※この作品はR-18です。

親の心子知らず   作:白羽小鈴

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クリスマスパーティー

「ただいまー」

17時頃まりちゃん、乃々香、蓮菜ちゃん愛ちゃん達と帰宅する。

「おかえりなさい。あなた」

すぐにパタパタと由奈が玄関に小走りで来る。

「ご飯にする?お風呂にする。それともわ・た・し?」

みんないるのにも関わらず新妻モード全開の由奈ちゃん。その光景を見てもう愛ちゃんはすでに帰りたそうな顔であった。

「何新婚ごっこしてるわけ人のお家で?」

「ごっこがありません~夫婦です。蓮奈ちゃん久しぶりー」

由奈ちゃんがニコニコしながら蓮菜ちゃんに話しかける。

「そんなに嬉しがるなら会いにくればいいのに・・・」

拗ねる蓮菜ちゃん。そんな蓮菜ちゃんに由奈はニコニコしながら頭を撫でていた。

「蓮菜ちゃんったら私に会えなくて寂しかったんだね。本当にかわいいんだからもう~」

「ちょっ頭撫でるよやめなさいよ」

昔と同じように振舞っていた。ただ僕は少し気がかりがあった。

「それよりも由奈。もしかして何かトラブルあったの?」

おかえりの挨拶はいつもキスでキスをしないときは大体何かトラブルがあった時だからだ。すると由奈がムスッとした顔をして。

「ピンポーーン。正解です。実は困った事になってて・・・」

 

「あら、浩孝君じゃ無いの奇遇ね」

居間に入るとなぜか元生徒会長の汐音さんがリビングで足を組み優雅にお茶を飲んでいた。

「いやあのここ僕の実家なんですが。なんで汐音さんがいるんですか?」

バン

汐音さんはティーカップを勢いよくテーブルに置く。

「どうしたもこうしたもないわよ。なんで私だけのけ者扱いされなくちゃいけないのよ・・・ぷくぅ」

大学生にもなって頬を膨らませて抗議してきた。

「ごめんなさいねヒロ君。うっかりヒロ君が帰ってるのを知った途端いきなり暴れだして家に行くって聞かなくて・・・。まったく大学生にもなって」

そんな事を言いながら蒼ちゃんセンパイは居間でお菓子を食べながらくつろいでいた。

「もうやめましょう汐音様・・・ただ胸がでかいだけが取り柄の女が両想いの元カノがいるヒロ君と結ばれるなんて土台無理な話だったんです。

諦めて負けヒロインとしてメインヒロイン(笑)方々と公園の滑り台で滑っててください。後は私が勤めますから」

「ちょっと何よ。フォローのふの字も無いじゃないの。あなた私のメイドでしょ。もっと気の利いた言葉言いなさいよ。そもそもそれの元ネタのアニメ勝者先輩でしょ!」

「はい、はい。おかかかけようね~」

「ちょっ。何かけてるのよ。やめなさいよ」

蒼ちゃん先輩はどこからか取り出したおかかを汐音さんが飲んでいたお茶に入れ始める。なぜおかか?

「もう一年経つのに全然変わって無いね~」

「むしろ幼くなってない?」

「ていうか何?なんでそんな馴れ馴れしいのよあれだけの恋愛バトルを繰り広げたメインヒロイン全員いるのに何この円満な雰囲気?もう少し頑張りなさいよ」

「私はまだあきらめてないからね」

「いえ。花丸さんにはもう期待していないから」

「わたしは兄さんさえ幸せになってくれればそれだけでいい」

「うちはどうでもいいことなんで」

「てか無茶言わないでくださいよ。もうすぐパパになる人にどうやってアプローチすればいいんですか?」

「は?パパ」

汐音さんは目を見開き驚いた声を上げる。

「「「「え?」」」

「もしかして由奈が妊娠したの知らないんですか?」

「てっきり・・・・向こうでの生活のストレスで激太りしたのかと・・・それなら私にもまだワンチャンあるかなって」

あまりのポンコツっぷりに全員絶句していた。

「汐音様に代わってみなさん申し訳ありませんうちの汐音様が」

「ちょっと蒼は知ってたの?妊娠してるの」

「はい」

「ま、まさか・・し、知らないの・・・わわわ私だけ?」

「はいwwww」

愕然とする汐音さんに対して蒼ちゃん先輩は笑い出していた。

「あははははははwwwwww」

そんな汐音さんを見てまりちゃんが馬鹿笑いする。

「何よ。何よ。大体花丸さんはサブヒロインに負けたメインヒロインなのよ。もう末代までの恥よ。よく笑っていられるわね」

「じゃあ、梁染センパイが何かしたらどうでうか?」

「そうですね。では汐音様。前みたいにおっぱい出したらいけるかもしれませんよ。きっとヒロ君溜まってますし」

「どうして蒼は私をすぐに痴女扱いするのよ~ぷくぅ」

「大丈夫です~もうヒロ君のおち〇ち〇は私だけのものです~それ以外の人で勃たないようになってます。それより私の旦那様にちょっかいださないでくれませんか。それ以上言うと追い出しますよ」

「お願い。追い出さないで。これ以上出番を奪わないで。このままだと出番栗井君以下だから。あ、蒼あなたからもなんか言ってよ」

「しかたありませね。このまま泣きつかれるのもあれ何で。どうかこの哀れな主人にご慈悲を小町夫人」

「小町夫人・・・・小町夫人。えへへへ。仕方ないな~どうぞどうぞ」

今まで言われたことの無い小町夫人と言う単語にすっかり虜で全てを許していた。

「ねえ?蒼どうしてここまで卑下にならなくちゃいけないの」

「文句を言える立場なんですか?もう接点なんて無いんですからこのくらいしないと出番無くなっちゃいますよ」

「でもでも。私メインヒロインなのよ。メインヒロイン。メ・イ・ン」

「ねえ?梁染センパイ大丈夫なんですか?そんな様子で大学生活ちゃんとできてるんですか?まだセンパイの事追いかけまわして」

蓮菜ちゃんが汐音センパイを心配している。正直僕も心配している。僕のせいで人の人生が狂うのはさすがに気が引ける。

「大丈夫ですよ。汐音様きちんと仮面被って大学ではしっかりとお嬢様ムーブかましてますから。まあ、メイド服を着た人間を侍らせてたらそりゃあ誘いに来ないでしょうね」

「蒼ちゃん先輩も大変ですね」

「伊従センパイだよりなんですね・・・」

「いなかったらコンパとかでお酒で酔わせれてお持ち帰りとかされてそう」

「それは大丈夫です。汐音様酒豪ですから」

「え、そうなの?いや未成年ですよね?」

「あ・酒豪設定は今生やしました」

「生やしたって・・・」

「どうせもう2次創作でしか話の展開は広げられないでしょうし何を言ってもいいんですよ。影近君だって洋菓子作るの得意な設定盛ったんですし今更ですよ。例えば汐音様や私が通ってる大学が碧海大だって言ってもOKです。という訳でフタマタ恋愛絶賛発売中みんな買おうね!」

