清水寺の本堂に、学校の制服を着用した一団がなだれ込む。
男女合わせて二十人ほどの一団は、本堂から見える壮観な光景に感嘆する。
「へぇー、ここが清水の舞台か……! 生で見るとすげぇな!」
「おい、お前、ここから飛び降りるか」
「変なこと、言うんじゃねぇよ!」
男子生徒二人の掛け合いに、その場にいた他の生徒たちはドッと笑い声を上げる。
その中に、輝男と桜月、そして、葵の姿もある。
彼らは今、修学旅行二日目、最初の見学先である清水寺にいる。
案内役である寺の僧侶から話を聞くと、一同はすぐ近くにある本堂の一角に足を運ぶ。
そこには、重量感ある錫杖と下駄が置いてある。
「あれが“弁慶の下駄、錫杖”です。
女性が下駄を持ち上げれば、履物に一生、困らない……つまり、お金持ちに嫁げると言われ……
男性が錫杖を持ち上げれば、出世すると言われています」
僧侶が目の前の下駄と錫杖のことを説明すると、一人の男子生徒がすかさず錫杖の前に足を運んだ。
「よっしゃー! この俺が楽々と持ち上げてやる!」
男子生徒は自信満々に言うが、持ち上げるどころか、ビクとも動かせずにいる。
何度も挑戦するが、錫杖はわずかでも動かない。
「先生、よろしかったら、一度、試してみますか?」
錫杖に難儀する男子生徒に見かねたかのように、生徒たちの後ろに立つ引率役の石上鉄也に、僧侶が声をかける。
男子生徒と交代するかのように、石上が錫杖の前に立つ。
錫杖を手にすると、苦しそうに顔をしかめながらも何とか持ち上げる。
「すご――い!」
「やっぱり、昔から体を鍛えているだけのことはあるね!」
女子生徒の何人かが、錫杖を持ち上げた石上を見て、驚嘆する。
石上はすぐに錫杖を下ろすと、荒く息を弾ませながら後ろへ下がる。
「最後にもうひと方、チャレンジしてみますか?」
僧侶はそう言うと、一人の男子生徒に目線を合わせる。
「そうだ、あなた、やってみますか?」
「え? お、俺ですか!?」
僧侶から指名を受けて、輝男は驚く。
半ば戸惑ったかのような顔で、錫杖の前に立つ。
「俺、絶対に無理だと思うけどな……」
明らかに重々しい錫杖を前にして、深くため息をつく。
しかし、すぐに錫杖を手にすると、思いっきり気合を入れながら錫杖を持ち上げようとする。
すると、錫杖は少しずつ上がっていった。
「え! 嘘!?」
錫杖を持ち上げる輝男を見て、桜月と葵は声を揃えて驚いた。
「おい、天江のヤツ、“イシテツ”と大差無いぜ!」
「信じられねぇ! アイツのどこにそんな力が……!」
他の男子生徒も、輝男を見て、信じられないと言わんばかりに驚嘆する。
間も無くして、輝男は錫杖を下ろす。
疲れ果てた顔に汗をにじませ、荒く息を弾ませながら元の場所に戻る。
続いて、女子生徒の何人かが“弁慶の下駄”にチャレンジするが、誰一人、持ち上げることができなかった。
「あー、もう、どうして、少しも動かせられないの?」
「アタシ、本気でチャレンジしたのに」
心配した女子生徒たちは、口々に落胆の念を漏らす。
失敗した彼女たちの落胆ぶりを見て、すぐ傍に立つ引率役の理華は思わず苦笑する。
しばらくした後、一行は、境内にある地主神社へと向かった。
「確か、ここは“縁結びの神様”で有名な……って、おい!」
神社を遠望するかのようにつぶやいていた輝男だったが、すぐに、目の前の光景を見て驚く。
輝男の目の前には、桜月や葵、理華、その他、女子生徒全員、更には、石上までもが、本尊を前にして真剣な表情で祈っている姿があった。
(皆、一体、何をお祈りしてるんだ? しかも、あの“イシテツ”まで……)
輝男は目の前の光景に唖然とし、内心、呆れてしまう。
お祈りを終えた桜月が、一足先に輝男の前に歩み寄る。
