※この作品はR-18です。

天江輝男の日常   作:原野イアン

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千早・哀しみを超えて…

 ホテル・ラブベストの一室で、輝男と千早が向き合う。

 千早の目に、緊張と不安の入り混じった輝男の顔が映る。

 

 「本当にこれでいいのか?

 こんなことをしても、君の傷が癒される保証なんてないのに」

 

 ラブホテルの一室にいるという状況を鑑み、不安な調子で念を押す輝男。

 ここにいることが何を意味するのか?

 輝男の今の言葉が意味するのは何か?

 千早は、べてを承知の上で、この場に足を踏み締め、輝男をまっすぐ見つめる。

 輝男の目には、覚悟を決めたかのような真剣な美貌が否応無く映る。

 

 「あなたが抱いてくれなければ、汚れたままの体を引きずるだけでしかない。

 そのままの状態を続けたら、その内、本当に心もボロボロになり、受験どころじゃない。

 あなたが優しく愛してくれる以外に、私がこの苦しみを抜け出す方法なんてないから……」

 

 切々に求めながら、輝男の腕をギュッとつかみ、至近距離から彼を見つめる。

 すがり付くように自分と向き合う千早に、輝男は恥ずかしそうな顔で頬を赤らめる。

 

 「お願い……」

 

 か細い声でそっと呼びかけると、千早はゆっくりまぶたを閉ざす。

 輝男も目をつぶり、そっと唇を重ねる。

 柔らかな唇の感触が、輝男の神経に心地良く伝う。

 自ら密着してくる千早の身から、ほのかな香りが輝男の頬に当たる。

 輝男は一旦、唇を離すと、再び千早とキスを交わす。

 唇を重ねながら、すぐ横にあるベッドの上に、千早をそっと押し倒す。

 キスを終え、真上から千早を見下ろす輝男。

 彼の眼下には、頬を赤らめながらも自分をまっすぐ見上げる千早の美貌が認められる。

 嫌がる様子を一切、見せず、むしろ、待ち受けるかのような面持ちで輝男と向き合う。

 輝男の手が、千早が着ているブラウスのボタンを一つ、また一つと外す。

 すぐにブラウスのボタンがすべて外され、はだけられたブラウスの内側から、色白の素肌に覆われた細く締まった裸体が姿を現す。

 胸元を覆うシンプルな白のブラジャーの下には、手のひらに収まる程度のふくらみが認められる。

 輝男は一回、深呼吸をすると、千早の胸を下着越しに触れる。

 優しく揉みしだく輝男の左右の手に、

 

 「あっ、あぁ……」

 

 千早の口からかすかな喘ぎが漏れる。

 

 「痛くないか?」

 

 「うん、大丈夫。そのまま続けて……」

 

 千早にうながされ、輝男の手が優しく愛撫を続ける。

 輝男の手のひらは、ブラジャーの質感とその下にある柔らかな肉感を併せて感じ取る。

 輝男の愛撫に反応するかのように、

 

 「あぁ……うぅ……うぅ……んぁ……」

 

 切なくもかすかな喘ぎが、千早の口から繰り返し漏れる。

 やがて輝男は、千早のブラジャーを上にずり上げた。

 ブラジャーの下からは、控えめに膨らむ美乳が姿を現した。

 前の学校にいた時、死にたくなるほど無残に犯されたのが嘘のように、形良い丸みと透き通るような色白の色彩を見せ付ける。

 輝男の手は、千早の裸の胸に触れる。

 柔らかな肉感とスベスベした肌触りが、輝男の手のひらに染み込む。

 

 「あぁっ、イヤッ、あ、ハァッ……」

 

 千早は顔を赤らめ、イヤイヤと首を振りながら、切なそうな喘ぎを発する。

 しかし、それ以上の行動に出ることは無く、同じ受講生の愛撫を甘受する。

 

