快晴の空の下、明朝学園高校の正面校門を多くの人々が行き来する。
学校の制服を着ている者もいれば、私服姿の者も見受けられる
校門のすぐ横には、
“第46回 明朝学園高等学校 文化祭”
と、縦書きで記された看板が掲げられている。
その校門を、一人の女性が通り過ぎ、校舎内へと入って行く。
スレンダーな肢体を厚手のブラウスとロングスカートでまとい、左右均等に分けられ、耳が隠れる程度の艶やかな黒髪をしている。
歳にして二十歳前後と思しきその女性は、校舎第一棟の二階へと足を運ぶ。
「半年ぶりだけど、全然、変わって無いわね」
女性はそうつぶやきながら、三年A組の正面入口ドアの前に立つ。
ドアの上には、
“カフェ 3-A”
と、横書きで記された看板が掲げられている。
ドアを開けると、前後向き合うように合わさった机が、ナプキンをかけられた状態で六つ配置されている。
半分ほど席が埋まっている中、空席に腰を下ろすと、
「いらっしゃいませ。ご注文は…」
ワイシャツの上にエプロンをかけた男子生徒が、女性の前に歩み寄り、注文を受けようとする。
輝男だ。
入って来たばかりの女性と顔を合わせた途端、輝男は思わず驚く。
「先輩……!」
「久しぶりね、天江君」
驚く輝男に向かって、女性――聖神楽は、柔和な笑みを見せながら言葉をかける。
学校の先輩にして、元生徒会長、そして、何度か体を重ねた神楽のまさかの来訪に、輝男は一瞬、驚いてしまう。
「相変わらず、元気そうで何よりね」
「先輩こそ、どうしたんですか?」
「今日、明日と文化祭をやるって聞いたから、来たに決まってるじゃない。
それに、学校を卒業して以来、ずっと顔を見せてくれないから、こっちから出向いて来たってわけ」
「すみません。本当だったら、もっと前にこっちの方に顔を出すべきだったんですが」
来訪目的を告げた神楽に、輝男は申し訳なさそうに詫びの言葉をかける。
「気にしないで。今が大変な時期なのはわかってるから」
中々、顔を見せてくれない輝男に、神楽は柔和な笑みを見せる。
「でも今日は、天江君も他の皆も、心行くまで存分に楽しむ貴重な機会なんだから」
「先輩にそう言ってもらうと、少しは気持ちは楽になります。
ところで、そっちの方はどうなんですか?
先輩の方も、お変わりなく元気な様子ですけど」
「おかげさまで充実したキャンパスライフも送ってるわ」
久しぶりに顔を合わせた先輩女子と後輩男子が気兼ね無く言葉を交わす。
すると、傍からわざとらしい咳払いが聞こえてきた。
輝男が振り返ると、同じくエプロン姿の葵が厳しい表情で仁王立ちしていた。
「天江君、呑気に雑談、やってる場合じゃないでしょ?
ただでさえ忙しいんだから」
「あぁ、すまん。久しぶりに先輩に会ったものだから、つい……」
「黒山さんも相変わらずね」
輝男と葵のやり取りを傍観して、神楽はクスッと笑みをこぼす。
すると、
「お―――い、注文!」
向こうから催促をうながす声が輝男の耳に届く。
「先輩は私の方でやるから、天江君はそっちの方を」
葵にうながされ、輝男はすぐに神楽のもとから離れる。
間も無くして、疲れたような顔でドカッと腰を下ろす河原と向き合う。
「河原、注文は?」
「コーラ、大盛り」
河原からの注文を受けると、輝男は急ぎカウンターの方へと向かう。
Lサイズの紙コップに注がれたコーラをトレイに載せ、河原のいる席の方へ向かう。
輝男がコップを差し出すと、河原はグイッとコーラを飲み干す。
「その様子だと、相当、参ってるようだな」
「あぁ。A組がカフェならこっちはレストランだ…って……
しかも、ろくに料理なんかしたことのない俺に調理係なんかさせやがって……
アイツら、何、考えてんだ……って話だよ」
「皆で楽しむ文化祭なのに、無理に息巻く必要も無いのに」
「うちのクラスの連中だけならまだしも、“イシテツ”のヤツも無駄に気合入れやがってさ……」
愚痴をこぼす河原に、輝男はつられたかのように苦笑いを見せる。
すると、教室内にミニスカメイドの衣装をした二人の女子がつかつかと入って来た。
「涼太! あなた、何、敵陣に逃げてんの!?」
メイド姿の長峰寿里が、河原のすぐ横で仁王立ちしながらにらみつける。
「おい、少しは休憩させてくれよ。こっちは頭から働き通しなんだよ」
河原が困惑しきった形相で寿里に言い返そうとすると、
「何、言ってんの!?