「ねぇ、天江君、あそこの“恋占いの石”にチャレンジしてみない?」
桜月はそう言いながら、すぐ近くにある一対の岩石――“恋占いの石”を指差す。
すると、そこには、二人の男女が目を閉じながらもう一方の石へと向かっていく。
「雨宮先生、それに“イシテツ”まで……」
輝男はもう一方の石へ向かう理華と石上を見て、思わず呆れ顔を見せる。
(教師が生徒を差し置いてそんなことをするなんて……。恥ずかしいったら、ありゃしない)
輝男が呆れ果てながら嘆息しているなど露知らず、理華は目を閉じ、よろよろと歩きながらも、何とかもう一方の石にたどり着く。
そのすぐ後ろでは、やはり石上がよろよろと歩きながらも、少しずつ石の方へ近づく。
石に触れた理華はゆっくりと目を開く。
「上手くいったわ」
嬉しそうに言いながら後ろを振り返ると、次の瞬間、目を閉じたまま足をつまづかせた石上が、そのまま理華に正面からぶつかった。
その拍子に、石上は理華を押し倒すようにして転倒してしまう。
「先生!」
「大丈夫ですか!?」
輝男たちは心配そうに声を上げながら、理華と石上の方へ歩み寄る。
すると、石上はゆっくりと目を開ける。
「あ、雨宮先生、すみません! 怪我はありませんでしたか!?」
痛切に声を上げながら、申し訳無さそうに声をかける。
すると、真ん前に濃い紫のジャケットに覆われた左右の大きな胸のふくらみがあるのに気付いた。
途端、石上は顔を真っ赤にして体を起こした。
「ち、違うんです! これは……!」
顔を真っ赤にして狼狽し、困惑しきった顔を見せる石上に、理華はムッと顔をしかめながら自らを強く抱き締める。
石上は、転倒した拍子に理華の胸元に顔をうずめていたのだ。
「もう、石上先生!」
恥ずかしそうに顔を赤らめながら、舌鋒鋭く声を上げる理華。
彼女の剣幕に、石上は気まずそうに顔を赤らめ、萎縮してしまう。
その光景に、生徒たちはドッと笑い出す。
「鬼の“イシテツ”も、雨宮先生の前では形無しだな」
「やっぱり、“イシテツ”、理華先生に気があるんだわ」
面白半分にささやき合う生徒たちの傍で、輝男はヤレヤレと苦笑いを見せる。
一台のバスが清水寺を後にする。
車内では、柔和な美貌をした若いバスガイドが乗客に向かって話しかける。
「皆様、清水寺はいかがでしたか?
皆様が飲まれた“音羽の瀧”のお水は、不老長寿、無病息災の効果があると言われます。
皆様もきっと、末永くお元気でいられるかと存じます」
柔和な笑顔を浮かべ、鈴を転がすような声で言葉をかける。
彼女が向き合う先には、輝男をはじめとする生徒たちや理華、石上がいる。
「わざわざあの水を飲まなくても、バスガイドさんを見ればすぐに元気になれるよ」
「そうそう。綺麗な美人だし、その上、胸も大きいし」
並んで座っている男子生徒二人が、半ばにやけながら向こうにいるバスガイドを見つめる。
歳にして理華とほぼ同じくらい――
後ろの方へ三つ編みに結った、青みがかった長い黒髪――
制服姿でもハッキリとわかる、均整の取れたスレンダーな体型――
そして、服の下からハッキリと自己主張する左右の大きなふくらみ――
輝男を除く男子生徒のほとんどは、バスガイドの美貌と肢体に見とれている。
しかし。バスガイドは男子生徒たちのよこしまな視線など気に留めること無く、
「このバスは、これから平安神宮に参ります」
口調はそのままに次の目的地を告げる。
◇ ◇ ◇
平安神宮の大極殿前に、女子生徒たちと理華が固まっている。
大極殿を背にして、理華が後列中央に立ち、桜月と葵が両脇に回っている。
そして、四人の女子生徒が前列でしゃがみ、向かって一番右端に、バスガイドが立っている。
真向かいに立つ石上が、デジタルカメラを手にしてシャッターを切る。
