輝男は布団の上で仰向けに寝そべっている。
生まれたままの姿をさらす彼の股の上には、剛直がいきり立っている。
そこへ、同じく生まれたままの姿をさらす寿里がゆっくりとまたがってきた。
頬を赤らめ、クスッと笑みを浮かべると、自分の大事なところに輝男自身をあてがう。
そのまま腰を落とすと、
「あっ、あぁ……」
身を震わせながらかすかに喘ぐ。
程良く狭い肉壁に剛直が飲み込まれる様に、輝男は深くため息を付く。
すると、
「天江君、早く……」
すぐ傍から、切なそうな声で誰かがささやいて来る。
輝男が振り向くと、色白の美尻が輝男の横に突き付けられている。
輝男の手元で、栄子がワイシャツのみを羽織った格好で四つん這いの体勢を取っている。
輝男は栄子を認めると、彼女の美尻の真ん中に、右手の人差し指と中指を差し込ませる。
と、同時に、輝男の剛直が深々と飲み込まれていく。
「あっ、あぁっ……!」
「あぁんっ……あ、ハァッ……!」
二本指を差し込まれた栄子と、剛直を飲み込んだ寿里が、共にのけ反りながら声を上げる。
寿里はそのまま腰を上下に繰り返し揺らしていく。
「あっ、あぁ……んんっ、うぅっ……んあぁっ……!」
上下運動を繰り返す寿里の口から、艶やかな喘ぎが発せられる。
寿里の動きに合わせて、Dカップはあろう美巨乳がブルブルと震える。
「あぁ、いい……いいよ……
天江君の……大きくて、たくましくて……気持ちいい……」
寿里は熱に浮かされたかのように歓喜の声を上げながら、腰を上下に振ったかと思えば、前後にくねらせる。
自分自身を飲みながら、様々に腰を動かす寿里に、輝男は汗をにじませ、歯を食いしばる。
(長峰の中……温かくて……キツイ……)
膨張した剛直を通して、狭まるヴァギナの感触と熱を感じ取る。
寿里もまた、既に膜を無くしているようだが、今の輝男はそこまで意識が回っていない。
自分自身を貪る寿里の動きに感嘆としていると、
「あっ、あぁ……あっ、イヤァッ……」
傍から悲鳴のような声が聞こえて来る。
寿里による騎乗位を甘受しつつも、輝男の右手の二本指は栄子の中をかき回し続けている。
小刻みに前後を行き来する指の動きに、
「うっ、うぅっ……あんっ……んあっ……」
栄子は声を震わせながら喘ぐ。
「あ、天江君……ったら、激し過ぎだよ……」
「しょうがないだろ。俺のは既に長峰に取られたんだから」
栄子と言葉を交わしながら、目の前の光景を見る輝男。
彼が見つめる先には、恍惚の度合いを増す寿里の美貌と、上下に波打つDカップバストが映る。
同級生女子の悩ましい姿を眺めつつも、もう一人の同級生女子を犯す指の動きはそのままである。
「うぅっ……んんっ……!」
絶えずヴァギナをかき回す指の動きに、栄子は身を震わせ、うめき声を上げる。
歯を食いしばり、我が身を支える手の握力を増すと、
「ヤ、ヤダ、もう……このままじゃ、指でイっちゃうよぉ……!」
痛切に訴えるかのように苦悶の声を上げる。
栄子の哀訴を傍から聞くと、
(苑田の中……熱とぬめりが増して来ているな……)
輝男は、二本指を通してヴァギナを覆う熱と愛液を認める。
すると、
(な、長峰も……すごく締まってきてる……!)
寿里のヴァギナが締め付けを強めていることも同時に感じ取った。
「あ、天江君の……ますます、固く……大きくなってる……!
さっき、二度もイったばかりなのに……!」
寿里は腰を上下に振り、前後にくねらせながら、自分の中で生じる強烈な摩擦に苦悶する。
さっき、香蓮の中で果てて、自分のパイズリで二度目の限界に達したのに、なおも固く膨張を繰り返す輝男自身に驚嘆してしまう。
そして、輝男自身を飲み込みながら、真上から繰り返し、腰を強くぶつけて来る。
「お、おい……!
