明朝学園高校校舎内の廊下。
その奥に、桜月、葵、理華、小春、静流、そして、千早がいる。
彼女たちは、桜月と千早を真ん中にして、横並びに立っている。
桜月の横に葵、千早の横に小春がいて、左右両端に理華と静流が立っている。
桜月たちの真向かいには、輝男がスマートフォンを構えている。
スマートフォンに備え付けられているレンズが桜月たちをとらえ、ディスプレイに並んで立つ彼女たちの姿が表示されている。
「よぉし、行くよ」
輝男が呼びかけると、すぐにシャッター音が鳴り出した。
間も無くして、輝男は再び、フォトアプリで桜月たちを撮った。
二度の撮影が終わると、桜月たちは輝男を取り巻く。
「ねぇ、ちゃんと撮ってる?」
「大丈夫だよ、ほら」
桜月たちが輝男のスマートフォンを覗き込むと、桜月たちを撮ったデジタルフォトがディスプレイに表示されている。
桜月、理華、小春、静流の笑顔と、葵、千早の穏やかな表情が、しっかりとデジタルフォトに焼き付かれている。
「稲田も日向たちみたいに笑顔を見せてもよかったのに」
「ごめんなさい。こういうの、ずっとやってなかったから。
緊張しないようにすることで精一杯だったから」
輝男と千早がそう言葉を交わすと、
「でも、素敵な思い出ができたことに変わりは無いじゃない」
理華が笑みを浮かべながら、輝男と千早の間に割って入る。
「私たちだけじゃなくて、稲田さんにとっても……
こうして、皆の輪に仲良く入れただけでも、あなたがここに足を運んだ甲斐があったんだから」
葵がいつになく優しい調子で千早に言葉をかける。
葵の今の言葉に、千早は嬉しさと申し訳なさが入り混じった複雑な表情を見せる。
「今日、初めて顔を合わせたあなたにそんなことを言われるなんて……」
「あなたとだったらすぐに友達になれると思って言ってくれたんだから」
優しく言葉をかける桜月に、千早は感嘆とした様子で言葉を失う。
(何ていい人たちなの……? 前の学校では、こんなこと全然、無かったのに……)
自分を取り囲み、仲間として優しく受け入れようとする桜月たちを見て、つい、過去の記憶を思い返してしまう。
そして、傍に立つ輝男をチラッと見る。
視線の先にいる輝男は、愛しそうな面持ちで桜月、葵、千早を見つめている。
(天江君のおかげ……かも……)
自分を見つめて止まない輝男を見ながら、千早は内心、確信めいたつぶやきを発する。
「皆さん、随分と仲良さそうですわ」
「……ってか、アタシ、思いっきり蚊帳の外なんだけど」
取り残されたかのようにその場にいる静流と小春がつまらなさそうにつぶやくと、
「さぁ、あなたたち、もう用が済んだなら、帰った帰った」
歩み寄って来た理華が、二人の背中を文字通りに押しながら退去をうながす。
そこへ、輝男が歩み寄って来た。
「静流さん、小春、さっきの写真、後でコピーしてそちらに送信しておくから」
そう言うと、静流の方に目を向けて、
「今度会う時は、お互い、大学に受かってから……な?」
笑みを浮かべながら言葉をかける。
「え、えぇ……」
輝男の今の言葉に、静流ははにかんだ笑顔で応じる。
「ちょっと、二人とも、何、コソコソ話してんの?」
小春がすかさず割って入ろろうとするも、静流によって一緒にその場を去って行ってしまう。
輝男が去り行く二人の後ろ姿を見つめていると、
「天江君、勝手に店を抜けて飛び出した分、最後まで思いっきり働いてもらうわよ」
背後から理華が両手で肩を強く抱きながら、輝男に向かって強く言い付ける。
「わかってますよ」
苦笑いを浮かべながら、応諾の返事を言う輝男。
桜月と葵、理華がその場を離れ教室へ戻ろうとすると、輝男もその後について行く。
しかし、すぐに足を止めると、傍に立っている千早の方を振り向く。
「稲田、悪いけど、また明日、予備校でな」
輝男が笑みを浮かべながら言葉をかけると、千早は無言でうなずいた。