 (稲田のオッパイ、柔らかくて温かい……

 大きさでは葵や小春、静流さんに劣るけど、それ以外では、他の皆に全然、負けてない……)

 

 自分が何度も抱いている少女たちとついつい比較しながらも、千早の美乳の感触に感嘆する。

 愛撫を続けながら、千早の裸の胸に顔をうずめる。

 美乳の表面に指腹を吸い付かせながら、右の胸先を口に含み、左にある桃色の小さな蕾を指でこねくり回す。

 

 「あっ、うっ、んんっ、んぅっ……ハァ、あぅ……」

 

 胸先から襲って来るみだらな刺激に、千早は悶えながら喘ぎ続ける。

 彼女の美貌は、自ずと恍惚の度合いを増す。

 予備校の講義で見せる冷たく厳しい形相とは程遠く、何もかも忘れるかのように愛欲に耽ろうとする姿を見せる。

 一方の輝男は、千早の喘ぎを聞き入りながら、何度も左右のふくらみを揉みしだき、胸先を貪る。

 輝男の口と指先は、千早の左右の胸先が徐々に固くなり、突っ立っていくのを認める。

 輝男が千早の胸元から顔を離す。

 体の力が抜けたかのように、呆けたような顔でグッタリする千早を一瞥すると、体を下の方へ向ける。

 輝男の手は、千早がはいているロングパンツを苦も無く脱がす。

 ロングパンツの下からは、細く引き締まった色白の両脚が姿を現す。

 両脚の付け根には、ブラジャーとお揃いのシンプルな白のショーツが認められる。

 そのままショーツを脱がし、右の足首に引っかけさせる。

 恍惚とした美貌を赤らめ、呆けさせている千早は、輝男が今、何をしているか、まだ気づいていない。

 輝男は、千早のうつろな吐息を聞き入りながら、彼女の裸の股を開かせる。

 黒くうっすらとした茂みの奥に見える秘裂に顔をうずめる。

 秘裂の内側に輝男の舌が差し込まれると、千早はようやく、ハッと我に返ったかのような顔を見せる。

 体を起こした途端、輝男が自分の大事なところに顔をうずめているのを認め、思わず驚愕する。

 

 「ヤダ、ダメ……! そこ…汚い……!」

 

 恥じらいと戸惑いが入り混じった表情を紅潮させながら、痛切に言葉をかける。

 しかし、輝男は構わず、自分の舌で肉の花弁を舐め回す。

 ざらつく舌の感触が、真下から少なからぬ刺激をもたらす。

 はだけられたブラウスを羽織るのみの千早は、大事なところを責める輝男の動きに、

 

 「あぁっ、イヤッ……。あぁ……んうぅ……」

 

 声を殺して切なそうな喘ぎを漏らす。

 心の傷を少しでも癒すべく輝男にその身を委ねるも、肝心なところで恥じらいの念を見せてしまう。

 しかし、輝男を嫌悪し、拒絶する姿勢を見せず、そのまま彼の動きを甘受する。

 やがて、千早の股からは、舌なめずりの音や砂ぶり、貪るような水音が流れ出る。

 千早の肉の花弁からは、イヤらしい蜜が表面に染み出て、小さな豆のようなものがぷっくりと顔を出す。

 小豆の如き突起を輝男が口に含むと、

 

 「あっ、あぁっ……!」

 

 千早はビクンとのけ反り、声を上げて喘ぐ。

 輝男はそのまま、表面に染み出た蜜を舐め回し、花弁の内側に舌を差し込ませる。

 千早相手に優しくすると言ったのに、無意識の内に、輝男の舌は貪欲な動きを見せる。

 執拗にクンニを続ける輝男の嗅覚は、内側から漂う芳醇なメスのにおいをとらえる。

 メスのにおいを伴いながら、千早の中からイヤらしい蜜が濃度を増して流れ出る。

 とめどもない蜜の流れを、輝男は懸命に舐め尽くそうとする。

 貪るような水音がトーンアップして、千早の耳元に流れる。

 