俺のが大きくなってると言うより、君の中がかなりキツくなってんじゃないのか!?」
強まる一方のヴァギナの収縮を痛感する輝男は、寿里に反論を試みようとする。
しかし、輝男の反論の声も、肉と肉の衝突音にかき消されてしまう。
「あぁ、いい……! すごぉい……!」
上下運動を激しくさせながら、うわ言のように歓喜の念を漏らす寿里。
その横では、四つん這いの体勢を取っていた栄子がドサッと倒れ込んだ。
うつ伏せの状態でいるが美尻を突き上げている。
その真ん中には、輝男の右手の二本指が、依然として強く行き来を繰り返している。
グチュグチュ…と音を立てて小刻みに動く輝男の指に、
「あぁんっ、ヤダ、やめて……! おかしく…なっちゃう……!」
弱々しくも苦悶の声を上げる。
体中から力が抜けるかのような弱々しい顔を赤らめ、薄赤色に染まる素肌に汗をにじませている。
輝男は指で栄子を犯しながらも、依然として股の上で腰を動かし続ける寿里を眺めている。
恍惚しきった美貌の下で、体中のあちこちから汗を噴き出している。
上下に大きく波打つ左右のふくらみが、輝男の目に否応なく映る。
一方、輝男の右手の二本指は、栄子の中で生温かい蜜を全身にまみれさせていく。
栄子の中のぬめりが指に絡み付くのを認めると、輝男はすぐに右手の二本指を栄子の中から引き抜いた。
そして、間を置かずに、寿里の中から自分自身を引き抜かせる。
輝男によるまさかの行動に、栄子も寿里も戸惑い、呆然とする。
「どうして……?」
「さっきまでの動きで、体が疼いてしょうがないのに……!」
激しい淫行を途中で中断され、モヤモヤした気分を痛切に訴える寿里と栄子。
しかし、輝男は何も言わず、二人とまっすぐに向き合う。
布団の上に、栄子と寿里が上下に重なる。
仰向けの体勢を取る栄子の上で、寿里が四つん這いの体勢を取る。
「天江君……」
「お願いだから……早く来て……」
後ろを振り返る寿里と、仰向けの状態で前を見る栄子が、視線の先にいる輝男に懇願する。
共に乞うような瞳を震わせる二人を見ると、輝男は、限界まで膨張した剛直を濡れぼそった栄子の秘裂に突き刺す。
「あぁっ……! んあぁっ……!」
勢い良く腰をぶつけ、自らを中の奥まで突き進ませる輝男に、栄子はビクンとのけ反り、声を上げる。
と、同時に、栄子の蜜にまみれた右手の二本指を、今度は寿里の中に突っ込ませる。
「あぁんっ、イヤァッ……!」
大事なところに指を突っ込まれ、そのまま容赦なくかき回される様に、寿里は悲痛に喘ぐ。
輝男は正常位で栄子を犯しながら、小刻みに動く指で寿里をも犯す。
「あぁ……天江君の……オ〇ン〇ン……すごい……!
固くて……大きくて……何度も奥に……当たってる……!」
「オ……オ〇ン〇ンもいいけど……指も……! ヤダ……天江君の指で……イきそ……!」
自分たちの中を荒らし続ける剛直と指の感触に、栄子と寿里は切なそうに喘ぐ。
一方の輝男は、剛直と指で二人を犯し続けながら、
(二人とも、結構、締まってきてるな……!)
食らい付くかのように締め付けるヴァギナの動きを感じ取る。
共にギュッと収縮を強め、熱とぬめりを増す一方である。
しかし、輝男は難儀するどころか、逆に、自らに絡む熱と愛液を潤滑油代わりにして動きを加速させる。
寿里の秘裂からグチュグチュ…とみだらな水音が響き、輝男と栄子の間から水音混じりの肉と肉の衝突音が響く。
「あっ、あぁっ……イヤァッ……!」
「あぁんっ、んんっ、んあぁっ……!」
激しさを増すみだらな責めに、栄子と寿里は艶やかな喘ぎをトーンアップさせる。
栄子は輝男の腰がぶつかるたびに体をのけ反らせ、寿里は大事なところを指でかき回されながら、押されるようにその身を揺らす。
上下に向き合う二人の美乳は、主の動きに応ずるかのように絶えず揺れ続ける。
栄子と寿里は、身悶え、荒く息を弾ませながら、上下に顔を向き合わせる。
同じ一人の男に犯されながらも、舌先を絡ませ合い、唇を交わす。
各々のヴァギナで生じる強烈な摩擦がもたらす苦痛と刺激をまぎらすかのように、美少女二人は互いを貪り合う。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
荒い吐息が混ざり合い、いつの間にか、互いに指を絡ませ合い、手を握り締め合う。
上下に向き合いながら、唇を交わし、胸をすり合わせる二人の同級生女子を見て、輝男は更に動きを加速させる。
火照り切ったかのような素肌に汗が噴き出て、息遣いも荒々しさを増していく。
