「基本的に和姦メイン(近親相姦含む)で、殺伐、ドロドロ、残酷系、鬱系…はやらない予定です。」
と記しておきましたが、今回並びに次回は、殺伐、ドロドロ、鬱要素が強めの話になるかと思われます。
その辺、ご了承の上、本話(及び次話)をご覧になって下さい。
輝男は自室で驚愕の余り、身を固くしてしまう。
勉強の手を止め、スマートフォンを手にしたまま、信じられないといったような顔を見せる。
やがて、驚愕が収まらないまま口元を動かし始める。
「ほ、本当に……“いずちゃん”……?」
信じられないと言わんばかりに、電話相手に向かってたずねようとする。
すると、
『そうだよ』
電話の向こうから即答の声が聞こえて来る。
『長いこと、ずっと会ってなかったから、信じられないのも無理は無いけど……』
海原泉(うなばら・いずみ)と思しき女性の声が続けて話しかけると、
「どうして、俺の番号を……?」
輝男は未だ驚きが収まらないまま、電話の向こうにいる泉に向かってたずねる。
電話越しにいるかつての幼なじみは、わずかの間、沈黙した後、
『共通の知り合いが、輝ちゃんの電話番号を教えてくれて……
それで、半信半疑、ダメ元で今、電話したってわけ……』
若干、覚束ない調子だが、輝男に向けて電話をかけた事情を説明する。
電話の向こうの声を聞くと、輝男の脳裏にある光景が浮かび上がる。
昨日の昼頃、映画のロケに使われた学校の校舎内で、泉梓に自身の電話番号を記したメモ用紙を手渡ししたこと――
(まさか……!?)
あの時の記憶をよみがえらせ、輝男は内心、驚愕の声を上げる。
そのまま呆然としていると、
『…ちゃん……輝ちゃん……』
電話の向こうから泉の声が呼びかける。
電話越しの呼び声に、輝男はハッと我に返る。
「どうしたの?」
『もう、“どうしたの?”……じゃないわよ』
電話の向こうからため息交じりに、呆れたような声が聞こえて来ると、
『ところで、輝ちゃん、明日、何か大事な用事とかある?』
泉が電話越しに用件をたずねて来た。
「いや、別に無いけど」
『よかったぁ……』
輝男の返答に、電話の向こうの泉が嬉しそうに声を上げる。
そして、間を置かずに輝男に話しかける。
『それなら、明日、私と会ってくれない?』
「え!? 君と!?」
電話越しの申し出に、輝男は思わず驚きの声を上げる。
『明日、大丈夫なんでしょ?』
「あ、あぁ……大丈夫だけど……」
『わがままを言うようで悪いけど……
明日、一時間でも二時間でもいいから、私と付き合って。
…でないと、私、ずっと一生、輝ちゃんと一緒にいられる機会が無いから……』
痛切に訴えてくる電話の向こうの泉に、輝男は訝しげな顔を見せる。
「明日しか会えないって……それってどういうことなんだ?」
当然ながら心に引っかかる疑問を、電話越しにたずねようとする。
すると、
『ううん、何でも無い! 輝ちゃんには関係無いことだから!』
電話の向こうかあ、半ば慌てたかのような泉の返事が返って来る。
そのまま、ずっと顔を合わせていない幼なじみと電話する輝男だが、
(どうして、このタイミングで“いずちゃん”が電話をよこしたんだ……?)
言い知れぬ疑問と不安が、心の中でいたずらに募っていく……
◇ ◇ ◇
昨日、小中と出会ったショッピングビル手前の待合所に、一人、輝男が立っている。
大時計を頂く大きく図太い鉄柱に背もたれし、スマートフォンを手にしている。
見下ろす先には、ディスプレイ内に表示されている時刻がある。
スマートフォンのディスプレイには、“am.10:00”と時刻が表示されている。
(約束の時間だが……。果たして、本当に来るのだろうか……?)
