輝男たちは昼食、休憩時間を経て、平安神宮近くの美術館を見学した。
その後、二日目、最後の見学先である銀閣寺に着いた。
観音殿――いわゆる銀閣をはじめとする境内の建物を順々に見て回る。
「今の京文化の礎だけあって、実に風情のある趣ね」
輝男の横を歩く葵が、周囲を見渡しながら言うと、
「確かに、建物自体はいいけど……
それを作らせた人と建てられた時代のことを考えると、手放しでは評価できないな……」
同じように周囲を見渡しながら、輝男が深くため息をつく。
「その人は、結局、京の都が焼け野原となるような戦乱が起きるのを許したし……
この銀閣寺が建てられた前後も、国中が大きく乱れていたし……
乱世で苦しめられた人たちのことを考えると、俺にはどうしても、この建物が時代の仇花か何かに見えて仕方が無いんだ」
嘆息しながら言葉を続ける輝男に、葵は何も言い返さない。
恐らく、同感しているのだろう。
輝男も葵も、銀閣寺が建てられた時代背景のことは理解している。
侘びさびに富んだ風雅な建物を眺めながら、その奥に潜むものに思いを馳せずにいられない。
そのまま、他の生徒たちと一緒に境内を見て回っていると、
「天江君、話は変わるけど…」
「わかってる……。皆まで言わなくていい」
周りをはばかるかのように、輝男と葵は小声で言葉を交わす。
ほんのわずかのやり取りに、理華や桜月を含む他の者たちはまったく気付いていない。
「皆様、今日は長いこと、本当にお疲れさまでした。
名所旧跡をたっぷりご覧になって、大いに知見を増したかと思われます。
このバスは、一路、皆様のお泊りになっているホテル・ベスト京都へと向かっております」
銀閣寺を発ったバスの車内で、バスガイドがにこやかにほほ笑みながら言葉をかける。
昼の休憩に輝男と激しくセックスしたことなど、当然ながらおくびにも出さない。
何も知らない他の男子生徒たちは、バスガイドの柔和な美貌――更には大きな胸――を食い入るように見つめる。
しかし、輝男だけは、窓際にもたれながら眠っている。
実際には、ただ目をつぶって寝たふりをしているだけだ。
(ダメだ……。あのバスガイドさんを見ると、どうしてもさっきのエッチを思い出してしまう……)
寝たふりをしながら、内心、苦悶の声を上げる。
今、輝男の脳裏には、昼の休憩時、駐車場裏手の林でバスガイドとひそやかに行なったセックスが克明に浮かび上がっている。
ひそやかな淫行を必死に押し隠そうとする輝男の傍で、男子生徒たちは期待に胸を弾ませるような態度を見せる。
「では、ここで、これまでの見学では色々と聞けなかったことについて、質問を受け賜わりたいと思います」
バスガイドがそう言うと、輝男以外の男子生徒たちは一斉に手を上げた。
「はい、では、あなた」
バスガイドが手を向けると、指名された男子生徒が勢いよく席を立った。
「あ、あの……バスガイドさんって、今、付き合ってる人とかいますか?」
やや恥ずかしそうにたずねる男子生徒に、バスガイドは半ば、困ったかのような笑みを浮かべる。
「えー……申し訳ありませんが、プライベートに関する事項に対しては、返答致しかねます」
申し訳無さそうに言葉を返すと、他の男子生徒に手を向けた。
「では、次の方」
バスガイドから指名を受けた別の男子生徒は、またも勢いよく席を立つなり、
「バスガイドさん、携帯の番号とメアドを教えてもらえないでしょうか?」
顔を赤くしながら、率直によこしまな要望を言って来る。
今の言葉に、車内ではドッと笑い声が響く。
男子生徒からの今の容貌に、バスガイドが恥ずかしそうに顔を赤らめながら言葉を失っていると、
「もう、あなたたち、いい加減にしなさい!」
葵が見るに堪えないと言わんばかりに、鬼の形相で男子生徒たちに向けて声を上げる。
同級生らが喧騒に沸く中、輝男は我関せずと言わんばかりに寝たふりを続ける。
しばらくすると、
「天江……天江……」
横から輝男に呼びかける声が彼の耳に届いた。
まぶたを開き、横を振り向くと、目の前にあるものを見て驚いた。
「ど、どうしたんですか? 先生」
輝男は、いつの間にか横の席に座っている石上を見て、驚きの声を上げる。
