「輝男さん、バイト初めて一週間になるけど、どうなの?」
「おかげで一通りのことは慣れたよ。コーヒーの煎れ方とか簡単な軽食の作り方とか」
「それは結構ね。でも、慣れ過ぎると、気が緩んでミスとかしちゃったりするから」
「お店、思ったより忙しいから、慣れてて気が緩む余裕なんて無いかも」
朝の日差しが差し込む中、輝男と真純はテーブルを挟んで話をする。
話を弾ませつつも朝食を進めるが、ふと、目線を横にずらす。
輝男の視線の先、真純の横に座っている瑠奈は、かなり落ち込んだ様子でモソモソと朝食を食べている。
余りにも元気の無い義妹の姿に、輝男はついつい心配そうに表情を曇らせる。
「おい、どうしたんだ? 何だか元気ないけど……」
輝男が心配しながら言葉をかけると、
「……いいなぁ……お義兄ちゃん、バイトに行けて……」
瑠奈は、一呼吸、間を置いた後、深くため息を付きながら、弱々しくつぶやく。
「アタシ、今日、部活が休みだけど……
そのせいで、今日一日、あの家庭教師とずっと付き合わなきゃいけないの……」
滅多に見せない陰鬱な形相を見せながら、落胆しきった調子でそうつぶやく。
輝男は、悲嘆に暮れる瑠奈を見ると、
「でも、しょうがないよな。瑠奈、英語の成績は良くないから。
大変かもしれないけど、ちゃんと先生の言うことを聞い勉強しないと」
仕方ないと言わんばかりに言葉を返す。
すると、瑠奈は苦りきった顔で、輝男に向かって身を乗り出そうとする。
「もう、お義兄ちゃんったら! 少しは親身になってよ!」
声を荒げて、自らの窮状を理解してもらおうとする瑠奈だったが、
「瑠奈、お行儀が悪いですよ。朝ご飯の最中なのに……」
横にいる真純がやんわりとたしなめる。
真純の今の言葉に、瑠奈は憮然としながらも席に戻り、朝食を再開する。
輝男は瑠奈に構わず、黙々と朝食を食べつつも、
「でも、家庭教師を雇うにしても、お金だってバカにならないじゃない。
しかも、丸一日、付き合わせるとなると……」
真純に向かって、気がかりに思ったことを言ってくる。
真純は輝男の今の言葉を聞くと、
「心配しないで。今回は、ボランティアでやって下さると言うから」
平然とした調子で言葉を返す。
輝男は真純の今の言葉を聞くと、
「ボ、ボランティア!?」
信じられないと言わんばかりに驚きの声を上げる。
「そんな……! ボランティアで家庭教師をやってくれる人がいるなんて……!」
「お金とかいらないけど、喜んで引き受けさせてもらうとおっしゃったから……」
笑みを浮かべながら言って来る真純に、輝男は言葉を失う。
そして、そのまま最後まで朝食を食べながら、
(一体、どんなヤツなんだ……? タダで瑠奈の家庭教師をするヤツって……?)
