明朝学園高校校舎内の廊下を、桜月が歩いている。
階段に差し掛かると、手前の壁際で三人の男子生徒が何やら話をしているのを認めた。
二人組の男子生徒が残る一人の男子生徒と向き合っている。
桜月は二人組の男子生徒と向き合う男子生徒を見ると、
(輝男君……一体、どうしたんだろう……?)
内心、首を傾げる。
一方、二人組の男子生徒と向き合っている輝男は、半ば困惑したかのような顔を見せている。
「…だから、その件は他のヤツに頼んでくれ」
「そんなこと言わないでくれ。お前の他にふさわしいヤツはいないんだよ」
「何とか引き受けてくれないか」
断りの返事を入れる輝男に、男子生徒二人は困惑しきった面持ちで言い返す。
すがり付くかのような懇願に、輝男は思わず閉口する。
「今度の生徒会長選挙、東と黒山の二人しか立候補してないんだ。
選択肢があの二人しかいないなんて、メッチャキツイぞ」
「せめて、お前が立候補してくれたら、流れは結構、変わると思うんだ」
「せっかくで悪いけど、俺は人の上に立って、あれこれと威張り散らす性分じゃ無いんだ」
「そんなこと言うなよ。立候補の締め切りは今日までなんだぞ。
あの二人の他には誰も立候補してないし、お前が引き受けてくれないと色々と大変なんだ」
「お前、結構、顔もいいし、生徒会の仕事にも詳しいから、あの二人より十分、適格だと思うんだが」
「おだてられたって、ダメなものはダメだ。どうしても…って言うなら、他のヤツを当たってくれ」
生徒会長選挙への立候補を頼む同級生二人に、輝男は深くため息を付きながら繰り返し断る。
しかし、男子生徒二人はなおも引き下がる姿勢を見せない。
「正直言って、東が生徒会長に選ばれる可能性はまったく無い。問題は黒山なんだ!」
「お前、黒山とは別のクラスだけど、アイツの評判はよく知ってるだろ?」
「あぁ……確か“鬼の級長”だったな」
「そうだよ。もしこのままだと、実質、黒山一択になり、アイツが間違いなく当選してしまう」
「そうなったら、黒山のヤツ、今度は“鬼の級長”じゃなくて“鬼の生徒会長”になるぞ」
黒山とか言う同級生に対する不安を口走る男子生徒二人に、輝男はさほど心を動かされた様子を見せない。
「しょうがないんじゃないか。他に生徒会長が務まりそうな人もいないみたいだし」
「天江、お前、簡単にあきらめるなよ」
「別に、黒山の独裁になるわけでもないんだから、結局はなるようになるんじゃないか」
素っ気なく言葉を返すと、輝男は男子生徒二人の前から去って行く。
「おい、天江、この薄情者!」
不機嫌に声を荒げる同級生たちの方を振り返らず、そのまま階下へと歩を進める輝男。
傍で一部始終を見ていた桜月は、一人、クスッと笑みをこぼす。
数分後――
輝男は図書室にいた。
持っていた書籍二冊を、カウンターの向こうに座る女子生徒に手渡す。
女子生徒の右腕には、“図書委員”と記された腕章が巻かれている。
輝男は手渡した本の状態を調べる女子生徒をジッと見ている。
夏用の制服である半袖の白のワイシャツとスクールネクタイ、薄手のスカートに包まれた均整の取れた体型――
後ろ髪を三つ編みで結った黒の頭髪――
ノンフレームのメガネを添えた大人しそうな風貌――
そして、ワイシャツの下からでもハッキリとわかる大きな左右のふくらみ――
女子生徒は渡された本の状態をすべて見終えると、
「本の状態は問題ありません。返却、ありがとうございます」
恐縮したような口調で、輝男に返却完了を告げる。
「百川、いつも図書委員の仕事、お疲れ様」
自ら“百川”と呼んだ図書委員の女子生徒に向かって、輝男は優しく言葉をかける。
すると、女子生徒――百川七海(ももかわ・ななみ)は緊張しきった形相を赤らめる。
「あ、ありがとう……ございます……」
