明朝学園高校・三年A組の教室内に賑わいの声が響く。
教室内のあちこちでは、机を合わせながら弁当を食べている生徒たちの姿が見られる。
教室内の時計は、十二時五十五分を指している。
昼休みに入った教室内で、桜月と葵は、他の女子二人と一緒に机を合わせて昼食の弁当を食べている。
「ちょっと気になることがあるんだけど……
この前の体育祭の時、よその学校の娘と思しき女の子たちが来てたじゃない」
女子生徒の一人が、弁当を食べながら話を切り出す。
「その娘たち、うちの男子たちが綱引きをしてた時、ずっと天江君に声援を送ってたでしょ?」
女子生徒は、体育祭の時、綱引きの決勝で懸命に綱を引く輝男に絶えず声援を送っていた瑠奈や小春たちのことを思い返し、話を続ける。
クラスメートの今の話に、桜月と葵は無関心を装いながら弁当を食べ、軽く聞き流そうとする。
彼女が小春たちのことを言っているのは明白だが、努めて反応を見せまいとする。
すると、
「もしかして、あの娘たちって、天江君の“コレ”じゃないかしら?」
女子生徒は桜月たちに向かって身を乗り出すと、怪しむような面持ちで左手の小指を上げた。
彼女の今の言葉に、桜月と葵が呆れながら言葉を失っていると、
「え――? まさかぁ―――」
別の女子生徒が半信半疑と言った様子で言葉を返す。
「だって、天江君って、顔もいいし、勉強もできるし、運動神経だっていい方なのに、浮いた話が一つも無いじゃない。
特に女の子関係では」
「そうだよね。天江君ほどの男の子だったら、カノジョの一人や二人、いてもおかしくないもの」
「ここじゃあ遠慮してるけど、よその学校の娘だったら、何人もカノジョ作ってたりして」
「ヤダ、もう。
いくらよその学校の娘が相手だからって、天江君が二股、三股なんてやらかすはずが無いじゃない」
興味半分、面白半分と言った様子で、女子生徒二人は輝男のことを嬉々として話し合う。
クラスメート女子二人の会話を間近に見て、桜月は呆れ顔でため息を付く。
すると、
「ねぇ、黒山さんはどう思う?」
女子生徒の一人が、葵の方を向きながらたずねる。
クラスメート女子からの今の問いかけに、葵は鋭く厳しい形相を見せる。
「あなたたち、他人の交際関係にとやかく言える筋合いなの?
進路等で自分自身のことに手いっぱいのはずなのに、他人のことを気にかける余裕があるとでも言うの?」
女子生徒二人を鋭く見据えながら、感情を抑えた口調でとがめようとする。
「天江君が変な事件やトラブルを引き起こしたというのなら、話は別だけど……
何も問題を起こしていない以上は、彼の交友関係云々など放っておきなさい」
冷たく突き放すかのような葵の言葉に、女子生徒二人は萎縮したような態度を見せる。
傍では、桜月が、まるで無関係であるかのように一人、黙々と弁当を食べている。
一拍置いた後、クラスメート女子二人の方を向きながら口を開く。
「黒山さんの言う通りよ。
余計な詮索なんて、天江君本人は元より、あなたたちにとっても何の意味も無いんだから」
穏やかな口調ではあるが、やはり、輝男の疑惑についてささやき合うクラスメートをしっかりととがめようとする。
女子生徒二人が何も言い返せないのを見ると、桜月は昼食を再開し、そのまま弁当を食べ終えようとする。
◇ ◇ ◇
ひと気の無い静まり返った教室に、輝男と桜月が二人きりでいる。
教室内の時計は、四時数分前を指している。
既に放課後に入っており、辺りには人の気配はほとんど無い。
自席に腰を下ろし、缶ジュースを飲む桜月の横で、輝男は空いた机の上に腰を下ろす。
「昼休みにお弁当、食べてた時、色々と話をしたけど……
千堂さん、最上さんや小春ちゃんのこと、勘付いちゃったみたい」
昼休み、輝男を話題に上げたことを思い返しながら、桜月が心配そうに言う。
「あぁ、そう……」
輝男は素っ気無く返事をすると、飲みかけの缶ジュースを飲み干そうとする。
桜月は輝男の態度を見ると、ムッと表情を曇らせる。
「あぁ、そう…って、そんな呑気でいていいの?