 「ヤダ……このまましたら……おかしく…なっちゃう……」

 

 千早はベッドのシーツをつかみ、大事なところを荒らす舌の動きに、悩ましく悶えることで応じる。

 一方、千早の股に顔をうずめたままの輝男は、千早の秘裂が濡れぼそり、メスのにおいが鼻をつくように強まっているのを感じ取る。

 

 (稲田のヤツ、すっかり感じ入っている……)

 

 顔をうずめたまま、相手がみだらに順応したのを認め、感嘆すると、

 

 「や、やめて……」

 

 震えながら制止を呼びかける声が聞こえて来た。

 輝男はようやく、千早の股から顔を離し、彼女をまっすぐ見下ろす。

 輝男の視線の先には、弱々しくも恍惚とした千早の美貌が、顔を真っ赤にしながらこちらを見つめているのが見えた。

 切れ長の左右の目が乞うように震えているのが、輝男の目にハッキリと映る。

 

 「天江君……お願い……」

 

 言葉少なく訴える千早に、輝男は黙ってうなずく。

 

 

 ベッドの上で、千早は生まれたままの姿をさらしながら、仰向けになっている。

 透き通るような色白の素肌に覆われた細く引き締まった裸体からは、かつて、無実の嫌疑で犯され果てた痕跡はわずかでも認められない。

 千早が見つめる先には、一糸もまとわぬ体をさらし、膝立ちの体勢を取る輝男の姿がある。

 半ば緊張した面持ちを見せる輝男のモノは、厚めのコンドームに全身を覆われている。

 

 「本当にいいんだな?」

 

 「うん……」

 

 念を押すようにたずねる輝男に、千早は迷わず首肯する。

 千早の股を大きく開かせ、蜜で濡れぼそり、ひくついている秘裂に、自分自身の先端をあてがう。

 輝男は、待ち受けるかのような面持ちを赤らめ、まっすぐ見つめる千早と目を合わせると、ゆっくりと腰を沈ませる。

 輝男自身が千早の中、二、三センチまで進むと、

 

 「うっ、うぅ……!」

 

 千早は顔をしかめ、苦しそうにうめく。

 輝男は、千早のヴァギナの窮屈な感触を認めると、そこで動きを止める。

 眼下の千早を見下ろすと、苦しそうな顔に汗をにじませ、荒く息を吐くのが認められる。

 

 (“初めて”じゃないのに、とても窮屈で苦しそうにするなんて……

 死ぬほど犯された痛みが体に染み込んで、相手を頑なに拒んでいるんだ……

 心では相手を受け入れようとしても、肝心の体は……)

 

 自分自身を拒む遠因となった千早のトラウマに思いを巡らし、そこから先へ進めずにいる輝男。

 そのまま静止していると、

 

 「天江君、何、やっているの?」

 

 心配そうに呼びかける声が、眼下から聞こえて来た。

 ハッと我に返り、眼下を見下ろすと、千早が赤らむ顔を重くさせながら、輝男をまっすぐ見つめている。

 

 「私の体があなたを受け入れてくれなくて、困っているのね」

 

 心中を見透かしたかのような千早の言葉に、輝男は思わず驚き、言葉を失う。

 図星を指され、戸惑いながら何も言い返せないのを見ると、

 

 「気兼ねなんかしなくていいから、思いっきり強く……」

 

 自分の体の具合を察しながら、うながすように言葉をかける千早。

 千早の今の呼びかけに、輝男はなおも戸惑いの表情を見せる。

 

 「しかし、そんなことをしたら、君に苦痛を強いるだけになるが……」

 

 千早の心身を案ずる言葉をかけると、

 

 「天江君、私は身も心もあなたを受け入れようとしているのよ。

 それに、私が抱えている痛みや汚れを取り払うには、あなたの力がどうしても必要なの。

 つらいこと、苦しいこと、悲しいこと、嫌なこと、すべて忘れられるような……

 あなたがしてくれるのなら、私はどんなことでも受け入れるから……

 だから……」

 