驚く輝男をまっすぐに見つめながら、石上は話を切り出す。
「天江、すまんが、ホテルに戻ったら部屋を替えてくれ」
「え? どこの部屋にですか?」
「添乗員さんが利用している199号室だ」
「どうしてですか?」
まさかの思わぬ用件に輝男が戸惑うと、
「昨晩、お前と同室の連中が消灯時間を無視して女子部屋に行ったからな。
その懲罰の意味合いもあって、俺がヤツらと同じ部屋に移ることになった。
しかし、俺があの部屋に入るとなると、かなり手狭になる。
それで、お前にはあの部屋に移ってもらうことにした。
添乗員さんには、俺の代わりに先生方の部屋に移ってもらうことにしており、先方も了解済みだ」
石上は厳しい表情を見せながら、事の子細を輝男に言う。
(アイツら、この様子だと、当分は許してもらえそうにないな……)
輝男は、軽率な振る舞いに及んだルームメイトたちに思いを馳せ、内心、深く嘆息する。
「わかりました、そうします」
「すまんが頼む」
輝男の応諾を聞くと、石上は席を立ち、元の自席へと戻る。
石上が去って行くと、輝男は何気無さを装いながら車窓の外を眺める。
(しかし、まさかこんな展開になるなんて……。…となると……)
思いもしなかった事態を受け手、内心、気持ちを落ち着かせることができない。
それでも、平素の表情を装いながら内心の揺れを懸命に押し隠そうとする。
やがて、輝男たちの乗るバスの前方に、ホテル・ベスト京都が見えて来た。
◇ ◇ ◇
夜空がホテル・ベスト京都を見下ろす。
本館二階の端に、“199”と記されたプレートが貼られたドアがある。
その内側は、こじんまりとした洋風の小部屋となっている。
部屋の真ん中にあるベッドの上で、輝男は仰向けに寝そべっている。
既に、寝間着代わりに長袖の体操着を着ている。
横の窓からは、京都市街の夜景がハッキリと見えているが、輝男は窓の方を振り向かない。
ボンヤリと天井の電灯を見上げている。
「あの大部屋もそうだったけど、ここも本当に何も無いな……」
天井を見上げながら独り言をつぶやく。
「アイツら、あの部屋が退屈だと言ってたけど、退屈さ加減ではこっちの方が上だよ。
ベッドの他にはテレビも何も無い……何だか独房にでもいるような気分だ……」
ため息交じりにつぶやきを続ける輝男。
やむを得ない事情があるとはいえ、孤独と静寂に身を持て余しているのは明白だ。
(アイツら、きっと今頃、あの部屋の中で“イシテツ”にこってり搾り取られているんだろうな……)
輝男は内心、そうつぶやきながら、自分と入れ替わりに鬼教師と同室する羽目になったかつてのルームメイトたちに思いを馳せる。
しかし、すぐに電灯を消すと、そのままベッドに入り込み、眠りにつこうとする。
輝男が寝入って十数分程経った頃、部屋のドアが外から開かれた。
闇に覆われてわからないが、何者かが音も立てずに部屋の中に入って行く。
間も無くして、闖入者が体を横たわらせながら眠っている輝男を静かに見下ろす。
すると、輝男は静かに目を開き、そのまま目の前にあるサイドライトのスイッチを押す。
ベッド横に備え付けられた明かりが、ベッドとその周囲をわずかに照らす。
サイドライトが照らされると、輝男はすぐに後ろを振り返る。
振り返った先には、長袖を体操着を着ている一人の女子生徒が立っている。
輝男は落ち着いた態度で、目の前に立つ葵と向き合う。
二人はそのまま、ベッドの淵に並んで腰を下ろす。
「他のヤツらにバレなかっただろうな?」
「大丈夫。皆にはトイレに行くって言っておいたから」
葵の今の言葉を聞くと、輝男は横にいる彼女の方を振り向く。
「しかし、信じられないよ。
“鬼の級長”、“鬼の生徒会長”と呼ばれている君が、修学旅行の夜に夜這いをかけるなんて……
こんなハレンチ行為なんか、一生、無縁だとばかり思ってたのに……」
輝男が淡々と言葉をかけると、葵は厳しい表情で彼を鋭くにらむ。
「誰のせいで、こんなことをしたと思ってるの?」
鋭く声をかけながらも、やや恥ずかしそうに頬を赤らめる。
葵の今の言葉と表情に、輝男は苦笑混じりにため息をつく。
「昨日の夜は、日向さん辺りとこっそりエッチでもしてたんでしょ?