そして、剛直と指の動きは、これ以上は無いくらいに激しく小刻みになっている。
「あっ、んあぁっ!!」
二人きりの世界に陶酔しかけた栄子と寿里は、自分たちの中を容赦無く荒らす動きにたまらず悲鳴を上げる。
寿里は四つん這いの体勢を震わせ、我が身を支える手の握力を増しながらイヤイヤと身悶えると、
「あぁんっ、ダメ、ダメ……イく……イっちゃう……!」
痛切なトーンで自らの限界を訴える。
「ヤダ……! アタシも……イっちゃう……! お腹……壊れちゃう……!」
栄子もまた、泣くような声で自らの限界と苦痛を訴える。
二人の今の哀訴に、輝男は言葉を返す代わりに、指と剛直の前後運動で応じる。
輝男の耳に、かき回すかのような水音と肉と肉の衝突音、そして、美少女二人の艶やかな喘ぎが重なって聞こえる。
みだらな重奏に耳を傾けながらも、剛直と指が熱く潤う肉壁に締め付けられていくのを直に感じ取る。
栄子と寿里の秘裂からは、いやらしい蜜が隙間から漏れ出て久しい状態にある。
(もう、これ以上は無理か……!)
輝男は同級生女子二人の感触を味わいながらも、自らの沸騰感が限界まで昂っているのを認める。
このままの状態が一分ほど続いた後、
「あぁっ、イヤァッ……! イ、イく……イくぅ―――……」
栄子は喉を突き出すようにして体を大きくのけ反らせながら、絶頂の声を上げた。
と、同時に、寿里もまた体を大きくのけ反らせ、胸元のDカップバストをブルンと震わせると、
「あぁっ……あっ、あぁ――――――ん……」
栄子から数秒ほど遅れて、自らの限界を叫んだ。
その瞬間、輝男は、栄子と寿里の中からそれぞれ剛直と指を引き抜いた。
剛直と指を引き抜かれた秘裂から愛液が噴き出ると、輝男の剛直が濃厚な白濁を勢いよく噴き出した。
噴水のように放たれた白濁は、絶頂に震える栄子と寿里の肢体に容赦無くなりかかった。
「あぁ……あぁ……」
仰向けの状態でわななく栄子の頬や胸元、へそ回り、そして、文字通りにグッタリと横たわる寿里の頬や横胸等に、淫欲の痕跡がハッキリと刻み込まれる……
◇ ◇ ◇
「ハァ、ハァ……」
輝男は生まれたままの姿をさらしながら、呆然とした顔で荒い吐息を繰り返す。
火照りの収まらない裸体に汗をにじませながら、天井の電灯をうつろに見上げる。
香蓮、栄子、寿里……と、同級生女子を三人も立て続けに荒々しく犯し、果てさせたことで、輝男自身もひどく憔悴しきっている。
もう、何をする気力も無さそうな状態にある。
すると、何者かが正面から静かに近付いて来た。
輝男が正面へと顔を向き直すと、次の瞬間、まるで冷や水でも浴びせかけられたかのように驚きの表情を見せた。
輝男の目の前には、栄子たちのルームメイトである女子生徒二人が身を屈めていた。
「天江君、次はアタシたちの番よ」
「天江君、まだまだヤれるわよね?」
期待に胸を弾ませるような艶やかな笑みで、輝男にみだらを求める。
二人の今の懇願に、輝男は愕然とし、困惑する。
みだらを切望する彼女たちと違い、女の子を抱き、犯す気力が無いことを率直に示す。
「頼む……。俺はもう、今日は本当に…」
断りの返事を言おうとした刹那、女子生徒二人は輝男に勢いよく抱き付いた。
「さっきのエッチ、見てたら、余計にムラムラしちゃって……」
「天江君が抱いてくれないと、体の疼きが止まらないんだから」
「だから、本当にもう、今日はこれ以上は無理だって……」
執拗にせがむ二人に、輝男は困惑しきった調子で拒否の返事を言おうとする。
すると、
「あなたたち、何やってるの!? もう、消灯時間は過ぎちゃってるのよ!」
輝男の背後から、鋭く叱責する声が響いて来た。
突然の叱責に、輝男は驚き、女子生徒二人は動きを止める。
輝男たちが声が聞こえて来た方を振り向くと、次の瞬間、彼らは血の気が引いたような顔を見せた。
輝男たちが見つめる先には、鬼の形相を見せながら仁王立ちするジャージ姿の理華がいた。
長袖の体操着に着替え直した栄子、香蓮、寿里、そして、女子生徒二人が横並びに正座をしている。
彼女たちは皆、沈痛な面持ちで萎縮している。
彼女たちの真向かいには、理華が両腕を組みながら、険しい表情で見下ろしている。
理華の横では、制服に着替え直した輝男が、栄子たちと同様、沈痛な面持ちを見せている。
どうしようもないといった様子で、事の成り行きを黙って見守る。
「男子生徒を自分たちの部屋に連れて行って、消灯時間を無視して何回も乱交に及ぶとは……!