こっちは満席な上に行列までできて、皆、総動員でてんてこ舞いなんだから!」
寿里の真向かいにいる、やはりメイド姿の苑田栄子が、舌鋒鋭く声をかける。
そしてすぐに、寿里と一緒に河原を両脇に抱きかかえ、引きずるようにして連行する。
「おい、河原、お代は!?」
「すまん! 状況が落ち着いたら、後で払うよ!」
寿里と栄子に引きずられながら河原が言うと、
「黒山さん、私たち、絶対、負けないからね」
目の前の光景に思わず唖然とする葵に向かって、寿里が言葉をかける。
教室内を二分する仕切りの向こうで、輝男はクラスメートたちとメニューの仕込みをしている。
「何故だかわからんが、B組のヤツら、かなりガチで臨んでるみたいだな」
「勉強やら何やらで、日頃のうっぷんが溜まり過ぎちゃってるんじゃねぇの?」
輝男と小中が仕込みをしながら会話をしてるけど、
「しかも、B組の女子、メイドコスなんてしやがってさ」
「何か、変な方向に気合入れやがってる…って感じだったぜ」
飲み物の支度を進める別の男子二人が会話に割って入る。
「そう言えば、さっき、長峰と苑田がこっちに押しかけて来て、休憩中の河原を引きずり出していったぜ。
あの二人もメイドコスしてたけど、結構、似合ってたな」
輝男がさっきの出来事を言うと、小中は何故か顔を赤らめる。
「おい、やっぱり、気になるか? メイドコスの苑田」
「お前、何、言ってんだよ。別に苑田のことなんか…」
「一日目終わたら、ヤるつもりじゃねぇだろうな?
ミニスカメイドコスの苑田と……」
「ふざけんな! お前らには関係無いだろ!
俺は苑田は、お前らが思ってるような関係じゃねぇから!」
「じゃあ、何で顔、真っ赤なんだよ? 余計、怪しいじゃねぇか!」
からかうように言葉をかける男子二人と、顔を真っ赤にして声を荒げる小中。
彼らのやり取りを傍観して、輝男は思わず苦笑する。
◇ ◇ ◇
快晴の空が、学校屋上にいる二人の男女を見下ろす。
輝男は、屋上手前の壁に背もたれしながら腰を下ろす。
輝男の横には、神楽が同じようにして腰を下ろす。
「先生たちも他の皆も……この学校も、以前とまったく変わってないわ」
「神楽さんが学校を卒業してからまだ半年しか経ってませんから」
「半年ぶりでも、やはり懐かしいものは懐かしいわ。
まるで、昔に戻ったような気分……」
そこまで言うと、神楽は黙り、ボンヤリと空を見上げる。
果てしなく広がり、雲一つ無い澄み切った青空を、静かに見つめ続ける。
半ば呆けたような顔で見上げたまま静止する神楽を、輝男は横から振り向く。
「神楽さん……もしかして、本当は何か色々と抱えているんじゃないですか?」
思わず心配そうな顔を見せながら、輝男が呼びかける。
呆然と空を見ていた神楽は、輝男の今の呼びかけに正面を向き直す。
「別に、あなたが心配することなんてないわ。
ただ、こののんびりした雰囲気がいつまでも続いてくれたらいいのに……って思って」
「やっぱり、先輩も色々と疲れるような思いを抱えているんですね」
「今の天江君に比べたら、大したことじゃないわ。
……もっとも、去年のちょうど今頃は、私も今の天江君と同じ心境だったけど……」
そう言うと、神楽は、横から輝男の股を制服のスラックスの上から撫でさすってきた。
細い色白の手が股を撫でさする動きに、輝男はハッと驚き、神楽の方を振り向く。
「な、何、するんですか!? 先輩!」
頬を赤らめながら驚きの声を上げる輝男。
神楽は、驚く輝男をまっすぐ見つめながらクスッと笑う。
そして、ブラウスのボタンを一つ、また一つ、外す。
上半分、ボタンを外されたブラウスの隙間から、控えめな左右のふくらみを覆う水色のブラジャーが顔を覗かせて来る。
「天江君、久々に会ったついでに……シない?」
「まさか、ここで……!?」
「青空の下、二人きりの屋上で青姦も乙なものじゃない」
「そんな……!