千早の応諾を見ると、輝男はすぐに桜月たちの後を追う。
去り行く輝男の後ろ姿を見つめながら、千早はその場に立ち尽くす。
いつに無く寂しい表情を見せながら、その場から離れずにいる……
◇ ◇ ◇
薄暗くなった空が、明朝学園高校の校舎を見下ろす。
三年A組の裏手ドアから、輝男と桜月、葵が出て来る。
教室内では、机と教卓が元の整然とした状態に戻っている。
ほんの一、二時間前まで模擬店で賑わっていたのが嘘のように、ひっそりとした静けさに包まれている。
明かりの消えた教室を認めると、輝男がドアを閉める。
「やってる間は永遠に続くかと思われたけど、いざ終わると呆気ないものだな」
「うん」
しみじみとつぶやく輝男に、桜月が相槌を打つ。
賑やかな文化祭が終わったことに、寂しい気持ちをにじませる。
「もう、これから先、私たちには楽しい行事なんて無いから。
……少なくとも、この学校にいる限りにおいては……」
厳しい表情を見せながら、葵が言葉をかけると、
「あぁ……後はこの学校を無事に卒業して、大学に受かるだけ……」
輝男は神妙な面持ちで言葉を返す。
二人の今の会話に、桜月は重い表情で黙り込んでしまう。
日々の授業と卒業をかけた考査、そして、大学受験……
これから待ち受ける諸々のことを考えると、否が応にも気持ちが重くなり、言葉を失ってしまう。
それは、輝男と葵も同じである。
間も無くして、輝男と桜月、葵は並んで階段を下りていく。
「せめて、後夜祭くらいは最後まで付き合いたいわ」
「同感ね」
階段を下りながら、桜月と葵が言葉を交わす。
そのまま一階に降りると、桜月は輝男の方を振り向く。
「輝男君も後夜祭に付き合うんでしょ?」
「ごめん。俺、急用ができて、行けなくなったから」
申し訳なさそうに詫びの言葉をかける輝男に、桜月は残念そうに表情を曇らせる。
「どうしても外せない用事なの?」
「あぁ……」
葵の問いかけに、輝男は気まずそうに一言、返答する。
「そう……。どうしてもと言うのなら、仕方が無いけど……」
「私たちはこのまま後夜祭に行くけど……気を付けて帰って」
桜月と葵が続けて言葉をかけると、輝男は何も言わずにうなずく。
輝男と一緒にいることができない口惜しさを隠せないまま、二人は輝男に背を向け、体育館の方へと歩を進む。
桜月と葵の後ろ姿が遠のくのを見ると、輝男は一人、生徒玄関に向かう。
靴を履き替え、生徒玄関から出ると、暗くなった空の下、手前の外壁に背もたれする一つの人影を認めた。
近付くと、目の前の人影はハッキリとした姿を見せた。
孤独と静寂、そして、闇が取り巻く中、輝男は千早とまっすぐ向き合う。
「ごめんなさい。わがままを聞いてくれて……」
千早が気まずそうに詫びの言葉をかけると、
「別に気にしないでいいよ」
輝男は柔らかな笑みを浮かべて、千早に言葉を返す。
「でも、天江君も、本当は皆と後夜祭を楽しみたかったんでしょ?」
「後夜祭なんてどうでもいい……って言うと、嘘になるけど……
君をそのまま一人ぼっちにさせるのも気が引けたから……」
笑みを絶やさずに言葉をかける輝男に、千早は沈痛な表情をうつむかせる。
「本当だったら、あの時、記念写真を撮った後、すぐに帰るはずだったのに……
何故か、そのまま帰る気になれなくて……
この学校の文化祭の楽しい雰囲気……私が前にいた高校とは比べ物にならなくて……
それに…」
そこで口をつぐむと、輝男に向かって顔を上げ、彼をまっすぐ見つめる。
外の暗さに関わらず、輝男の目には、弱々しくすがり付くかのような形相と、乞うようなまなざしが否が応にも映っている。
自分を見つめる千早の形相に、輝男は自ずと神妙な面持ちを見せる。
「皆と一緒に楽しいひと時を過ごしたい気持ちに変わりは無いけど……
君と二人きりで今回の文化祭の終わりを迎えるのも、俺は決して拒まない……」