内心、不安にも似た疑念を募らせる。
目の前で突き付けられた義妹の憂慮と併せて、得体の知れない不安が頭をもたげて来る。
三十分後、輝男は自室でデイバッグに荷物を積めている。
これから、バイト先である“カフェ・ホーリー”に向かおうとしている。
すると、部屋のドアが外側から開かれた。
輝男がドアの方を振り向くと、ドアの前に瑠奈が立っていた。
輝男の目に、憂いを帯びた瑠奈の曇り切った顔が映る。
「おい、どうしたんだ?」
輝男がそうたずねると、瑠奈は突然、輝男の胸にドッと抱き付いて来た。
「お、おい、瑠奈!」
輝男が驚きながら声を上げると、
「うぅ……うあぁ――――――んっ!!」
瑠奈は輝男の胸に顔をうずめながら声を上げて泣き出した。
「お義兄ちゃん、あの家庭教師を追い出して!!」
泣きながら義兄に向かって哀訴する瑠奈。
突然の瑠奈の号泣と哀訴に、輝男は思わず戸惑ってしまう。
戸惑いながらも、瑠奈を自分の体から引き離す。
瑠奈は義兄から引き離されて、泣きべそをかく姿をさらしてしまう。
「とにかく落ち着け、瑠奈。お前、どうして、その家庭教師を嫌うんだ?」
「だって…」
心配そうにたずねる輝男に、瑠奈は泣きじゃくりながらも理由を言おうとした。
しかし、次の瞬間、呼び鈴の鳴る音が聞こえて来た。
『は―――い』
呼び鈴に応じる真純の声が聞こえ、足早に進む足音が聞こえる。
輝男はデイバッグを手に廊下の方へ向かう。
輝男の視線の先には、玄関で真純が誰かと応対している姿が見えた。
「先生、今日は丸一日、よろしくお願いします」
輝男に背を向ける形で、真純が自ら“先生”と呼んだ相手に向かって挨拶をする。
「いえいえ。こういうことでしたら、いつでも喜んでお引き受けいたしますわ」
真純が壁代わりになってて見えないが、彼女の向かいから嬉々とした女性の声が聞こえて来る。
どうやら、例の家庭教師のようだ。
すると、真純に先導されながら、何者かが天江家に足を踏み入れる。
「あら、輝男さん、どうしたの?」
真純はすぐに、目の前に立つ輝男の姿を認めた。
「あ、いや、これからバイトに行くところだったんだけど……」
真純からの今の問いかけに、しどろもどろに返答する。
バイトに行くこと自体は本当だが、瑠奈が心底嫌う家庭教師が何者なのかが気になるので、それを探ろうとしたのが真相である。
すると、真純の後ろに立っていた者がひょこッと顔を出した。
その顔を見ると、輝男は思わず驚いた。
「あら、奇遇じゃない」
「あ、雨宮先生!」
驚きの声を上げる輝男は、真純の後ろに立つ理華の姿をすぐに認めた。
理華は真純の後ろに立ちながら、輝男に向かってニコッと笑顔を見せる。
「もしかして、瑠奈の家庭教師って……?」
「そう、私よ」
驚き、唖然とする輝男に向かって、理華は平然とした調子で返答した。
すると、輝男の後ろに瑠奈がピタッと寄り添って来た。
「お義兄ちゃん、アイツよ。この意地悪ババアをやっつけて、追い出して!」
瑠奈は輝男の後ろに身を隠しながら、義兄に向かって必死に訴えかける。
恐怖と嫌悪の入り混じった顔で理華を指差す。
「もう、瑠奈ったら、先生に向かって何てことを言うの?」
真純は困惑したかのように表情を曇らせながら、瑠奈を叱り付けようとする。
「だって、しっかり勉強を教えるとか言って、本当はメチャクチャいじめてるだけだもん」
瑠奈はなおも輝男の後ろに身を隠しながら、理華を嫌う理由を言ってのける。
輝男は義妹の今の悲痛の念を聞くと、呆れ顔でため息を付く。
「諦めろ。雨宮先生は一度スイッチが入ったら誰であろうと容赦しないから」
この中で理華のことを誰よりも良く知っている輝男は、瑠奈に向かって諦念をうながす。
「しかし、先生も学校の仕事だってあるはずなのに、家庭教師なんか引き受けるなんて」
「暇を持て余すくらいなら、誰かのために何かしてあげなきゃと思ってね。
あなたやお義母(かあ)さんには色々と世話になってるから」
