輝男と桜月は、露天風呂の傍で共に生まれたままの姿で向き合っている。
しかし、共に驚愕の表情を見せながら、最悪のタイミングで出くわしたことを隠そうとしない。
「輝男君……どういうことなの……?」
桜月は驚愕しきった表情を浮かべ、声を震わせながら、輝男に問いただそうとする。
桜月の目は、目の前にいる輝男と、彼の背後に抱き付く小春をハッキリととらえている。
「ち、違うんだ、日向、これは……!」
輝男は困惑しきった面持ちで、しどろもどろに弁明しようとする。
桜月が自分と小春をしっかりと見据えていることにすぐに気づいた。
すると、輝男の背後に寄り添っていた小春が、輝男から体を離した。
そのまま前に進み出ると、輝男をさえぎるようにして、桜月と向き合う。
今度は、小春と向き合う形となった桜月は、一転、鋭く、険しい表情を見せる。
これまで見せたことの無いような激しい敵意の表われに、輝男は愕然とする。
一方の小春は、自分を鋭くにらむ桜月に動じないばかりか、逆に不敵な笑みでにらみ付ける。
明らかに自分が優位であることを見せ付けようとする。
客観的に見て、いかなる根拠によるものかわからないが……
二人の年若い十代の美少女が、共に均整の取れた裸体をさらけ出しながら向き合っている……
少しでも性欲のある男であれば、嫌でも劣情を催さずにいられない光景である。
しかし、実際には、劣情を催す余地など無いくらいに、雰囲気は極めて刺々しい。
「アンタ……アタシの輝ちゃんに何の用なの?」
小春は鼻で笑うかのように、桜月に話しかける。
すると、桜月は、至近距離にまで近付くと、すぐに小春の頬を勢いよく引っぱたいた。
正に一瞬の出来事であるこの殴打に、殴られた小春、そして、傍観する輝男は、一瞬の唖然の後、愕然とする。
彼らの目に映る桜月は、激しい怒りをあらわにし、目の前にあるものをキッとにらむ。
小春は一瞬、愕然とするも、すぐにキッと鬼の形相を浮かべ、桜月に叩き返す。
小春の力強い平手打ちが、桜月の頬に思いっきり当たる。
「アンタ、一体、何のマネなの!?」
小春が桜月を鋭くにらみながら、声を荒げて言って来ると、
「それは、こっちのセリフよ!
一体、何の権利があって、私の輝男君を自分の所有物みたいに扱って……!」
桜月は怒りをあらわにしながら、声を上げて言い返す。
「悪いけど、アタシの方が、アンタや他の娘よりも輝ちゃんにふさわしい女なんだから」
「勝手なことを言わないで!
あなたみたいなチャラチャラした不良なんか、一番、輝男君の相手にふさわしくないわ!」
「ふざけんじゃないよ! アンタ、何様のつもりなの!?」
「今日、会ったばかりの……
それも、あんな最低最悪なナンパグループの仲間であるあなたが、どうしてそんな偉そうなことを言えるの!?」
二人は互いに言葉を交わしながら、怒りを募らせていく。
自分をナンパし、無理矢理、連れて行こうとした上に、輝男に暴力を振るわせてペナルティを強いた相手の身内に、桜月は今までにない激しい怒りを爆発させる。
かつて、瑠奈、そして、理華、真白と衝突したこともあった桜月だったが、程度で言えば、先の出来事など今の対峙に比べれば取るに足らない程度でしかない。
小春相手に決して相容れない激しい怒りをぶつける桜月に、輝男は困惑の度合いを増していく。
一方の小春も、桜月の怒りを目の当たりにして、却って闘志をわき上がらせているようだ。
元々、気の強い性分に、本気で輝男に惚れた心が重なり、桜月に対して絶対に引き下がらない敵意と闘志を募らせる。
このまま行けば、美少女二人による大荒れの修羅場は避けられない。
すると、
「やめろ、二人とも!!」
輝男が桜月と小春を裂くようにして、間に割って入って来た。