ここまで恥知らずな生徒たちは、今まで見たことも聞いたことも無いわ……!
まして、私たちが実際に受け持つ教え子の中にいたなんて……!」
険しい表情はそのままに、驚愕と失望の入り混じった言葉を女子生徒たちに投げ付ける理華。
「たまたま見かけたのが私だからよかったものの……
これが、あなたたちの担任である石上先生だったら、どうなってたか……?
あなたたち全員、石上先生に握り拳で殴られても文句は言えないのよ……
それだけのおおそれたことを、あなたたちは平然とやってのけたんだから!」
叱責を続ける理華に、栄子たちは重くうな垂れたまま、何も言い返せない。
理華の気迫に押されている上に、自分たちがしでかしたことがお世辞にも褒められたことでないことを十分に認識しているからだ。
「先生、苑田さんたちだって、十分に反省してますから、これ以上、彼女たちを責めるのはやめて下さい。
それに、彼女たちだけが悪いわけじゃありません。僕にも責任の一端が…」
居たたまれなくなった輝男が、横から栄子たちを庇おうとするが、
「天江君、あなたは黙ってて」
理華は輝男の方を振り向かず、彼に言葉を返す。
今の理華の鋭い声に、輝男は敢えなく引き下がる。
理華はそのまま栄子たちを鋭く見下ろすと、更に言葉を続ける。
「本来であれば、すぐにでも然るべき処分を下すところですが……
修学旅行の最中という手前、修学旅行が終わるまで、あなたたちの処分はしばらく保留とします」
理華の今の言葉に、栄子たちは重く垂れていた顔を上げた。
すると、
「ただし、今回の件は誰も口外しないこと、天江君とは今後、一切、接触を持たないこと。
この二項だけは絶対に厳守してもらいます。
もし、この二項の順守を破るようなことがあれば、あなたたち全員、ただちに然るべき処分を受けてもらいます」
理華は間を置かずに、鋭い口調で禁則事項を言い放つ。
「え――そんなぁ……!」
理華の今の言葉に、栄子たちの間から不満の声が上がる。
しかし、理華は厳しい表情を見せながら、栄子たちをにらみ続ける。
「今しがた、あなたたちがしでかしたことは、退学にも相当する行為なのよ!
そのことを肝に銘じておいて、今後は謹んで振る舞いなさい!」
鋭く念を押す理華に、栄子たちは不承不承ながらも黙って応諾する。
栄子たちが応諾の意を示したのを認めると、理華はようやく輝男の方を振り向く。
「さぁ、天江君、行くわよ」
厳しい表情を見せ続けながら言う理華に、輝男は黙ってついて行く。
気まずい表情を見せながら、栄子たちの方を振り返らず、理華の後ろについて行く。
「確かに、苑田さんたちに至らない点があったのは間違いありませんが……
僕が彼女たちの申し出を断り切れなかったことにも責任がありますから……
だから、これ以上、苑田さんたちを追及するのはやめて下さい」
輝男はホテルの廊下を歩きながら、横にいる理華に言葉をかける。
今更のように、自分との淫行で叱責を受けた同級生女子たちの弁護を図ろうとする。
しかし、理華は幾分、表情を落ち着かせつつも、輝男の今の言葉に振り向こうとしない。
「もう、その話はやめて……」
一言、言葉を返す理華に、輝男は重い表情で閉口する。
しかし、一呼吸、間を置いた後、今度は理華の方から話を切り出してきた。
「天江君……あなた、確かまだ、添乗員さんが使ってた部屋に泊まっているのね?」
「えぇ……
石上先生に、元の部屋に戻してもらうように頼んだのですが、どうして聞き入れてもらえなくて……」
「そうなの……」
理華は輝男とそう言葉を返すと、ふと、足を止めた。
そして、輝男の方を振り向くと、ようやく笑顔を見せた。
「天江君、今日はもうお休みなさい」
「あ、はい……」