あなたが何人もの女の子と付き合ってるのがバレたら、間違い無く大事(おおごと)になるのに」
自分も含めて、複数の少女と関係を持っている輝男に対して、不安と心配を募らせる桜月。
不安を隠せない桜月を前に、輝男は落ち着いた表情を見せる。
「もし、仮にバレそうになっても、俺の方で上手く処理するから。
間違えても、君が迷惑を被るようなことは、絶対にさせないから」
「大丈夫なの?」
「確かに、普通ではあり得ないことかもしれないけど……
別にとんでもなく悪いことをしているわけじゃないし」
落ち着いた表情とわずかでも揺るがない口調で、輝男は桜月の不安を払い除けようとする。
今の輝男の言葉に納得でもしたのか、桜月は曇っていた表情を和らげる。
静寂の中、桜月は飲みかけの缶ジュースを飲み干す。
一拍置いた後、輝男は、桜月の方を向きながら口を開く。
「ところで、日向、受験勉強の方はどうしてる?」
「うん、今のところは問題無いわ」
輝男と桜月が平素の表情で言葉を交わすと、
「俺、一応、東大を第一志望として勉強してるけど、君は?」
輝男は顔色一つ変えず、受験生として肝心の問いを桜月にかける。
桜月は輝男とまっすぐ向き合いながら、すぐに口を開く。
「関東国大を目指しているけど、万一の場合に備えて、JOSも志望先に考えてるの」
「JOSって、駅前にある事務系の専門学校じゃないか。
関東国大とJOSって、随分、開きがあるように見えるけど」
「私、学校を出たら企業の事務職か市役所の職員になろうと思って」
「随分、堅実なんだな。もっと大きい夢や目標を持ってもいいのに」
「うん、それもいいけど、結局はかなわずじまいに終わるのが目に見えてるから。
どうせ社会人になるなら、手堅い仕事をした方がいいかな…って。
だから、大学を目指すのも、大学自体より、将来、希望する仕事に確実に就けることを優先的に考えて選ぼうと思って。
天江君もそうなんでしょ?」
「あ、うん、まぁね……」
現実と自分自身を見極めるかのように今後のことを語る桜月に、輝男はただ感嘆とするばかりである。
輝男も将来のことはある程度、考えてはいるだろうが、明白な目標を言える桜月に比べると、若干、出遅れてる感は否めない。
やがて、輝男は腰かけていた机上から降り立ち、桜月と向き合う。
「じゃあ、また明日」
そう言うと、桜月に背を向け、教室を出ようとする。
しかし、次の瞬間、背後から伸ばされた片手が、輝男の手首をギュッと握り締めた。
明らかに、自分の動きをさえぎるかのような今の動作に、輝男は後ろを振り返る。
振り返った先には、すがり付くかのような面持ちで輝男をまっすぐ見つめる桜月の姿がある。
さっきまでの平素の表情から一転して、何かを乞うような形相とまなざしで輝男をとらえたまま離さない。
輝男は桜月の異変を認め、戸惑いの表情を見せる。
「どうしたんだ? 日向」
戸惑い、心配するかのように輝男がたずねると、
「……お願い……輝男君、私と付き合って……」
桜月は、乞うようなまなざしと声を震わせながら、輝男にそう懇願する。
桜月の今の懇願に、輝男は一瞬、唖然とした後、口を動かす。
「付き合ってくれって……俺、この後、予備校が…」
「わかってる……。でも、今日だけは私のわがままを聞いて……」
必死にすがり付かんとする桜月の声が、輝男の戸惑いを中途でさえぎる。
懇願を重ねる桜月に、輝男は言葉を失いながら、桜月をまっすぐに見る。
輝男をジッと見つめる桜月の表情は、いつに無く弱々しくて、ちょっとでも触れたら壊れてしまいそうなはかなさを漂わせて止まない。
(桜月、もしかしたら、受験勉強のストレスやプレッシャーで心が折れかけているのか?