輝男は理華とそう言葉を交わすと、そのまま歩を進める。
「じゃあ、義母さん、これからバイトに行って来るから」
「気を付けてね」
真純の返事を聞きながら玄関に向かうと、
「瑠奈、ちゃんと勉強しろよ」
一旦、後ろを振り返り、瑠奈に向かって言葉をかける。
「もう、お義兄ちゃんの意地悪! 裏切り者!!」
瑠奈の怒りのこもった罵声を聞き流しながら、輝男は天江家を出る。
◇ ◇ ◇
カフェ・ホーリーのカウンター席が、べて客で満たされている。
しかも、何故か全員が女性である。
「お待ちどおさま、アイスコーヒーとアップルパイです」
エプロンを着た輝男が、女性客にコーヒーの入ったグラスとアップルパイを載せた皿を出しだす。
しばらくすると、今度は、別の二人組の女性客にアイスティーとアイスレモンティーを差し出す。
「ねぇ、あなた、どこの大学なの?」
アイスティーを受け取ったパーマをかけた金髪の若い女性客が輝男にたずねる。
「え? すみませんが、僕はまだ、高校生です」
輝男がそう返答すると、
「えー、そうなんだ!」
レモンティーを飲みかけたブラウンの長髪を後ろに束ねたもう一人の若い女性客が、驚きながら声を上げる。
「まだ、高校生なのに、しっかりしてるわね」
ブラウンの長髪の女性客がそう言葉を続けると、
「ねぇ、よかったら、番号とメアド、交換してくれる」
金髪の女性客が、スマートフォンを出しなが、嬉々として言葉をかける。
「あたしたち、こちらの大学に通ってて、すぐそこの学生寮に住んでるの」
ブラウンの長髪の女性客がそう言葉を添えると、
「ちょっと困りますよ。まだ仕事中ですし……」
輝男は困惑しながらも丁重に断ろうとする。
二人の女性客は輝男のつれない返事に顔を曇らせつつも、
「でも、あなた、顔もいいし、真面目だし、器用だし……」
「女の子なら絶対、あなたのこと、放っておかないわよ」
興味津々といった様子で輝男に言葉をかける。
「いや、お気持ちだけでも結構です」
輝男は照れながらも苦笑いをすると、新たに店に入って来た客の方へ向かう。
「いらっしゃいませ、ご注文は……あ!?」
席に着いた客に向かって注文を聞こうとした瞬間、輝男は客の顔を見て思わず驚く。
「やあ、お邪魔しに来ちゃった」
「那須先生……」
輝男はにこやかに笑顔を見せる真白とカウンター越しに向き合っていた。
真白は、白の半袖Tシャツにベージュのロングスカートという比較的シンプルな装いでカフェに足を運んで来たのだ。
それでも、Eカップはあろう大きな左右のふくらみは、シャツ越しでもハッキリと自己主張している。
「思ってたよりも、繁盛してるじゃない。皆、天江君のおかげね?」
大入り満員といった店内の様子を見渡しながら、輝男に感嘆の念を言って来る。
真白の今の言葉に、輝男は思わず首を傾げる。
「どうしてですか?」
「あら、天江君、何も知らないの? このお店、“イケメン過ぎる店員”がいるって評判よ」
「どういうことですか?」
輝男が更に訝しがると、
「輝男さん、あなたがバイトしに来た初日に、あなたを見たお客様の誰かがあなたのことを気に入って、他の皆にも紹介したらしいのよ」
マスターである聖真理が、別の客にアイスカフェラテとカスタードパイを差し出しながら輝男にそう説明する。
「始めは口コミだったのが、いつの間にかLINEでも取り上げられちゃって、この結果……ってわけ」
真理に言葉を添える真白に、輝男は何とも言えない面持ちで言葉を詰まらせてしまう。
(俺、普通に仕事しているだけなのに、こんなことになるなんて……)
内心、困惑の念を漏らす輝男。
もちろん、仕事が繁盛することに越したことはないが、思いもしなかった形で仕事が忙しくなることに戸惑いすら覚えてしまう。
すると、
「すみませ――ん」
注文を頼む女性の声が、輝男の耳に入って来た。
「は、はい、只今!」
輝男は慌てながら、別の客の方へ足早に進む。
そそくさと注文を聞く輝男の姿を、真白と真理はほほ笑ましげに見つめる。