 

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※作者はみゃーこ押しです。

 

「ねえ。なんか今聞こえなかった?」

「気のせいじゃないかなまりちゃん。さて、気を取取り直して早速始めめますか」

「お願いね。ヒロ君。届いた材料は冷蔵庫にいれてあるから」

「うん。ありがとね。由奈」

僕は服の袖をまくりエプロンをして材料を確認する。それを見てまりちゃんが不思議そうな顔をする

「え?夕ご飯ヒロ君が作るの?」

「うん、向こうじゃ僕がご飯作ってるんだ」

妊娠後期になって動くのが億劫な由奈に代わって僕が家事をしている。

「そういえばどうしてみんな浩孝君の家に集まってるいるの?天ヶ峰さんがいるしさっき届いた材料なんか豪勢だし今日何かあるの」

「本当に何も知らないで来たんですね。梁染センパイ・・・・」

「クリスマスはみんな忙しいし今日クリスマス会でもって話してたんだ」

「それにしては量多くないですか?いくら会長さんと蒼さんが来たとはいえ」

「ううん。まだ来るよ」

ピーンポーン

その時丁度呼び鈴がなる。インターホンの画面を見て

「もうみんないるから入って来て~」

僕がそう言うと玄関の扉の開く音がする。そしてリビングに顔を出したのは

「う~す」

「お邪魔し・・・ま・・・す」

良徳とイインチョだった。

「はあ?育代ちゃんはともかく陰キャがなんで来るんだよ」

「俺だってできれば来たくなかったよ。こんな女しかいない空間に。でもヒロが・・・」

恨めしそうに僕の顔を見る。

「だって久しぶりに帰って来れたんだしできればみんなで集まりたいじゃない。だから嫌がってたんだけど僕が無理言って誘ったんだ。それに・・・僕良徳のケーキ食べてみたいから」

「という訳で来た」

「陰キャセンパイ・・・本当にセンパイに弱すぎません?」

「自覚はあるがこいつのお願いはやべえんだよ。始めはその気が無くても後から気になり始めて最終的には願いを聞いちゃうんだよ」

「あ~それ分かる。私も昔バレンタインデーにチョコ欲しいってヒロに言われて断ったんだけど最終的に渡したしね」

「あ~あったねそんな事」

「そんな事って・・・ヒロあんた忘れたとは言わせないわよ。その後私の家まで来て大声でお礼を言い来るとか恥ずかしい事したのに忘れて挙句そんな事って・・・」

怒りで震えるイインチョ。しかしもう一人プンプンしていた子がいた。

「へ~ヒロ君育代ちゃんにバレンタインチョコレート欲しいって言ったんだ。ふ~ん」

「いやいや由奈に会う前だからね」

「それなら私も育代ちゃんからチョコ貰ってないよ。友達なのに」

なぜかここでまりちゃんが育代ちゃんに催促しはじめる。

「あ~~ こういうのが嫌だからチョコは作りたくないのよ」

いいんちょう切れた。地雷を踏んだようだ。

「わ、私も浩孝君からチョコレート欲しいって言われたい」

「では汐音様は全身にチョコ塗りたくってみてはいかがですか?」

「ねえ、蒼は私をそんなに痴女に仕立て上げたいの?」

「いいえ。胸の大きさしか取り柄の無い汐音様の事を思っての事ですが不服ですか?」

「不服に決まってるでしょ」

「その前にそんなくだらない事でチョコレート無駄にしてんじゃねえ」

良徳が怒る。しかもあの汐音さんに。本当にお菓子に対してのこだわりが強くなった。

「え?なんで私があの影近君に怒られるの?てか彼がそんな事言う度胸なかったと思うのに何があったの?」

「汐音さま・・・知らないと思いますが今じゃ天ヶ峰さんの次に母校の有名人ですよ。影近君は」

「は?一体何があったのよ?この世の終わりじゃない?」

まあ、過去の良徳を知ってるとこういう反応になっちゃうよね・・・

「まあいい。デコレーションはこっちでやらせてもらうぞ」

「うん分かった」

荷物からスポンジケーキを取り出す。どうやら下地は学園の家庭科室かなんかで作ってきたようだ。そして手慣れた手つきで薄いスポンジケーキ丸めてクリームを塗り飾り付けをする。本当に鮮やかな手つきである。

「さて・・・男だけキッチンで女がリビングで食事を待つってなんかエロゲとしてあるまじき風景なんですが」

「逆に考えると女子だけのトークの方が絵的にはいいと思いますよ。まあ、小説なんで絵はありませんが」

「それにしても育代ちゃんが来るなんて意外」

「そうですか?なんだかんだヒロとは腐れ縁だし」

「ヒロ君とはでしょ。由奈ちゃんとはあまり接点ないし。むしろ育代ちゃんは由奈ちゃんの事恨んでるよね」

「それほんと?でたらめじゃないの?恨まれるような事ないけど」

「恨むまでじゃないわ。ただ由奈さんが結婚宣言を卒業ライブでした後学園は大変だったのは確かね。マスコミが殺到して登下校の最中に色んな生徒に二人の事根掘り葉掘り聞きにくるんだから・・・元クラスメイトとしても風紀委員としても対応が大変だったのよ」

「あれ?でも僕の記事見たこと無いけど」

「まあな。ヒロと由奈さんの関係を言える人間は少なくて確証が無いから記事は世の中に出回らなかったけどな。・・・まあ、もうひとつ原因は分かってるが」

そして良徳がまりちゃんの方をジト目で見る。

「なんだよ。私は事実を言ったまでだ。散々取材受けたのにさ。由奈ちゃんとはヒロ君を取り合った仲でヒロ君との仲を一度破局まで追い込んだんだって自慢したんだよ。それ以外にもヒロ君と私の思い出を懇切丁寧に言ったし。ヒロ君は由奈ちゃんと離婚して最終的に私と結婚するんだって言ったのに・・・取材の人途中からスマホいじり始めて終わったらそそくさと帰っちゃうんだよひどくない」

「な?」

良徳は同意を求めるように聞く。

人気アイドルと自称結婚を約束したちんちくりん。途中までは事実でも相手はあの人気アイドルだ。そんなのは妄言に聞こえるだろう。仮に記事にしたとしてもガセだと思われるだろう。