日向さんは良くて私は絶対ダメだなんて、私としては断じて認められないわ」
「別にそんなつもりはないさ。
ただ、エッチがしたいなら、わざわざ修学旅行中にしなくても、いつでも…」
そう言葉を返そうとする輝男の唇を、葵の唇がふさいだ。
彼女の方から迫って来たキスに、今度は輝男の顔がほんのりと赤らむ。
若干、恥じらいの色を見せる輝男を、恥じらいに赤らむ葵の顔が見据える。
「こんな特別な機会に、何もしないで終わるなんて……口惜し過ぎるじゃない……」
やや寂しそうに声をかける葵に、輝男は思わずドキッとする。
輝男の目の前にいる今の葵からは、普段、見せる厳しさ、鋭さはまったく認められない。
逆に、可愛らしさ、いじらしさがありありと見受けられる。
もう少し、くだけた言い方をするならば、いわゆる“ツンデレ”が完全に“デレ”モード全開になっているようだ。
輝男は葵に言葉を返す代わりに、今度は自分の方から彼女にキスをした。
そして、キスをしながら、葵をそっとベッドの上に優しく押し倒す。
間も無くして、床の上に二人分の長袖の上着が脱ぎ捨てられた。
ベッドの上には、仰向けに横たわる葵と、膝立ちの体勢で彼女を見下ろす輝男の二人がいる。
二人とも、上の方は半袖の体操着を着用している。
しかし、輝男はすぐに、葵の半袖の体操着をたくし上げた。
服の下から、色白の素肌と、Eカップバストを覆う水色のブラジャーが姿を現した。
輝男はすぐに、葵の胸を下着越しに揉みしだく。
「あっ、あぁ……」
輝男の愛撫に、葵はか細い声で喘ぐ。
「この修学旅行の思い出なんて、既に作っちゃってるじゃないか。
昨日、祇園で、理華先生や日向と一緒に舞妓さんに扮したり、着物を着させてもらったり……」
「でも、あの時は、雨宮先生や日向さんしか見てくれなかったじゃない……」
「“イシテツ”や他の皆も一緒に見とれていたから、気が付かなかっただけだよ」
下着越しの愛撫を続ける輝男と言葉を交わしながら、葵の美貌は赤みを増していく。
恥じらいとときめきが、葵の中で昂ってきている。
「ねぇ、天江君、あの時の私たち三人の中で、誰が一番、きれいだった?」
「そんなの、三人とも、皆、きれいに決まってるじゃないか」
「……日向さんと私、一番、好きなのは誰?」
「二人とも、同じくらいに大好きさ」
輝男の今の返答に、葵は顔を赤らめながらムッと不機嫌な顔を見せる。
下着越しの愛撫を続ける輝男を鋭く見上げると、
「どうして、そういう曖昧な言い方しかないの?