ガチガチに固まりながらぎこちなく言葉を返すと、そのまま顔を思いっきり下げた。
目の前の女子生徒の余りの人見知りぶりに、輝男は思わず苦笑いを浮かべる。
間も無くして、図書室から輝男が出て来た。
図書室を出た途端、一人の女子生徒と出くわす。
「どうしたの?」
「たまたま通りかかっただけ」
問いかけて来る輝男に、桜月は笑顔で即答する。
すると、間を置かずに桜月が話しかけて来る。
「ねぇ、さっき、生徒会長選挙の件で頼まれてたみたいじゃない」
「何だ、さっきの話、覗き見してたのか」
輝男はさっき、同級生の男子生徒二人と話をしていた時のことを思い出しながら、桜月に言い返す。
桜月がさっきの話を傍観していたことを、今になって気付いたのだ。
「天江君って、生徒会長になろうと考えたことは無いの?」
「無いね。生徒会長の仕事って、俺には荷が重過ぎるし。
他にふさわしい人がいれば、その人がなればいいけど、今のところ見当たらないみたいだし……」
「このままだと、B組の東君とC組の黒山さんの一騎打ちになっちゃうわね……」
「でも、実際のところは、黒山の圧勝になるな。
どう考えても、東が生徒会長に選ばれる見込みはまったく無いし……」
そう言葉を交わすと、輝男と桜月は一旦、口を閉ざした。
わずかな沈黙の後、今度は輝男の方から話しかけてきた。
「そう言えば、百川のヤツ、ちゃんと図書委員の仕事、やってるみたいだな」
「うん。七海ちゃん、大人しくて物静かだけど、真面目で仕事熱心だから。
天江君はどうなの? 七海ちゃん、生徒会の仕事も兼ねているんでしょ?」
「あぁ。百川のヤツ、会議の時は、ほとんど発言とかしないけど、それ以外の仕事は上手くやってるよ。
一学期の体育祭の時、百川がポスターを描いてくれたけど、彼女、とても絵が上手かったし」
「私も七海ちゃんの絵を見たけど、ホントに上手くてビックリしちゃった。
下手したら、プロでも十分、イケちゃうんじゃないかってくらいに」
輝男と桜月は並んで廊下を歩きながら、百川七海という女子生徒のことで話を弾ませる。
今、図書室でカウンター当番の仕事をしている彼女のことを、輝男も桜月もほほ笑ましげに語っている。
◇ ◇ ◇
校舎には、生徒たちの喧騒が既に失せ、シンと静まり返っている。
部活に勤しむ者たちを除けば、ほとんどの生徒たちは既に下校の途に着いている。
校舎・第一棟一階にある生徒会室で、輝男が一人、何やら作業をしている。
輝男の手には、二枚の用紙――というかA4版のポスターがある。
「結局、アイツら二人しか名乗り出なかったってわけか……」
輝男は手中にあるポスターを見ながらため息を付く。
輝男が見つめる先には、それぞれに男女二人の顔写真を拡大表示したものがプリントされている。
輝男の右手にあるポスターには、傲然とした表情をした男子生徒の顔が写っている。
短く整った黒髪――
メガネの奥に見える吊り上がった双眼――
端整でもブサイクでもないごく平凡な容姿――
男子生徒の写真の上には、
一番の優等生こそ全校生徒のトップたるべし 東 大一郎――
と、傲慢極まりないフレーズとその主(ぬし)たる男子生徒の名がデカデカと記されている。
一方、輝男の右手にあるポスターには、厳しい表情を見せる女子生徒の顔が写っている。
端整だが鋭さを帯びた美貌――
キリッと吊り上がったクッキリとした目――
長くストレートに垂れる青みがかった艶やかな黒髪――
女子生徒の写真の上には、
一人一人に実のある学校生活を 黒山 葵――
今回の選挙の公約の一端と思しきフレーズとその主(ぬし)である女子生徒の名が記されている。
輝男は二枚のポスターを机の上に置くと、再び、大きくため息を付く。
「東のヤツ、本当にこれで選挙に勝つつもりなのか……?