笑顔を見せながら言葉をかける理華に、輝男は要領を得ない返事をする。
しかし、理華は構わず、輝男に背を向けると、そのまま歩み去って行く。
遠のく理華の後ろ姿を、輝男は重い表情を浮かべながら、黙って見つめる。
自分との淫行のせいで栄子たちが理華に散々に叱責されたことが、心に重くのしかかっているのだ。
◇ ◇ ◇
闇に覆われた個室で、輝男は静かに眠っている。
何も無かったかのように安らかな寝顔を見せる輝男に、静かな足音が近付いて来る。
途端、輝男はゆっくりと目を開け、すぐ傍にあるサイドライトのスイッチを押した。
サイドライトに明かりが灯ると、輝男はすぐに後ろを振り返った。
振り返った先には、長袖の体操着を着用している一人の女子生徒が立っていた。
「君も結構、悪い娘だな……。また、俺のところに夜這いをかけて来て……」
半ば呆れたかのように、目の前に立つ桜月に向かって声をかける。
呆れながら言って来る輝男に、桜月は笑顔を見せる。
「ごめんなさい……。でも、どうしても我慢できなくて……」
「一昨日やったばかりじゃないか」
「うん……。でも、もう一回ぐらいしたいなぁ……って」
桜月は輝男と言葉を交わしながら、ベッドの淵に腰を下ろす輝男の横に座る。
「でも、まさか、天江君だけ、個室に移ってしまうなんて……」
「まぁ、色々、あったと言うか……先生からそうしろと指示されたから……」
「でも、一人きりなら、他の人のことを気にしないで済むけどね」
「何、言ってんだ? すぐ隣には他のヤツらだってちゃんといるし……
君だって、こんな真夜中にこっそりと部屋を抜け出して、ただで済むはずが無いだろ」
「心配しないで。万一のことがあっても、私の方で何とかするから」
輝男と桜月はそう言葉を交わすと、無言で互いを見つめ合った。
間も無くして、二人とも半ば緊張したかのような面持ちで頬を赤らめる。
「桜月……いいか……?」
「いいよ、輝男君……来て……」
言葉少なく互いに呼びかけると、二人は共にまぶたを閉じた。
そして、そのままゆっくりと唇を合わせようとする。
あと二、三センチの距離にまで縮まった刹那、
「ひ―な―た―さ―ん――、何、やってるのかなぁ―――?」
向こうの方から、半ば、からかうかのように呼びかける声が聞こえてきた。
輝男と桜月は今の声を聞くと、ビクッと驚きながら目を見開いた。
陶酔しかけた雰囲気をぶち壊され、ハッと我に返ってしまう。
そのまま、声が聞こえてきた方を振り向くと、入り口手前にジャージ姿の女性が一人、立っていた。
「せ、先生……!」
二人は、不敵な笑みで自分たちを見据える理華に向かって驚きの声を揃える。
「日向さん、あなた、こんな真夜中に夜這いをかけるなんて、いい根性してるわね」
理華は、桜月にそう言葉をかけながら部屋の中へと入って行く。
不敵な笑みを絶やさない理華の目の前で、桜月は恥ずかしそうに顔を赤らめながらうつむく。
「先生、お願いですから、日向を余り責めないで下さい」
桜月の横にいる輝男は、彼女を庇うかのように理華に言葉をかける。
すると、理華の後ろに何者かが隠れるように立っているのを認めた。
「先生、誰か後ろにいるみたいですけど?」
輝男が理華にそう言葉をかけると、理華の後ろから長袖の体操着を着用した一人の女子生徒が姿を現した。
「く、黒山! どうして……!?」
輝男は驚きながら、理華の後ろから姿を現した葵を見る。
葵は、鋭く厳しい形相はそのままに顔を真っ赤にしている。
輝男の今の問いかけを聞くと、理華は一瞬、葵の方を振り向く。
「実は、黒山さんも、今、天江君のところに夜這いをかけようとしたところだったの。
それを、見回り中の私が見事、確保したってわけ」
「何、言ってんですか?