「事情はどうあれ、この場でケンカはやめてくれ!」
真剣な表情を見せながら、声を上げて、桜月と小春に自制をうながす。
輝男の真剣な訴えに、小春は怒りの形相を不敵な笑みに切り替える。
「また、アタシともう一度、エッチしてくれたら、輝ちゃんの言うこと聞いてあげる」
不敵な笑みを絶やさずに、条件を提示しながら言い返す小春に輝男は嘆息する。
「あのなぁ……。まだ、そんなことを……。もう、俺は…」
と、小春に言い返そうとした途端、後ろからつかんで来た手が輝男の腕を無理矢理に引っ張る。
「輝男君、もう行きましょう」
桜月は険しい表情を赤らめながら、輝男の腕を引っ張り、露天風呂から出て行く。
輝男は桜月に引っ張られながら、成すすべ無く露天風呂を後にする。
輝男も桜月もいなくなった露天風呂に、小春は一人、取り残されたかのように立ち尽くす……
◇ ◇ ◇
ホテル・シーサイドベスト七階のとある宿泊室に、一人の少女が入って行く。
洋風のたたずまいをし、二人分のツインベッドが部屋の真ん中を占めている。
遠く海が見える夜空を映した窓際のテーブルで、二人の男がスマホゲームに興じている。
大富 豪ともう一人、長めの茶髪に髭を生やした三十前後の男が、テーブル越しに向き合いながらゲームを続けている。
少女がこちらに近付くと、豪は手を止め、少女の方を向いた。
「お前、どこに行ってたんだよ?」
「お風呂に入ってたに決まってんじゃん」
豪からの問いかけに、小春は素っ気無く返事をした。
金色の長髪をほどき、黒のキャミソールに紺の短パンといういで立ちをしている。
キャミソールの内側からは、裸のGカップバストが自己主張して来ている。
「嬢様、余りあちこちフラフラしてて、万一のことがあったら、俺の首なんか、すぐにすっ飛んじゃいますから」
長い茶髪の男がゲームをしながら小春に苦言を言う。
小春は男の苦言を無視して、豪と向き合う。
「豪兄ったら、こんなところで男二人、わびしくゲームなんかしててカッコ悪過ぎ」
「しょうがねぇだろ。今日は結局、収穫ゼロなんだから。
一人でも女の子、引っかけることができたら、こんなところで大人しくなんかしてねぇよ。
……ったく、わざわざ遠くまで足を運んだのに、一人も獲物が捕まらないんなら、家で大人しくしてた方がマシだって感じだぜ」
呆れながら言葉をかける妹に、豪はゲームを再開しながら愚痴をこぼす。
「悪いけど、豪兄的には当然の結果なわけだし……」
小春はそう言葉を返すと、豪と男に背中を向け、部屋の入口へと歩を進める。
「嬢様、どこへ行くんすか?」
「ここだと退屈過ぎるから、ちょっとそこら辺で遊んでるわ」
小春は背を向けたまま、問いただして来る男に素っ気無く言い返す。
そして、そのまま部屋を出る。
◇ ◇ ◇
同じホテル内の大部屋では、五つ、横並びに敷かれた布団の上で、真純と理華、真白の大人組が、互いに向き合っている。
三人の傍にはトランプが無造作に散らばっている。
「ハァ……ホント、真純さんって強いわね」
「何度やっても、連戦連勝ですもの」
理華と真白は、真純に向かって大きくため息を付く。
足元にあるトランプから察するに、トランプゲームで負けでもしたのだろう。
「そんなの、たまたまに決まってますよ。私だって負ける時は負けますから」
真純は柔らかな笑みを浮かべながら、二人に言葉を返す。
「ところで、日向さんと瑠奈ちゃんは? さっきからずっと見当たらないんですけど」
「瑠奈と日向さんは輝男さんの部屋に向かったわ」
理華の問いかけに、真純は迷うこと無く返答した。
「天江君とゲームか何かでもするのかしら?」
「それが……何か大事な話があるとか言ってたわ」
真純は柔らかな表情を崩すことなく、真白からの疑問に即答する。
