト、全教科百点取ったら、またシてあげてもいいぞ」
禁断の行為をさせてあげるための条件を平然と言ってのける。
最愛の義兄が提示して来た条件に、今度は瑠奈が一瞬、唖然となる。
「そ、そんなこと、無理に決まってるじゃない!」
己の限界を認め、たまらず声を上げる。
落胆にも似た気持ちをさらけ出す瑠奈を見ると、輝男は一足先に玄関を出ようとする。
「お前もさっさと出ないと、遅刻するぞ」
「もう、お義兄ちゃんの意地悪!」
二人はそう言葉を交わしながら、次々と家を出て行く。
◇ ◇ ◇
明朝学園高校校舎第一棟二階の手前側端に、正面ドアが一つある。
ドアの真上には、“図書室”と横書きで記された札が高く掲げられている。
ドアの内側には、教室二つ分の広さを持つ図書室がある。
総記から文学に至る多ジャンルの書籍が数百冊も並んで置かれている。
もちろん、単純に読書目的で来る生徒もいれば、勉強のために利用する生徒もいる。
しかし、今は、二、三人の生徒が、疎らに腰を下ろし、読書をしたり勉強をしたりしている。
入口近くの貸し出しカウンターには、一人の女子生徒が腰を下ろしている。
制服の袖には、“図書委員”と記された腕章が巻かれている。
女子生徒は、二、三人の生徒が疎らに座っている閲覧席を一瞥すると、脇に置いてあった本を手に取る。
桜月だ。
桜月は今、図書委員としてカウンター席に座りながらも、黙々と本を読んでいる。
その真下、一階にある一室に、輝男の姿がある。
教室の半分ほどの広さを持つその一室には、机が六つ、前後左右、向き合うようにして重なっている。
輝男は机上に並べられた書類を一瞥しながら、何やら書き物をしている。
すると、正面にあるドアが外側から開いた。
ドアの向こうから、一人の女子生徒が部屋に入って来る。
左右に均等に分けられた長い黒髪――
おっとりとした柔和な美貌――
制服姿でもハッキリとわかるスリムな体型――
女子生徒は輝男の間近にまで近付くと、目の前にミルクティーの缶を置く。
「天江君、いつもご苦労様」
女子生徒――聖神楽(ひじり・かぐら)は、ニコッとほほ笑みながら言葉をかける。
輝男は横から声をかけられ、すぐに神楽が傍にいるのに気付いた。
「先輩、わざわざすみません」
輝男は書き物をしている手を止め、神楽に言葉を返す。
神楽は輝男の横に腰を下ろすと、手にしているレモンティーの缶を開け、口にする。
輝男もまた、缶を開け、ミルクティーを飲む。
「生徒会の役員は数あれど、こうしていつも真面目に仕事をしてくれるのは天江君だけね」
「そんなこと無いですよ。会長をやってる聖先輩に比べたら、僕なんて大したことありません」
息抜きに缶飲料を飲みながら、輝男と神楽は言葉を交わす。
今、輝男がいるのは生徒会室で、真横にいる神楽は生徒会長だ。
桜月が図書委員をやっている一方で、輝男は生徒会の役員を務めている。
「でも、不思議ね。
天江君って、勉強ができるだけでなく、スポーツだって得意な方なのに、どうして生徒会の役員になろうと思ったの?」
「生徒会って、他の部活や委員よりも時間の融通が利きそうだから、それで生徒会の仕事を選んだだけですよ」
「でも、生徒会って、他のところと違って学校生活の中では最も重要なところよ」
「確かに、生徒会の仕事も楽なものじゃないですけど、僕の中ではまだまだ許容範囲ですから」
輝男の話を聞くと、神楽は飲みかけのレモンティーの缶を机上に置く。
「……ねぇ、天江君……」
神楽は笑みを絶やさずに、神妙な調子で話を切り出す。
「天江君、もしよかったら、次の生徒会長になる気は無い?」
神楽の口から、ただならぬ申し出が漏れ出た。
神楽の今の申し出に、輝男は驚きながら神楽と向き合う。
「せっかくですが、遠慮させて下さい」
「どうして?」
「俺、人の上に立って、あれこれと威張る器ではありませんから。
今のポジションが、自分にとって最も適格なポジションだと思ってますから」
申し訳無さそうに表情を曇らせながら、せっかくの申し出を丁重に断る。
「天江君、勉強もできて真面目で、おまけに端正なルックスもしているから、皆、あなたが生徒会長に立候補したら、必ずあなたのことを受け入れてくれるわ」
「でも、勉強ができて顔がいいのと、生徒会長の仕事は全然、別ですから」