どう考えても、黒山の一方的勝利に終わるのがオチだが……」
独りよがりなフレーズが記された男子生徒――東大一郎(あずま・だいいちろう)のポスターを見ながら、呆れ果てた調子で独り言をつぶやく。
輝男の目には、東 大一郎の選挙ポスターは己の傲慢さをさらけ出すだけで、ターゲットとなる者たちのことをまったく考えていないように見えた。
輝男はすぐに、女子生徒――すなわち、黒山葵(くろやま・あおい)のポスターに目を向ける。
「正直、黒山も黒山で、見た目はかなりきつそうだけど……」
ポスターに映る黒山葵の厳しい表情を見つめながら、輝男は思いを巡らす。
もし、彼女が生徒会長に当選したとして、果たして上手く付き合えるかどうか、いまいち自信が持てずにいる。
いずれかが新生徒会長になる二人の男女生徒のポスターを見つめながら思いに耽っていると、
「あら、いつもいつもご苦労様」
後ろから優しい口調で呼びかける女性の声が聞こえて来た。
輝男が後ろを振り返ると、一人の女子生徒が柔和な笑みを浮かべながら立っていた。
「聖先輩」
輝男は席を立って、部屋に入って来た聖神楽と向き合う。
神楽は大学受験のため、実質、一学期の最終日に生徒会長の仕事をやめているが、久しぶりに顔を出して来たのだ。
もっとも、生徒会室にいたのは輝男だけだが……
「どうしたんですか?」
「生徒会長の選挙が近付いているから、皆、どうしてるかな…と思って来ちゃった」
神楽は今回の用件について説明すると、
「そちらの仕事はどうなってるの?」
「後は、選挙ポスターを印刷して、校内のあちこちに貼るだけです」
輝男は後ろの机に置いてある二枚のポスターの方を振り返りながら、神楽にそう答える。
すると、二人はそのまま向かい合うようにして席に着く。
「私、大学受験でこちらの方に顔を出せなくなってるけど、上手くやってるかしら?」
「えぇ、皆で協力して、何とか上手くやってます」
「そう。それならいいんだけど」
「それより、先輩、受験勉強の方はどうなってるんですか?」
「こっちの方も何とか上手くやってるわ。
何度か、過去の問題や模擬試験に当たってるけど、実際、どう転ぶかわからないし……」
神楽は笑みを絶やさずに、今の自分の状況をよどみ無く言う。
正直、自信よりも不安の方が大きいように見える。
神楽の今の言葉に、輝男は何とも言えない面持ちで言葉を詰まらせる。
どう言葉を返せばいいかわからないといった様子を見せていると、
「天江君……正直、今、色々と疲れていない?」
神楽が笑みを浮かべたまま、何か心配げに言葉をかけて来る。
神楽の今の言葉に、輝男は唖然としたまま、何も言い返せずにいる。
神楽が言わんとしていることを、すぐに理解できない様子である。
すると、神楽はスッと席を立ち、輝男の真ん前に歩み寄って来た。
そして、柔和な笑みをほんのりと赤らめながら、膝を屈し、輝男の股を制服のスラックス越しに撫でさする。
「ちょ、ちょっと、やめて下さい!」
輝男は恥ずかしそうに顔を赤らめながら、神楽に自制を訴える。
神楽は輝男の今の訴えに手の動きを止める。
しかし、柔和な笑みを赤らめたまま、輝男をジッと見つめている。
「天江君、私とはしばらくだったけど……そろそろ、私が欲しくてたまらないんじゃないの?」
神楽の今の言葉に、輝男は顔を赤らめながら言葉を失う。
しかし、
(神楽さん、この様子だと、相当、溜まりまくってるな……)