「ありがとう……ごめんなさい、天江君……」
真剣みを帯びた調子で言って来る輝男に、千早は感謝と詫びの混ざった言葉を返す。
向こうの体育館からは、後夜祭で賑わう音がかすかに漏れ出ている。
体育館からのざわめきを耳にしながら、輝男と千早はキスを交わす。
◇ ◇ ◇
静寂と闇に覆われた保健室。
白幕で仕切られた一角の内側、一対のベッドの片方に、ブレザーとパーカーが無造作に脱ぎ捨てられている。
もう片方のベッドの上では、輝男と千早が向き合いながらキスを交わす。
唇を重ね、半開きになった唇の隙間から舌先を差し込ませる。
唾液の跳ねるような音と、
「ん……んぅ……うぅ……」
かすかなうめきが、輝男の耳に小さく聞こえる。
ディープキスを終えると、輝男は改めて千早と向き合う。
千早は、気落ちしたような弱い形相を見せながら、ほんのりと頬を赤らめている。
乞うようなまなざしを震わせながらまっすぐ見つめる姿が、輝男の瞳に焼き付かれる。
輝男の手が、千早がまとう白のブラウスに触れる。
再度、唇を重ねながら、ブラウスのボタンを一つ、また一つと外す。
千早のブラウスは、すぐにボタンをすべて外され、はだけられてしまう。
はだけられたブラウスの内側から、Cカップの美乳を覆うミントグリーンのブラジャーと色白の素肌が見える。
輝男はキスをやめると、ブラジャーの上から千早の胸に触れる。
「あっ、あぁ……」
下着越しの愛撫に、千早は自ずとか細い喘ぎを上げる。
輝男の左右の手は、ブラジャーの質感とその下にある柔らかな肉感を併せて味わう。
「んっ、んうぅ……」
繰り返される下着越しの愛撫に、千早は声を殺してうめく。
人の気配はほとんど無いが、学校内の保健室にいるという状況が、千早に自ずと自重をうながす。
一方の輝男は、恥じらいに自らを抑える千早に構わず、彼女のブラジャーをずり上げる。
ブラジャーの下から、なだらかな丸みを帯びた、手のひらに収まる程度の左右のふくらみがプルンと弾み出る。
輝男の手が裸の胸を直に揉みしだく。
「あぁっ……イヤ……」
パン生地でもこねるかのような愛撫に、千早はイヤイヤと首を振り、恥じらいの声を漏らす。
(千早のオッパイ、柔らかくてスベスベしてる……)
愛撫を続けながら、感嘆の念を漏らす輝男。
程々の大きさではあるが、桜月や葵たちに勝るとも劣らない肌触りと揉み心地に、否が応にも気持ちを昂らせる。
裸の胸をつかみながら、そっとベッドの上に押し倒す。
押し倒された千早の真上から、輝男はまたもキスを交わす。
唇を重ね、舌を絡ませ合いながら、千早のはいているロングパンツを器用に緩める。
唾液の跳ねるような音とかすかなうめきを耳にしながら、ロングパンツの内側に手を差し込ませる。
輝男の右手が、千早のショーツの内側に入り込み、彼女の大事なところを指で突く。
途端、千早は唇を離すと、のけ反り、イヤイヤと首を横に振る。
「イヤ……ヤダ……ダメ……だってば……」
茂みの奥の秘裂を指でなぞり、何度も突く輝男の動きに、たまらず羞恥の声を上げる。
しかし、輝男は構わず、千早とディープキスを再開しながら、左手で千早の美乳を揉みしだく。
輝男の右手は、千早のロングパンツの内側で、彼女の大事なところをまさぐり、内側に指を差し込ませようとする。
「んん……んうぅ……んぅ……」
ディープキスを続ける千早の口元から、切なそうなうめき声が艶やかに漏れる。
愛撫と秘所への緩やかな責めが、千早に二重の刺激をもたらす。
輝男は千早とのディープキスをやめると、
「どうだ? 千早、気持ちいいか?」
真上からまっすぐ見つめながら、千早にそうたずねる。
今の輝男の問いに、千早は顔を赤らめてソッポを向ける。
わずかな沈黙の後、ゆっくりと口を動かす。
「わからないけど……何だか変な気分……」
ソッポを向けたまま、弱々しく言葉を返す。