「色んな意味でありがとね。まりちゃん」

「なんだかバカにされてるみたいだけどどういたしまして」

「学園の方がそうだとしても家は大丈夫だったの?」

「なぜか学園ばっかり取材に来て家は平穏だった」

「意外だね。紫苑さんからはそういうのは過激になるから家凸とかざらだっていってだし」

「いや。家に来たぞ。マスコミども」

偶然トイレから出てきた父さんが会話に入る。

「大丈夫だった?」

「大丈夫なわけあるか。まったく・・・今から母さんでオナろうとした時にうるさくしやがってよ。だから」

『うるせえ!今から母さんでオナるんだ。邪魔するな』

って怒鳴り散らしたらそれ以降来なくなったぞ。がはっはっはは」

「因みにそれ生放送で放送さてて番組打ち切られたっすよ」

・・・・・・

全員がドン引きしている。

「こう考えて見ると僕の周りって変な人しかいないね」

「類は友を呼ぶっていうもんね」

「由奈も同類だもんね~」

「そう?全然そんな事無いと思うんだけど?むしろ似たもの夫婦と解釈します」

「よく言うわよ。あんただってステージでエッチして・・・あのステージで今でも踊ってる私達の身にもなってよ」

「でもそれは蓮菜ちゃんもでしょ?」

「はっ?何言ってんのよあんたは」

「紫苑さんから聞いたよ。私達が海外行った後蓮菜ちゃんがこっそり舞台の上でオナ」

「ちょ・・・」

慌てて蓮菜ちゃんが由奈の口を押える。

「何しれっとみんなの前で?・・・てママに見られたの最悪」

「変態どもがもういっそエロリア*スノウに変改名したらどうなの?」

「ちょっとブラコン。それは聞き捨てならないわよ」

「私は事実を言ったまでだ。そろいも揃って公然わいせつとかアイドルとしてどうなの」

「私もうアイドル卒業してるからセーフで~す」

「なに抜け駆けしてるのよ。元凶は由奈じゃん。だいたいあんたが卒業ライブで結婚発言して学園だけじゃなくて私達も大変だったんだからね。連日記者が来るしネットじゃ『ファンとワンチャンあるアイドル』ってレッテルを張られたのよ」

「でも実際天ヶ峰さんだって浩孝君が好きだったんだからそう言われてもしかたないんじゃない。本当にエロエロなアイドルね」

「梁染センパイにだけは言われたくありません。何なんですか。先輩の家に泊まりに来た時に先輩のパンツ被ってたじゃないですか!?」

「し、仕方ないじゃない。これは当然の行動なのよ。この気持ち分かるわよね?輝さん」

「小町です。私も流石にそこまではしません」

「いいえ、そんな事無い浩孝君と一緒に暮らしてるのだから下着とか嗅ぎたい放題じゃないの」

「し~ま~せ~ん~。そんな事しなくても・・・好きな時に好きなだけヒロ君の匂いを直接嗅げますから」

チーン

「いや~ものの見事に負け犬っぷりが披露されましたね汐音様」

「誰が負け犬よ。まだ負けてないわよ」

「そうですね。勝負の場にも立ってませんもんね」

「ねえ?蒼流石にそろそろブチ切れるわよ」

「事実じゃないですか。ではこの際小町夫人と恋愛バトルを繰り広げてみてはいかかですか。唯一小町夫人と関わり無いですし。本当にまだヒロ君が好きなら結婚していようと言い勝ってくださいよ。はいどうぞ」

「どうぞって・・・えーと。えーっと。わ、私浩孝君とのデートに1時間も前に行ったんだからね!」

「え?私2時間前に行きましたけど?」

チーン

「見事なカウンター。汐音様・・・もうどうあがいたって勝てないって事が証明されましたね」

「で、でも」

「因みにヒロ君も1時間前に来たから」

チーン

「もう汐音様なんてヒロ君にはその程度の相手って事なんですよ」

「もう死体蹴りレベルね」

「でも、でも。だってだって」

「もうスリーアウトですよ。もう汐音様の出番は終了ですよ。ずっとね」

「ま、まだよ・・・は!そうよ。だいたい女優さんならキスシーンとかあるでしょ。浩孝君という伴侶がいながらホイホイキスしていいの?」

「それも大丈夫で~す。キスシーンは事務所NGにしてますから」

「「「え?」」」

「『え』ってどうしたのみんな?」

「いや・・・由奈ちゃんにあれこれNG入れて大丈夫なの?まだひよっこでしょ?」

「大丈夫。大丈夫。大体新婚の人をわざわざ恋人役とかヒロイン役とか選出なんてしないよ~」

「それでも大丈夫なんですか?その・・・女優さんなんですから学生結婚して妊娠してるってなると色々と厄介事がありそうなんですが。ほ、ほら。芸能界ってそういうの敏感だって?」

「うんそれも大丈夫だよ育代ちゃん。紫苑さんからそういう話は聞かないし結婚してても女優さんとしてのオファーはあるんだ。むしろ結婚してますって宣言した後の方がオファー多くなってるって。大体考えてみると結婚したってのはスキャンダルでもなんでもないからね」

チーン・・・ガクン

「あ、死んだ」

「だから言ったのに・・・勝てっこないのに・・・どうせ汐音様のエピローグなんて両親へのご挨拶程度でしょ?小町夫人それを2行で終わられてますからね。もう勝敗はついてるってハッキリ理解していただきませんと。もう私汐音さんの我儘にうんざりなんですよ」

 

リビングでみんなの光景をキッチンで良徳と一緒に料理をしながら眺めながら見ていた。

「それにしてもにぎやかだね・・・昔の生徒会室を思い出すよ」

「いいんじゃねえか。受験やら聖夜祭の準備やらで全員大変だからよ息抜きに騒ぎたいんだろ」

「そういえば良徳は大丈夫なの進路とか」

「ああ、俺製菓の方に就職するから専門学校に行く。もう推薦で決まってるからな」

「本当!おめでとう。良徳一年前とはまるで別人だよ」

「お前のおかげだよ。ヒロ」

「そんな事無い。良徳が頑張ったからだよ」

「ヒロ・・・・」

「良徳・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なんかあっちは二人で世界作ってますよ」

「なにホモホモしい空気だしてんだよ。この陰キャが!」

「でもホント影近君が男の子で良かった。もし女の子だったらヒロ君争奪戦の一番の強敵だったからね」

「は?なんでそうなるんですか?」

「だって幼なじみでヒロ君の事を誰よりも知っててヒロ君の幸せを心から願っているヒロインだよ。もう設定モリモリだからね。まりちゃんの必要性無いからね」

「ちょっとねえ?なんでここで私に矛先が向くの?私要らない子なの?」

「実際幼馴染系と豪語していたのになんもできなかった哀れな女だからだよ。なんでメインヒロイン面してるんだろ?人気最下位の癖に」

「ちょっとここでいきなりメタ発言入れてくるの乃々香ちゃん!自分が順位が高いからって」

ピーンーポーン

場が混沌としてきたところで最後のお客様が来た。

「どうぞ」

「お邪魔しまーす」

「ってママ!」

紫苑さんの登場に驚く蓮菜ちゃん。

「僕が呼んだんだ」

「呼ばれちゃいました~♪最近お仕事大変だったしここらでぱあ~としたいなって。後は由奈ちゃんが自慢していたヒロ君のお料理食べたかったし。それにおいしいケーキが食べられるなんて女の子としてはほっとけないじゃない」