女の子なら誰でもいいというその腐り果てた精魂、いい加減にしないと…」
葵が舌鋒鋭く非難の声を上げると、輝男は愛撫の手を一旦、止めた。
そして、すぐにブラジャーのカップをずり上げて、形良く裸の胸を弾み出させる。
そのまま、葵の胸元に顔をうずめると、右胸の頂を口に含んだ。
「あっ……」
葵はビクンとのけ反りながら、か細い喘ぎを発する。
輝男は裸の胸を直に揉みながら、左右の頂に舌を這わせ、指でこねくり回す。
「あぁ……んんっ、んっ、うぅっ……んうぅっ……ん、くぅっ……」
大きく柔らかな胸を貪り続ける輝男に、葵はイヤイヤと身悶えながら、かすかなうめき声を漏らす。
顔を赤らめ、恥じ入るかのように人差し指を噛みながら、自分を犯す動きを甘受する。
輝男の指は、大きな肉の果実に食い込んだかと思うと、すぐに胸先の小さな蕾をこねくり回す。
輝男の舌と指は、葵の左右の蕾が固さを増してきているのを感じ取る。
そして、彼の手のひらは、葵の胸が内側からジンワリと熱を帯びてきているのを認める。
「うぅ……ハァ、ハァ……ハァ……あぁ……」
辺りをはばかるかのようなか細い喘ぎと切なそうな吐息が、輝男の耳に流れ込む。
すると、輝男は葵の胸元から顔を離した。
改めて葵を見下ろすと、彼女は呆けたような表情を赤らめながら、輝男をうつろに見上げている。
“鬼の生徒会長”として振る舞う姿とは真逆の弱々しい姿を、愛しい男一人に対して見せる。
「どんな気分だ? 気持ちいいか?」
「……わからない……。何だか熱っぽいと言うか……何も考えられない……」
気だるそうな返答を言う葵の顔は、若干、恍惚の色がにじんでいる。
そんな葵をまっすぐに見つめながら、輝男は彼女に言葉をかける。
「君は俺のことが好きだから、わざわざ危険を冒して、俺のところに夜這いをかけたのだろ?
俺も、君のことが好きでも何でもなかったら、今、こうして、君とエッチしたりはしないさ」
輝男は、自分に対する葵の気持ちを見抜き、彼女に対する自分の率直の気持ちを言ってのける。
葵は弱々しい顔を赤らめながら、輝男の今の言葉を黙って聞き入る。
すると、輝男は葵の体操着ズボンに手をかけた。
そのままズボンを脱がすと、細く引き締まった左右の脚と、その付け根を覆う水色のショーツを見た。
すぐにショーツも脱がし、葵の下半身を素裸にさせる。
葵の左右の太ももを開かせると、付け根にある秘裂に向かって顔をうずめる。
輝男の舌が秘裂を舐め回すと、
「あっ……んんっ……あっ、あぁっ……!」
葵はイヤイヤと身悶えながら、声を殺すような艶やかな喘ぎを繰り返す。
壁を隔てた向こうに他の同級生たちがいるのを意識してか、輝男も葵も極力を声を上げまいとする。
しかし、輝男と葵の間からは、唾液が跳ねるかのような音が小さく響く。
大事なところに舌を這わせ、貪ろうとする輝男に、葵は悩ましげに身をくねらせる。
我が身を支えるかのようにベッドのシーツをギュッとつかみ、
「ハァ……ハァ……うぅっ……んんっ……んうぅ……」
切ない吐息と声を押し殺したうめき声を交互に繰り返す。
葵の吐息とうめき声を聞き入っていると、輝男の舌は内側から染み出る蜜のようなものをとらえた。