……って言うか、先輩の口から“青姦”なんて言葉が出るなんて……!」
「そこまでしないと、天江君も元気をつけられないでしょ?
この休憩が終わったら、また、模擬カフェで忙しく動き回らなきゃいけないし……
それでなくとも、受験勉強やら何やらで色々と溜まり過ぎてるみたいだから」
笑みを絶やさずに言ってくる神楽に、輝男は言葉を失う。
自分の心境を見透かしながらも切に求めて止まない先輩を、どうしても拒めずにいる……
壁に背もたれして立っている神楽に、輝男が顔を近付ける。
間も無くして、輝男と神楽は唇を重ね、舌を絡ませ合う。
半開きになった唇の隙間で、二つの舌先がうねうねと絡み合う。
唾液が跳ねるような音がかすかに漏れると、
「んっ……んん……んぅ……」
甘い吐息を交えた切ないうめき声が重なって聞こえる。
輝男はディープキスを続けながら、神楽の胸をブラウス越しに愛撫する。
神楽の胸を服越しに優しく撫でながら、その下にある控え目な胸の感触を味わう。
やがて、ディープキスをやめると、はだけられたブラウスの隙間から、ブラジャー越しの愛撫を仕掛ける。
柔らかだが、控えめな左右のふくらみを撫でていると、
「あっ、ハァッ、あぁ……ハァ、うぁ……」
神楽の口からかすかな喘ぎが、甘い吐息と交えて漏れ出る。
かつて生徒会で一緒だった先輩女子のか細く切ない喘ぎを聞き入ると、
(神楽さんのオッパイ……昔と変わらず、小さい……
……でも、ぜいたくなことは言ってられないな……)
控え目に膨らむ美乳の感触に、内心、そうつぶやく。
それでも、輝男の手は下着越しの愛撫をやめない。
半年前の卒業式にヤって以来、ずっとご無沙汰だった先輩女子の体を存分に味わおうとする。
ブラウスの隙間から愛撫を続けながら、首筋に舌を這わせる。
「ヤダ……もう……あぁっ……」
神楽はのけ反りながら、震えるような声を漏らす。
やがて、
「や、やめて……」
弱々しい声で制止を訴える。
神楽の今の訴えに、輝男は愛撫をやめ、彼女と向き合う。
神楽は、すがり付くかのような美貌を赤らめながら、輝男をまっすぐ見つめる。
「天江君……私にも……」
乞うようまなざしで輝男を見据えながら、またも弱々しく訴える。
その場で仁王立ちする輝男の前で、神楽が膝立ちの体勢を取る。
制服のスラックスからさらけ出された陰茎を、神楽の片手がつかむ。
神楽は、陰茎の先端にチュッとキスをすると、口を開け、陰茎をくわえ込む。
スローペースで口を動かしながら、片手で陰茎の根元部分をしごく。
「んっ、ん……んぅ……んうぅ……」
かすかなうめき声が、陰茎でふさがれた口元から漏れる。
輝男は深くため息を付きながら、先輩によるフェラチオを甘受する。
「いいよ、神楽さん……。とても気持ちいい……」
自分自身を包む生温かい口腔の感触に、感嘆の念が自ずと漏れる。
心地よい気分を訴える輝男に、神楽はフェラチオのペースアップでもって応じる。
速まる口の動きに合わせて、
「んんっ、んぐっ、んくぅっ……!」
神楽のうめき声は艶やかにトーンアップする。
輝男はふと、目線を下に下げる。
見下ろした先には、飲み込むようにして輝男自身をくわえながら、小刻みに口を前後に動かす神楽の姿が認められる。
輝男の目には、神楽が恍惚の度合いを増しながら顔を赤らめているのがハッキリと認められる。
胸こそBカップ程度で控え目だが、それ以外は、他のどの少女にも負けない美貌、体つき、そして献身ぶりで、輝男を否応なく昂らせる。