「もうそんな年齢じゃないでしょ」

場がさらにワイワイ言ってるのを光景だが良徳は

「・・・大人のお姉さんっていいよな」

珍しく女の人に対して好意的な事を言うが僕は

「ノーコメントで・・・」

良徳からは見えていないが由奈がこわい顔で僕を見ていた。

「さて丁度今焼きあがったから向こうに運んじゃうね」

「わーおいしそう」

「すご。写真撮っていい?」

「わーーいひろたかくんのごはんだーー」

「復活したっすね」

「でももう頭は破壊され尽くされていますね。かわいそうに・・」

こうして少し早いクリスマス会が始まった。久しぶりにみんな集まっての食事自然と会話も弾む。何よりみんなに会えて楽しそうに笑う由奈の顔が見えて良かった。

 

「ねえ・・・由奈食べすぎじゃない?」

由奈は料理をペロリと平らげてデザートのケーキもみんなより多く盛って食べていたのを気にしていた蓮菜ちゃんが流石に突っ込む。

「いいの。いいの全部お腹の子への栄養になるんだから」

「そんな事言って産んだ後もそのままの勢いならぶくぶくに太るわよあんた」

「大丈夫だよ。ヒロ君がいるから」

「なんでそこでセンパイがでてくるのよ?」

「まあ、向こうにいる時僕が作るときは栄養計算してるから大丈夫だよ。由奈もそれは自覚してるから。今日はお祝いだから少しはめ外してるって感じかな」

「栄養計算って・・・センパイそんなにマメだったんですね」

「何度も言うけど僕由奈のマネージャーだからね。まあ、これも生徒会に入ってそのおかげかな庶務でこういった雑事は良徳と一緒に数こなしてきたし」

「そう、生徒会に浩孝君がいたからよ。強いては私のお陰なんだからね」

「なんでそこで手柄にしてるんだろう。この人は」

「それに今は由奈がおいしそうに食べてる顔が見れてほっとしてる方が強いし。海外に行って少しした後につわりがひどくなったのと寝不足もあってどんどんやつれちゃってたから。僕あんなひどい顔の由奈初めて見たよ」

「ちょっとヒロ君それは内緒だって約束したでしょ?」

「何言ってる。向こうの味付けが全然口に合わなくて吐いてばっかりで点滴一歩前だったじゃん。日本の調味料扱うお店どうにか見つけて食べられるようになったたから良かったけど」

「今更ながらかなり無謀な留学したわねあんた」

「ヒロ君がいるから大丈夫だと思ったんだけど」

「おい。惚気をちょくちょく入れてくんのやめろ」

「え~いいじゃん本当の事なんだし。それに後はケーキくどいかなって思ったんだけど結構あっさりしてるからいくらでも食べれちゃうし」

「でも本当においしいわね女優時代に差し入れでもらった高級専門店の味にも引けを取らないわよ」

良徳が作ったケーキは紫苑さんも太鼓判を押す出来だ。

「ありがとうございます。まあ、由奈さんの言うようにあっさりめに作りましたからクリスマス会やるってヒロが言ってたから料理濃い目の味付けが多いだろうなってだからケーキはあっさりしたのにしてみました」

「流石良徳。お菓子の事になると別人だね」

「陰キャのくせになに料理漫画みたいな事してるんんだ」

「あ?こちとら真面目にやってんだ。それでなんで文句言われなきゃならないんだ?大体陰キャ陰キャうっせえんだよ。陰キャで何が悪い」

「開き直ったよこの陰キャ」

「そういえば結局海外に来たの義妹ちゃんと影近君だけだったよね?」

拗ねる由奈。こっちに帰ってきた時はみんな会いに来てくれたがこっちに来てくれなかったのは意外だった。

「仕方無いじゃない。私人気アイドルで夏休みもお仕事で長いお休みとれなかったし」

「私もヒロ君に会いたかったのにヒロ君のお父さんがお金貸してくれなかったんだよ。ひどくない」

「おかしいのはお前だ。居候の癖に何金せびってんんだ」

「私なんて住所も教えてもらってないのよ。差別よ差別。同じメインヒロイン同士こういうのは結託する必要があると思わない?てかなんで影近君は行ったのよ?」

「別に行く予定じゃなかったんですがたまたまその国に用事ができてついでに立ち寄っただけだ」

「まさか海外のコンテストで選ばれるなんて」

今年在位70年でお菓子が好きな王女王陛下の為にスイーツのコンテストがあり。紆余曲折あって良徳の作ったお菓子が見事選ばれたのだ。それを知ったのは僕らに会いに来た次の日。テレビで良徳が出たのは驚いた。

「あれには俺も引いた。ばあちゃんが勝手に向こうのなぜかいる知人に頼んで応募してよ。その結果王室まで直々に挨拶に行ったんだぞ・・・陰キャにとって死刑台に登るようなもんだった。まあ、そのおかげでヒロと由奈さんの所に行く事ができた・・・できたんだけど。この二人は・・・」

良徳が涙を浮かべる。

「あの時はほんとにごめんなさい」

「ん。何かあったの?」

その時を知らない他のみんなが疑問を浮かべる。

「実はね良徳が遊びに来た時丁度由奈と喧嘩しちゃってさ・・・」

「え?」

みんなが驚きの声を上げる。

「ねえねえなにが原因でなの?」

そんな中食い入るように聞きに来るまりちゃん。

「まあ、由奈と価値観がちょっとずれがね」

「お、いきなり離婚原因で上位の理由だよ。それ」

「なんでまりちゃんが煽るのかな?」

「由奈、自分でお金持ってるからお金の感覚がどうしても僕とずれがね」

「あ~昔お昼ご飯で豪華なお弁当食べていましたね」

「うん、まあ僕が庶民なだけなのかもだけど」

「それを言うならヒロ君がお金使わなさ過ぎだと思います。ヒロ君自分のもの本当に買わないんだもん。お給料だって生活費と私に借りたお金を返す事以外全然使わないんだもん。生まれてくるための子供の貯金はちゃんと貯めてあるのに」

「それである時由奈僕に内緒で高い物を買って僕にプレゼントしたんだ」

「そしたらヒロ君。僕にこんな高価なものはいらないっていうんだよ。それで私怒って喧嘩になってその真っ最中に影近君が来たんだ」

「あれはマジでやばかった。お互いエスカレートして聞いた事の無い怒号が響いてたからよ。なだめようと陰キャなりに頑張ったんだがダメで。果てにどっちの味方なのか二人に聞かれてよ・・・ヒロからは親友だよね?って由奈さんからはファンだよねって笑顔で俺に問い掛けてくるんだぞ。どっちに答えても角が立つじゃねえか・・」