真純の返答を聞くと、理華と真白は互いに顔を向き合わせる。
「……怪しいわね……!」
理華と真白は互いに顔を見合わせるなり、奇跡的なタイミングで声を揃える。
すると、出入り口のふすまが外から開かれた。
三人がふすまの方を振り向くと、
「夜分、急にお邪魔して申し訳ありません」
小春がキャミソールに短パンといういで立ちのまま、ふすまの向こうから挨拶して来た。
普段の口ぶりとは大いに違う丁寧な挨拶をすると、そのまま部屋の中に上がり込んだ。
そして、真純、理華、真白の前で、馬鹿丁寧に正座をする。
「あなたは……?」
「私、御学堂大学附属高校一年の大富小春と申します」
真純からの問いかけに、小春は深々と頭を下げながら自己紹介をした。
「御学堂大附属高……って、あの都内屈指の名門校の……!?」
「本当かしら……? どう見ても、それっぽい雰囲気じゃないけど……」
理華と真白は、信じられないと言わんばかりに小春を凝視する。
二人の中では、自分たちがイメージする“御学堂大学附属高校”と今、目の前にいるラフな格好をしたいわゆる“ギャル系”少女が、どうしても合致できずにいる。
現役教諭でもある理華と真白が半信半疑――と言うよりも90%ほど“疑”――で見つめる中、小春は話を切り出す。
「実は今日、うちの愚兄が、そちらの天江輝男さんと一悶着を起こして、輝男さんに多大な迷惑をかけたことに対して、深く、お詫びをしたいと思いまして、そちらに参った次第です」
小春がまたも頭を下げながら用件を伝えると、
「もしかして、今日、天江君とケンカした相手って、あなたのお兄さんなの……!?」
理華は驚きながら小春にそうたずねる。
「はい。うちの愚兄は、わけあって謝罪に参ることができないので、代わりに妹の私が参りに来た次第です。
つきましては、今回の件で、輝男さんにも改めてお詫びをしたいと思いまして……
どうか、輝男さんのお部屋をお教えいただけたらと存じます」
用件を続けて言う小春に、理華と真白は思わず戸惑いを隠せずにいる。
いきなり部屋に転がり込んで来た上に、虫のよ過ぎる頼みごとをして来る初対面の少女に、すんなり応諾の意を示すことができずにいる。
「今後、もしかしたら、今回の件がきっかけで何かしらご縁が生じるかと思いますので、そのためにも是非……」
重ねて頼み込む小春を、真純は落ち着き払った面持ちで見据える。
◇ ◇ ◇
小春が真純たち大人組と向き合っている同じ頃――
真純たちのいる大部屋の向こう、端にある単身用の宿泊室で、輝男は桜月、瑠奈と向き合っている。
三人ともベッドの上で向き合っているが、気まずそうな顔を見せる輝男に対して、桜月と瑠奈は厳しい表情で輝男を見つめる。
「もう、お義兄ちゃんったら、女の子相手にだらしがないにも程があるわ。
少しくらいは、相手にしていい人と悪いヤツを見分けるぐらいはしてくれないと……!」
瑠奈がムッと頬を膨らませながら、舌鋒鋭く言って来ると、
「私、輝男君がどの女の子を抱こうと、基本、受け入れるつもりでいるけど……
あの娘だけはどうしても受け入れられないわ……
なのに、あの娘を抱いて、エッチしちゃったなんて……
こんなこと、取り返しのつかない大事(おおごと)だってこと、ちゃんとわかってるの?」
横にいる桜月が、苦悩の極みにあるかのように重い表情を見せ、輝男に苦言を言って来る。
小春との露天風呂での淫行を非難しているのは明らかだ。
「すまん。俺としても、できることなら遠慮したかったがつい……」
輝男は気まずそうに表情を曇らせながら、桜月と瑠奈に向かって詫びの言葉をかける。
「とにかく、あのろくでなしブスが、アタシたちと同じくこのホテルに泊まってる以上、絶対に安心できないから!」