平素の表情を装う奥で、不安げにつぶやく輝男。
どうやら、誰かと待ち合わせをしているらしいが、相手の気配はまったく認められないようだ。
すると、
「天江……輝男君…ね?」
横から、慎重に呼びかける声が聞こえて来た。
輝男はすぐに横を振り向く。
輝男が振り向いた先には、自分と同い年くらいの少女が立っていた。
帽子をかぶり、長い黒髪を後ろに束ね、メガネをかけている。
その容姿は、クッキリとした目が特徴的な、歳相応に端整な美貌となっている。
薄手のジャンパーの下に淡い水色のブラウスをまとい、下にはデニムのショートパンツをはいている。
ショートパンツの下には細く引き締まった色白の両脚があり、ブラウスの下からは、大きな左右のふくらみが自己主張している。
輝男は、自分に向かってニコッとほほ笑む目の前の少女に思わず首を傾げる。
「君は……?」
要領を得ないといった面持ちで、目の前の少女にたずねる。
輝男の今の問いかけに、少女は呆れ顔でため息を付く。
「ヤダ、もう……私のことを忘れちゃうなんて……」
呆れながら言うと、少女はかけていたメガネを外した。
メガネを外した少女の顔を見るなり、輝男はハッと何かに気付いたかのように驚く。
輝男の脳裏には、一昨日、映画のロケに使われた学校で出会った泉 梓の顔が浮かび上がる。
脳裏に浮かぶ泉梓の顔と、目の前の少女の顔が、輝男の中でピッタリと合致する。
特徴的なクッキリとした目と歳相応に端整な美貌が、同一人物じゃないかと思われるくらいに酷似しているのだ。
「い、泉…あず……!」
思わず驚きの声を上げようとした輝男の口を、少女の手のひらがふさいだ。
少女は、口に直立した人差し指を当てて、静粛をうながすジェスチャーをかける。
輝男が驚きを収めたのを認めると、少女は輝男の口から手のひらを離す。
「ど、どうして、君が……?」
目の前の少女――すなわち、私服姿で変装した泉梓に向かって、輝男は半ば戸惑ったかのようにたずねる。
梓はメガネをかけ直すと、ジャンパーのポケットからスマートフォンを取り出す。
スマートフォンを操作すると、輝男の目の前にスマートフォンのディスプレイを突き付ける。
途端、輝男は驚きに言葉を失いながら、梓の手にあるスマートフォンを見る。
彼女のスマートフォンには、一枚の写真が表示されている。
満面の笑みを浮かべながら並んで立っている七、八歳くらいの幼い男女――
短く整った黒髪をし、幼いながらも端整な顔立ちをした少年――
黒いセミロングをし、クッキリとした目が特徴的な少女――
輝男のスマートフォンに収められているものと同じ画像が、何故か梓のスマートフォンにも収められている。
自分と幼なじみの少女を撮った同じ写真を突き付けられ、驚きの余り、言うべき言葉が出ずにいる。
すると、梓は柔らかな笑みを浮かべながら、口を開く。
「久しぶりね……輝ちゃん……」
懐かしさと愛おしさが入り混じった呼び声に、輝男はようやくハッと我に返る。
「まさか……“いずちゃん”……?」
戸惑いながらもたずねる輝男に、梓はすぐにうなずく。
「でも、君は泉…」
「その名前は言わないで。今は、“海原泉”として輝ちゃんに会いに来たんだから」
なおも戸惑う輝男に、泉梓こと海原 泉は、たしなめるようにして言葉を返す。
すると、泉は輝男の両手を握ると、そのまま彼を引っ張ろうとする。
「せっかく、久しぶりに会ったんだから、その辺のお店で一緒にお茶でも飲もうよ」
嬉しそうに声を弾ませながら、泉が呼びかける。
輝男は、成されるがままに泉に引っ張られていく。
それでも、自分の手を握る泉の手の柔らかな感触を、しっかりと心に焼き付かせる。
(“いずちゃん”の柔らかい手……昔と変わらない……でも……)
輝男は泉に引っ張られながらも、内心、感嘆の念と戸惑いを併せて発する。
ショッピングビル内のカフェで、輝男と泉はテーブル越しに向き合っている。