加えて、葵の中、奥深くから漂う芳醇なメスのにおいが、輝男の嗅覚に突き刺さる。
蜜を舐め尽くそうとする舌の動きに反して、葵の中から流れる蜜は量を増す。
鼻をつくようなメスのにおいも強度を増す。
流出を増す蜜、強まるメスのにおい、そして、
「んんっ、んくぅっ……うぅ……」
か細くも艶やかなうめき声は、輝男自身を無意識の内に充血させている。
やがて、輝男はまたも体を起こした。
執拗なクンニから解放された葵は、恍惚とした美貌を赤らめ、呆けたような吐息を繰り返す。
心なしか、色白の素肌は薄赤色に染まっているように見える。
開かれたままの両脚の付け根は、蜜で潤ったままひくついている。
「あ、あま…え……くん……」
葵は乞うようなまなざしを震わせ、視線の先にいる若者に呼びかけると、
「お、お願い……来て……」
艶を帯びた弱々しい声で、相手を痛切に求めようとする。
葵は生まれたままの姿でベッドの上で仰向けになっている。
輝男もまた、生まれたままの姿をベッドの上でさらしている。
彼の股からは、固く突っ立つ一物が目の前の葵をにらんでいる。
しかも、その全身には黒色の厚めのコンドームがピッタリと密着している。
葵の仕業か、輝男自身によるものかわからないが、万一のことを考えてのことなのだろう。
膝立ちの体勢で葵と向き合うと、開かれたままの両脚の付け根に、陰茎の先端をあてがう。
「あっ……」
固いものが当たる感触に葵がたまらず声を上げると、輝男はそのまま一気に腰をぶつけた。
葵は、輝男の猛進を受けて全身から汗を噴き出し、ギュッとベッドのシーツをつかみながら身を震わせると、
「あっ……あぁっ……!」
息詰まるような喘ぎを発しながら、体を大きくのけ反らせた。
一瞬、痙攣でも起こしたかのようにのけ反らせると、すぐに糸が切れたかのようにグタッと横たわる。
顔を真っ赤にし、荒く息を吐く葵を見下ろしながら、
「葵、大丈夫か?」
輝男が心配そうに呼びかける。
「大丈夫……。でも、天江君の……私の中、奥に当たってる……」
葵は荒い吐息を交えながら、弱々しく言葉を返す。
事実、輝男自身の先端は、葵の中、最深部に差しかかっているのだ。
彼女の今の言葉を聞くと、言葉を返す代わりに大きく律動を仕掛ける。
初めから強くスピードを上げて前後運動を繰り出すと、
「あっ、あぁっ……あっ、んあぁっ……」
葵は大きくその身を揺らしながら、艶やかな喘ぎを繰り返す。
律動に押されるようにその身を揺らすと、胸元の美巨乳を自ずとブルブル震わせる。
輝男は恍惚に赤らむ美貌と絶えず揺れ続ける美巨乳に、繰り返し腰を強くぶつける。
輝男と葵の間で、肉と肉の衝突音が水音混じりに響き、
「あっ、あっ、あっ、あっ、あぁっ……!」
息詰まるような喘ぎを繰り返しながら、葵の体がのたうち回る。
「す、すごい……! 今日の天江君……今まで一番、強くて、激しくて……!」
葵は声を震わせながら、歓喜の念を告げて来る。
輝男は、葵の今の言葉を聞き入ると、
(葵の中……強く締まってる……!)
強く出入りを繰り返すヴァギナが収縮を強めているのを感じ取る。
「あぁんっ、んうぅっ……! す、すごい……!