 当の千早は、意を決したような面持ちを輝男に見せる。

 輝男の耳に届く今の言葉は、覚悟を決めた強さと優しさを求めるか弱さが混ざり合っているように感じられる。

 輝男は、真剣みを帯びた面持ちで千早をジッと見下ろす。

 視線の先に見える千早は、覚悟を決めた強い面持ちを崩そうとしない。

 そのまま千早の身に被さると、真上からキスを交わす。

 一瞬、唇を重ね、体を起こすと、

 

 「行くぞ……」

 

 絞るような声でそっと呼びかける。

 開かれたままの細い両脚を抑え、ゆっくりと腰を進ませる。

 輝男の動きに合わせて、輝男自身が千早のヴァギナの中をゆっくりと進む。

 依然として窮屈なヴァギナをかき分けるかのような輝男の動きに、千早はベッドのギュッとつかみ、苦しそうに顔をしかめる。

 額には冷や汗がにじみ出て、目元にうっすらと涙がにじむ。

 輝男は、狭苦しいヴァギナに難儀しながらも、自分自身を千早の中、最奥目がけて進ませる。

 しかし、後わずかのところで、一旦、動きを止める。

 額に汗をにじませ、深く深呼吸すると、

 

 (やはり、体はまだ、俺を……いや、男をすんなり受け入れてくれない。

 でも、そこから先へ進ませないと、俺も彼女も……)

 

 容易に自分を受け入れないヴァギナに対し、苦悩を募らせる。

 しかしすぐに、意を決したかのように真剣みを帯びた形相を見せると、そのまま一気に腰をぶつけさせる。

 

 「あぁっ、あっ……!」

 

 最奥目がけて猛進する輝男自身の動きに、千早はビクンと体を大きくのけ反らせ、息詰まるような喘ぎを上げる。

 その瞬間、千早の裸体から汗が噴き出て、目元にたまった涙が頬を伝ってこぼれていく。

 窮屈極まりない難関を突破し、輝男は、汗を噴き出しながら荒く息を弾ませる。

 さすがの輝男も、惨いトラウマを抱えた少女相手の性交に、神経が磨り減るような思いにとらわれたようだ。

 荒く息を弾ませ、汗をにじませながら、眼下の千早を見下ろす。

 

 「稲田、大丈夫か?」

 

 汗にまみれ、涙を流し、苦痛の色が消えない千早に向かって、心配そうに呼びかける。

 輝男の今の呼び声に、千早は荒く息を弾ませながら、輝男とまっすぐ目を合わせる。

 汗と涙でにじむ瞳に、輝男の姿がおぼろげに映る。

 

 「天江君……私の中に、あなたがいるのね……?」

 

 「あぁ、痛くないか? 苦しいか?」

 

 またも不安げにたずねる輝男に、千早は首を横に振る。

 

 「狭くて、正直、痛いけど……でも、決して嫌じゃない……

 むしろ、頭の中が真っ白になっちゃいそうな不思議な気分が……

 何も考えられず、何と言っていいかわからない気分でいっぱいなの……」

 

 「正直に言ってくれ。苦しくはないのか?」

 

 「苦しくない……

 むしろ、今まで味わったことのないような心地よい気分が、私の中を駆け巡ってる……」

 

 千早はそう言い返すと、輝男に向かって笑みを浮かべる。

 汗をにじませ、涙が乾かぬ状態にありながらも、精一杯の笑顔を見せる。

 初めて見た千早の笑顔に、輝男は感極まったかのような面持ちで呆然とする。

 そのまま静止していると、

 

 「いいよ……。動いて……」

 

 そっとささやくように千早がうながす。

 千早の今の言葉を受けて、輝男はゆっくりと腰を動かす。

 スローペースな律動に、千早は歯を食いしばりながら身悶える。

 