どこにでもいる高校生くらいのアベックといった雰囲気だが、実際はまったく違う。
何年も顔を合わせていなかった幼なじみ同士である上に、片や一介の男子高校生、片や今をときめくアイドル、売り出し中の若手美人女優である。
しかし、辺りにいる他の客や店の店員は、互いに顔を合わせながら飲み物を飲んでいるこの若い男女二人に、まったく気を留めない。
この状況に甘えてか否か、輝男と泉は話を弾ませる。
「まさか、あの時の君が“いずちゃん”だったなんて、思っても見なかったよ」
「私だって、輝ちゃんが映画のロケを見に来てたなんて、思っても見なかったし……」
輝男と泉はそう言葉を交わしながら、まったく同じ光景を脳裏に浮かばせる。
撮影現場に入ろうとした刹那、輝男たちに向かって、冷たく憮然とした顔を見せる泉梓――
そして、校舎内でタバコを吸っていた梓を目撃し、サインを求めようとした輝男――
泉梓こと海原泉は、一昨日の記憶をよみがえらせると、そのまま話を続ける。
「でも、あの時、輝ちゃん、電話番号を教えてくれたけど……
私が海原泉だってわかって、あのメモ用紙を渡したんでしょ?」
輝男が自分の電話番号を記したメモ用紙を手渡したことを思い出しながらたずねる泉。
すると、輝男はアイスミルクティーを飲み干し、一呼吸、間を置いた後、口を開く。
「あれは、正直、イチかバチかの賭けみたいなものだったから……
君が“いずちゃん”だという確証は、あの時、まったく無かったから……
もしかしたら、あの後、ふざけたイタズラか何かと判断されて破かれたのだと思ってたよ……」
自分勝手な推測でしでかした行為を述懐する輝男に、泉は柔らかな笑みを浮かべる。
「でも、こうして、輝ちゃんに久しぶりに出会えただけでも、私、とても嬉しいわ……」
笑みを浮かべながら言う泉に、輝男は何故か、神妙な面持ちを見せる。
小さい頃、ずっと一緒で一番仲良しだった幼なじみとの再会なのに、何故か嬉しそうな顔を見せようとしない。
「俺、正直、信じられないよ……
まさか、君がアイドル、女優になっていたなんて……」
信じられないといったような重い調子で、幼なじみに言葉をかける。
神妙な面持ちを崩さずに泉をまっすぐに見つめると、そのまま言葉を続ける。
「どうして、芸能界に入ったんだ……?」
重々しくたずねる輝男に、泉は笑みを見せつつも、若干、表情を曇らせる。
「……色々とあったから……」
半ばうつむきながら一言、漏らす泉を、輝男は黙って見つめる。
曇り気味の笑顔をうつむかせながら言葉を詰まらせる泉に、ただならぬ事情みたいなものを感付いてしまう。
しかし、輝男は何も言わず、平素の表情を装いながら泉をジッと見つめる。
泉はうつむきながら、飲みかけのホワイトソーダを飲み干す。
わずかな沈黙の後、ゆっくりと顔を上げ、輝男とまっすぐに向き合う。
「確かに最初はキツかったけど……
しばらくして歌が売れたり、お芝居の仕事も色々ともらったり……
今ではすっかり売れっ子の仲間入りを果たせたわ」
再び、柔らかな笑みを見せながら輝男に言葉をかける泉。
輝男は、今の彼女の言葉に、感情を押し殺したような顔で黙ってうなずく。
幼なじみが一生懸命頑張っているのに、何故か我が事のように共感する意思を見せようとしない。
しかし、泉は構わず話を続ける。
「今、撮ってる映画もそうだけど、今年の十月期には、注目作の連ドラでヒロインをやらせてもらうし……
他にも二本、大作映画にメインの役どころで出ることになってるから……
輝ちゃんも、私のことを応援してね」
泉は、“女優・泉梓”としての今後の活躍を説明しながら、かつての幼なじみに自分の応援を切に求める。
すると、輝男は再び神妙な面持ちを見せると、固く閉ざした口元を開く。
「悪いけど……君の活躍を応援することなんてできないよ……」
幼なじみをまっすぐに見据えながら、突き放すかのような言葉を冷淡に言い放つ。
輝男からのまさかの言葉に、泉は唖然として言葉を失う。