恥じらう表情の奥で、神楽の心境を探ろうとする。
ハレンチな動作に出た神楽に、輝男は彼女の両肩を強くつかむ。
「先輩、一体、どうしたんですか!?」
「どうしたのかって……天江君と久しぶりにシたいな……って」
率直な思いを告げる神楽に、輝男は呆れ顔でため息を付く。
「どうしちゃったの? もしかして、私とするのが嫌なの?」
輝男の態度に、神楽が半ば困惑したかのようにたずねると、
「いや、別に嫌じゃないですよ。
ただ、受験勉強を続けている身なのに、セックスに耽るのはどうかと思って……
神楽さんがかなり溜まってるのは僕もわかってますけど……
でも、セックスに耽ったせいで、肝心の受験勉強が台無しになったら……」
輝男はなおも頬を赤らめながらも、神楽を案ずるかのような言葉を当人にかける。
輝男の今の言葉に、神楽は気分を害するどころか、クスッと笑みをこぼす。
「天江君ったら、そんなことを心配するなんて……
エッチを一、二回したくらいで頭が悪くなるくらいなら、初めから大学を受験しようなんて考えてないわ。
だから、何も心配しないで」
輝男の懸念を苦も無く払い除けると、輝男の真ん前に顔を近付ける。
ごく至近距離に近付いて来た柔和な美貌に、輝男は思わず息をのむ。
「今は、余計なことは何も考えないで……」
神楽は笑みを絶やさずに言うと、そのまま輝男とキスをする。
向こうの方から唇を重ねる神楽に、輝男は拒むような態度を見せない。
◇ ◇ ◇
輝男は生徒会室内で腰を下ろしている。
彼が見下ろす先には、間近で身を屈めている神楽の姿がある。
神楽はスラックスからさらけ出された陰茎をくわえると、
「んっ、んんっ……んうぅ……んうっ……」
かすかなうめき声を漏らしながら、陰茎をしゃぶり続けている。
(神楽さん、久しぶりなのに、結構、上手い……ってか、何、感心してんだ、俺)
優しく、口内で撫でるよう陰茎をしゃぶり続ける神楽に、輝男はついつい感心してしまいそうになる。
一方の神楽は、男のモノを懸命にしゃぶり続けながら、
(あぁ……天江君の大きくてたくましいモノ……この味、忘れられないわ……)
内心、ウットリしたかのように感嘆の声を上げる。
他では絶対に味わえない刺激に、我を忘れているかのようだ。
今の神楽は、ついこの前まで生徒会長だった優等生でも、勉強漬けの受験生でもない。
愛しい男――自分の一年後輩――を相手にひそやかな愛欲に耽る一匹のメスである。
やがて、陰茎でふさがれた神楽の口元から、唾液が跳ねるような音が小さく響いて来る。
「んっ、んっ、んむぅ……んうぅ……んうっ……」
フェラチオをペースアップする神楽のうめきも、艶やかにトーンアップされる。
輝男は椅子の淵にしがみ付きながら、神楽の懸命なフェラチオに深く嘆息する。
(ヤバい、このままじゃ……)
自分自身をしゃぶり続ける神楽の動きに、不安にも似た思いを独白する輝男。
神楽の口内では、輝男自身がムクムクと大きくなり、固さを増していく。
「ん……ぐ……うぅっ……んぐっ……」
神楽のうめきが息詰まったかのように変調する。
しかし、神楽は輝男のモノをくわえたまま、しゃぶり続けるのをやめない。
(いいわよ。そのままもっと大きくなって……)
フェラチオを続けながら、心の中で痛切に訴える。
すると、輝男は苦しそうに顔をしかめ、椅子の淵をつかむ手をかすかに震わせる。
「ダ、ダメだ、先輩……離れて……!」