俺や皆の前では、いつもと変わらず振る舞っているけど……やっぱり……)
輝男は桜月をまっすぐ見つめたまま、心の中で彼女の今の心境を見抜こうとする。
自らも受験勉強のストレスやプレッシャーで幾度も心が折れかけただけに、突然にすがり付かんとする桜月を見て、かつての自分と同じ苦しみにさいなまれているのではないかと痛感せずにいられない。
ふと、手首の方を見ると、ギュッと握り締める桜月の手がわなわなと震えているのが認められる。
(冗談抜きで半端無いな……
これじゃあ、すぐにでもストレスやプレッシャーで押し潰されそうだ……)
自分の手首をつかむ桜月の手の震えを見て、輝男は内心、確信めいたつぶやきを発する。
顔を上げ、改めて桜月と向き合うと、
「わかったよ。今日はタップリ付き合ってあげるから」
落ち着き払った表情で、桜月に応諾の返事をする。
輝男からの応諾を聞くと、桜月はようやく表情を和ませる。
「輝男君、ありがとう」
半ば申し訳無さそうな笑みを浮かべながらも、感謝の言葉をかける。
◇ ◇ ◇
学校を出た輝男と桜月は、そのまま中心街に繰り出した。
ゲームセンターで一緒にゲームに興じ、プリクラを撮った後、一時間ほど、カラオケボックスで歌を歌った。
日頃のストレスを発散するかのように、輝男も桜月も喉が枯れるまで何曲も熱唱していく。
中心街の通りを、輝男と桜月が並んで歩く。
既に空は暗くなり、時刻も夜に差し掛かっている。
「もう、すっかり暗くなったな」
「うん」
星々が遠くきらめく夜空を見上げながら、輝男と桜月がつぶやく。
「そろそろ帰ろう。家の人も心配するから」
輝男がそう言うと、桜月は輝男の制服のブレザーの裾をギュッとつかんで、その場に足を踏み締める。
「お願い……もうちょっと付き合って……」
すぐに振り返った輝男に向かって、やや恥ずかしそうに言葉をかける桜月。
輝男は、桜月の乞うようなまなざしとほんのりと赤らむ頬をすぐに認める。
「ど、どうしたんだよ……?」
戸惑いながら輝男がたずねると、
「ゲームセンターもカラオケもとても楽しかったけど、どうしても気分がスッキリできないの……
もっと……思い切ったことでもしないと……心のモヤモヤが無くならなくて……」
桜月は恥じらいの念を増しながら、曖昧な言葉で輝男にすがり付く。
桜月の今の言葉に、一瞬、首を傾げる輝男だったが、すぐにハッと何かに気付いたかのような顔を見せる。
そして、桜月と向き合いながら、顔を赤らめる。
「ま、まさか……!?」
何かを察した輝男が、恥じらいに顔を赤らめながら言葉を失うと、
「輝男君……シよ…」
桜月は顔を真っ赤にしながら一言、言葉をかける。
辺りには、行き交う者が無数にいるが、誰一人として、ただならぬやり取りをする二人の高校生男女のことを気にかけようとしない。
◇ ◇ ◇
中心街にあるショッピングビル一階奥の男子トイレ。
その男子トイレ奥の個室に、輝男と桜月は向き合っている。
二人は互いに向き合ったまままぶたを閉じ、ゆっくりと唇を重ねる。
キスを交わしたかと思うと、半開きになった唇の隙間から、輝男が舌を差し込ませる。
うねりながら絡み付く輝男の舌に、桜月も舌を動かす。
「ん……んぅ……んん……」
絡み合う舌の隙間から、唾液の跳ねる音に混じってかすかなうめき声が聞こえる。
ディープキスに耽りながら、桜月は輝男にギュッと抱き付く。
制服越しに密着する二つの体は、人肌の温もりと生温かくかすかな息吹を混じり合わせる。
輝男は、ブレザーの襟元に片手を入り込ませ、白のワイシャツの上から桜月の胸を揉み始める。
ワイシャツの質感とその下にある柔らかな肉感が、輝男の手のひらに染み込む。
「んっ、んぅっ……」
輝男の愛撫に感じたのか、桜月は舌を絡ませ続けながら、驚いたかのようにうめく。
やがて、輝男と桜月はディープキスをやめた。