◇ ◇ ◇
事務所と休憩室を兼ねた奥の小部屋で、輝男は椅子に深々と腰を下ろす。
忙しく動き回って疲弊の色を隠し切れない輝男だが、それでもスマートフォンを手に誰かと電話をしている。
「……そう。こっちのバイト、思ってたよりも忙しくて。そっちはどう?」
輝男が、スマートフォン越しに、電話相手に向かってたずねると、
『こっちも何とか、上手くやってるわ』
スマートフォンの向こうから、返事をする若い女性の声が聞こえて来た。
『でも、お互いこうも忙しいと、中々、一緒の時間が取れないわね』
「もし休みが取れるようなら、すぐに連絡するよ」
『ありがとう。こっちもいつ休みになるのかわかったら、連絡するね。
……で、もし、一緒の時間が取れたら……その……』
電話の向こうで、女性の声が恥ずかしそうに口ごもると、
「皆まで言わなくてもわかってるよ。ずっとご無沙汰だったし」
輝男は笑みをこぼしながらも、電話相手に向かって言葉を返す。
『あ、ありがとう。じゃあ、バイト、頑張ってね』
電話の向こうから、電話相手が嬉しそうに声を弾ませる。
電話相手の今の言葉を聞くと、
「じゃあ、そっちも頑張ってね」
輝男はそう言葉を返しながら通話アイコンをタップした。
電話を終え、スマートフォンをスラックスのポケットにしまった次の瞬間、輝男は目の前にあるものを見て驚いた。
「せ、先生、いつの間に!」
驚く輝男の目の前には、不敵な笑みを浮かべながらこちらを見つめる真白の姿があった。
「先生、勝手に入って来ないで下さいよ!」
輝男が困惑しきった調子で声を上げると、
「あら、ちゃんとマスターから許可をもらったわよ」
テーブル越しに向き合う真白は、平然と輝男に言い返した。
真白の今の言葉に、輝男は思わず憮然とした顔を真白に見せる。
(まったく、真理さんも余計なことを……)
内心、勝手な入室を許したマスターに対して愚痴をこぼしていると、
「随分、楽しそうに電話してたけど、もしかして、デートの約束?」
真白がからかい半分に言葉をかける。
「違いますよ。友達もこの夏休みにバイトしてて、互いの近況を言い合ってただけですよ」
輝男がそう言うと、真白は席を立ち、輝男のすぐ横にまで近付いた。
真横の席に着席した真白に、輝男は半ば照れながら目を向ける。
真白のアダルトな美貌と笑み、そして胸の大きなふくらみが、否が応にも輝男の目に映る。
真白はほのかに頬が赤らみ、緊張したような面持ちを見せる輝男をすぐに認める。
「天江君……この後も色々と忙しくなるから、今の内に元気を蓄えないとダメよ……」
真白は艶を帯びた声でそうささやきながら、色白で細い手をスラックスの股の辺りに触れる。
真白の手が、輝男の股をスラックス越しに優しく撫でさする。
真白の今の動きに、輝男は更に顔を紅潮させる。
「ま、真白さん……やめて下さい……!」
「輝男君……我慢は体に毒よ……」
真白の妖艶な笑みと艶やかな声が、輝男のためらいを難無くはねのける。
「このお店のお客さん、皆、輝男君見たさに来てるけど、体はそう簡単に許しちゃダメ」
「ぼ、僕、別にそんなつもりじゃ…」
輝男がそう言葉を続けようとした刹那、真白の柔らかい唇が輝男の声をふさいだ。
一瞬のキスの後、輝男と真白はまっすぐに向き合う。
共に気分が昂っているかのように、顔を真っ赤にしている。
紅潮しきった二人の間からは、わずかでも声が漏れ出て来ない。
声に出さなくても、これから何をするのか二人は否が応にも思い知っている……
◇ ◇ ◇
真白はテーブルの上に腰を下ろしながら、
「あっ……あ、ハァッ……」
呆けた顔をのけ反らせながら、切なそうな吐息を漏らす。
真白の膝下では、輝男が、身を屈めながら、真白のロングスカートの中に身を隠している。
細く引き締まった色白の脚に、薄いピンクのパンティーが引っかかっている。
スカートの内側では、輝男が目の前にある肉の花弁を舐め回している。