自分のことを強く推してくれる神楽を、言葉を選びながらも突き放そうとする。
神楽の気持ちがわからないでも無いが、自分がいかなる人間であるかを輝男はよく理解している。
勉強の成績では学年上位を誇っているが、そのことで自らを必要以上に誇示することを潔しとしない性分である。
周りを顧みずに前へ前へと突き進むよりも、多少、地味でも平穏な日々を過ごす方が、輝男にとっては大事なことであるからだ。
輝男の今の断りを聞くと、
「ごめんなさいね。私、無理なことをお願いしたみたいで」
神楽はすぐに詫びの言葉を入れて、今しがたの申し出を引っ込ませる。
すると、輝男は神楽に向かって笑顔を見せる。
「別に謝らなくてもいいですよ。僕は全然、気にしてませんから」
笑みを浮かべながら言葉を返す輝男に、神楽は何故か、神妙な面持ちで沈黙する。
神楽は黙ったまま、輝男をまっすぐに見つめる。
「……どうしたんですか、先輩?」
神楽の沈黙と凝視に、輝男は思わず首を傾げる。
すると、神楽は黙ったまま、輝男の股に手を差し伸ばす。
神楽のほっそりとした色白の手が、スラックス越しに輝男の股を撫でさする。
神楽の今の行為に、輝男は顔を赤くして戸惑う。
「天江君……今しがたのお詫びをさせてもらえないかしら……」
神楽は艶を帯びた調子で、輝男に言葉をかける。
依然として、輝男をまっすぐに直視しているが、頬はほんのりと赤らみ、瞳は乞うように震えている。
真正面から突き付ける形相と、股を撫でさすり続ける手の動きに、輝男は何かを察し、戸惑いを強める。
「ちょ、ちょっと、ダメですよ、会長! こんなところで……!
もし、誰かに見られたら……!」
「大丈夫よ、今日は誰も来ないし。それに、そんな大声を出したら、それこそ嫌でも外にバレてしまうわよ」
神楽はクスッとほほ笑みながら、輝男のためらいをはね付ける。
神楽の笑みは、心なしか妖艶な雰囲気を漂わせる。
目の前に見える妖艶な笑みに、輝男は顔を赤くしながら身を固くする。
すると、神楽はすかさず輝男とキスを交わした。
二、三回、唇を重ねた後、二人は舌を絡ませ合う。
静寂に包まれた生徒会室に、唾液交じりの水音が小さく響く……
やがて、神楽の唇が、輝男の口から離れた。
輝男の大きなため息が、神楽の頬に当たる。
「天江君、授業やら何やらで色々と溜まっているんでしょ?
今日は、私の中で思いっきり吐き出してもいいんだから……」
「せ、先輩……」
淫靡を予感させる神楽の言葉に、輝男はこれ以上の言葉が出て来なかった……
◇ ◇ ◇
輝男は椅子に座りながら、困惑げに目線を下げる。
輝男が見下ろす先には、神楽が身を屈めている。
神楽は、何のためらいも無く、輝男の制服のスラックスのジッパーを下ろす。
ジッパーの内側から、若干、固さを帯びている肉の棒が取り出される。
自分の一物をジッと見つめる神楽に、輝男は恥ずかしそうに顔を赤らめる。
気品あふれる柔和な微笑みが、輝男の羞恥を更に募らせる。
「会長、そんなに見ないで……」
輝男が恥ずかしそうに言葉をかけると、
「うふっ……もっと、元気にしてあげる……」
神楽は一物の先端を凝視しながら、言葉をかける。
神楽の柔らかな唇が、一物の先端に触れる。
神楽の柔らかなキスが、陰茎を通してみだらな刺激をもたらす。
神楽はキスをすると、すぐに口を開けた。
神楽の口が、輝男のモノをゆっくりと飲み込む。
一物の根元を細い片手で握ると、ゆっくりとしごき始め、
「んんっ、んんっ、んうぅっ……」
かすかにうめきながら、口を前後に動かし始めた。
優しく、ゆっくりとしたフェラチオを、輝男はそのまま甘受する。
(誰よりも真面目な神楽さんが……
おおよそ、エッチとは無縁だと思ってたあの生徒会長が、俺にだけこんなことをするなんて……)
輝男はフェラチオをする生徒会長を見下ろしながら、信じられない思いに感嘆する。
「んっ、んんっ、んむっ、んうぅっ……」
一物をくわえる神楽のうめきが、徐々に艶を帯びて輝男の耳に流れ込む。
(聖先輩って、どうしてこんなに上手いんだ……? しかも温かい……)
少しずつペースアップするフェラチオの動き、そして、神楽の口内の生温かさに、輝男は驚嘆を隠し切れない。