中々、率直な気持ちを言ってくれない千早に、輝男はつい苦笑いを浮かべる。
すぐに左手での愛撫を再開し、右手の人差し指を千早の中に行き来させる。
「あっ、ダメ……イヤ……」
二重のみだらな責め苦に、千早は身悶えながら弱々しく喘ぐ。
しかし、輝男は責め苦を止めず、逆に、愛撫を受け続ける美乳の先端を口に含む。
男の口が胸先に触れ、舌が小さな蕾を舐め回す様に、
「あっ、あぁ……ハァ…んぅ……」
千早は切なそうな喘ぎを艶やかに発する。
成されるがままの千早に甘えるかのように、輝男は愛撫と秘所への行き来を続行する。
左手のひらは、千早の左右のふくらみがジンワリと熱を帯びてきているのを感じ取る。
かすかに温かみを増し、先端の蕾もツンと固く突っ立っていく。
固さを増す桃色の蕾を舐め回しながら、右手の指を通して、千早の中の感触を味わう。
右手の人差し指は、千早の中がジンワリと温かくなり、表面が潤っていくのを認める。
輝男の人差し指が行き来を繰り返すたびに、
「うぅっ、んっ、んうぅ……」
千早は何度ものけ反りながら、切なそうなうめき声を漏らす。
そんな千早の動きに応じるかのように、輝男の指に四方の肉壁から染み出たぬめりが絡み付く。
間も無くして、緩められたロングパンツの内側から、かすかな水音が響いていく。
「イヤだ、やめて……おかしく…なっちゃう……」
イヤイヤと悶えながら、苦悶の声を上げる千早。
すると、輝男はようやく、ロングパンツの内側から右手を引き抜いた。
体を起こし、見下ろすようにして向き合うと、千早の手の前に自分の右手を突き付ける。
千早の目に、輝男の右手の人差し指が蜜で濡れているのが見える。
「千早、もう、こんなになっちゃって……」
笑みを浮かべつつもからかうかのように言ってくる輝男に、
「ひどい……意地悪……」
千早は顔を赤らめながらソッポを向き、恥じらいと嫌悪の声を上げる。
羞恥に満ちた形相を見せつつも、顔を背ける以上の行動には出ない。
輝男を嫌い、拒む代わりに、そのまま彼と二人きりでい続ける。
◇ ◇ ◇
体育館では、生徒たちのアマチュアバンドグループが、テンション高めの曲を熱唱している。
桜月や葵を含む生徒たちは、ステップを踏み、歓声を上げながら曲に耳を傾けている。
体育館から離れた保健室の片隅では、
「んっ、んうぅ……んむっ……」
千早がベッドの上で前屈みになりながら、陰茎をくわえしゃぶり、うめき声を漏らしている。
同じベッドの上では、ノースリーブのシャツのみをまとう輝男が、あぐらをかきながら腰を下ろしている。
彼の裸の股から突っ立つ陰茎は、千早の口内にとらわれている。
ベッドの隅には、輝男の制服や千早の私服が無造作に脱ぎ捨てられている。
千早は、ブラジャーをずり上げられ、右足首にショーツを引っかけただけの格好でフェラチオを続けている。
スローペースにフェラチオを続ける千早の口内では、柔らかく生温かい口腔が、輝男自身を撫でるようにこすっていく。
温かく包み込むような千早の口内の感触に、輝男は深くため息を付く。
やがて、千早はフェラチオをペースアップさせる。
陰茎でふさがれた千早の口内からは、唾液の跳ねるような音と、
「んっ、んうっ、んくぅっ……」
艶やかなうめき声がトーンアップしながら漏れ出る。
「いいぞ、千早……。とても気持ちいいよ……」
深く嘆息しながら、歓喜の言葉をかける輝男。
千早は、今の呼びかけなど聞こえなかったかのように、そのままのペースで輝男自身をしゃぶり続ける。
千早の口腔の動きは、ハッキリとした摩擦に切り替わっている。
前後に動き、こすり付ける口腔の動きに、輝男自身は徐々に固く、大きくなっていく。
昨日の同じ頃、同じ保健室の同じベッドの上で桜月と事に及び、今は、千早と同じ場所で愛欲のひと時を過ごす。
学校の保健室で本来の用途に背く行為を行なうやましさを微塵も見せない。