カメラ内のディスプレイを見ると、理華や桜月たちの姿がちゃんと写ってある。
「よし、いいぞ。次、男子」
石上が言うと、理華と女子生徒たち、バスガイドが下がり、輝男たち男子生徒と入れ替わる。
大極殿を手にして、輝男が後列中央に立ち、その周りを、他の男子生徒八人が、前後列に群がる。
石上は、さっきと同じようにカメラのレンズに輝男たちをとらえ、写真を撮ろうとする。
しかし、石上がシャッターを切ろうとした刹那、女子生徒四人が両脇から一気に突進して来た。
男子生徒たちを押しのけるようにして輝男たちを取り巻く姿が、図らずもカメラに収まった。
まさかのハプニングに、石上と理華、そして、桜月と葵は驚いた。
「おい、お前ら! 一体、何のマネだ!?」
記念撮影を邪魔された石上は、烈火のごとく怒りの声を上げる。
「すみませ――ん、せっかくの記念にと思いまして」
「でも、今の写真、絶対に消さないで下さいね」
乱入して来た女子生徒たちは、悪びれた様子を見せず、謝罪にもならない言葉を返す。
「……ったく、いたずらにも程があるよ」
輝男は乱入して来た女子生徒たちに不機嫌な顔を見せる。
一瞬、ドキッとはしたが、やはり、修学旅行の記念撮影を邪魔されたことに対して、不快感を隠そうとしない。
間も無くして、輝男たち男子生徒は、今度こそ記念の集合写真を撮ってもらった。
群れの隅に立つバスガイドは、写真撮影を終えてこちらに向かう輝男を、密かに見つめている。
平安神宮手前に建つ建物の一階で、輝男は食事をしている。
食事と言っても、菓子パンや惣菜パン二、三個と、Lサイズカップに収まったアイスミルクティーであるが……
「飯、食べ終えても、まだまだ休憩時間たっぷりあるけど、どうする?」
「暇つぶしに散歩でもするか、その辺でゆっくりするかのどちらかかな?」
同じようにパンを食べている真向かいの男子生徒と言葉を交わす。
輝男たちは、建物の一階にあるベーカリーカフェで昼食をとっている。
やがて、食事を終えた輝男は、店のカウンターにトレイを返すと、そのまま店を出た。
ちなみに、会計の方は食事前に既に支払っている。
カフェのある建物を出て、当て所もなくしばらく歩いていると、
「学生さん、学生さん」
後ろからそっと呼びかける声が聞こえて来た。
輝男が振り返ると、同行していたバスガイドがニコッと笑みを浮かべて来た。
「どうしたんですか?」
輝男がたずねると、彼女はすぐに輝男の右手をつかみ、こちらの方へ引き寄せた。
「な、何するんですか?」
「実は、あなたに大事なお話がありまして……」
笑みを絶やさずに話しかけるバスガイドに、輝男は思わず首を傾げる。
今日、会ったばかりの自分に用件を告げる彼女に、いまいち要領が飲み込めないといった風な顔を見せる。
平安神宮から百メートルほど離れた駐車場の端に、全長三メートルほどの物置小屋がある。
小屋の背後には、鬱蒼と木々が茂っており、外部からその内側を伺うことは容易ではない。
その物置小屋裏の壁際で、輝男とバスガイドは向き合っている。
「ここなら、ほとんど人の出入りはありませんし、誰にも見られる心配はありませんわ」
「そんなことより、俺をこんなところに連れて来て、一体、何の用があると言うんですか?」
輝男は戸惑いながら、バスガイドに向かって用件をたずねる。
まったくの初対面である女性にこのような場所へ連れて来られて、不審の念を募らせる。
すると、バスガイドは輝男をまっすぐに見つめながら、ほんのりと頬を赤らめる。
「学生さん……私とエッチしてくれませんか?」
艶を帯びた声で、迷うこと無くとんでもないことを申し出る。
バスガイドの今の申し出に、輝男は当然ながら驚愕し、唖然とする。
「ど、どうして、あなたとエッチを……!?