最初は、優しく撫でるかのようだった神楽の口腔は、いつの間にか輝男の陰茎を強くこする動きを見せている。
生温かい口腔にこすられる刺激に、輝男のモノはますます固さを増し、大きくなっていく。
(ヤバい……。もっと固く……大きくなってく……)
輝男は必死に感情を押し殺しながら、心の中で驚嘆の声を上げる。
神楽の口内では、輝男の剛直はムクムクと大きくなっていく。
生徒会室には、輝男の荒いため息と唾液交じりの水音だけが響く。
外に漏れる程の大音量では無いが、輝男にとっては少なからぬ響きとなって聞こえて来る。
「んむっ、んんっ……! んぐ、んぐ……!」
輝男自身をしゃぶり、しごき続ける神楽のうめき声は、息詰まったかのように聞こえて来る。
果てしなく膨張し、固さを増していく剛直に、息詰まったかのような感覚を覚えているのだろう。
「せ、先輩……それ以上、したら……俺……!」
輝男は眼下の神楽に向かって苦悶の声を上げる。
既に、彼の股の辺りでは、グツグツと沸騰感が高まっている。
輝男の今の苦悶に、神楽は小刻みな口の動きと、強めに片手でしごく動きで応じる。
神楽の小さな口からはみ出た肉柱の一部が、ほっそりとした色白の手のひらでしごかれている。
小刻みに前後運動を繰り返す神楽の口元からは、唾液が跳ねるような音に混じって、
「んぐっ、んぐっ、んぐっ、んぐっ……!」
息詰まるかのような艶やかなうめきが漏れ出る。
神楽の口の動きは、このまま限界まで行くかのように思われた。
しかし、次に瞬間、神楽は輝男の剛直を口から離した。
「プハァッ……」
荒く大きな吐息が、神楽の口から発せられる。
神楽の目の前には、唾液と先端から漏れた別の液で表面をまぶされた剛直が、天を向くように固く突っ立っていた。
「天江君って、ホントに正直なのね。これだけ欲望を溜めていたなんて……」
神楽はクスッとほほ笑みながら、輝男に向かって感嘆の言葉をかける。
神楽の今の言葉に、輝男は恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「だって先輩が…」
反論を試みようとする輝男だったが、すぐに神楽のキスがふさいだ。
フェラチオを終えたばかりの唇が、輝男の唇に重なる。
不意打ちも同然のキスに、輝男は驚きを隠せない。
しかし、すぐに神楽は唇を輝男の口元から離した。
「ねぇ、天江君。あなた、どうしたいのかしら?
このままやめるか? それとも、最後まで行くか?」
これ以上は無い柔和な笑顔で、ある意味、ぜいたくだが心苦しい選択肢を突き付ける。
輝男は今の選択肢に窮したまま即答できない。
欲望のままに動くのを潔しとしない性分だが、さりとて欲望を中途半端な形で押し止められるのも、それはそれで気分が悪い。
……というよりも、このまま留め置かれるのは、輝男にとっては文字通り、体に毒でしかない。
輝男は苦渋に満ちた表情で、神楽と向き合うと、
「……このままやめるわけにはいかないじゃないですか……!」
搾るような声で返答を言う。
輝男の返答に、神楽はクスッとほほ笑みを浮かべる。
「天江君、自分に素直でとても結構だわ」
神楽はそう言うと、両手を制服のスカートの内側に入れた。
間も無く、スカートの内側から、小さなリボンを備えた白いショーツが脱ぎ出された。
ショーツが神楽の細い片脚に引っかかる。
すると、神楽は今度はブレザーの内ポケットから何かを取り出した。
神楽の手には、一包のコンドームがある。
慣れた手付きで包みを開け、コンドームを口にくわえると、固く大きな輝男の剛直を口でもって包み込む。
「これで心置きなく、私と存分にヤることができるわ」
神楽は輝男と真正面に向き合いながら、笑みを絶やさずに言う。
輝男は生徒会長のさっきまでの奉仕と今の行為に、返すべき言葉が中々、出ずにいる……
生徒会室には、輝男と神楽の二人しかいない。
外から近付く足音やその他の物音は、まったく認められない。
二人きりの密室。
静寂が包み込む中、神楽は部屋の壁に両手を付き、両足で床を強く踏みしめる。
神楽の背後には、ゴムに密着された剛直をさらす輝男が立っている。
片脚にショーツが引っかかっている以外は、いつもと変わらぬ制服姿の神楽を、後ろからジッと見つめる。
輝男は神楽のスカートをめくり、やや小ぶりな裸の尻をさらけ出す。