「あの娘、どう考えても、このまま大人しく引き下がるとは思えないわ」
「だから、今夜一晩、アタシたちがずっとお義兄ちゃんに付きっきりで付き合ってあげるから」
瑠奈と桜月の今の言葉に、輝男は申し訳ないと言わんばかりに表情を曇らせる。
「二人とも気持ちは嬉しいけど、この部屋、三人一緒にいるには狭いし……」
「関係ないもん。アタシたちとお義兄ちゃんがピッタリ寄り添えば問題無いから」
「私も……輝男君と一緒にいられるなら、多少の不便もどうってことないから」
瑠奈の後を追うようにして、桜月が笑顔を見せながら輝男に言葉をかける。
どんなことがあっても、どんな状況でも自分と一緒にいたいという瑠奈と桜月の切実な思いに、輝男は返す言葉が出て来ない。
言葉を返す代わりに、頬を赤らめ、はにかみながらも二人をまっすぐ見つめる。
わざわざ言葉に出さずとも、思いが一つとなった様子だ。
すると、ドアがガチャッと音を立てながら開いた。
ドアが外から開かれると、向こうから一人の少女が入って来た。
「エヘッ、来ちゃった」
笑みをこぼしながら、小春が部屋の中に足を踏み入れる。
途端、
「あ―――っ!!」
小春の入室に気付いた桜月と瑠奈が、小春の顔を見るなり、驚きの声を上げた。
二人はベッドから降り立つと、すぐさま小春と対峙する。
「ちょっと、アンタ、何しに来たの!?」
「輝ちゃんともう一回、セックスしに来たに決まってんでしょ」
「あなた、さっきもシたのに、まだ物足りないとでも言うの!?」
「あったりまえじゃん。
輝ちゃんみたいな素敵な“カレ”とのエッチなんて、一回ヤれば十分ってわけにいかないでしょ。
アタシ、さっきから体が疼いて疼いて仕方がないんだから。
輝ちゃんの極太チ〇チ〇を思いっきり受け入れて、そのまま中出ししてくれないと、疼きがもっとひどくなんて大変なことになっちゃうじゃん!」
敵意と怒りのこもった瑠奈と桜月の言葉に、小春は平然と言葉を返す。
さも当然のように卑猥な単語を交えて、率直に性欲に駆られる衝動を言ってのけてはばかろうとしない。
小春の今の言い様に、輝男はその場で唖然とする。
今まで相手にしてきた女性、少女たちと違い、ここまで品性が疑われるような言動をしながら、己の性欲に突き進もうとする小春に、言葉をかける気力も失せてしまう。
すると、小春は未だベッドの上にいる輝男の腕を引っ張り、無理矢理ベッドから降り立たせる。
「さ、こんなヤツらほっといて、もう一回、思う存分、ヤっちゃお」
小春は、輝男の腕を引っ張りながら、嬉々として言って来る。
すると、輝男は小春の手を勢いよく振りほどいた。
「いい加減にしろ! 俺がさっき、君に言ったことをもう忘れたのか!?」
輝男は、厳しい表情で小春をにらみながら、声を荒げる。
「もう、俺たちは一切、関わるなと言ったはずだ。
なのに、勝手に部屋に入って来て、もう一回、エッチしようだなんて……!」
苦言を言って来る輝男に、小春はつられて、表情を厳しくさせる。
「輝ちゃんはアタシのことを十分、知らないから。
たった一回のエッチだけで、アタシのことなんか判断できないわ」
「いいえ、十分過ぎるくらいにわかってるわ!」
輝男に向けた小春の反論に、桜月が厳しい表情で割って入る。
「あなたもお兄さんと大して変わりないわ。
ただ、自分一人の身勝手な都合で、相手を無理矢理にモノにしようとしているだけなんだから!
輝男君、そうなんでしょ?」
桜月は小春の本性を見抜くような言葉を吐くと、即座に傍にいる輝男に同意をうながす。
すると、小春は桜月の方を向くなり、キッと険しい表情でにらみ付ける。
「ふざけんじゃないよ! アタシはあのバカ兄貴とは違うんだから!