心を開き、体をも許す美少女との二人きりのひと時に、しばし何もかも忘れようとする。
千早との愛欲に意識を集中しているせいか、あるいは、千早本人の献身のせいかわからないが、千早の口内では、輝男自身が固さ、大きさを増していく。
「んっ、んぐ……んぐ……んうぅっ……!」
艶やかな千早のうめき声が若干、息詰まって来ている。
間も無くして、千早は輝男自身を口から離す。
フェラチオから解放された輝男の剛直は、唾液にまみれながら固く突っ立っている。
「ヤダ……もう、こんなに……」
固くいきり立つ剛直を直視して、千早は思わず驚き、目を見開いてしまう。
ふと、顔を上げると、何とも言えない形相を見せながら、輝男がこちらをジッと見つめている。
「いいか……? 千早……」
感情を抑えながら言って来る輝男に、千早は黙ってうなずく。
ベッドの上で仰向けに寝そべる千早を、輝男は膝立ちの体勢で見下ろす。
裸の股から突っ立つ剛直を、厚めのコンドームが覆っている。
輝男は千早の左右の太ももを開かせると、付け根に見える濡れぼそった裂け目に剛直の先端をあてがう。
「行くぞ……」
「うん……来て……」
一言、二言、言葉を交わした後、輝男自身は千早の中にゆっくりと入って行く。
異物がゆっくりと侵入する様に、千早はベッドのシーツをギュッとつかむ、
「うっ、うぅ……!」
息詰まるようなうめき声をかすかに漏らす。
一方の輝男は、今の時分で収縮を仕掛ける千早のヴァギナに、動きを鈍らせる。
難儀でもするかのようにスローペースに進行していると、
「お願い……そのまま…深く……」
うながすかのような小声が、輝男の耳に重なる。
目を開き、眼下の千早と目を合わせる。
緊張とときめきの混ざった形相を浮かべながら、千早が黙ってうなずく。
輝男は意を決したような面持ちを見せると、勢い良く腰をぶつける。
輝男の猛進に合わせて、剛直がヴァギナを突き破り、千早の中、最奥に突き当たる。
「あっ、あぁっ……!」
千早は大きくのけ反りながら、息詰まるように喘ぐ。
輝男は自分自身を深々と突き刺すと、そのままの状態で静止し、何度も深呼吸する。
かなりの神経を要したかのような態度を見せつつも、すぐに呼吸を落ち着かせる。
輝男の腰がゆっくりと前後に動く。
輝男のスローペースな律動に、千早はイヤイヤと首を振る。
「あっ、あぁ……あぅ…んぅ……」
切なそうなかすかな喘ぎが、千早の口から漏れる。
ゆっくりとした前後運動を何度も繰り返すと、輝男は自ずと律動をペースアップさせる。
熱とぬめりを増す四方の肉壁に煽られるかのように、動きを速めながら千早の中を行き来する。
速まる律動に応じるかのように、千早の身がハッキリと悶え、胸元の美乳がプルプルと震える。
「あっ、あんっ、んっ、んうぅっ……ハァ、ハッ……うっ、あぁ……」
無意識の内に悩ましく悶えながら、艶やかな喘ぎを繰り返す千早。
輝男は荒く息を弾ませながら律動を繰り返すと、
「ど、どうだ……? 千早……」
熱を帯びたような声で千早にたずねる。
「ヤダ……すごい……気持ちいい……」
千早は絶え間無い律動を中で甘受しながら、艶を帯びた声で歓喜の念を返す。
今の千早の返答に応じるかのように、輝男は小刻みに腰を振り、千早に向けて腰をぶつける。
水音混じりの肉と肉の衝突音とベッドのきしむ音が、闇と静寂に包まれた保健室に響く。
しかし、保健室を受け持つ保健教諭がおらず、ほとんどの生徒が向こうの体育館にいる状況下、ここで何が行われているかを知る者はいない。
当の当事者を除いて……
「お、お願い……もっと……もっと強く……」
「ダメだ……! 千早……止まらない……!」
声を震わせながら切に求める千早に、輝男は苦悶と歓喜の混ざった言葉を返す。
輝男の言葉通り、彼の腰は、まるで別の生き物のように千早の股に何度も衝突を繰り返す。