何かをこらえているかのように身を震わせながら、搾るような声で神楽に訴える。
しかし、次の瞬間、
「うっ、うぅっ……!」
神楽は陰茎をくわえたまま、ギュッと眉をしかめてうめき声を上げた。
輝男は額に冷や汗をにじませ、表情を曇らせながら、うっすらと目を開ける。
輝男の目には、自分のモノをくわえ続ける神楽の姿が映る。
輝男が見つめる中、神楽はゴクッと喉を鳴らすと、ようやく、輝男の陰茎を口から離した。
神楽から解放された陰茎は、唾液と別の液に表面をまぶされながら、固く隆々としている。
少しも萎えない自分自身と神楽の今の動作に、輝男は恥ずかしさと気まずさで言葉が出ない。
「天江君、とても美味しかったわ。ごちそうさま」
柔和な笑みを赤らめながら、上目遣いでお礼を言う神楽。
「神楽さん、何、嬉しそうに言ってんですか」
輝男は気まずい顔を見せながら、ため息交じりに言葉を返す。
自分に呆れている輝男を、神楽はジッと見つめ続ける。
まっすぐに見つめる神楽のまなざしを認めると、輝男は彼女の気持ちにすぐに気づく。
「神楽さん……まさか……?」
「あなたも……私が欲しいんでしょ?」
ニコッとほほ笑みながら言って来る神楽に何も言い返せない。
輝男は陰茎をさらけ出したまま、椅子に座り続ける。
輝男の目の前で、神楽はワイシャツの胸ポケットから小さな一包を取り出す。
包みを破り、中からコンドームを取り出すと、そのまま口にくわえる。
フェラチオをする要領で、輝男の固く大きなモノをゴムで密着させる。
「これで問題無いでしょ?」
神楽はそう言うと、自らスカートの中に手を入れる。
間も無く、スカートの中から淡い水色のショーツが姿を現した。
大事なところを覆うショーツが、神楽の細い右脚に引っかかる。
神楽はそのまま輝男の股の上にまたがる。
ゴムに包まれた陰茎の先端が、神楽の秘裂に当たる。
「あっ……」
神楽がビクンと震えながら声を上げると、
(神楽さんの感触、何も変わって無い……)
輝男は久しぶりの神楽の肉の感触に思わず感嘆する。
すると、神楽はそのまま、輝男に向かって腰を沈める。
「うぅ……あぁ……」
声を殺すようにうめきながら、少しずつ腰を沈めていく。
輝男は自分自身が神楽の中に入って行くのを痛感すると、
(神楽さんの中……もう温かい……)
神楽のヴァギナに浸透する微熱と少しばかりのぬめりを、陰茎を通して感じ取る。
次の瞬間、神楽が輝男の股に腰をぶつけると、
「あっ、あぁっ……」
のけ反りながらか細い悲鳴を上げる。
神楽はゆっくりと腰を上下に動かし始める。
「あっ、あぁ……ハァッ、ハァッ……あんっ、んあぁっ……」
徐々に腰の動きをペースアップさせながら、艶やかな喘ぎと荒い吐息を繰り返す。
輝男は、自分の股の上で動き続ける神楽に向かって、腰を突き上げる。
「んうぅっ!」
輝男の突然の突き上げに、神楽はのけ反り、うめき声を上げる。
輝男はそのまま腰の突き上げを繰り返し、神楽もまた上下運動を続ける。
上下にぶつかり合う二つの腰の間から、乾いた衝突音がかすかに響く。
「あっ、あぁ……す、すごい……気持ちいい……」
神楽は呆けたかのように歓喜の念を口走る。
「か、神楽さん……神楽さんの中……締まってる……」
輝男は荒く息を弾ませながら、神楽に言葉を返す。
彼の言葉通り、神楽のヴァギナは、真下から突き上げる陰茎の動きに収縮を仕掛けて来る。
すると、
「あ、天江君も……私の中で更に固く……大きくなってる……」