真白は真上からスカートを抑えるようにしてつかむと、
「うん……いい……いいわ……そこ……」
半ば虚ろで艶やかな喘ぎを、甘ったるい吐息を交えながら発する。
真白の耳に唾液が跳ねる音が小さく聞こえる。
一方の輝男は、真白の秘裂を貪り続けている。
舌を花弁の内側に差し込んだかと思うと、花弁に添えられている小さな豆を口に含む。
「うっ、うぅっ……」
輝男の執拗なクンニに、真白は痙攣しながら艶やかにうめく。
すると、真白の中から蜜のようなものが流れ出て来た。
輝男は蜜を舐め取ろうとするが、蜜は流れる量を増していく。
加えて、強度を増した芳醇なメスのにおいが輝男の嗅覚を突き刺す。
蜜とメスのにおいに煽られて、輝男の舌の動きはペースアップする。
真白はテーブルの淵をギュッとつかむと、
「うぅっ、イヤッ、あんっ、あぁっ……」
艶めかしく苦悶しながら艶やかな喘ぎを繰り返す。
スカートの内側にいる輝男は、真白の喘ぎをかすかに聞きながら流れ続ける蜜に難儀する。
すすり、舐める音がトーンアップし、真白の耳に否が応にも届く。
(あぁ……気持ちいい……。で、でも、このままじゃ……)
真白は歓喜の念に浸りながら、言い知れぬ不安にさいなまれる。
「あ、天江君……やめて……」
艶やかな声で輝男に制止を訴える。
真白の今の呼びかけに、輝男はようやくスカートの中から顔を出す。
輝男が見上げる先には、恍惚とした美貌を赤らめ、乞うようなまなざしを震わせながらこちらを見つめる真白の姿があった。
スカートの陰に隠れてよく見えないが、真白の色白の太ももを一すじの蜜が下の方へと伝っていく。
「お願い……来て……」
艶やかに懇願する真白に、輝男は沈黙で応じる。
しかし、彼のはいているスラックスは内側から大きな盛り上がりが生じている……
椅子に腰を下ろす輝男の膝上に、真白がそのままの状態で腰を下ろしていく。
スラックスの内側から露呈され、黒色のコンドームに全身を覆われた陰茎が真白のスカートの内側に隠れる。
スカートの内側で、真白の秘裂が天を向くように直立する陰茎の先端に触れる。
真白は輝男とまっすぐに向き合うと、彼とキスをする。
キスをすると同時に、深々と腰を沈める。
輝男によるクンニで濡れぼそった秘裂が陰茎をくわえ込むと、
「あぅっ……うっ、あぁっ……!」
真白は息詰まるような喘ぎを発しながらのけ反った。
そして、輝男を優しく抱き締めながら腰を上下に動かす。
「あっ、あっ、あんっ、あぅ、あ、ハァッ……」
上下運動と艶やかな喘ぎを繰り返す真白。
服を着たままの状態で抱き締め合っているのでよくわからないが、輝男と真白は今、対面座位の体勢で互いを貪り合っている。
…と言っても、実際には、真白が輝男自身を飲み込んだまま動いているだけなのだが……
「ま、真白…さん……」
「天江君、あなたは何もしなくていいから……あたしに任せて……」
真白は輝男にそううながすと、腰の動きを激しく小刻みにさせていく。
スカートの内側から、衝突音のようなものが小さく聞こえて来る。
輝男は真白を抱きしめる腕力を強めながら、
(ま、真白さんの……強く締まってる……!)
内心、感嘆の念を上げる。
すると、
「ヤダ、輝男君ったら……固く、大きくなっちゃってる……」
真白は腰を振り続けながら、艶やかな声で感嘆する。
輝男が真白のヴァギナが狭まるのを感じ取る一方で、真白の方は、輝男の剛直が自分の中で硬度を増し、徐々に膨張していくのを感じ取る。
真白の中では、すぐに剛直と肉壁による強い摩擦が生じる。
剛直と肉壁がこすれ合う動きは、輝男と真白に得も言われぬ刺激をもたらす。
「あっ、あっ、あぁ……んっ、んんっ……!」
腰を振り続けながら、体を大きくのけ反らせ、艶やかな喘ぎを繰り返す真白。
真白が自分自身を貪るかのように激しく動き続けているのを見ると、
(ま、真白さん……すごい……!
俺、ほとんど、何もしていないのに、真白さんが動くだけで……とても気持ちいい……!)