輝男の目の前には、火照ったかのように顔を赤らめ、こちらをまっすぐ見つめる桜月の美貌が見える。
間も無くして、乾いた布ずれ音と共に、桜月のブレザーが床の上に落ちる。
輝男の手が、桜月のスクールネクタイを緩め、ワイシャツのボタンを外す。
ボタンをすべて外され、はだけられたワイシャツの下から、形良いCカップバストを覆うミントブルーのブラジャーが姿を現す。
輝男はブラジャー越しに桜月の胸を愛撫する。
優しく、ジックリと揉みしだく輝男の動きに、
「あぁっ、ヤダッ……」
桜月は声を殺して、恥じらいの念を上げる。
二、三回、下着越しの愛撫をした後、輝男の手が桜月のブラジャーのカップをずり上げる。
ブラジャーの下から、色白の美乳がプルンと弾み出る。
輝男はすかさず、裸の胸を左右の手でつかみ、円を描くようにして愛撫する。
「うっ、うぅっ……」
桜月は輝男の愛撫に身を震わせ、声を殺して甘受する。
場所が場所ゆえ、声を上げて喘ぐのを必死にこらえようとする。
本来であれば、ラブホテルにでも行って事に及ぶところだ。
しかし、ゲームセンター、カラオケでお金を使い、ラブホテルにまで足を運ぶお金の余裕は、今の輝男と桜月にはない。
それでなくとも、制服を着たままである上に、衝動的にデートに及んでしまい、ラブホテルで事に及ぶことまでは、二人とも計算には入れてなかったのだ。
しかし、輝男も桜月も、今の状況を決して嫌がることはない。
誰かが足を踏み入れ、近付くかもしれないショッピングビル内の男子トイレ。
危険と背中合わせの状況下、密閉された小空間の中の行為に、逆に二人のボルテージは上がっているように見える。
「あっ、あぁ……ハァッ……」
声を殺すような切ない喘ぎに艶が混じっていく。
円を描き、あるいはパン生地でもこねるように愛撫しながら、胸先の小さな蕾を貪る輝男。
舌で蕾の輪郭をなぞったかと思うと、もう片方の蕾を指でこねくり回す。
胸元から襲って来る二重の刺激に、桜月は顔を紅潮させながら、イヤイヤと首を横に振る。
桜月のかすかな喘ぎを聞き入りながら、輝男は彼女の胸元を貪り続ける。
輝男の指と舌は、桜月の左右の蕾が固く突っ立っているのを直に感じ取る。
やがて輝男は、桜月の胸元から顔を離した。
改めて桜月と向き合うと、桜月の美貌が恍惚に赤らみ、さらけ出された裸の胸が若干、熱っぽくなっているのが認められる。
桜月は輝男と目を合わせながら向き合うと、彼の腕にギュッとしがみ付いた。
間も無くして、輝男の身から乾いた布ずれ音が聞こえる。
輝男の制服のブレザーは、桜月の手で力無く脱がされる。
「輝男君……私にもサせて……」
乞うようなまなざしを震わせながら、艶を帯びた声で桜月が懇願する。
トイレ個室の扉裏のフックに、二人分のブレザーが引っかけられている。
すぐ傍にあるふたの閉められた洋式便座の上に、輝男が腰を下ろしている。
輝男のすぐ目の前には、ひざまずくように身を屈める桜月の姿がある。
桜月は、輝男のスラックスから引き出した肉の棒をつかみ、その先端にチュッとキスをする。
口を開け、肉の棒をくわえ込むと、ゆっくりと口を前後に動かす。
「んっ、んぅっ、んうぅ……」
陰茎でふさがれた桜月の口元から、かすかなうめき声が漏れる。
優しく撫でるようにこすり付ける口腔の感触が、陰茎を通して、輝男の神経に心地良い刺激として伝わる。
スローペースなフェラチオを、輝男はため息を付きながら甘受する。
やがて、桜月の口の動きは徐々にペースアップする。
速まる口の動きに合わせて、唾液の跳ねるような音が桜月の口元から漏れる。
「んっ、ん、んぅ、んんっ……」
唾液の跳ねるような音に混じって、桜月の艶やかなうめき声が、輝男の耳に重なって聞こえる。
ウットリとした面持ちで自分自身をくわえ、貪り、みだらな声を漏らすクラスメート美少女に、輝男は否応なく気分を昂らせる。