しかし、輝男は唖然とする泉に構わず話を続ける。
「俺、最近になって、君……いや、“泉梓”に興味を持つようになって……
それで、色々と調べたんだけど、嫌な噂ばっかり聞かされて……」
「そんな……私に嫌な噂だなんて……」
泉が戸惑いの言葉を返すと、輝男は表情を厳しくさせる。
「アイドルにせよ、女優にせよ……
子供のお使い程度の簡単な仕事をもらう時も、偉い人相手に散々、枕やおねんねをやって……
事あるごとに、事務所の社長に抱かれ、犯され……
更には、ヤクザが主催する闇パーティーに毎回、顔を出して、どこかの大企業の社長や有力政治家、果ては総理大臣ともベッドを一緒にした…とまで言われてるじゃないか……」
努めて感情を抑え、トーンを低くしながら、“泉梓”にまつわる厭うべき噂を言い連ねる輝男。
泉は、輝男の今の話に一瞬、愕然とするも、すぐに表情を厳しくさせる。
「そ、そんなの……私のことを妬んでる誰かが垂れ流したデタラメ、誹謗中傷の類よ……
輝ちゃん、まさか、そんな戯れ言、真に受けるつもり?」
「俺もできることなら、下らんデタラメだとして切り捨てたいよ。
でも、この前の君の姿を見たら、そんな変な噂を、どうしても根も葉もないものと片付けるわけにもいかなくて……」
輝男はそう言いながら、校舎の片隅でタバコを吸っていた泉梓の姿を脳裏によみがえらせる。
「まだ、十七歳なのに、喫煙禁止の場で平然と煙草を吸うまでに心が擦り切れている君を見ると……
にわかには信じがたいことが、間違いないものじゃないかと思わずにいられないんだ……」
沈痛な調子で言葉を続ける輝男に、泉は愕然としたまま言葉を失う。
表向き、批判めいた言葉をかけてはいるが、相手のことを思ってひどく心を痛めているのは容易にうかがわれる。
いわゆる“枕営業”など、輝男にとっては、唾棄すべき世の暗部でしかない。
その“枕営業”に、小さい頃、ずっと一緒で仲良しだった幼なじみがどっぷり浸かっていることに、嫌でも心痛を増していく。
それでなくとも、明るく素直だった泉が未成年で平然と喫煙を行なう姿を見せられて、優しく懐かしい思い出を踏みにじられた気持ちを隠せずにいる。
重い表情で沈黙する輝男を前に、泉は沈痛な面持ちで唇を閉ざす。
重苦しい空気に包まれる二人の若い男女に、辺りにいる他の客たちも店の店員も、まったく気に留めようとしない……
◇ ◇ ◇
輝男と泉は、街の裏通りを並んで歩いている。
カフェ内で重苦しく対峙していた時よりは、幾分、表情を落ち着かせているようだ。
それでも、二人の雰囲気は和気あいあいとは程遠い状態にある。
努めて平素の表情を装う輝男の横で、泉は憂いを帯びたかのように表情を曇らせている。
疎らに辺りを通り行く何人かは、輝男と泉に目を止めようとしない。
今、輝男の手をギュッと握る少女が、あの人気アイドル女優・泉梓だとはまったく気付いていない。
「ねぇ、輝ちゃん……」
泉は輝男の手を強く握りながら、横から小声で呼びかける。
輝男が振り返ると、
「私のわがまま、聞いてくれないかな……」
半ば不安げに見つめながら、泉が言葉を続ける。
「一体、何だ?」
輝男がたずねると、泉は恥ずかしそうに頬を赤らめる。
「せっかく、久しぶりに会ったんだから……
その……記念に……エッチしてくれない……?」
恥じらうようなか細い声で用件を告げる泉。
途端、輝男は、唖然として言葉を失う。
相手が突拍子もないことを言ったかのように、二の句が継げぬ様子である。
しかし、泉は構わず話を続ける。
「今、この機会を逃せば、輝ちゃんと一緒になれる機会は永遠に来ないような気がして……
だから、一生、忘れられない思い出として……私とエッチして……」
自ずとすがり付くかのような面持ちを見せ、乞うようなまなざしを震わせる。
輝男は、泉の今の言葉にハッと我に返る。
「いずちゃん……君、本気で言ってるのか……?