「それは・・・・災難ね」

「それで結局どうしたんです?陰キャセンパイは由奈とセンパイどっちについたんですか」

「まあ・・・ヒロはもう由奈さんのなんだから由奈さんの隣に居るのに見合った服装が必要だろってだからここは貰っとけって」

「それに僕も納得して僕が由奈に謝ったんだ」

「本当にありがとね。影近君」

「あ、いえ・・・」

「余計な事しやがって」

「安心しろ二人が喧嘩してもヒロがお前の所にはなびかないから」

「なんだとこら」

「ただまあその後値段聞いたらヒロの言う事も分かるんだけどな」

「そういえば何を由奈さんはヒロにプレゼント贈ったんですか?」

「腕時計だよ」

「腕時計って・・・あれ?でもヒロ君今つけてないよね」

まりちゃんが僕の手をべたべたと触って来る。

「そりゃあまあ、お仕事の時限定ってことでね。今回は向こうに置いてきた」

「ちぇ~つけてみたかったな」

「でも腕時計ですか。確かに高そうですね」

「いいんちょ・・・たぶん想像してる値段とは数段違うからな」

「え?う~ん。20万くらい?」

「ううん。200万の腕時計だよ」

「にひゃ!」

いいんちょが変な声を出す。あの時の僕と同じ反応だ。

「でも腕時計ってだいたいそのくらいよ」

社長さんの紫苑さんが平然と言う。

「そうかもしれませんが。いきなり少し前まで学生の僕がいきなりそんな高額なプレゼントもらってしまったので。後できたら夫婦なんだし自分のお金だからって相談して欲しかったんですけど」

「だって相談なんかしたらサプライズにならないじゃないもん」

「でも確かにそうよね~基本お金とか結構気にしない子だから~興味のある事には糸目つけないもんね~今の住居もいきなり決めちゃったし」

「後は由奈眼鏡の一見以来何かに目覚めて僕を事あるごとに一緒に服を買いに行って服がどんどん増えてて」

「それよりも眼鏡って?」

「これだよ」

由奈がスマホをみんなに見せる。それは結婚指輪を買った時に由奈が僕に半返しとしてプレゼントした伊達メガネをしている写真だ。

「え!これセンパイ?かっこよすぎ」

蓮菜ちゃんもものすごい勢いで食いつく。

「でしょ~後この着てるヒロ君の服私が選んだだよ。女優さんになる身だからコーディネートの勉強も兼ねてね。あとはこれとか・・・あとこれも♪全部私がコーディネートしたんだよ」

その後スマホにある僕の写真をどんどんみんなに見せていく。

「ねえ・・・由奈ちゃん。流石に多すぎないかな服の種類。これじゃあヒロ君がかわいそうだよ」

流石の枚数と服の種類にちょっと引くまりちゃん。

「え~いいじゃん。旦那様なんだし」

「兄さんおもちゃにしやがって 許さん」

「ふ~ん。じゃあ義妹ちゃんはヒロ君に着せたい服とかないの?女装とかでもいいんだよ」

「じゃあさせる」

不服そうな顔から一転ノリノリになる乃々香。

「じゃあ、さっそく浩孝君に似合いそうな女物の服用意してくわね」

悪乗りなのか本気なのか分からないが話に乗っかる紫苑さん。

「え。先輩そんな趣味があったんすか」

「ヒロあんた・・・」

愛ちゃんとイインチョはドン引き。

「女装・・・」

良徳は良徳で過去のトラウマがフラッシュバックされたようで顔を青ざめていた。

 

一方そんな光景を遠くから見ているメインヒロインが一人・・・

「で汐音様は何悶々としてらっしゃるんですか」

「いいな~私も欲しい欲しい浩孝君の写真。後浩孝君を着せ替え人形に私もしたい~~~~」

「じゃあ、直接言えばいいじゃないですか。それが一番ですよ。こんなふうに遠目で見て無くても」

「でもでもここで欲しいなんて言っても絶対にくれないじゃない。万が一くれたとしてもそれはお情けじゃないの」

「そんな悠長な事言ってて先ほど腕時計のくだりで会話に参加できたの時点でもうダメダメじゃないですか。大学ではそれなりにお嬢様ムーブも箔が付いてきていたのに浩孝君に会ってだけでポンコツっぷりがひどくなってますよ」

「ぽ、ポンコツじゃないわよ。大体私が本気をもっと早くだしていたら浩孝君なんてしゅんさっ」

「はいはい。ミスコンに参加する度胸も無い癖によくもそんな事言えますね」

「なんでそこでミスコンが出るのよ。違うわよ。浩孝君一筋なだけよ」

「前は男振るの楽し~って快楽にふけってたじゃないですか」

「そ、それはそうだけど・・・・私は浩孝君に会って変わったのよ!

だいたい大学のミスコンだって蓋を開けて見たら仮想パーティーになってたじゃない。バニーガールになんかアニメの衣装にボンテージドレスもいたし、挙句優勝したのだってっモガ」