天江君の……私の中で、もっと固く……大きくなってる……!」
艶やかな喘ぎを発したかと思うと、震える声で恍惚の念を上げる葵。
彼女は、自分の中で輝男の陰茎が硬度と大きさを増していくのを痛感している。
摩擦を繰り返し、熱とぬめりに覆われる内に、自らが膨張していくのを、輝男もすぐに認める。
それでも――否、それだからこそ、熱に浮かされたかのように腰の動きを激しくさせる。
輝男と葵の耳に、肉と肉の衝突音がトーンアップして聞こえて来る。
輝男が激しく腰をぶつける真下で、葵はさっきよりも大きく悩ましげに身悶える。
“鬼の生徒会長”の仮面をかなぐり捨てて、本能のままに愛欲と淫欲に狂うメスの顔を見せる。
「あぁっ、イヤッ、ヤダッ……! あぁんっ、ハァッ、ハァ……んうぅっ……!」
苦痛と歓喜、そして、恍惚が混ざった喘ぎを聞くと、
「葵、大丈夫か?」
輝男が律動を繰り返しながら、心配そうに呼びかける。
なけなしの理性を振り絞って案ずる輝男に、
「う、うん……大丈夫……とても、気持ちいい……」
葵は弱々しい表情を見せながら、半ばうつろな声で言葉を返す。
しかし、すぐにゆっくりと体を起こし、輝男とまっすぐに顔を合わせる。
「お願い……もっと……もっと強く……」
恍惚とした表情を赤らめながら、震える声で輝男に懇願する。
葵の今の懇願に、輝男は何も言わない……
輝男はベッドの上で腰を下ろしている。
依然として生まれたままの姿をさらす輝男の腰の上では、
「あっ、あっ……ハァ、ハァ、ハァ……あぁ……」
切なそうな喘ぎと荒い吐息を交互に発しながら、葵が腰を上下に振っている。
彼女の股の下からが、真上を向いている剛直が見え隠れしている。
自分にまたがりながら上下運動を繰り返す葵に、輝男は真下から腰を強く突き上げる。
またしても、輝男と葵の間から肉と肉のぶつかり合う音が響く。
「あぁんっ、んんっ、んうぅっ、あっ、ハァッ……」
上下運動を繰り返し、突き上げを食らいながら、艶やかな喘ぎを繰り返す葵。
「あ、葵……そんなに声を上げたら、周りに気付かれるぞ……」
輝男が荒く息を弾ませながら、葵に懸念を訴えると、
「だ、誰のせいだと思ってるの……!?」
葵は、恍惚とした顔で輝男をにらみながら言葉を返す。
結合を続け、激しく抜き差しが繰り返されるその上で、輝男にギュッと抱き付く。
至近距離で顔を合わせると、二人はそのままキスをする。
「んっ、んんうぅ……」
重なり合う唇からかすかなうめき声が漏れる。
唇を重ね合わせたかと思うと、すぐに舌先を絡ませ合う。
ディープキスをする真下では、引き締まった胸板と柔らかく大きな肉の果実が強く押し合っている。
二つの裸体からにじみ出る汗も、主(あるじ)たちの密着と同時に混ざり合う。
うねうねと舌を絡ませ合いながら、対面座位で互いを貪り合う。
葵の中で繰り広げられる摩擦は、強まりこそすれ、減退する兆しは一切、認められない。
輝男に抱き付きディープキスを続ける葵の体が、わなわなと震える。
(ヤダ……! 天江君……激し過ぎる……! このままだと壊れる……!)
内心、苦悶の声を上げる葵。
真下から突き上げてくる剛直が狭まる肉の壁をぶち破り、奥へ奥へと突進していくのを痛感している。
(ダメだ……! 葵の中、狭くてキツいけど、熱とぬめりが半端ない……!)