俺はあなたと今日、会ったばかりなのに……!」
驚愕しきった形相で、困惑の返事を言う輝男。
しかし、バスガイドは一歩も引かぬ様子で、輝男をまっすぐにとらえる。
「何も聞かないで、私とセックスして下さい」
彼女の今の言葉に、輝男は一瞬、言葉を失う。
驚愕したまま身を硬直し、かける言葉が出て来ない輝男。
そんな輝男に構わず、バスガイドは彼に向かって話しかける。
「あなた、あの生徒さんたちの中で、とても顔がよくて真面目そうで……
その上、女の子たちにもかなりモテていらっしゃるから……
だから、その分、エッチの方も、相当、慣れていらっしゃるかと思って……」
バスガイドは、先程の写真撮影の時のハプニングを思い出しながら、輝男のことを端的に言い連ねる。
彼女の今の言葉に、輝男はハッと我に返ったかのような顔を見せる。
そして、すぐに、恥ずかしそうに赤らむ顔をバスガイドに見せる。
「俺のことを褒めてくれるのは嬉しいですけど……
でも、俺はあなたが思ってるほどの人間じゃないし……
第一、初めて会ったばかりの人と……
それも、一度きりの人と行きずりでエッチする主義じゃないし……」
これまで、何人もの女性を抱いたことをおくびにも出さず、やや謙遜気味にためらいの言葉を返す。
すると、バスガイドが輝男の真ん前に静かに歩み寄った。
数センチも無い至近距離から、乞うようなまなざしとときめくように赤らむ美貌を見せる。
輝男がドキッと顔を赤らめ、唾を飲み込む。
「あなたが困るようなことは一切、させません。だから……」
「で、でも、やっぱり……」
なおもためらいの気持ちを言おうとする輝男だったが、次の瞬間、バスガイドのキスが彼の反論を封じた。
柔らかな唇の感触に、輝男は思わず身を固める。
しかし、二、三回、唇を重ねると、バスガイドと舌先を絡ませ合う。
ねっとりと舌を絡ませ合うと、
(このバスガイドさん……華やいだ香りがする……)
バスガイドの体から漂うフローラルコロンの香りに感嘆してしまう。
輝男とバスガイドの間からは、唾液が跳ねるような小さな音と、
「んっ、んんっ……うぅっ……んふぅ……」
鼻にかかるようなうめき声が小さく漏れる。
バスガイドは、輝男とディープキスを続けながら、制服のスラックスの股のところを、素手で撫でさする。
ほっそりとした手が丁寧に上下に動く様子が、服越しに輝男に伝わる。
やがて、輝男とバスガイドはディープキスをやめた。
二人の間をつなぐ唾液の糸が千切れると、輝男は彼女の胸元に目を向けた。
輝男の視線の先には、大きな胸のふくらみが制服越しにハッキリと表われている。
バスガイドは輝男の視線に気付くと、クスッと柔らかな笑みを浮かべる。
「オッパイ、気になりますか?」
そう言葉をかけると、空いた片手で制服のベストのボタンを、自ら外した。
はだけられたベストの下にある白のワイシャツも、ボタンを一つ一つ外す。
ワイシャツの上半分のボタンを外すと、大きな左右のふくらみを覆う、花柄模様のパープルのブラジャーが姿を現した。
色白の素肌と相まって、アダルトで清潔感あふれる雰囲気をかもし出す。
真ん前のセクシーな下着を見ると、輝男はそのまま彼女の胸に手を伸ばす。
輝男の手が、バスガイドの柔らかく大きな肉の果実を下着越しに揉みしだく。
「あっ、あぁ……」
輝男の愛撫に、バスガイドはか細く喘ぐ。
輝男は何度か下着越しの愛撫を繰り返すと、
(大きさといい、柔らかさ、形の具合といい、理華さんのオッパイと大差無い……)
幾度も抱いた女性たちの中から、理華のそれと合致させた。
Dカップはあろう美乳を丁寧に揉んでいく輝男に、
「あなた、お上手よ……。やっぱり、相当、経験していらっしゃるのね……」
切ない吐息を交えながら、感嘆の念を言って来る。
バスガイドは恍惚の色をにじませながら、輝男をジッととらえている。