神楽もまた、何度も体を重ねた後輩男子との久しぶりの淫行に、恍惚さを増していく。
やがて輝男は、額に汗をにじませ、グッと歯を食いしばる。
「か、神楽さん……」
輝男が息詰まるかのように呼びかけると、
「んんっ、んぐぅっ……!」
陰茎にふさがれたままの神楽の口元から、息詰まるようなうめき声が漏れる。
神楽の口内では、輝男自身が固さ、大きさを増し、神楽を息苦しい気分にさせている。
それでも、神楽は輝男自身を離さず、小刻みに口を動かしながらフェラチオを続ける。
名残惜しむかのように後輩男子のモノをくわえ続けながら、唾液の跳ねるような音を響かせ、
「んぐっ、んくぅっ、んむぅっ……!」
更にトーンアップしたうめき声を重ねて漏らす。
留まるところを知らない先輩女子のフェラチオに、輝男の中で昂ぶりがわき立つ。
「せ、先輩……このままじゃ…」
輝男が苦悶の声を震わせると、神楽はようやく輝男自身を口から離した。
荒く息を吐く神楽の目の前には、唾液にまみれながら固くいきり立つ剛直がある。
神楽は体を起こすと、再び輝男とまっすぐ向き合う。
恍惚とした笑みを赤らめ、輝男をまっすぐ見つめると、
「わかってるわ……。私も…天江君が欲しいの……」
そっとささやくようにして言葉をかける……
神楽は、屋上のフェンスにしがみ付きながら仁王立ちしている。
上半分がはだけられたままのブラウスの下、ロングスカートから伸び出る色白で細い右脚の脛に、水色のショーツが引っかかっている。
神楽の背後では、輝男が、固く突っ立つ剛直をさらけ出しながら立っている。
神楽のロングスカートをめくり、裸の美尻の真ん中に剛直の先端をあてがう。
輝男の左右の手が美尻を両脇からつかむと、ロングスカートが真上から被さる。
「神楽さん……」
「いいわよ……。来て……」
一言、二言、言葉を交わした後、輝男は神楽に向かって腰をぶつける。
「あっ、あぁ……!」
ヴァギナを突き破り、最奥に突き当たる輝男自身の感触に、神楽はのけ反りながら喘ぐ。
神楽の喘ぎを合図に、輝男は前後に腰を振って来る。
律動に合わせて前後に中を行き来する剛直に、
「うぅっ……んぅっ……!」
神楽は痙攣でも起こしたかのようにのけ反りながら、息詰まるようなうめき声を漏らす。
「先輩、大丈夫ですか?」
腰をぶつけながら、輝男が心配そうに呼びかけると、
「だ、大丈夫……そのまま続けて……」
神楽はフェンスにしがみ付く握力を増しながら、震える声で言葉を返し、うながす。
輝男がそのまま律動を繰り返すと、
「あぁ、いい……すごい……! 天江君の……固くて、大きくて……激しくて……!
前にエッチした時よりも、すごくなってる……!」
神楽は恍惚とした口調で歓喜の念を口走る。
「か、神楽さんも……すごく締まってる……!」
今の神楽の言葉に応じるかのように、輝男が感嘆とした言葉をかける。
輝男自身が行き来を繰り返す神楽のヴァギナは、輝男自身の侵入と同時に収縮を仕掛けて来る。
締め付けを増す肉圧にあらがいながらも、ヴァギナとの摩擦を繰り返す。
「あぁ……んうぅっ……んっ、うぅっ……んぁ……!」
神楽の口から、切なくも艶やかな喘ぎが漏れ出る。
剛直とヴァギナの摩擦を痛感しているはずだが、神楽の表情からは苦痛の色はまったく認められない。
久しぶりに後輩男子とセックスした喜びが、みだらな苦痛をしのいでいるのだ。
やがて、輝男と神楽の間からは、肉と肉の衝突音が響き出る。
(ヤバい……! 気持ち良過ぎて……止まんない……!)