「申し訳ありません汐音様。ミスコンの結果を今ここで言ってしまうと誰√後なのかバレちゃうので。小町夫人√が正史扱いされましたが」

「なによ。正史って意味が分からない事言わないでよ。それにそんな仮装パーティーなら蒼がメイド服着てでるべきよ」

「私は本職ですよ 」

「ま、マジ切れしないでよ。ってあなたメイドカフェにバイトに行ってるじゃないの?こんなの浮気よ浮気」

「本物のメイドとして色々とレクチャしてくださいって頼まれたんですよ。それに下地がいいから色んな衣装着せたいってルイルイ先輩が~」

「ルイルイって誰よ!?蒼が私の知らない女にもてあそばれてる」

「は~大学生になったんですから少しは交友関係広めたらどうなんですか?ルイルイも汐音様にコスプレさせたいって仰ってましたし」

「いやよ。どうして恥ずかしい恰好しなくちゃいけないよの。ま、まあ・・・浩孝君がどうしてもって言うのなら着てもいいけど」

チラチラ

「そうやってチラチラ見るだけでいつまでも自分から率先して行動しないあたりもうダメダメですよ。全く・・・」

「うるさい。何度も言うけどこれは駆け引きなのよ。振り向いてもらうための」

「そんな事してだめだったじゃないですか。今更ですが別のアプローチも考えるべきだと思いますよ」

「べ、別のって・・・じゃあ、どうしろって言うのよ」

「決まっていますヒロ君にここで告白するんですよ。汐音様だけですよ。しっかりヒロ君に自分の気持ちを言えていないの」

「そ、そんな言えるわけないじゃない。みんなの前よ」

「そうやって理由をつけて先延ばしにした結果が今じゃないですか。それとも汐音様の愛はその程度だったんですか?」

「く・・・分かったわよ。浩孝君。聞いて欲しいの。私は浩孝の事がすすすすすう~」

「あ、ごめんなさい。今由奈がお腹の赤ちゃんが動いたって言ってるので静かにしてもらっていいですか?」

なんか盛り上がってたようだけど僕にとってはそんな事どうでも良かった。

「ちょっとーーー私の一世一代の愛の告白をさらっと流すのよ~ぷくぅ」

「いいえ。さっさと言えない時点でもう汐音様は敗北者ですよ」

「由奈聞こえてたでしょ梁染先輩達のやり取り・・・ここでそれ言う由奈大概だよね」

「だってあかちゃんが動いたのは本当の事なんだもの」

「そういえば生まれる予定日っていつなんですか」

「丁度聖夜祭のあたりかな。だからクリスマスイブ。そのあたりが良いなって思ってたんだ」

「どうしてですか?」

「だってヒロ君が私にプロポーズした日なんだもの」

「あ・・・」

「どうしたの育代ちゃんいきなり顔真っ赤にして」

「べ、別になんでも・・・」

「でももし予定日が遅くなっちゃって次の日になっちゃうとまりちゃんと同じ誕生日になっちゃうんだよね。それは嫌なんだけどな~」

「失礼な。むしろ誕生日近くにして私を永遠に忘れさせるための陰謀だよ」

「なるほど、つまりヒロ君はバレンタインデーに小町夫人に中出しセックスを決めたという事ですね」

「は?」

蒼ちゃんセンパイのいきなりとんでも発言にみんなが耳を疑う。

「大体10月10日(とつきとうか)ですよね。つまりバレンタインデーにヒロ君が種を仕込んだという事ですね」

「蒼なに生々しい事いってるのよ。お酒でも入ってるの?」

「いえ、しらふですが。いいじゃないですか。パーティーなんですからはっちゃけてもいいじゃないですかのノリです。いえ~い」

きっと色々とストレスが溜まってるんだな~と蒼ちゃん先輩を見てしみじみ思いながら僕はバレンタインデーの事を思い出す。バレンタインデーか・・・チョコレート食べながらキスするチョコレートキスを一袋食べ終わるまでするとは思ってもいなかった。

「そもそもお正月にはもう妊活してたから当然です。むしろ遅いくらいだと思います」

「学生・・・しかも現役アイドルがする事じゃないですよね・・・それ?」

イインチョは困惑していた。

「あの頃は毎晩毎晩盛りやがって・・・・」

「そうそうわざわざ妊活本を部屋の分かる所においてさ。侵入した私が見つけた時の私の気持ちを考えてよね。まったくもう」

「それはまりちゃんが不法侵入しなければ問題ないんじゃないかな?」

「乃々香もそれを盗聴したのをせっせと編集してたっすよね」

「まあね♪それのお陰でコレクションは増えたから大満足。今でもSMプレイお気に入りで週一で聞いてるし♪」

「なにそれ!SMプレイ詳しく!大体卒業してから私除け者扱いじゃないの同じ男を取り合った仲なんだから情報くらいくれてもいいじゃないの。ぷくぅ」

「てか、それってかなり危ないネタじゃないの?由奈さんのその・・・

それが世間に広まったら女優として」

「は?なんで義姉の声なんて聴かなくちゃならないの?全部ミュートにして兄さんだけの音声しかないから」

「そ、そう・・・」

「しかもその後に乃々香、アフレコ入れてたっすね。部屋言ったら喘ぎ声を一人で叫んでた時は友達辞めようかと思いましたよ」

「え?まじ愛ちゃん」

「冗談っすよ。今更そのくらいで友達止める訳無いじゃないですか?」

「だよねー愛ちゃんだもの」

「「あはははははは」」

本当に仲が良いようで。

「じゃあ性別も分かってるんですか?」

「うん。検査したら男の子だって」

「意外・・・由奈ったら生まれてからのお楽しみにするって思ってたけど」

「そう思ってたけんだけどね子供のお洋服とか準備があるから分かるなら早い方が良いよってヒロ君のお義父さんからアドバイスを貰ったの。昔ヒロ君が生まれる前に初めての子供でテンションが上がって女の子用の服たくさん買っててお義母さんと刃物沙汰の夫婦喧嘩したってしみじみと言ってたから」

「きっと兄さんの場合も同じ轍を踏んでたよ」

「まあ・・・浮かれてたからね。ん?・・・待って父さんと連絡とってるの?」

「うん。そうだよ」

「なんでまた?」

「あれ?聞いて無いの?今お義父さんが書いてる漫画私とヒロ君がモチーフだよ?だから色々お話してるの私とヒロ君の事を」

「「「「はあーーーーーー?」」」」

全員が驚き大声を上げる。どうやら由奈以外は知らないようだ。いや漫画のネタの棚が少なく身内の話で描いているのは知っていたがよりにもよって僕と由奈の事を漫画に描くとは思ってもいなかった。

「ちょっと父さん」

「なんだ?なんだいきなり?」

乃々香は父さんの作業部屋に怒鳴り込む。

「今書いてる漫画の単行本見せて」

「いいよ。ようやく乃々香ちゃんもお父さんの漫画に興味をもってくれるなんて嬉しいな。それに今の漫画ものすっごく売れてるからね」

うきうきで本をみんなも前に持ってくる。全員が食い入るように漫画を見る。そして20分くらいが経過した頃各々が本を閉じる。

「どうしてどうしてなの?私が1話で見開きもらったのに話が進むにつれまるでモブみたいな扱いなの」

「そりゃあ人気が無かったから・・・あのまま幼馴染ヒロインで行ったら10話で連載終了してたぞだから悩んでた時に嫁さんから聞いたんだ」

「ひどい」

「編集からも幼馴染登場させるとクレームが多いんだとよ。不快だとか。恋人というよりペットだとか」

「ペ、ペット・・・」

「幼馴染メインヒロインの面汚しが」

「まったくよ」

「花丸センパイはサブキャラで良かったんじゃないですか」

「それ言ってしまったらサブヒロインに大敗するメインヒロインたちって事になりますよ」

「まったくだ」

「なんだと。親友ポジでなんか美形に描かれてるからって調子に乗りやがって。正体は陰キャなのに」

「は?この主人公よりイケメンな親友枠が俺なの?」

みんなが各々の意見を口にしている。僕も呼んでいて困惑していた。だって・・・

「てかもうこれまるっきりなんだけど・・・由奈と僕の物語。由奈父さんにどんな事話したの?」

「え~と・・・・ある事。ある事」

「そっかある事しか話していないんだね。しょうがないか~」

「待てヒロ落ち着け。冷静になれ。しょうがないなんてないからな」

「それよりもこの漫画のタイトルなんですけど・・・」

紫苑さんが心配そうな声でいう。そういえば内容ばかり見ててタイトルに全然目がいっていなかった。えーとー?