 「うぅっ、うっ……」

 

 狭いヴァギナを行き来する剛直の動きに、たまらず苦痛の念を見せる。

 苦痛を隠せない千早を認めると、輝男はまぶたを閉じ、律動を続行する。

 苦痛が消えない千早の顔を見るのは忍びないが、さりとて、そのせいで動きを止めることもできずにいる。

 千早が苦痛の色を打ち消すまで、数十回、もしくは百回近くでも自分自身を前後に動かし続けるつもりだ。

 スローペースの律動を繰り返す輝男自身は、やがて、ヴァギナの表面を熱とぬめりが覆っていくのを感じ取る。

 コンドームに包まれた状態ではあるが、摩擦のたびに増す熱とぬめりがコンドーム越しに認められる。

 

 「あぁ……あぁ……うぅ……ん、ハァ……」

 

 やがて、輝男の耳に、艶を帯びた喘ぎが流れるように届く。

 そのまま律動を繰り返していると、

 

 「あ、天江君……何だか、固く…大きくなってる……」

 

 感嘆の声が輝男の耳に流れていく。

 今のつぶやきを聞くと、輝男は、自分自身が千早の中で固さ、大きさを増していくのを痛感する。

 ヴァギナの窮屈さが強まったのを認め、輝男は閉ざしたまぶたを開く。

 開かれた視界の先には、顔を横に向けながら、荒く息を吐く千早の姿が認められる。

 色白の素肌は薄赤色に熱っぽく染まり、汗が絶えずにじみ出ている。

 苦痛をにじませた千早の美貌は、恍惚の度合いが増し、ハッキリと紅潮している。

 千早は顔を正面に向けると、そのまま輝男と目を合わせる。

 

 「天江君……そのまま続けて……

 もっと……もっと強くしていいから……」

 

 熱っぽい声で輝男にペースアップをうながす千早。

 

 「いいのか? とても痛くなるかもしれないんだぞ」

 

 輝男が気遣って言うと、千早はすぐに首を縦に振る。

 

 「私なら大丈夫……。だから、最後まで……お願い……」

 

 乞うようなまなざしをまっすぐ向けながら千早が言葉をかける。

 一呼吸、間を置いた後、輝男は無言でうなずくと、またも千早とキスを交わす。

 そして、律動を再開すると、徐々に動きを速める。

 狭いヴァギナを行き来する剛直の速い動きに、千早はベッドのシーツをつかむ握力を増す。

 

 「あぁ……! あっ、ハァッ、あぅ……んっ、ハァ、あぁっ……!」

 

 のけ反り、悶えながら、速まる輝男の律動を必死に甘受しようとする。

 一方の輝男は、コンドーム越しに絡み付く熱とぬめり、そして、四方から締め付ける肉圧に煽られながら、腰を小刻みに振っていく。

 やがて、輝男と千早の間では、水音混じりの肉と肉の衝突音が響き出る。

 剛直が突き刺さったままの秘裂の隙間からは、濃い目の蜜がトロトロとこぼれ出て行く。

 とどまることを知らない輝男の律動に、千早は絶えず身悶え、胸元の美乳をフルフルと震わせる。

 

 「いい……とてもいい…わ……。天江君……激しいけど……とても気持ちいい……」

 

 イヤイヤと首を振り、悩ましく悶えながら、千早の口から歓喜の念が漏れ出る。

 昨日までは想像だにしなかった事態を前にして、輝男はいきり立ったかのように腰をぶつけ続ける。

 

 「い、稲田……気分はどうだ……? 苦しくないか……!?」

 

 汗を噴き出し、荒く息を弾ませながら、なけなしの理性を振り絞って千早に呼びかける輝男。

 

 「だ、大丈夫……。苦しくなんかない……。むしろ……気持ちいい……

 エッチが……セックスがこんなに気持ちいいなんて……初めて知った……」

 