(桜月、いつにもまして上手い……)
絶えず陰茎をしゃぶり、刺激を加え続ける桜月に、輝男は内心、感嘆する。
口を前後に動かすだけのシンプルなものだが、貪るようにしゃぶり、生温かい刺激をもたらすだけでも、輝男にとっては十分だ。
そんな彼の心境を反映してか、桜月の口内にある輝男自身は固さ、大きさを増していく。
「んっ、んんっ、んぐっ……」
桜月のうめき声が若干、息詰まって来る。
固く膨張する輝男自身に、息苦しさを感じているようだ。
やがて桜月は、輝男自身を口から離した。
桜月の目の前には、唾液にまみれながら固く突っ立つ剛直がある。
ペロッと舌を出すと、筋をなぞるようにして剛直の表面を舐め回す。
上から下、下から上、360度隅々まで……
一通り、舐め終えた後、再び、剛直の先端にチュッとキスをする。
「ヤダ、もう、輝男君ったらこんなになって……」
クスッと笑みをこぼしながら、からかうように言葉をかける桜月。
「何、言ってんだよ。君のせいじゃないか」
輝男が呆れ顔で言葉を返すと、桜月のキスが輝男の唇をふさいだ。
さっきまで愛する男のモノを貪った唇の柔らかな感触が、輝男の唇に伝わる。
一瞬のキスの後、桜月はすがり付くかのような面持ちと乞うようなまなざしで輝男と向き合う。
「いいよ、輝男君……来て……」
ときめくように顔を赤らめ、乞うようなまなざしを震わせながら、桜月が輝男にささやきかける。
桜月の今の言葉に、輝男は無言で桜月をまっすぐ見つめる。
男子トイレ奥の個室の扉は、依然として固く閉ざされている。
扉の内側では、建物側の壁に、桜月が左右の手のひらを押し当てている。
ワイシャツをはだけられ、裸の胸をさらされた上に、右の足首には、ブラジャーとお揃いのショーツが引っかかっている。
桜月の背後には、素裸の下半身をさらした輝男が仁王立ちしている。
傍にある便座のふたの上には、スラックスとトランクスが脱ぎ捨てられている。
裸の股から突っ立つ剛直は、厚めのコンドームに包まれながら、背を向け続けている獲物をとらえている。
輝男は背後から桜月のスカートをめくり、色白の美尻をさらす。
無言のまま美尻を左右からつかみ、真ん中に剛直の先端をあてがう。
「行くぞ……」
「うん……」
桜月と一言、二言言葉を交わすと、一気に腰を突き進ませた。
「あっ、あぁっ……!」
遠慮無しの猛進に、桜月はたまらずのけ反り、かすれるような喘ぎを上げる。
桜月を相手にする性交としてはかなり荒っぽい動きを見せる輝男。
彼自身は、桜月の中の四方の肉壁を突き破り、彼女の中、最奥に突き当たる。
最深部目がけた輝男のまさかの猛進に、桜月は我が身を支える手足を震わせる。
「ヤダ……お、奥……当たってる……」
消え入るような声を震わせ、自らの具合を告げる桜月。
桜月の今の言葉を聞くと、輝男は何も言い返さず、腰を前後に動かし始める。
輝男の裸の腰と桜月の美尻が、正面からぶち当たり、乾いた衝突音を鳴らす。
「あっ、あっ、ハァ、あっ、ハァッ、あんっ……」
桜月の口から漏れるかすかな喘ぎが艶を増していく。
誰かが近付くかもしれないトイレの個室という危険な場所でのセックスに、桜月は努めて声を押し殺そうとする。
しかし、背後から激しく律動を仕掛ける輝男のせいで、完全に声を殺し、息を潜めることなどできない。
それでも、危険と背中合わせの状況下での淫交は、桜月を否応なく昂ぶらせる。
「うぅっ、んっ、んぅ、んくぅっ……」
かすかにうめきながら、背後からの律動に押されてその身を前後に揺らす。
揺れる桜月の体に合わせて、胸元から盛り上がる美乳が絶えず震える。
桜月が背後からのみだらな責め苦を甘受する一方で、背後から犯し続ける輝男は、
(始まってそんなに経ってないのに、桜月の中、かなりキツくなってる……!)