神楽は腰を振り続けながら、うわ言のように言い返して来る。
神楽の方は、輝男の陰茎が硬度を増し、限界まで膨張しているのを、ヴァギナを通して感じ取っている。
狭まる一方のヴァギナと膨張一途の剛直は、すぐに強い摩擦を引き起こす。
「うっ、う、くぅっ……!」
神楽は自分の中で生じる摩擦に、思わず苦しそうにうめく。
対面座位で互いを貪り合っている輝男と神楽だったが、ここに来て、神楽が輝男にギュッと抱き付いて来た。
互いの顔が間近にまで近付くと、二人はそのままキスを交わす。
何度も唇を重ね、舌を絡ませ合いながらも、下の方では互いの腰が上下にぶつかり合っている。
真下からストレートに叩き付ける輝男の腰に対して、神楽の腰は上下運動と前後のうねりを交互に繰り返す。
複雑に腰を動かすことで、中に取り込まれた男のモノを強く絡め取ろうとする。
「うっ、うぅっ……ふぅ……」
絡み合う舌の隙間からかすかなうめきが漏れる。
(神楽さんの中……ますます締まってる……。熱もぬめりも半端無い……)
輝男は神楽とディープキスを続けながら、自分にまとわりつくヴァギナの狭さと熱、愛液に驚嘆する。
ヴァギナはますます熱っぽくなり、愛液ですっかり潤った状態にある。
熱と愛液を潤滑油代わりにして、輝男は腰の突き上げをペースアップさせる。
神楽は輝男の動きが激しくなっているのを認めながらも、彼とのディープキスをやめない。
(もっと……もっと強く……!)
舌を絡ませ合いながら、心の中で輝男に強く訴える。
さっきまで輝男にまたがっていた神楽は、今は、うつ伏せの状態で机にしがみ付いている。
床の上に足を踏み締め、スカートに覆われた裸の美尻を後ろに突き出す。
背後から迫る左右の手が、スカートの内に忍び込みながら裸の美尻をつかんでいる。
そして、神楽の美尻の真ん中に突き刺さっている剛直を通して、男の腰が何度もぶつかる。
「あぁんっ……」
背後から腰がぶつかるたびに、神楽はのけ反りながら喘ぐ。
神楽の背後では、輝男が彼女の美尻を抑えながら、何度も腰をぶつけて来る。
荒く息を弾ませながら、繰り返し剛直を激しく抜き差しさせる。
輝男の荒い息遣いと乾いた衝突音が、神楽の耳に流れ込む。
「あぁっ、あぁ……す、すごい……!
今日の天江君……今まででとてもすごく……激しい……!」
神楽は背後から輝男に犯されながら、歓喜に声を震わせる。
「か、神楽…さん……神楽さんの……もっとキツく…なってる……!」
輝男は額に汗をにじませながら、荒い吐息を交えて言葉を返す。
神楽の中は、絶えず動き続ける輝男を拒み、あるいは締め付けるかのようにギュッと強く狭まっている。
神楽自身の締め付けにあらがうかのように、輝男の腰は更に激しく小刻みに動きを繰り返す。
机の淵をつかむ神楽の手の力は強まり、剛直に刺された秘裂の隙間からは、蜜のようなものがこぼれている。
「あっ、うぅっ……う、くぅっ……!」
歓喜と苦痛がない交ぜになったうめきが、神楽の口から漏れる。
紅潮した神楽の美貌は、苦痛の度合いが増しているように見える。
剛直とヴァギナの強烈な摩擦は、神楽に少なからぬ苦痛をもたらしている。
と、同時に、輝男に得も言われぬ刺激をもたらす。
小刻みに前後運動を繰り返しながらも、股の辺りがわなわなと震えている。
色白でプリッとした美尻をつかむ手も、かすかに震えながら握力を増している。
(ヤ、ヤバい……! このままじゃ……!)