そして、熱っぽさを増し、肉圧を強めるヴァギナを、輝男自身が何度も突き破る。
「あぁ……ヤダ……! 天江君の……また固く…大きくなってく……」
千早はのけ反り、身悶えながら、輝男自身が更に固さ、大きさを増していくのを痛感する。
自らを締め付けんとするヴァギナの動きと、幾重にも絡み付く熱とぬめりが、輝男自身を限界まで固く膨張しているのだ。
輝男は一糸もまとわぬ姿をさらしながら、ベッドの上で仰向けに寝そべっている。
輝男が見上げる先には、
「あっ、あぁっ……ハァ、ハァッ……あぁ、んっ……」
艶やかな喘ぎを繰り返しながら、上下に腰を振る千早の姿がある。
輝男の上にまたがり、恍惚の度合いを増す美貌を赤らめ、美乳を絶えず震わせる。
輝男と千早の間には、固く膨張した剛直が上下に行き来を繰り返す。
正確に言えば、千早の下の口に貪られている。
「あぁ、いい……すごい……私の中……いっぱい……」
ウットリとした口調で歓喜の念を言うと、
「頭の中、真っ白になって……何もかも忘れられそう……」
恍惚とした気分を続けて言う。
我を忘れたかのように上下運動を繰り返す千早を眺めると、
(千早の中……更にキツくなってる……!)
千早の中で強まる肉圧を痛感し、内心、半ば苦悶する。
「あぁ……うぅ……んん……うっ、んくぅっ……」
千早の艶やかな喘ぎに、水音のようなものが混ざる。
剛直が突き刺さったままの秘裂の隙間から、蜜のようなものがこぼれて来ている。
悩ましく腰を動かし、美乳を震わせながらも、千早はその動きを止めもしなければ、わずかでも減退しない。
このまま最後まで突き進ませるかのように、真上から腰をぶつけ続ける。
東大を目指すほどの学力とクールな美貌を併せ持つ千早。
しかし今は、自分が本来成すべきことを忘れ、一匹のメスとして本能のままに愛欲に耽っていく。
すると、ずっと仰向け寝そべっていた輝男が、突然、体を起こした。
そのまま腰を突き上げると、
「あぁっ!」
千早は驚いたかのように声を上げながらのけ反る。
絶えず突き上げる輝男に、自らの腰をうねらせながら、
「あっ、あぁ……あっ、うっ、んっ、ハァ、あんっ……」
艶やかな喘ぎを繰り返す。
千早が左右の腕を輝男の背中に回すと、輝男の両手は千早の左右の太ももを持ち上げる。
輝男が真上へと腰をぶつけると、水音混じりの衝突音と、
「ハァッ、イヤッ、ヤダ……キツイ……!」
千早の苦悶の声が重なって響く。
ようやくにして、剛直とヴァギナの摩擦がもたらす苦痛が、千早の神経を侵していった。
千早は輝男を抱き締める腕力を増しながら、細腕をわなわなと震わせる。
ヴァギナだけでなく、腕までも強く締め付ける動きを認めながらも、そのまま律動を繰り返す輝男。
荒い息遣いが千早の頬に当たり、震え続けていたCカップバストは、いつの間にか引き締まった胸板に押し潰されている。
押し合う二人の胸元は、いずれも熱っぽく薄赤色に染まり、汗をにじませている。
汗と熱が混ざり合うその下では、突き上げるような律動が千早の中を蹂躙し続けている。
絶えずうねるその内側では、コンドームに包まれた剛直が何度も最奥に突き当たる。
やがて、
「イヤ……ダメ……イ、イっちゃう……イく……」
千早は目元に涙をにじませながら、震える声で自らの限界を訴える。
口先だけでない証拠に、彼女の中は、これ以上は無理なくらいに力強く狭まっている。
途切れることのない肉圧に、輝男の中では昂ぶりがマグマのように煮えたぎっている。
「ち、千早……俺も……」
荒い吐息を交えながら言葉をかけると、輝男は小刻みに腰をぶつけて来る。
ラストスパートをかけるかのような輝男の動きに、
「あぁっ、んんっ、んうぅっ……ん、あ……!」
千早は彼を力強く抱き締めながら声を上げて喘ぐ。
ヴァギナを覆う熱とぬめりに加えて、背中にかかる腕力、素肌に染み付く汗とぬくもりが、輝男の欲望を暴発寸前に追い込む。