輝男が内心、苦悶の念を漏らす。
神楽のヴァギナは収縮を強めているが、同時に熱を増し、四方の肉壁から染み出たぬめりを輝男自身に絡み付かせる。
熱とぬめりに煽られるようにして、輝男自身は律動は繰り返し、何度もヴァギナを突き破る。
「いい……すごい……激しい……。もっと……もっとぉ―――……」
背後から貪欲に攻める輝男に、神楽は我を忘れたかのように恍惚の声を上げる。
神楽はフェンスから離れると、体勢を変え、直立しながら輝男と向き合う。
しかし、右の太ももを輝男を持ち上げられ、股下の秘裂には剛直が突き刺さっている。
左足で地面を踏み締め、真正面から輝男にギュッと抱き付く。
輝男は、自分に抱き付く神楽の腕力と、密着した体から染み込む人肌の温もりとかぐわしいにおいを受け止める。
そして、真正面から腰をぶつける。
輝男の動きに合わせて、剛直がヴァギナを突き破る。
「あぅっ……!」
自分の中、最奥に異物が突き当たるのを認め、のけ反りながらうめく神楽。
それを合図に、輝男は腰をぶつけ、律動を激しく繰り返す。
「あぁ、すごい……! いい……! もっと……もっと突いて……!」
抱き締める腕力を強めながら、歓喜の声とみだらな懇願を続けて叫ぶ神楽。
輝男は神楽の求めに応じつつも、限度を知らない肉圧を痛感する。
神楽の中の肉圧は、輝男自身に少なからぬ苦痛をもたらすと同時に、輝男の中の昂ぶりを更に煮えたぎらせる。
(久しぶりなせいもあるけど……神楽さんの中…締まり具合が半端ない……
俺に強く絡み付いて……離さない……!)
何度も腰をぶつけながら、限界まで締め付けを増すヴァギナの感触に感嘆する。
「あぁ……んうぅっ……うっ、んくぅっ……ハァ…んぁ……」
神楽は無意識の内に妖艶な喘ぎを漏らしながら、後輩男子の貪欲な動きを真正面から甘受する。
(天江君、前より上手くなってる……!
ヤダ……! このままじゃ……私も病み付きになっちゃいそう……)
輝男の攻めを受けている内に、精神的にも忘我の境地に陥りつつある。
大学生となって半年くらいの神楽が、今、どんな状況にあるかわからないが、少なくとも、久方ぶりに自分を抱く後輩にとろけさせられていることは間違いない。
しかし、輝男が真正面から腰を一突き食らわせると、
「うぅっ! ダメ……イく……イっちゃう……!」
神楽は痙攣でも起こしたかのようにのけ反ると、声を震わせ、自らの限界を訴える。
神楽の今の訴えに、輝男は二、三回、腰をぶつけることで応じるが、
「せ、先輩……俺も……!」
汗をにじませ、荒く息を弾ませ、歯を食いしばりながら、自らも限界が間近いことを告げる。
輝男の中は、熱いほとばしりがいつ暴発してもおかしくない状態にある。
すると、
「いいわよ、天江君……。そのまま……私の中に……」
神楽は力強く抱き締めたまま、輝男にうながすかのような言葉を返す。
「でも……」
「今日は安全日だから……大丈夫……!」
熱っぽく言葉を返しながら、輝男のためらいをはね付ける。
今の先輩の言葉に後押しされたかのように、激しく、小刻みに腰を打ち据える輝男。
パン、パン…と引っぱたくような衝突音に、
「あぁ……あんっ、んんっ、んぁっ……!」
のけ反りながら艶やかに喘ぐ神楽の声が重なる。
神楽はわなわなと身を震わせながら、輝男を力一杯に抱き締め続ける。
(天江君の……今にも爆発してしまいそうに固く膨らみながら……
私の中……奥深くまで何度も突き当たってる……!
このままだと……本当にお腹が壊れて……ダメ……イっちゃう……!)