兄貴は、自分の勝手気ままな性欲のために、女の子をとっかえひっかえしてるだけだけど……
アタシ、輝ちゃんに限って言えばメッチャ本気なんだから!
最初から遊び半分で付き合う程度だったら、わざわざここまでやって来ないわよ!」
「遊びだろうが本気だろうが、輝男お義兄ちゃんはアンタなんかに渡さないんだから!」
「ふざけんなって言ってるでしょ、この貧乳チビ!」
「貧乳チビですって……アンタみたいなろくでなしの不良女にだけは言われたくないわよ!」
「いい加減にしろ!!」
激しく言い争う瑠奈と小春に、輝男が怒りの声を張り上げた。
輝男の怒りの声に、瑠奈と小春は一斉に沈黙する。
思わず戸惑う小春に、輝男は厳しい表情を向ける。
「例え、君が本気で俺と関係を持ちたいとしても……
このように不要で不毛ないさかいを引き起こす以上、君の望みを聞くことはどうしてもできない」
輝男は厳しい表情を崩すことなく、小春に向かって拒絶の意をハッキリと伝える。
輝男の今の言葉に、小春はさっきまでの威勢が嘘のように、弱々しく萎えていく。
自分が本気で思いを寄せていたであろう相手からの力強く拒絶に、すっかり萎縮し、重くうな垂れてしまう。
輝男たちは、ハッキリと気落ちしながら重くうな垂れる小春をジッと見つめる。
すると、
「……嫌だ……このまま引き下がるなんて……絶対、嫌だ……」
小春は重くうな垂れたまま、震える声で反論を言おうとする。
次の瞬間、キッと顔を上げると、
「アタシ、本当に本気なんだから!」
目に涙を溜め、意を決したかのような強い表情を見せると、着ていたキャミソールを勢いよく脱ぎ出した。
脱ぎ出されたキャミソールの下から、形良いGカップバストがブルンと弾み出た。
そして、上半身裸の身を、輝男に向けて強く抱き付かせる。
「アタシ、輝ちゃんに抱かれるまで、ずっとここから離れないから!」
小春は輝男に抱き付きながら、声を上げて自らの決意を伝える。
すると、桜月がすかさず、輝男と小春の間に割って入って来た。
そのまま小春を輝男から引き離そうとする桜月だったが、
「何よ、アンタ。アタシ、これから輝ちゃんとエッチするんだから。
何もできない腰抜けのブスは、さっさと引っ込んで」
小春は口汚く桜月をけなし、彼女を追い払おうとする。
桜月は小春の今の悪罵に怖気付くどころか、却って、厳しい表情で彼女をにらむ。
「私……私だって、あなたなんかに負けないわ……!
私、あなたの倍以上は、輝男君と一緒にエッチした仲なんだから……!」
搾るような声で小春に言い返すと、桜月もまた、着ていた上着を勢いよく脱ぐ。
頬を赤らめ、シンプルな白のブラジャーのみをまとう上半身をさらす。
意を決したような厳しい面持ちで、輝男、そして、小春をまっすぐに見据える。
「ひ、日向……」
小春相手に一歩も引かない桜月に、輝男は返すべきことが中々、出ずにいる。
すると、桜月の横で、瑠奈もまた、着ていた服を脱いでいく。
輝男の目は、淡いピンクのブラジャーとお揃いのショーツのみをまとう瑠奈の姿をとらえた。
「瑠奈、お前まで……!」
輝男は、下着姿の義妹を見て、戸惑う余り、言葉を詰まらせる。
下着姿で対峙して来る桜月と瑠奈を見て、小春は強気で不敵な笑みを見せる。
「アンタたち、本気でアタシと勝負したいってわけね? いいわ、受けて立とうじゃん!」
「あなたが輝男君から完全に身を引くまで、私、絶対に引き下がらないから」
「アタシだって!」
挑発するかのように言って来る小春に、桜月と瑠奈は力強く言い返す。
(まさか、こんなことになるなんて……!)
傍に立つ輝男は、同じ愛する人を思う心と己の意地とプライドをぶつけ合う美少女三人を前にして、ただ、愕然とするばかりである……