柔らかな胸を愛撫していた輝男は、すぐに相手が感じ入っているのを認める。
バスガイドは愛撫を甘受しながらも、片手で相手のモノを服越しに撫でさするのをやめない。
半ば呆けたような顔を見せていたバスガイドは、恍惚とした笑みへと表情を切り替える。
「今度は、私があなたを気持ちよくさせますね……」
ニコッとほほ笑みながら言うと、そのまま膝を屈した。
そして、すぐにスラックスのジッパーを下ろし、中から陰茎を引き出した。
Dカップバストへの愛撫とバスガイドによる愛撫で、陰茎はある程度充血し、固く突っ立つ姿をさらけ出している。
バスガイドは陰茎の先端にチュッとキスをすると、そのまま、陰茎をくわえ込む。
「んっ、んんっ……んむっ、んんっ……」
今日、会ったばかりの男子高校生――それも、恐らく一度きりの――の一物をしゃぶりながら、艶やかなうめき声を漏らす。
前後に口を動かしたかと思うと、首を傾げながら、回すようにして陰茎をしゃぶり続ける。
ねっとりとしたフェラチオをしてくるバスガイドを見下ろしながら、輝男は深く、嘆息する。
(この人、結構、上手い……。……でも、この人の狙いがまったくわからない……)
バスガイドのみだらな献身に感嘆としながらも、未だにその真意をつかみかねずにいるようだ。
すると、バスガイドは輝男のモノを口から離した。
唾液にまみれた輝男の陰茎は、相手をにらむかのようにビンと固く突っ立つ。
満足げな笑みで剛直を一瞥すると、再び輝男とまっすぐに顔を合わせる。
バスガイドは小屋の壁に背もたれしてると、次の瞬間、ビクンとのけ反る。
「あっ、あぁっ……」
声を押し殺すかのように艶やかに喘ぐ。
彼女は胸元をはだけられ、Dカップバストを覆うブラジャーをさらけ出した格好でいる。
スカートはめくり上げられ、細い左脚には、ベージュのパンストとブラジャーとお揃いのパンティーが引っかかっている。
一方の右脚は、正面から伸ばされた片手に持ち上げられている。
開かれた両脚の付け根では、剛直が秘裂を抜き差ししている。
輝男はバスガイドの右脚を持ち上げながら、剛直を通して自分の腰を彼女の腰にぶつける。
「あっ、あぁんっ……んんっ……す、すごい……!」
激しく腰をぶつける輝男に、バスガイドは艶やかな喘ぎと歓喜の念で応じる。
輝男は荒く息を弾ませながら、激しく律動を繰り返す。
輝男の剛直は、バスガイドの中を行き来しながら、収縮を始めるヴァギナの動きを認める。
「学生さん……あなた、まだ高校生なのに……随分と手慣れているみたい……」
輝男が数え切れないくらいにセックスを重ねていることを見抜いたかのように、バスガイドが言葉をかける。
輝男は返事をする代わりに、ペースアップした腰の動きで応じる。
肉と肉の乾いた衝突音と、
「あっ、あぁ……ハァ、ハァ……あぁっ……んんっ……」
声を殺すかのような艶やかな喘ぎが、鬱蒼とした林に小さく響く。
風のそよぐ音が、ある程度、みだらな物音をかき消しているが、もちろん十分ではない。
(さっさと片付けないと……
こんなところ、いつ、誰に見られるか、わかったものじゃない……!)
熱に浮かされたかのような形相の奥で、輝男は当然、わき上がる不安を独白する。
鬱蒼とした木々が壁代わりになっているとはいえ、誰かに見られてもおかしくない危険性が、輝男の頭の中から離れられない。
ほぼ、行きずりに等しいセックスに興じているやましさが、輝男の激しい動きにつながっている。
昨晩の桜月や理華の時と同様、あえて激しい動きに出ることで、早く事を終わらせようとしている。
「うっ、うぅっ……」
激しい律動を甘受するバスガイドが、何度も痙攣を起こしながらかすかなうめき声を上げる。
(バスガイドさんの中……熱く、締まってる……)
輝男が、強まるヴァギナの収縮と内側から染み出る熱とぬめりを感じ取ると、
(学生さんの……すごい固く、大きくなってる……! こんなの初めて……!)