限界にさいなまれながら内心、苦悶の声を上げると、力強い一突きが神楽の中を突き破り、またも最奥に突き当たった。
と、次の瞬間、
「あぁっ……あぁ――――――……」
神楽は輝男を抱き締めたまま、喉を突き出すようにしてのけ反り、絶頂の声を上げた。
神楽が果てて間も無く、溜まりに溜まった熱いほとばしりが、神楽の中に勢い良く流し込まれた……
◇ ◇ ◇
輝男と神楽は、屋上から校舎内へと戻った。
二人は既に服を着替え直している。
さっきまで激しいセックスに耽っていたことなどおくびも出さずに、平素の表情で横並びに歩を進める。
屋上と四階の間の踊り場に着くと、輝男と神楽は足を止め、顔を向き合わせた。
「ごめんなさい。大事な休憩時間なのに、無理に付き合わせちゃって」
神楽が申し訳なさそうな表情で詫びの言葉をかけると、
「気にしないで下さい。僕も十分、休ませてもらいましたから」
輝男は表情を和らげながら言葉を返す。
すると、神楽は輝男の頬にそっと口づけをした。
一瞬のキスに、輝男が思わず頬を赤らめると、
「天江君……この後の文化祭、それに大学受験……頑張って」
神楽は柔和な笑みを浮かべながら励ましの言葉をかける。
神楽の今の励ましに、輝男は笑顔を見せる。
「ありがとうございます。聖先輩」
感謝の言葉を返すと、すぐに神楽に背を向け、階下へと歩を進める。
神楽はその場に立ち止まりながら、去り行く後輩を黙って見つめる。
心なしか、神楽の表情は寂しげに曇っている。
まるで、もう二度と最愛の後輩に巡り会える機会など無いかのように……
◇ ◇ ◇
校舎二階へと下りた輝男は、階段のすぐ傍にある三年A組の教室へと歩を進める。
教室前に着くと、裏手ドアが内側から開かれた。
ドアの向こうから、エプロンを着た桜月が姿を現す。
「天江君、どこへ行ってたの?」
「ごめん。屋上で休憩してたらつい居眠りしちゃって」
「とっくに休憩時間過ぎてるんだから、早くお店に戻って」
「すまん。すぐ入るよ」
休憩時間をオーバーしたことを桜月に詫びながら、彼女と一緒に教室内に入ろうとする。
すると、
「待ちたまえ」
背後から、制止を呼びかける声が輝男の耳に入った。
輝男は足を止め、後ろを振り返る。
振り返った先には、グレーの背広を着た男が二人、目の前に立っていた。
一人は、歳にして三十前後、知的だが冷やかな容姿にメガネをかけている。
もう一人は、大柄の体格に特徴的な吊り目をした、やはり三十代前半くらいの男である。
メガネの男は、冷やかなまなざしで輝男を見据えると、
「天江輝男君だね……?」
淡々とした調子で輝男にそうたずねる。
「そうですが……。あなた方は……?」
輝男は目の前の男二人の雰囲気に、怪訝な顔を見せる。
メガネの男は、背広の胸ポケットから一枚の名刺を取り出し、輝男の前に差し出す。
「私はこういう者だ」
またも淡々とした調子で言葉をかけながら、輝男に名刺を受け取らせる。
輝男が受け取った名刺には、
株式会社 プリンス・フロンティア マネージメント部 ……――
と、男の所属先、役職、そして氏名が記されている。
すぐ傍にいた桜月が、輝男の手にある名刺を覗き見する。
「嘘!? プリンス・フロンティアって……!
人気モデルやイケメン俳優が多く所属しているあの……!」
男が属している会社名を見ると、桜月は、信じられないと言わんばかりに驚きの声を上げる。
輝男は名刺を手にしながら、厳しい表情で背広の男、二人と対峙する。
「一体、あなたたちは俺に何の用ですか?」
あからさまににらみながら、努めて感情を抑えながらたずねる。
年端もいかない若者がにらみ付ける様に、男たちは微動だにせず、輝男を鋭く見据える。
「我々は、未来のスターとなるべき若者をあちこちで探しているんだが……
たまたま、この辺に足を運んだら、我々の目にかないそうな者が一人、見つかってね……
それが君なんだよ」
メガネの男は、冷やかに輝男をにらみながら、自分たちの来訪目的を告げる。
男の今の言葉に、輝男は厳しい表情を崩さない。
「俺をどうしようと言うんですか?」
男たちを厳しくにらみながら、輝男がまたもたずねると、
「君……我々のもとで芸能界デビューしないかね?」
メガネの男は冷淡な面持ちを崩さずに、輝男にとんでもない申し出をする。
男の今の申し出に、輝男、そして桜月は、驚愕の余り言葉を失い、その場に立ち尽くしてしまう……