「・・・・・恋愛〇ワイアル」

「ねえ?これって大丈夫なの?」

「限りなくアウトに近いな」

「大丈夫大丈夫「あかね色に染〇坂」ってエロゲでは映画を見る選択肢に過去の作品だけで無くそのゲームの名前も入れたからいけるいける」

「関係全くないよねそれ?」

「後そのゲーム知ってますが10年くらい前のエロゲですよね」

「ああ。名作だぞアニメ化もされたし」

10年前って僕たち居るよな?なんで父さん内容知ってるんだろう?突っ込みたかったがツッコミを入れるのがかなり怖かった。

「ところで?まりちゃん」

「何育代ちゃん?」

ずっと黙々と読んでいたイインチョが恐る恐るまりちゃんに問い掛ける。

「最新刊のさ、由奈さんが失恋した話を聞いた時幼馴染は爆笑かましてたけどまりちゃんは爆笑してないよね?」

「ううん。したよ」

「・・・・・」

イインチョは絶句してごみを見るような目でまりちゃんを見ていた。イインチョって案外乙女だし。

「後さ・・・この・・・『GO☆コマチ』ってまさか・・・」

「父さんのペンネームだけど」

それを聞いた瞬間イインチョは手から本を落とし頭を抱えた。

「そ、そんな・・・私『GO☆コマチ』先生の大ファンで全巻揃えてたのに・・・それがあんな・・・あんな・・・」

目には涙を浮かべていた。よほどショックのようだ。ただその気持ちはわかる。好きな漫画の作者がおっさんでしかも半裸でリビングで白昼堂々オナる人間なんて。そんなイインチョを見て良徳が肩に手を置く。

「イインチョ、気持ちは分かるが作品に罪はねえ。作品を嫌いになっちゃいけない」

珍しく良徳がイインチョを励ます。

「陰キャセンパイがいうとすっごい説得力がありますね」

「そ、そうよね。作者で漫画を判断しちゃだめだよね・・・あ、ありがとね・・・良徳」

「お、おう・・・」

「ヒロ君、ヒロ君」

由奈が僕の袖をチョンチョンとつまみ小声で話しかける。

「どうかした由奈?」

「影近君と育代ちゃんどう思う?」

「どうって?」

「何か二人の距離近いと思わない?」

「え~そうかな~」

「う~ん。気のせいかな?」

「何二人でこそこそしてるの?」

「別に~蓮菜ちゃんはどうだった。漫画?面白かった?」

「面白いわけないでしょ。最初から扱いが永遠の2番手な扱いで?何が悲しくて漫画でも由奈に負けなくちゃいけないのよ。しかもなによ蓮菜はあざとさいだけなのに漫画じゃ腹黒でいじわるじゃん」

「実際そうじゃん。この腹黒ぶりっ子」

「なによブラコン あんたの方が腹黒でしょうが!」

「とうさ~ん。私腹黒じゃないよね?」

「そうだぞ。乃々香ちゃんは純粋だ」

「ね♪」

「どうみても身内贔屓じゃん。ま、ママもなんか言ってよ」

「え~蓮ちゃん子供の頃から腹黒じゃないwwwwおねしょしてパジャマのズボンびちゃびちゃに濡らしてるのに私がおねしょしたって怒った時は笑いを堪えるのに必死だったわwwwww」

「それは腹黒じゃなくて・・・・ってママ何暴露してるのよ~」

「みなさんが各々感想を言ってるので私からもいいでしょうか?」

「そうよ。蒼。お義父様に言ってやりなさい」

「汐音様は幼稚園児並みのお頭なんですから。これじゃあ賢すぎます」

「ダメだしじゃないわよ。フォローしなさいよ」

「そんな事よりもっと幼なじみヒロインを盛り上げる方法はないの?」

「じゃあ幼なじみ死なせて主人公が再度トラウマ発症してギスギスする展開に・・・」

「お願いします。死なせないでください」

「それよも父さん。なんで妹がヒロイン枠にいないの?」

乃々香が怒りながら不満を言う。理不尽過ぎないか?

「いや、そりゃあ妹だから・・・」

「むしろ妹だからでしょ?なんとかならないの妹の見せ場が欲しい」

「そう言われてもな~。妹だから・・・待てよ・・・・幼なじみの死でギクシャクして喧嘩してすれ違う。そしてそれを妹が慰める。そして妹を意識する」

「そ・れ・だ♪」

「ちみたち幼なじみをなんだと思ってるんだい?」

「「負け犬」」

「ひどい」

「それよりさ今どこまで描いてるの漫画?」

「丁度連載の方は聖夜祭で彼女がアイドル卒業して海外留学しますって宣言した所。だから後数話でプロポーズだな」

「ああ・・・このままだと僕のプロポーズが世界中に暴露されて半永久的に残っちゃうのか・・・てかどうして僕の心情をここまで細かく分かるの?大体漫画の主人公ってあの時僕が考えてる事とほとんど同じだよ。流石に由奈にもここら辺は分からないと思うのだけど」