 途切れ途切れに歓喜の念を返す千早。

 理不尽で容赦ないレイプしか知らなかった千早は、愛欲に満ちた性交を直に体感し、得も言われぬ感覚にとらわれている。

 輝男はなおも腰をぶつけ続けながら、真上から千早に被さる。

 千早が、真上から輝男が迫るのを認めると、ベッドのシーツをつかんでいた左右の手を放し、輝男の方へと伸ばす。

 自分に向けて差し伸ばされた千早の左右の手に、輝男は自分の手を迫らせる。

 二人の手は、すぐに指を絡ませながらギュッと握り締め合った。

 輝男は、そのまま千早と体を重ねながら、小刻みな律動を繰り返す。

 上下に重なる輝男と千早の間では、引き締まった胸板と控えめに膨らむCカップの美乳が押し合い、熱と汗を混ぜ合わせている。

 自分に絡み付く指の感触を痛感しながら、最奥目がけて自分自身を絶えず行き来させる輝男。

 千早は輝男に向けて握力を増すことで、彼の動きに応じる。

 自分を求めて切に止まない千早の気持ちを受け止めると、自分自身の先端を、千早の中、最奥に突き当たらせる。

 

 「んうぅっ!」

 

 千早は、うめき声を上げながらビクンと体をのけ反らせると、

 

 「ま、また……奥に当たってる……」

 

 恍惚の極みに達したかのような熱っぽい声で、我が身を襲う感触を口に出す。

 輝男は、千早と手をつないだまま体を起こす。

 あぐらをかきながら腰を下ろす輝男の膝の上に、剛直が突き刺さったままの千早を乗せる。

 千早は輝男から手を放すと、彼の背中に左右の細腕を回し、ギュッと抱き締めた。

 すると、輝男は真下から千早に向けて腰を繰り返し突き上げる。

 

 「あっ、あぁっ、あんっ、ハァ、あっ、あぅ、んぁっ……」

 

 千早は輝男の突き上げにのけ反り、艶やかな喘ぎを繰り返す。

 輝男は、密着する素肌から染み付けられる汗と熱、そして、中で絡み付く熱とぬめり、強まる一方の肉圧に、腰の突き上げをペースアップさせる。

 

 「あぁっ、イヤッ、ヤダッ! す、すごい……激しい……!」

 

 「い、稲田……千早……どうだ……!?」

 

 熱に浮かされながら、下の名前で輝男が呼びかけると、

 

 「いい……とてもいい……。もっと……もっと強く……!」

 

 千早は恍惚とした声で、更なるみだらを痛切に求める。

 ヴァギナが限界まで締め付けを増す中、輝男は何度も腰を突き上げ、千早の中、最奥を目指そうとする。

 輝男の動きに、千早は抱き締める力を強め、左右の細い脚を輝男の腰に絡み付かせる。

 千早が自分を逃がすまいとする動きに、輝男は気付く気配を見せない。

 そのまま延々と腰の突き上げを繰り返していると、

 

 (ヤバい、このまま長くは持てない……)

 

 額に汗をにじませ、歯を食いしばりながら、内心、苦悶の念をつぶやく。

 輝男の中では、さっきから昂ぶりがグツグツと煮えたぎっているのだ。

 自分自身をコンドームに包ませているのを忘れ、熱いほとばしりが暴発するのを必死にこらえようとする。

 すると、自分を強く抱き締める千早の両腕、両脚がわなわなと震え出しているのが感じられた。

 ふと、千早とまっすぐ顔を合わせると、千早が瞳を震わせ、半ば戸惑ったような顔を赤らめているのが認められた。

 

 「あ、天江君……ダメ……私、もう……」

 

 千早が弱々しく声をかけると、

 

 「イきそうなのか?」

 

 輝男が熱っぽく言葉を返す。

 千早が無言で首を縦に振ると、輝男は小刻みに腰を真下からぶつける。

 限界にさいなむ千早に向けて、ラストスパートをかけた動きを見せる。

 絶え間無い突き上げに、千早は何度も体をのけ反らせながら、力一杯に輝男を強く抱き締める。

 