先生だって、ホントは俺のところに夜這いをかけようとしたくせに。
とっくに見回りの時間は終わってるんですよ」
「今更、そんなことを言っても無駄よ。
どうあがこうと、こうして私たち三人が天江君の部屋にいるのは動かしようがないんだから」
呆れながら言って来る輝男に、理華は平然とした態度で言葉を返す。
「それに、あなた、今、私が夜這いをかけに来たと言ってるけど……
私がここに来たのは、夜這いをかけるためじゃないんですからね」
「じゃあ、何だと言うんですか?」
「消灯時間の前後にあなたがやらかしたことを懲罰するために、わざわざやって来たんだから」
理華の今の言葉に、輝男は恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。
すると、桜月と葵は一斉に理華に視線を向ける。
「一体、天江君が何をしたというんですか?」
「私たちという者がいながら、他のクラスの女子たちとヤりまくっていたのよ」
鋭くたずねる葵に、理華は何のためらいも無い口調で、輝男がしでかしたことを端的に言ってのける。
理華の今の説明に、桜月も葵も愕然としながら言葉を詰まらせる。
一方の輝男は、恥ずかしそうに顔を赤らめながら、何も言い返せずにいる。
彼の脳裏には、ほんの数時間前、葵のクラスメートである栄子や寿里、香蓮たちと淫行に耽った時の記憶が、克明に浮かび上がる。
今、自分が言った言葉に三人とも何も言い返せないのを見ると、理華はそのまま言葉を続ける。
「……だから、二度とそんなことが無いように、天江君をタップリと可愛がってあげようと思ってね……」
理華がそう言葉を続けると、
「天江君……あなた、女の子にだらしがないにも程があるわ!」
葵は顔を真っ赤にして輝男を鋭くにらみながら、怒りの声をぶつけて来る。
「誰それ構わず女の子に手を出すなんて……そんなこと、天江君のためにもならないわ」
桜月もまた、沈痛な面持ちを赤らめつつ、輝男に批判めいた言葉をかける。
二人からの非難に、輝男は気まずそうな顔を見せつつも、何も言い返そうとしない。
自分がしでかしたことがいかなる弁明も許さないことを、否が応にも承知しているからだ。
「日向さん、黒山さん、もう、その辺にしなさい」
理華は表情を和らげさせると、桜月と葵に怒りを鎮めるよううながす。
「確かに、さっきの件で天江君に懲罰を科すのも目的の一つだけど、実はもう一つ、大事な用件があってね」
理華はそう言葉を続けると、葵の傍に寄って、彼女の両肩を優しくつかんだ。
「この機会に、黒山葵さんを、天江輝男ハーレムサークルに入れようと思ってね」
にこやかに言う理華に、輝男と桜月、そして、葵は、顔を赤らめながら驚く。
「天江輝男……」
「ハーレム……」
「サークル……!?」
三人とも驚きの声を上げると、そのまま愕然と身を固くする。
「黒山さんなら、天江君への愛も秘密も共有できると思ってね……
彼女も私たちと同じように、大好きな天江君のためなら、どれだけ抱かれても惜しくは無いし……
それに、同じく天江君を愛してる私たちとも、仲良くやっていけそうだと思ったから……」
葵を見込むかのような理華の今の言葉に、輝男も桜月も、唖然としながら言葉を詰まらせる。
すると、葵は愕然としながら身を震わせ、理華の方を振り向く。
「あ、雨宮先生……!
あなた、ご自分が何を言ってるのか、わかってるんですか!?
教師の身分でありながら、私に言語道断なハレンチを勧めるなんて……!」
愕然とした面持ちで声を震わせながら、当然とも言うべき批判的な言葉をかける。
女性として、“ハーレム”という言葉に否定的な印象を抱く葵としては、教師でありながら“ハーレム”の一員となることを勧める理華の今の言葉を、どうしても受け入れられずにいる。
しかし、理華は、真正面から非難の声をかける葵にまったく動ずる気配を見せない。
「さっき、お風呂に入ってた時にも言ったでしょ?
天江君は他の男子のような並の男とは違うって……
天江君は何人もの女の子と関係を持ちながらも、誰とも分け隔てなく接し……
それでいて、普段は勉強や学校生活に真面目に取り組んでいる……
恐らく、あなたにとって、天江君以上に素敵な男の人って、中々、見かけることなどできないんじゃないかしら?」
理華がそう言うと、葵は愕然とした形相を弱めさせ、何も言い返さずにいる。
生徒会長となってからの一か月間、輝男と接した時の思い出を振り返ると、理華の今の言葉に対して、否定や反論の言葉がまったく出て来ない。
輝男と桜月は、目の前で繰り広げられる理華と葵のやり取りを、固唾をのんで見守っている。