にじみ汗を噴き出し、グッと歯を食いしばりながら、途切れることなく律動を繰り返す。
汗をにじませながら目を開け、真ん前にある千早の顔を見る。
千早もまた、涙ににじむ瞳を開き、輝男をまっすぐ見つめる。
恍惚に赤らむ美貌と持てる気力のすべてを振り絞らんとする形相が互いに向き合う。
「ち、千早……」
「来て……早く……」
弱々しい千早の呼びかけに、輝男は真下からの強い一突きで応じる。
途端、千早は力一杯に輝男を抱き締めながら、
「あっ、あぁ――――――……」
喉を突き出すようにして体を大きくのけ反らせながら、絶頂の声を上げた。
千早が果てて間も無く、輝男もまた、千早の中で思いっきり果てた……
◇ ◇ ◇
「皆――! 後夜祭もこれがフィナーレだよ――!」
体育館のステージ上に立つ苑田栄子が、ブレザーとスクールネクタイを外した格好で、エレキギターを手にして叫ぶと、
「私の熱唱を聞けるのもこれが最後だから、皆、一緒に盛り上がって!」
マイクを手にした葵が、ハイテンションな声で向かい合う生徒たちに呼びかける。
栄子と同様、ブレザーとスクールネクタイを外し、ワイシャツを開襟させ、スカートの下にはスパッツを着用している。
「ラストナンバー行くよ――! ヒア、ウィ、ゴー!!」
栄子と挟むようにして葵の横に立っている長峰寿里が、やはりハイテンションな声で段下の生徒たちに呼びかける。
寿里の持つベースと栄子のエレキギターが演奏を始めると、ハードなメロディーが体育館に響き渡る。
生徒たちの歓声がとどろく中、葵が熱唱を始める。
プロにも勝るとも劣らない歌声に、桜月だけでなく、小中、河原、そして、他の生徒たちは、つられるかのようにテンションを上げていく。
後夜祭を締めくくる熱唱が体育館を覆い尽くす中、保健室内の片隅は、まるで別世界のような闇と静寂に包まれている。
セックスし、果てたそのままの状態で、輝男は仰向けに寝そべっている。
汗の乾かぬ輝男の胸筋に、やはり生まれたままの姿をさらす千早がピタッと寄り添う。
火照りの収まらぬ美貌を弱々しくさせながら、横から輝男に目を向ける。
二人とも、すぐ近くで行なわれている後夜祭など頭から忘れてしまったかのように、二人きりで性交の余韻に浸る。
「天江君……」
「何だ……?」
「私……あの学校じゃなくて、天江君の学校に行っていればどんなに良かったかと思って……
今日、一通り、この学校の文化祭を見て回ったけど、とてもいい雰囲気で……」
そっとささやくように言葉をかける千早に、輝男は心地よい疲労から穏やかな表情と自らを切り替える。
「自慢じゃないけど、皆、いい人たち、いいヤツらばかりだから」
輝男が言い返すと、千早はやや表情を曇らせる。
「私が前に通ってた学校は……東京…いや、全国でも屈指の一流名門進学校だけど……
悪質なイジメやセクハラが当たり前のように横行してて……
先生も生徒も、自分の利益や保身のためなら、一番の友達さえも喜んで陥れて…」
「わかってるさ。もう、その話はやめよう。
あんな忌まわしい思い出をいつまでも引きずっていると、一生、心の傷は癒えないし……
前に進むことさえかなわない」
忌まわしい思い出を振り返る千早に、輝男は自ずと表情を重くさせ、言葉を返す。
すると、千早は輝男の胸元に顔をうずめる。
「私、天江君とずっとこのままでいたい……
大学受験、東大受験なんか忘れて……
大好きな人と……一生…ずっと一緒に……」
「同感だよ……。でも、俺たちは嫌でも前に進まなきゃいけない……
自分自身の将来のためにも……
それでも、君や他の皆との絆はずっと大事にしていたい……」
率直な思いを交わしてくれる輝男に、千早は顔をうずめたまま離そうとしない。
これから待ち受ける厳しい試練を前にして、二人はしばし安息のひと時を過ごしていく……