 狭まる四方の肉壁と震えの止まらない左右の細腕――

 

 内外、二重の締め付けに、輝男の昂ぶりはこれ以上、抑えきれない状態にある。

 

 「ち、千早……もう……ダメだ……!」

 

 「き、来て……天江君……わ、私の中に……!」

 

 限界にさいなむ二人は、共に震える声を交わす。

 自分を逃がすまいとする千早の力を感じ取りながら、真下から力強い一突きを食らわせる輝男。

 

 「ち、千早……!」

 

 絞るような声で愛欲の対象の名を叫び、限界の訪れを告げると、

 

 「あっ、あぁ――――――……!」

 

 愛欲の対象は、喉を突き出すようにして体を大きくのけ反らせながら、自分を心身共に癒さんとする者の名を叫ぶのを忘れ、絶頂の咆哮を上げる。

 力強く抱き締め、絡み付く千早の中で、輝男は思いっきり果てた……

 

 ◇ ◇ ◇

 

 駅前の大通りを、輝男と千早は並んで歩く。

 既に暗くなった空の下、青春中央駅の正面入口が向こうに見える。

 やがて、駅正面手前の歩道前で立ち止まると、輝男と千早は顔を向き合わせる。

 

 「本当にあれでよかったのか?」

 

 輝男が自信無さげにたずねると、

 

 「さっきはとてもよかったわ。ありがとう。

 私、もう、大丈夫だから」

 

 千早は柔らかな笑みを浮かべながら、輝男に安心をうながすかのような言葉を返す。

 しかし輝男は、千早の今の言葉に、何故か表情を和らげることができない。

 

 「俺が思うに、一度、深く刻まれた心の傷は、容易に消えるものじゃない。

 どんなに頑張っても、一生かけても消えて無くならないかもしれない」

 

 憂慮を示すかのような面持ちで輝男が言葉をかけると、千早はつられて表情を曇らせる。

 自殺寸前に追いやるほどのトラウマのひどさを言い聞かせる輝男に、当事者である千早は、否が応にも重苦しい気持ちにとらわれる。

 

 「それは私もわかってる。

 もしかしたら、この先、二度、三度、蒸し返されるかもしれない。

 でも、天江君が傍にいてくれたら、何とか乗り越えられるかも……」

 

 「俺もできる限り、君の力になれればと思うが……もしかしたら…」

 

 更なる憂慮を言おうとした輝男の唇を、千早の人差し指がふさぐ。

 

 「肝心のあなたが自信を無くしちゃったら話にならないでしょ?」

 

 とがめるように言葉をかける千早に、輝男は気まずそうに言葉を詰まらせる。

 

 「天江君が少しでも私を助け、私の傷を癒そうとしたこと……私、絶対に忘れないから。

 だから、天江君ももっと自信を持って」

 

 そう言葉を続けると、千早はまたも輝男に笑みを見せる。

 

 「私、もしかしたら、明日以降も、予備校では今まで変わらずに接するかもしれないけど……

 でも、胸の内は以前とは違うから……。それだけは、ちゃんとわかって」

 

 「あぁ、君が俺に心を開いてくれただけでも、俺は十分だよ」

 

 輝男は笑みを浮かべながら、千早に言葉を返す。

 

 「天江君、また、明日からもお互い、頑張りましょうね。そして、一緒に…」

 

 「あぁ、わかってる」

 

 輝男と千早がそう言葉を交わすと、目の前の信号灯が赤から青に変わった。

 

 「じゃあね」

 

 千早は別れを告げると、一人、横断歩道を渡り、駅の方へと向かう。

 徐々に遠のき、駅舎へと消えて行く千早の後ろ姿を、輝男はいつまでも見つめ続ける。

 彼の表情は、心が晴れ渡ったかのように穏やかな笑みを見せている。

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