締め付けを増すヴァギナの動きに内心、感嘆する。
激しい前後運動に反応して収縮を強めるヴァギナに対して、輝男はヴァギナを突き破らんばかりに律動をペースアップさせる。
肉と肉の衝突音がトーンアップし、桜月は何度もビクンと体を大きくのけ反らす。
「イヤ、ヤダ……! そんなにしたら……お腹……壊れちゃう……」
努めてボリュームを抑えながらも、苦痛の念を痛切に訴える桜月。
ヴァギナと剛直の摩擦は、桜月に少なからぬ苦痛と刺激をもたらしている。
桜月の今の哀訴に対して、輝男は絶えず腰をぶつけることで応じる。
容赦ない責め苦に対する詫びの代わりに、荒い息遣いだけが桜月の耳に流れ込む。
依然として、輝男自身は桜月の中で暴れ続けている。
桜月の中は、輝男自身を拒み、あるいは絡め取るかのようにギュッと収縮を強めていく。
加えて、四方の肉壁の表面に熱とぬめりが染み出て来る。
剛直が行き来する秘裂の隙間からは、濃厚な蜜のようなものがこぼれ出て来る。
(輝男君ったら、今日はいつになく激しいんだから……
でも、とても痛くて苦しいけど……すごく気持ちいい……
頭の中が真っ白になりそうで……つらいこと、嫌なこと、皆、忘れちゃいそう……)
背後から激しく責められながらも、苦痛と歓喜が混ざり合った複雑な思いを心の中で叫ぶ桜月。
ヴァギナと剛直の摩擦がもたらす効果は、みだらな刺激が容赦無い苦痛をはるかにしのいできている。
秘裂の隙間からこぼれる蜜のせいで、肉と肉の衝突音に水音が加わる。
やがて、
「お…お願い……輝男君……もっと…もっとぉ……」
か細い声に艶を加えながら、桜月が輝男に更なる愛欲を求める……
輝男は、固く閉ざされた洋式便座のふたの上に腰を下ろしている。
素裸の腰の上に、桜月が背もたれしながら腰を下ろす。
背後から伸ばされた輝男の左右の手が、桜月の美乳をつかみ、揉みしだく。
そして、輝男の腰は、真下から桜月目がけて突き上げを繰り返す。
「あっ、あぁっ、あんっ……」
輝男の突き上げに、桜月はその身を押されながらのけ反り、喘ぐ。
輝男と桜月の間には、依然として剛直が秘裂に突き刺さっている。
輝男は、桜月の中で自分自身を上下運動させながら、左右の手で彼女の美乳を何度も揉みしだく。
柔らかく、熱を帯びた左右のふくらみの肉感と、熱とぬめりを増しながら肉圧を強める中の肉感が、輝男に二重の刺激をもたらして止まない。
荒く息を弾ませながら、真下からの突き上げをペースアップさせる。
「あぁ……うっ、んぅっ……ハァ…んっ、あぁっ……」
声を殺しながら切なく喘ぐ桜月だが、肉と肉の衝突音によって敢え無くかき消されてしまう。
(桜月……熱く…締まって……俺に食らい付いて離さない……)
輝男は、限界まで締め付けを強めようとするヴァギナの感触を認めると同時に、自分自身の周囲が熱っぽくなっていくのも感じ取る。
剛直がコンドームに包まれているのを忘れて、絡み付く熱とぬめりに煽られて、激しく突き上げを繰り返す。
桜月は、貪欲に攻め続ける輝男の動きに、大事なところを荒らされ、裸の胸を揉まれるがままとなっている。
いいようにされているのを甘受しているが、不満をあらわにするどころか、恍惚の度合いを増していく。
「て、輝男君……すごい……激しい……」
言葉少ないながらも、歓喜の念を伝えようとする桜月。
愛撫を受け続ける美乳は、熱っぽく薄赤色に染まり、汗がにじみ出ている。