バスガイドは、輝男の剛直が荒々しく動きながら、更に固く、膨張していくのを認める。
輝男の腕をギュッとつかみながら、その身をわなわなと震わせる。
自分の中で強まる剛直とヴァギナの摩擦に、少なからぬ苦痛と刺激を感じているのだ。
バスガイドは荒々しく息を弾ませながら、顔を輝男の真ん前に近付かせる。
そして、再び、輝男とキスを交わす。
唇を重ね、舌先を絡ませ合いながら、その下では剛直を通した互いの腰の衝突が続いている。
間も無くして、輝男とバスガイドはディープキスをやめた。
激しく繰り返す律動に、輝男は額に汗をにじませている。
一方、バスガイドは、自らを蝕むみだらな苦痛に、細く締まった身を更に震わせている。
我が身を支えるかのように、輝男の左右の腕をギュッとつかむと、
「あぁっ……もっと……もっとぉ……!」
苦痛を訴える代わりに、震える声で更なるみだらを求める。
さっきまで背もたれしていた壁に、今度は左右の手を押し付けるバスガイド。
彼女の背後では、輝男が裸の美尻をつかみ、繰り返し腰を強くぶつけている。
美尻の真ん中、大事なところを膨張しきった剛直が強く抜き差しする様に、
「ああっ……! あんっ、んんっ……! んっ、んくぅっ……!」
バスガイドはかすれるような声で繰り返す喘ぐ。
何度もビクン、ビクンとのけ反りながら、“立ちバック”で犯されることを甘受する。
(すごい締まりようだ……! この様子だとそう長くは続かないはずだ……!)
輝男は背後からバスガイドを犯し続けながら、彼女のヴァギナが強く締まって来ているのを痛感する。
締め付けるかのような動きを認めながらも、四方の肉壁を覆う熱と愛液に煽られて、激しく小刻みな律動を繰り返す。
背後から響く衝突音を耳にすると、バスガイドはイヤイヤと身悶え始める。
「ダ、ダメ……! も、もう、イく……イっちゃう……!」
震える声で自らの限界を訴えると、
「お、お願い……。このまま中へ……中にたっぷり出して……!」
そのまま、膣内射精をうながす言葉を背後にいる輝男にかける。
バスガイドの今の言葉に、輝男は冷や水をかけられたかのように驚きの表情を見せる。
「そ、そんな!? 中に出すなんて……!」
本人からの痛切な訴えとはいえ、行きずりにも等しい相手から膣内射精を求められたことに、ためらいの声を上げる。
しかし、バスガイドは苦痛と恍惚の混ざった顔を赤らめながら、
「お願いです……。あなたの熱いほとばしりを……一滴残さず、私の中に……!」
みだらで危うい切望を相手に向かって強める。
わずかなためらいも無い相手の切望に、輝男は激しく小刻みな律動で応じる。
ラストスパートをかけるかのような輝男の激しい動きに、彼とバスガイドの間から、引っぱたくかのような衝突音が絶えず響く。
「あっ、あぁ……ハァッ、あんっ、んあっ、あ、ハァッ……」
トーンアップする衝突音に混じって、か細くも艶やかな喘ぎが、輝男の耳に流れ込む。
果てしなく締め付けを強める肉壁の動きに、輝男の中で沸騰感がグツグツと煮えたぎる。
「バ、バスガイドさん……お、俺……もう、ダメだ……!」
搾るような声で、輝男が自らの限界を訴えると、
「き、来て……。私の中に……あなたの熱いの……全部……」
バスガイドは身を震わせ、声を震わせながら、改めて膣内射精をうながす。
と、次の瞬間、輝男が強く腰を一突きさせると、
「あっ、あぁっ……!」
バスガイドは喉を突き出すようにしてのけ反りながら、絶頂の声を上げた。
バスガイドが果てると同時に、ギュッと締まり切った蜜壺に淫欲の濁流が一滴残さず流し込まれた……
◇ ◇ ◇
輝男は制服をキチンと着替え直すと、後ろの方を振り返る。
振り返った先には、同じく服をキチンと着替え直したバスガイドがいる。