俺とエッチしたいだなんて……!」
厳しい表情を見せながらも、困惑の念をぶつけようとする輝男。
「冗談でこんなこと、言うはずないじゃない……!」
泉は痛切な調子で言葉を返すと、
「……嫌なの……? 私とエッチするのが嫌なの……?」
半ば、悲哀を帯びた調子で輝男にそうたずねる。
泉の今の問いかけに、輝男は厳しい表情を見せたまま、唇を固く閉ざす。
「幼なじみとはエッチできないの……?」
確かめるかのようにたずねる泉に、輝男は固く沈黙する。
「それとも……愛してもいなければ好きでも何でもない……
むしろ、嫌になるほど汚らわしいオジサンや爺さん連中に散々、汚された私なんて、抱きたくないわけ?」
悲痛な調子で続けてたずねる泉に、輝男は厳しい表情と沈黙を固守する。
またも重苦しい空気が覆う中、輝男と泉はまっすぐに向き合う。
人気アイドル女優としての栄光のオーラに包まれながらも、実際には、見るに堪えない程、みにくく変わり果てた幼なじみに、輝男はどう言葉をかけていいかわからないといった様子である。
すると、
「……ったく、やっと見つけたぜ」
横から、半ば苛立ったような男の声が聞こえて来た。
輝男と泉が振り向くと、自分たちを挟むようにして、四人の男たちが立っている。
泉のすぐ横には、髪を金色に染めたチャラそうな風貌の若い男と丸刈り、髭面の男がいて、泉を冷やかににらむ。
一方、輝男の横には、大柄な坊主頭の男と肥満体の醜男が、汚物でも見るような目付きで輝男をにらみ付ける。
「勝手に外出してもらうと、俺たちが大目玉を食らっちまうんだぜ」
「どうして、大人しくしてくれないのかなぁ――泉ちゃ――ん」
金髪の男と髭面の男が、淡々としつつも威圧的な口調で泉に声をかける。
「お前ら、一体…」
泉に絡もうとする男たちに、輝男はすぐさま食って掛かろうとする。
しかし、すぐに坊主頭の男に後ろから抑え付けられ、肥満体の男に手のひらで口をふさがれる。
「ギャーギャーわめくと、命は無いぜ。
もっと、お前みたいな、どの馬の骨かわからねぇクソガキなんか、いくら殺されたって問題無いもんな」
肥満体の男は、輝男の真ん前に先端の鋭いナイフを突き付ける。
あからさまにさげすむような冷やかなまなざしに、輝男は半端無い威圧を痛感する。
その気になれば、本気で殺しかねない。
自分を抑え付け、刃物を突き付ける男たちを見て、輝男は否応無しに思い知らされる。
その間にも、金髪の男と丸刈りの男は、泉を抑え付け、すぐ傍にある路地裏に引きずり込む。
「い、嫌だ! ちょっとやめてよ!」
恐怖を察し、声を荒げる泉。
すると、金髪の男は強く平手打ちを食らわせ、ジーンズから取り出したハンカチを丸め、泉の口をふさぐ。
口をふさがれ、丸刈りの男に後ろから抑え付けられ、泉は逃げようにも逃げられない状態にある。
「んん―――! んん―――!」
口をふさがれながらも悲鳴を上げる泉。
すると、金髪の男は泉のジャンパーを脱がし、その下にあるブラウスを一気に引き裂く。
ボタンが数個、弾け、無理矢理にはだけられたブラウスの下から、大きな左右のふくらみを覆う白のブラジャーが姿を現す。
「勝手に逃げたお仕置きだ……たっぷり可愛がってやるぜ……」
金髪の男はにやけ顔で言うと、無理矢理にブラジャーをずり上げ、色白で形良いDカップバストをさらけ出させた。
「んん―――! んん―――!」
裸の胸を無理矢理、あらわにされて、泉は口をふさがれたまま悲鳴を上げる。
明らかに嫌悪と拒絶の念を示す泉に構わず、男は色白の美巨乳を揉みしだく。
「へへっ、能無しで腐り果てたジジイどもに散々揉まれ、汚されたくせに、すげぇモチモチした肌触りでいやがる」
金髪の男は、下卑た笑みを浮かべながら泉の裸の胸を揉み続ける。