美尻の真ん中に剛直の先端をあてがうと、
「先輩、行きますよ……」
そっとささやくように言葉をかける。
輝男の今のささやきに、神楽は首を縦に振る。
「いいわよ……。来て……」
応諾し、うながすような艶やかな声が、背中越しに輝男に伝わる。
輝男は神楽の腰を両脇からつかむと、一気に自分の腰を神楽の美尻に打ち据えた。
輝男の腰がぶつかると同時に、彼の剛直が神楽の中、奥深く目指して突き進む。
神楽は壁についた左右の手をかすかに震わせると、
「うぅっ……あっ、あぁっ……!」
必死に声を押し殺しながらも、艶やかな喘ぎを上げる。
神楽の喘ぎを聞くと、輝男はゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
「あっ、あぁっ……! あっ、ハァッ……あぁっ……!」
密やかにヤりたいという意思によるものか、かすれるような喘ぎが、神楽の口から漏れていく。
ちょっとでも声を上げれば、すぐ外に漏れ、今の行為がバレてしまう。
そんな危険が、神楽にかすかな喘ぎを上げさせているのだ。
もちろん、輝男もそのような危険とは無縁ではない。
生徒会室という場所故か、いつも以上に緊張した面持ちで腰を動かし続ける。
輝男の腰は、自ずと動きをペースアップさせる。
輝男と神楽の間からは、腰と美尻がぶつかり合う音がかすかに響いて来る。
「す、すご……おおき……き、気持ちいい……」
神楽は声を押し殺しながらも、歓喜の念を上げる。
「せ、先輩の……温かくて……すごい…締まる……! まるで、食い付いているみたいだ……!」
輝男は腰を振り続けながら、神楽に向かってうめく。
輝男の言葉通り、神楽の中は輝男自身の激しい律動を受け入れながら、徐々に狭まっていく。
と、同時に、生温かくぬめった感触が、ゴムに包まれた剛直を通して輝男の神経に伝わる。
「あぁ……いい……いい……。もっと……もっと、突いてぇ……」
神楽は背後から容赦無く犯されながら、熱に浮かされたようにみだらを乞う。
輝男に背を向け続けているその顔は、既に恍惚に呆けており、口元からはよだれまで垂れている。
顔を見ることこそできないが、輝男は生徒会長が今、どんな状態にあるのかを否が応にも思い知っている。
(ここまで、自ら進んでみだらに耽るなんて……。相当、溜まってたんだろうな……
学校でも屈指の優等生として、皆を引っ張る生徒会長として頑張ることに、とても疲れたんだろう……)
輝男は神楽を犯し続けながらも、当の相手に思いを巡らす。
普段、淫欲とは無縁なはずの神楽がこうしてみだらに耽ることに、ただならぬ心理的要因があるのを見抜いたのだろう。
何度も繰り返すが、輝男は淫欲に狂うのを潔しとしない性分である。
しかし、相手が望むなら、互いの合意を得た上であれば、淫欲に及ぶことを決して拒みはしない。
もちろん、輝男自身にある羽目を外し過ぎない程度の淫欲も、多少なりとも関わっているが……
「あぁっ、あっ、あっ、あぁっ、あんっ……!」
神楽が上ずった喘ぎを繰り返しながら、ビクンと体をのけ反らせる。
輝男の腰の動きは、更に激しく、小刻みになっている。
パン、パン…と引っぱたくような音が聞こえ、輝男の荒い息遣いが、神楽の耳に流れ込んでいる。
「ヤ、ヤバい……ますます締まる……!」
輝男が熱に浮かされたかのようにうめく。
神楽の蜜壺は、輝男自身を拒み、あるいは締め付けるかのようにギュッと締まって来ている。
そして、神楽のスカートの内側からは、蜜のようなものが、色白で細い太ももを伝って流れ落ちて来ている。
神楽の身を支える両手、両足は、遠目にもわかるくらいに震えが認められる。
輝男の目には、神楽の体はこのまま行為を続けられそうにないように見受けられる。
「せ、先輩……」
輝男が心配そうに呼びかけると、
「こ、このまま……続けて……」
神楽は背を向けたまま輝男に行為の続行をうながす……
輝男はまた椅子に腰を下ろしている。
彼の腰の上では、
「あっ、あっ、あっ、あっ、ハァッ……」
神楽が息を弾ませ、喘ぎながら腰を上下に振っている。
椅子の下には、二人分のブレザーが無造作に脱ぎ捨てられている。
輝男は、スクールネクタイを緩め、ワイシャツを開襟させながら、真下から腰を突き上げる。