輝男は内心、真白に対する感嘆の念を上げる。
輝男の言う通り、彼はただ椅子に腰を下ろし、真白と抱きしめ合っているだけなのだが、真白が激しく上下に腰を振り続けることで、その中に飲み込まれた剛直が強くこすられ、絶えず刺激を受け続けているのだ。
しかも、ただこすられるだけでなく、内側から染み出る微熱と愛液が固く膨張の一途をたどる剛直に絡み付き、動きを加速させている。
「あぁ……うっ、あぁっ……」
真白は艶やかな喘ぎを繰り返したかと思うと、輝男と顔をまっすぐに向き合わせ、彼と舌を絡ませ合う。
ディープキスを続けながらも、腰の動きが途切れることはない。
唾液が跳ねるような音と腰と腰がぶつかる小さな音が、上下、一緒に聞こえて来る。
「うぅっ……んんっ、んふぅ……」
絡み合う舌の隙間から、荒く切ない吐息に混じって艶やかなうめき声が漏れる。
そして、
(輝男君……すごい……気持ちいい……。このままじゃ……イっちゃう……!)
真白は心の中で、自ら引き起こしておきなが輝男の剛直がもたらす刺激に歓喜し、限界の訪れを痛感する。
やがて、輝男と真白がディープキスをやめると、
「あぅっ」
真白はビクンとのけ反りながらうめいた。
「真白さん、ごめん……。俺、もう、我慢できない……」
輝男は一言、そう謝ると、スカートの内側に隠れたままの腰を真下から繰り返し突き上げる。
真下からの突き上げに押されるように、真白の体がビクンと揺れる。
輝男は荒く息を弾ませながら、何度も繰り返し腰を突き上げる。
真白もまた、輝男に向かって腰をぶつけながら、時折、前後にくねらせる。
輝男と真白はなおも互いに抱き合っているが、互いの背中に回した両腕はわなわなと震え出している。
「ま、真白さん……もう……」
輝男は腰の突き上げを繰り返しながらも、震える声で限界の訪れを告げる。
輝男の股の辺りは、既に沸騰感がギリギリまで高まっているのだ。
「て、輝男…君……あ、あたし…も……」
真白は、弱々しく輝男を見つめながら、震える声で限界を訴える。
固く膨張しきった剛直を包む四方の肉壁は、熱と愛液を増しながらもギュッと狭まっている。
わずかな余裕も無い状態で繰り返される摩擦は、二人を容易に限界へと追いやる。
それでも、輝男と真白はなおも強く抱きしめ合いながら、ラストスパートをかけるかのように激しく腰をぶつけていく。
「あ、あんっ、あぁっ、うっ、んんっ、うぅ、ハァッ、あ、ハァッ……」
交互に繰り返される艶やかな喘ぎとうめき、そして、荒く切ない吐息が、スカートの内側でトーンアップする衝突音と重なって聞こえて来る。
しかし、輝男が真白に向けて強い一突きを食らわせると、
「あっ、うぅっ……あぁ――――――……」
真白は体を大きくのけ反らせながら、絶頂の声を上げた。
真白の今の叫びを聞くと、輝男はギュッと締まり切った真白の中で思いっきり果てた……
◇ ◇ ◇
輝男が真白とひそやかな淫行を行なっていた頃――
コンビニと思しき店内で、桜月が店の制服を着ながらレジに立っていた。
「はい、128円のお返しです」
桜月はレシートとお金をトレイに載せながら、目の前の客に差し出す。
客がお金とレシートを受け取ると、
「ありがとうございました」
笑顔を見せながら、客に向かって一礼した。
すると、先程、桜月からおつりを受け取った客と入れ替わるようにして、一人の男性客が入って来る。
「いらっしゃいませ」
店に入って来た男性客に向かって、桜月は元気よく挨拶する。
今、桜月がいるのは、自宅から一キロほど離れた国道沿いにあるコンビニエンスストアである。
桜月は、今回の夏休みを利用してコンビニでバイトをしているのである。
やがて、別の店員と交替すると、入荷された商品を棚に補充していった。
黙々と補充作業を進めながら、
(輝男君の方も、ちゃんと頑張ってるかしら……?
……うん、頑張ってるわね、きっと……)
遠く、別のところでバイトに励んでいる輝男に思いを馳せている。
確かに、輝男もまた一生懸命、バイトに励んでいるが、休憩の合間にこれまで二度もセックスをしたことなど、桜月は知る由もない……