輝男は汗をにじませ、歯を食いしばりながら、近付く限界に苦悶の念を独白する。
すると、
「ダ、ダメ……。わ、私も……イく…イきそ……」
神楽もまた、苦痛をこらえるかのような調子で、自らも限界に近付いたことを告げる。
共に限界に差し掛かったことを知ると、輝男はラストスパートをかけるかのように小刻みに腰をぶつけて来る。
腰と美尻の衝突音がトーンアップして響き、
「あっ、あっ、あっ、あっ、あんっ……」
声を殺しながらも艶やかに喘ぐ神楽の声と重なる。
輝男は狭まる四方の肉壁を壊さんばかりに、律動を繰り返す。
がむしゃらに暴れる輝男の動きに、神楽は苦しそうに顔をしかめる。
「う、ぐぅっ……! い、痛い……!」
搾るような声で苦痛を訴えると、
「もっと……もっと強くして……!」
一変して、更なる暴走をうながす言葉をかける。
男に犯される苦痛を感じ取りながらも、一方で、更なるみだらな衝動を求める心をさらけ出す。
相反する二つの思いを同じ相手にぶつけることを、神楽はまったく奇異に思わない。
しかも、当人は大学受験勉強真っただ中の身である。
しかし、今は自分を取り巻く窮屈な現実を忘れるかのように、愛しい後輩男子との淫欲に身も心も委ねようとする。
輝男は神楽の懇願に応えるかのように、背後から絶えず腰をぶつけ続ける。
まるで、愛しい先輩女子の中の感触を惜しむかのように、延々と犯し続ける。
しかし、間も無くして、輝男が背後から神楽の美尻に腰を激しく一突きさせると、
「あぁっ……イ、イくぅ――――――……」
神楽は体を大きくのけ反らせながら、絶頂の声を上げた。
すると、ギュッと締まり切った膣内で輝男はまたも果てた……
◇ ◇ ◇
ニ十分ほど経った後、輝男と神楽は生徒会室内で向き合っている。
二人ともキチンと制服を着た状態で、平素の表情を見せている。
さっきまで激しいセックスに耽っていたことなど、少しでも感じさせない。
「ありがとう、天江君……」
神楽はニコッとほほ笑みながら、言葉少なめに感謝の言葉をかける。
輝男は神楽の今の言葉を聞くと、恥ずかしさと気まずさの入り混じった顔を見せる。
「僕の方こそ、とても忙しいのに相手をしてくれて……」
気まずそうに言葉を返すと、そのまま沈黙してしまう。
しかし、わずかな沈黙の後、輝男は再び口を開く。
「あんなことをさせた上でこんなことを言える立場じゃないですけど……
先輩には、僕の相手をするよりも大学受験の方に頑張ってもらいたいんです」
神妙な面持ちを見せると、神楽に向かって真剣な言葉をかける。
「先輩にも色々と思うところはあるかもしれませんが……
次のヤる時は、志望大学に受かった後にしてもらえるでしょうか……
僕に抱かれる神楽さんよりも、自分の将来に向かって一生懸命頑張る聖先輩の方が、僕は…」
輝男がそう言葉を続けようとすると、神楽は突然、輝男の頬にキスをした。
突然のキスに、輝男は驚き、話を途中で途切れさせてしまう。
驚き、思わず唖然とする輝男に、神楽は柔和な笑みを見せる。
「天江君、私のことをそんなに思ってくれてたなんて……嬉しい……」
ほほ笑みながら輝男に感謝の言葉を返すと、
「あなたの今の言葉を聞いたら、私、また頑張ろうって気持ちが沸いてきたわ」
柔和な笑みはそのままに、気力が奮い立つ言葉を続ける。
「私、負けないで頑張るから、天江君も頑張ってね」
「はい」
神楽の今の言葉に、輝男は何の迷いも無く返事をする。
淫欲に耽っていたオスとメスは、既にこの場にはいない。
今、この場にいるのは、日々、勉学に励み、将来に向かって努力を惜しまない一組の男女生徒だけである。
二人のいる校舎を、薄暗くなり始めた夕空が静かに見下ろす。