安心とは程遠い場所で愛する男に抱かれているというシチュエーションに、桜月は否応なく熱気を昂らせている。
そんな彼女を犯す輝男もまた、何度抱いても飽くことのない美少女の体に熱気を昂らせている。
(桜月の体、柔らかくて、温かくて、スベスベして……手放すのが惜しいくらいだ……)
桜月の美乳を揉みしだき、剛直による上下運動を繰り返しながら、内心、感嘆の念を上げる。
すると、剛直と背後からの手で抑えられた桜月の体がビクンとのけ反り、身を震わせて来た。
「ヤ、ヤダ……イく……イっちゃう……」
身を震わせながら、自らの限界を痛切に訴える桜月。
既に桜月の中は、熱とぬめりに覆われながらも、限界まで強く締め付けていく。
桜月の今の哀訴と中の肉圧に、輝男は激しく小刻みな突き上げで応じる。
「あぁ、あっ、ハァッ、あっ、ハァ、あぁ……」
ラストスパートをかけるかのような容赦無い突き上げに、桜月はかすれるような喘ぎを繰り返し、身を上下に揺さぶられる。
剛直を突き進ませ、背後から愛撫を繰り返しながらも、輝男の中は淫欲がマグマのように煮えたぎっていく。
場所が場所ゆえ、桜月と直に言葉を交わしたりしないが、輝男もまた、自らの限界が近付いていることを痛感している。
しかし、そのことをおくびにも出さず、歯を食いしばり、荒く息を弾ませながら、絶えず突き上げを繰り返す。
「ヤダ、また奥に当たって……
このままじゃ……ホントにお腹……壊れちゃう……。おかしく…なっちゃう……」
桜月は、輝男自身が自分の中、最奥に突き当たったのを痛感すると、募る異様な感覚にたまらず困惑する。
絶え間無い激しい性交がもたらす刺激は、一切の感覚や理性を麻痺しかけているかのようだ。
「も、もっと……もっと、強く…激しく……」
困惑の念を訴えてすぐに、更なる淫欲を求める桜月。
頭の中が混乱しているかもしれないし、強まる一方の愛欲が、桜月に今の言葉を言わせたのかもしれない。
しかし、輝男は桜月の今の訴えに関係なく、激しく小刻みな突き上げを繰り返し、背後からの愛撫を延々と続ける。
やがて、
「ダ、ダメ……ホントに…イっちゃう……」
桜月は泣くように声を震わせながら、自らの限界を改めて訴える。
すると輝男は、桜月目がけて、真下から激しい一突きを食らわせた。
間も無くして、桜月は輝男の上で喉を突き出すようにしてのけ反りながら、
「あっ、あぁ―――……」
力尽きるかのような調子で、絶頂の声を上げた。
桜月の果てる声を聞くと、輝男もまた、桜月の中で勢いよく果てた……
◇ ◇ ◇
ショッピングビルを背にしながら、輝男と桜月は並んで歩く。
既に制服に着替え直していると、人目に付かないよう、こっそりと手を握り合っている。
どこにでもいる高校生アベックといった雰囲気を醸し出しているが、ついさっきまで、トイレの個室でひそやかだが激しいセックスに興じていたことなど、微塵も感じさせない。
「ねぇ、輝男君……」
「何だい?」
「もしかしたら、今日のようなこと、あと二、三回、お願いするかもしれないから」
「俺は別に構わないけど、余り度が過ぎると、肝心の受験の方がおろそかになってしまうぞ」
「わかってるわ」
そう言葉を交わすと、桜月はクスッと笑みをこぼした。
輝男は、笑みをこぼす桜月を見ると、つられて笑みをこぼす。
受験にまつわるストレスやプレッシャー、心のモヤモヤが取り払われたのを見て、心を和らげる。
つかの間の愛欲のひと時を終えた二人を、快晴の夜空がいつまでも見つめ続けていた。