輝男は葵と舌先を絡ませ合いながら、強まるヴァギナの収縮と増大する熱と愛液を痛感する。
難儀を覚え、動きを減退させるどころか、却って動きを強める。
すると、葵は勢い良く輝男から顔を離し、ディープキスをやめると、
「ダ、ダメ……! も、もう……これ以上は……!」
困惑しきったかのような表情を赤らめ、声を震わせると、すぐに痙攣したかのように体をビクンとのけ反らせる。
「ダ、ダメ……! もうイく……イっちゃう……!」
目元にうっすらと涙を溜めながら、震える声で自らの限界を訴える。
輝男は汗だくの体でベッドの上に仰向けになる。
彼が見上げる先には、
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……!」
リズミカルに喘ぎを繰り返しながら、葵が上下に腰を振り続けている。
葵と輝男のつながった個所からは、蜜のようなものが漏れ出ている。
水音混じりの衝突音を耳にすると、輝男はそのまま腰の突き上げを再開する。
真下からの突き上げに押されて、葵が喉を突き出しながらのけ反ると、
「いい……いいわ……。もっと、もっと強く……!」
声を震わせ歓喜の念を訴える。
輝男は真下から葵の腰を左右の手で押さえ、真下からの突き上げを強める。
「あんっ、んんっ、うっ、あぅっ……!」
強まる突き上げに、葵は艶やかな喘ぎで応じる。
ラストスパートをかけるかのような輝男の動きに、葵はEカップバストを震わせ、噴き出る汗を飛び散らせる。
引っぱたくような肉と肉の衝突音と、
「あぁっ、うっ、んんっ、ハァッ、ハァ……あぁ……んうぅっ……!」
艶やかだが息詰まるような喘ぎが、密室でみだらな二重奏を成す。
修学旅行の真っただ中、同級生や教諭たちが周りにいる状況下、ひそやかで激しい淫行に耽る二人の男女生徒。
しかし、それもそう長くは続かないようだ。
輝男からの強い突き上げを甘受していた葵の体が、震えを強めている。
「ダ、ダメ、ダメ……! も、もうこれ以上は……!」
「あ、葵……俺も……!」
言葉少ない会話を交えながら、二人とも限界間近を訴える。
強く締め付けるヴァギナの動きに、輝男の股の辺りでは、沸騰感が際限なく湧き出ている。
互いに限界を訴えているが、輝男も葵も動きを止めようとしない。
葵は、更に強く小刻みに腰を上下に振り続け、美巨乳を上下に波打たせている。
輝男もまた、汗をにじませ、歯を食いしばりながら、腰の突き上げを強く繰り返す。
しかし、次の瞬間、輝男と葵の腰が上下に強くぶつかると、
「あぁっ! うぅっ……あぁ――――――……」
葵は輝男の上にまたがったまま、喉を突き出すようにして体を大きくのけ反らせた。
輝男は、葵の絶頂の叫びを聞くと、ギュッと締まりきった蜜壺の中で勢いよく果てた……
◇ ◇ ◇
汗の乾かぬ裸体をさらしながら、輝男はベッド淵に腰を下ろす。
片手に持つコンドームを見ながら、半ば呆れたかのような表情で嘆息する。
「まさか、こんなにいっぱい出るなんて……」
手中にあるコンドームの中には、ウッカリしたらこぼれ出るくらいの多量の白いしたたりが溜まっている。
淫欲の動かぬ証拠に輝男が深くため息をついていると、
「天江君、ありがとう……」
傍から、優しく話しかける声が聞こえて来た。
輝男が振り向くと、既に長袖の体操着に着替え直した葵が、優しげな笑みを浮かべながら輝男を見つめていた。
「私のわがままを聞いてくれて、あんなに激しく……」
頬をほんのりと赤らめながら、言葉を続ける。
葵の脳裏には、さっきまで輝男と繰り広げたセックスの詳細が克明に浮かび上がっている。
「君が満足して喜んでくれて何よりだよ」
輝男もまた、葵を見つめながら柔らかな表情で言葉を返す。
「……でも、君が今日の昼の休憩の時、俺とバスガイドさんがヤってるのを覗き見していたと言った時は、マジでヤバかったよ……」
輝男がそう言葉を続けると、葵はすぐに輝男の真ん前に近付き、彼の唇をキスでふさいだ。
まさかのキスに、輝男は思わず顔を赤らめる。
しかし、葵はすぐに輝男とのキスをやめると、
「そんなこと、もうこれ以上、言わないで……」
ほんのりと頬を赤らめながら制止をうながす言葉をかける。
葵はそのまま、輝男に背を向けると、部屋の入口まで静かに歩を進める。
「じゃあ、天江君、お休み」
「あぁ、お休み」
背を向けたまま、就寝のあいさつをする葵に、輝男は言葉を返す。
葵が部屋を出ると、輝男はコンドームをゴミ箱に捨てて、体操着に着替え直す。
そして、何も無かったかのように、今度こそ眠りにつこうとする。
夜も更けて久しい時刻、輝男はようやくにして修学旅行二日目を終えようとする……