神楽もまた、輝男と同じ格好で上下に腰を振り続け、突き上げを繰り返す輝男の腰とぶつかる。
輝男の端整な顔に汗がにじむ。
限界までふくらむ自分自身と狭まる一方の生徒会長のヴァギナを身をもって痛感している。
「天江…君…の……とても激しくて……たくましくて……もう、何も考えられない……」
背面座位の体勢で互いに貪り合いながら、熱に浮かされたように、恍惚とした思いをつぶやく神楽。
「せ……先輩の……ますますキツく……熱く……潤ってますよ……」
輝男は神楽のヴァギナから感じ取ったものを羅列し、神楽に言い返す。
狭まる肉壁、浸透する微熱、量を増す愛液が、輝男を更に加速させる。
しかし、腰を突き上げるだけでは飽き足りないのか、背後から神楽の胸元をつかむ。
「キャッ……。ヤ、ヤダ……」
神楽の口から、可愛らしい悲鳴と恥じらいの声が漏れ出る。
輝男は腰の突き上げを繰り返しながら、神楽の胸をワイシャツ越しに背後から揉みしだく。
「ヤダ、ダメ……」
甘ったるい吐息を繰り返しながら、切なそうに喘ぐ。
「先輩の胸、服の上からでも柔らかく感じますよ」
耳元でささやくように、輝男が言葉をかける。
「私の胸……そんなに大きくないのに……」
「胸の大きい小さいなんて、別に問題になりませんよ」
輝男はそう言葉を返しながら、神楽の胸を愛撫する。
ワイシャツを着ている状態なのでハッキリとわからないが、胸元の膨らみ具合からして、恐らくBカップ程度の大きさなのだろう。
しかし、輝男は服を脱がそうとせず、そのままの状態で神楽を貪り続ける。
神楽もまた、真下と背後からの二重の責めにあらがうかのように腰を激しく振り続ける。
すると、間も無くして、神楽の体がガタガタと震え出した。
目の前にある机の淵を両手で強くつかむと、
「ダ、ダメ……イ、イく……イっちゃう……!」
震える声で自らの限界を訴える。
神楽の哀訴を聞くと、輝男は腰の突き上げを加速させる。
「会長……か、神楽…さん……! お、俺も……そろそろ……!」
輝男もまた、自らの限界を悟り、ラストスパートをかける。
密室に上下にぶつかり合うかすかな衝突音と、
「あぁ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……!」
リズミカルだが徐々に上ずっていく喘ぎが重なって響く。
愛撫を繰り返していた輝男の左右の手が、再び、神楽の腰をつかむ。
そして、一、二回、大きく腰を突き上げると、
「あぁっ……あぁ――――――……」
神楽は輝男の腰の上で大きく跳ね上がり、のけ反りながら、絶頂の声を上げた。
間も無くして、ギュッと締まり切った神楽の中で、輝男は勢い良く果てた……
神楽は上半身を着崩した状態で、机の上にくたっと倒れ込んでいる。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
火照りきった美貌を呆けさせ、荒い吐息を繰り返す。
額ににじみ出た汗が頬を伝うが、気に留める様子は無い。
激しくも密やかなセックスで果てて、何をする気力も湧かない状態にある。
一方、神楽の背後では、輝男が神楽の体を支えながら、彼女の股から自分の腰を引き抜かせる。
神楽の制服のスカートに隠された輝男の股座が、コンドームに包まれた剛直と共に姿を現す。
わずかでも減退すること無く突っ立つ剛直から、輝男は慎重にコンドームを外す。
「うわ……こんなに一杯……」
輝男は、手にしているコンドームを見て思わず驚嘆する。
コンドームの中は、輝男自身が吐き出した欲望のしたたりが、あふれ出さんばかりに溜まっている。
神楽と同様、輝男もまた、さっきまでのセックスの余韻を引きずるかのように、熱っぽい顔をしている。
自分の手にあるコンドーム、そして、さっきまで自らが犯した生徒会長を交互に見る。
すると、
「あらまぁ……あなたたちも随分とお盛んな様子ね」
からかうかのような声が、輝男の耳に入って来た。
今の声に、輝男は血の気が引いたような形相で驚いた。
そしてすぐに、声が聞こえて来た方を振り向く。
輝男の視線を向けた先には、入り口ドアを背にして立つ、白衣を着た一人の女性がいた。
「せ、先生……!」
輝男は驚きの声を上げながら、目の前にいる白衣の女性と向き合う。