彼女は、何も無かったかのように柔和な笑顔を輝男に見せる。
笑顔を見せるバスガイドに対して、輝男は気まずい顔を赤らめる。
「本当に、あれでよかったんですか?」
さっきまで繰り広げた激しいセックスを思い出しながら、申し訳無さそうに言葉をかける輝男。
すると、バスガイドはそのまま輝男と何度目かのキスを交わす。
今のキスに、輝男は顔を思いっきり紅潮させる。
「とても良かったですわ。ありがとう」
感謝の言葉をかける彼女に、輝男は幾分、表情を和らげさせる。
「じゃあ、俺、そろそろ、皆のところに戻りますから」
そう言葉をかけると、一足先に駐車場裏の林から抜け出す。
駐車場へと足を踏み入れた輝男は、そのまま歩きながら、
(いくら頼まれたからと言って、あんな綺麗なバスガイドさんを犯しちゃうなんて……
当分は、まともに顔を合わせられないな……)
今更のように、バスガイドを激しく抱いたことに対する罪悪感をにじませる。
すると、横の方からわざとらしい咳払いが聞こえて来た。
輝男はすぐに咳払いに気付き、声が聞こえて来た方を振り向く。
振り向いた途端、目の前にあるものを見て驚愕してしまう。
「く、黒山……!」
驚きの声を上げる輝男の目の前には、憮然とした面持ちで輝男を鋭くにらむ葵の姿があった。
両腕を強く組み、輝男をまっすぐににらんだまま離さない。
「天江君……さっきまで、何をしていたの……!?」
搾るような声で、輝男を鋭く問い詰めようとする。
あからさまに威圧してくる葵に、輝男は気まずく表情を強張らせる。
「な、何って……暇つぶしにちょっと散歩してて…」
「バスガイドさんとこっそりセックスするのが、暇つぶしの散歩だと言うの……!?」
葵は必死に感情を押し殺しながらも、怒りのこもった声で輝男を問い詰めようとする。
追及するかのような葵の今の言葉に、輝男は驚愕しきった表情で言葉を詰まらせる。
「黒山……まさか、さっきの……?」
「えぇ……! 一部始終、しっかりと見させてもらったわ……!」
少しもためらわず、輝男とバスガイドのセックスを目撃したことを率直に告げる葵。
彼女の今の言葉に、輝男はただ、深くため息をつく。
弁明やら反論やら、色々と言い返すはずなのだが、そうしようとせず、まるで諦めたかのように嘆息するばかりだ。
よりによって、“鬼の生徒会長”にひそかなセックスを目撃された以上、いかなる抵抗も無意味であることを思い知っているのだろう。
「黒山……わかってるさ……。覚悟はもうできてる……」
輝男は諦めきった顔を見せながら、葵に言葉を返す。
すると、葵は更に険しく、輝男をにらみ付ける。
「天江君……。あなた、何か勘違いしているみたいね……」
搾るような声で輝男に言葉をかけると、
「私が、他の皆にあなたのことを言いふらしたり、先生方に告げ口したりすると思ってるの……!?」
半ば呆れ、半ば失望したかのような調子で言葉を続ける。
葵の今の言葉に、輝男は思わず驚く。
「え? 違うのか……?」
当てが外れたかのように言う輝男に、
「あなたが私の言うことを聞いてくれれば、今の件は誰にも言わないから……」
葵は鋭く厳しい表情で彼をにらみながら、条件を付けるかのような言葉を返す。
◇ ◇ ◇
輝男たちの修学旅行から三ヶ月後――
輝男と密かなセックスをしたバスガイドは、診察先の産婦人科医院で懐妊を告げられた。
実は、彼女は一年ほど前に結婚したのだが、何度、セックスを繰り返しても中々、子供をもうけることができず、そのことで深く悩んでいた。
今回の妊娠を聞いて、彼女の夫はようやく日々の営みが報われたと素直に喜んだ。
それから更に半年後、彼女は無事に男児を出産した。
しかし、妊娠に至った真の経緯は、当の彼女を除いて、誰一人として知らない。
もちろん、輝男も含めて……