その傍では、肥満体の男に体を抑え付けられた輝男が必死にもがいている。
「やめろ……! 泉をイジメるな!」
憤怒に表情を険しくさせ、幼なじみを犯す卑劣漢どもに向けて怒りの声を上げる。
すると、真正面から力強い蹴りが輝男の腹に当たった。
突然の強烈な一蹴りに、輝男は身を抑えられたままのたうつ。
そこへ、間を置かずに、固く握り締められた拳が、輝男の頬を強打する。
輝男の目の前に立つ坊主頭の男は、身を抑えられたままの輝男を何度も殴り続ける。
男の強打に、輝男の頬はすぐに赤々と痛ましい色彩を帯びる。
更に、坊主頭の握り拳は、アッパーカットのように輝男の腹を強打する。
一方的、かつ、絶え間ない殴打を受け、地面にうつ伏せに倒される輝男。
そこへ、大柄の坊主男が輝男の背中と頭を強く踏みつける。
「あぁっ……!」
真上から重量物の直撃でも受けたかのように、苦痛に声を詰まらせる輝男。
坊主頭の男は、自らの体重をかけて輝男を真上から抑え付けると、片方の土足で輝男の頭を力一杯に踏みにじる。
一方、髭面の男に後ろから身を抑えられていた泉は、金髪の男に胸を揉まれ、先端を舐められていた。
「んん―――んん―――」
イヤイヤと首を横に振りながら、苦悶と悲痛のうめき声を上げる泉。
そんな泉を、一つのカメラのレンズが見つめる。
さっきまで輝男を抑え付け、威嚇していた肥満体の男が、片手に小型のデジタルビデオカメラを持って、一方的に暴行される泉の姿を撮っていた。
「これがネットに流されれば、すぐにアウトだぜ、泉ちゃ―――ん」
肥満体の男は、カメラを手にしながら、からかうようにして泉に言葉をかける。
髪を束ね、メガネをかけてはいるが、彼女が“泉梓”であることを男たちはとっくに承知している。
「あぁ、たまんねぇぜ。このモチモチとした瑞々しくおっきいオッパイ」
揉みしだき、貪りながら、金髪の男は歓喜の声を吠える。
「おい、次は俺の番だからな」
泉を抑え付けている髭面の男が言うと、
「これ、もし、売りに出したら、百万は軽くいくぜ」
泉の悲惨な暴行を撮っている肥満体の男は、嬉々とした声で応じる。
一方的で卑劣な暴行が続く中、輝男は、真上からその身を散々に踏みにじられ、身動きが取れない状態にある。
(い、泉……!)
これまで味わったことの無い凄まじい苦痛が神経を侵す中、暴行のただ中にある泉を思い、内心、悲痛の叫びを上げる。
すると、金髪の男は泉の胸から左右の手を放した。
そして、すぐに自分のズボンを脱いでいく。
泉は、目の前に突き付けられた光景に驚愕し、顔を青ざめる。
泉の目の前には、裸の股と固く突っ立つ一物をさらす金髪の男の姿がある。
「さぁ、本番と行こうか、“いずみん”」
金髪の男は、嬉しそうに言いながら、泉のショートパンツに手をかける。
泉を自分と同じようにしようとしているのは明白だ。
「んん―――! んん―――!」
最悪の事態を前に、泉は口をふさがれたまま、思いっきり首を横に振り、悲痛なうめき声を上げる。
しかし、ショートパンツを脱がそうとする男の手は止まらない。
すると、
「おい、お前ら、何、していやがる!!」
金髪の男の耳に、後ろから怒号が聞こえて来た。
男が振り向いた刹那、固く握り締められた拳が男の頬を力一杯に殴打した。
突然の強烈な殴打に、金髪の男はたまらずその場に転倒する。
「な、何だ、てめぇ!!」
仲間を襲った殴打に、輝男を真上から抑え付けていた坊主頭の男が怒号を上げる。
すると、間髪入れぬ強烈な連打が、坊主頭の男の腹と頬を直撃した。
まさかの乱入と攻撃に、泉を辱めていた男たちは、その動きを止めてしまう。
彼らがにらむ先には、怒りに満ち満ちた鬼の形相で拳を固く握り締める大富 豪と彼の仲間である三人の男たちがいた。