「あ?何言ってんだ?俺はおまえの親なんだから分かるに決まってんだろ。大体お前分かりやすいんだよ」

「「「え」」」

由奈、乃々香、それに良徳から疑問の声が上がる。

「まあいいや。そこまで行くならもう幼馴染が死んでも死ななくても由奈と結ばれるよね?」

「ねえ、流石にそれはひどいよ。悲しもうよ」

「いや、甘いな。プロポーズ直前に殺してプロポーズキャンセルさせて病院に行き。また彼女との関係にヒビが入って振られて・・・」

「そして妹エンドへ」

「ねえ、殺さないで」

「鬱漫画過ぎて序盤のノリが嘘のようだなこれ?」

「安心しろ~最終的にはアイドルと結婚してハッピーエンドにすっから」

「あのさ・・・幼なじみ死んでるんだよ。ハッピーエンドじゃもうその時点で無いからね」

「ていうかそれだとこの幼なじみヘイトがすごいんじゃないか?2度もトラウマ作らせるってさ・・・・」

「そうだ。こうしよう転生して恋天使に・・・」

「は?何を言ってんだ?いきなりファンタジー入れるとか?脈絡考えろ」

「ガン否定された・・・」

「俺の恋天使がポンコツすぎてコワい・・・」

「だめよ。それは洒落にならないわってヒロ・・・どうかした?なんか会話に途中から参加して無いけど」

「由奈に・・・・振られる?」

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

そんな話題を聞いてしまい僕は体が震え始める。

「ちょ?」

「おい、ヒロ大丈夫か?」

「ねえ、やばくない?」

「しっかりしてヒロ君」

ぎゅ

「大丈夫だよ。現実は夫婦だからいつまでも・・これからもずっとね」

由奈が僕を優しく抱きしめる。そんな由奈を見て

「由奈ちゃん~」

思わずみんなの前で由奈ちゃんを思いっきり抱きしめ返した。

「あ、ちゃん付に戻った」

「うん。どうしても心が折れちゃいそうな時にこう泣きつくんだよ。お姉さんとして頼られてるから私は嬉しいからもっと頼って欲しいな~」

「由奈ちゃ~ん」

「ねえ?話題戻すけどこの展開の後じゃ私出番無いじゃないの。慰めるのは妹さんじゃなくて一番包容力のある私がするべきだと思うだけど」

「はあ~本当にめんどくさい人ですね汐音様わ。じゃあ、汐音様がヒロ君の後押しするのはどうでしょう」

「後押しって・・・できたら妹さんの立ち位置でヒロインとして扱われたい」

「何高望みしてるんですかこのままフェードアウトするのが関の山なんですから」

「それに寝取ろうなんて邪な考えしてるなら後押しは影近君か育代ちゃんでいいと思うよ」

「お、いいな男と男の殴り合いの喧嘩描いてみたかったんだよ」

「てか由奈に振られるとかしたらセンパイもう絶対に精神壊れちゃうと思いますよ。漫画の話だけでこれなんですから。実際にだったら・・・」

「妹ルート突入だね♪」

「ヒロが壊れないと妹ルートに入れないって自覚してる辺りたちが悪いな」

「兄さんが幸せならそれでいい。例え壊れていても・・・」

「乃々香・・・ファッションメンヘラからガチのメンヘラになりつつあるっすよ」

「よ~しよし」

そんな事を言っている最中でも由奈は僕をぎゅっと抱きしめながら頭をなでなでしてくれる。

「なんか由奈ちゃんあやし方手慣れてない?」

蓮菜ちゃんが怪訝そうに質問する。

「そ、そうかな」

これにはさすがの由奈ちゃんも動揺する。

「きっとむっつりな由奈ちゃんの事だから授乳とかヒロ君で練習とかしてるだよ」

「「ギクッ」」

そんなまりちゃんの言葉に僕も正気を取り戻す。

「その反応・・・え?まさかしてるの」

「ま、まさかそんなわけ」

実はしてたなんて言えない。帰国前にみんないると思う存分イチャイチャできなからとお願いしボテバラエッチをした・・・まあ由奈からこの1回だけとくぎを刺されたが由奈のあのとろけきった表情。最高だった。

「話題変えない?えーとそうだ。もう名前とか決まってるんですか?子供の名前」

耐えきれなくなってイインチョが話題を変えようと話を振ってくる

「うん。名前はね由孝(ゆたか)。二人の名前を一文字ずつとったんだよ」

「あらいい名前ね。由奈ちゃんにしては」

「ありがとうございます紫苑さん。最後のちょっと納得できませんが」

「因みに女の子のだったらだと浩奈(ひろな)にしようかなって相談してたんです」

「じゃあそれなら蓮菜も赤ちゃん生まれたら浩菜にしますね」

「じゃあ、私は愛ちゃんから名前とって愛香にする」

「ここでうちの名前出すんですか?うち関係無いしょ!」

「ずるい。みんなして私は私は・・・・」

「ねえ?なんでみんなヒロ君との子供ができること前提で話してるの?うん?ヒロ君は私だけの旦那様なんだからね」

由奈は怒っているが話題が反れて場の空気も穏やかになった。そう思っていたが

「あのさ・・・これ(よしたか)とも読めない?」

そんな事をイインチョがボソッと言う。そして全員が良徳(よしのり)の方を見る。

「やめろ。なんとなくそんな気はしてたが俺を矢面に出さないでくれ」

「何意識してんだよ。この陰キャ」

「キモ」

「まあ・・・決まった時に話題に上がったけどでもまあ。良徳ならいいかなって」

「だからヒロまでそんな事言うな」

「だって良徳陰キャだけどいい人だから」

「は?どこが?」

「喧嘩の仲裁しただけなのにその信頼感は一体どこからでてるよの?」

「それだけじゃないもんね~」

「ね~」

良徳にはなんだかんだ結婚生活で愚痴とか色々聞いてもらってる。円満な夫婦生活を送れているのはある意味良徳のお陰である。

「なにその二人だけ分かってます風にしてむかつくー」

「ヒロ君は陰キャなんかよりもこの私に相談するべきだと思うよ」

「だってまりちゃんだと解決しないじゃん。後最終的に僕に由奈と別れろと言いそうだし」

「当然だよ」

悪びれる事も無く言うまりちゃん。

「まりちゃん・・・そろそろいい加減にしようね?じゃないと・・・」

「なんだい?由奈ちゃん。また私にグーパンを決め込もうというのかい」

「ううん。法廷で会う事になるけどいい?」

「まさかの訴訟案件!」

「まあ、情操教育に悪いしね。そろそろ遠慮して欲しいんだけど」

「え~ヒロ君と由奈ちゃんが日本に住むようになったら毎日通おうと思ってたのに」

「「絶対止めて」」

「二人してひどい。そだ、私をメイドさんとして雇ってよ。それならヒロ君の家に居れるよね」

なぜか得意げに言うまりちゃん。

「え~やだよそれなら蒼ちゃん先輩を雇いたいよ」

「聞きましたか汐音様。メインヒロインを差し置いて私を指名しましたよ汐音様」

「なんで蒼はそうやって煽るのよ」

「ちなみにヒロ君、私こう見えて車の免許持ってますよ」

「採用」

「ありがとうございます。じゃ。そういう事なので今までお世話になりました。汐音様」

「ちょっとーーー」

「採用は冗談として。やっぱり僕も免許取っとかなくちゃいけないよね。これからの事考えると子供の送り迎えもあるしマネージャーさんだし」

「そうね~私は良いけど蓮ちゃんも人気出てきてるし運転できる人の数が大いに越したことは無いわね」

「それなら蓮菜はセンパイが送り迎えして欲しいです」

蓮菜ちゃんが甘えた声で言う。

「蓮菜ちゃんには紫苑さんがいるじゃん」

「だってセンパイは蓮菜のマネージャーさんですし」

「私は妹だから当然載せてくれるよね」

「私は幼馴染だからいいよね」

「私は・・・・そだ。浩孝君の子供が通う学校の理事長って事で」

「「「「・・・・・・」」」」

「汐音様・・・・いくら相手にされないからってヒロ君の子供に手を出すのはいかがなものかと思いますよ?」

「それを言うなら花丸さんもでしょ。もう赤の他人なんだからいつまで幼馴染引っ張ってるのよ」

「赤の他人じゃないよ。幼馴染だよ。じゃあさ。メイドは無理でもベビーシッターとして雇ってよ」

「どっちが子供か分かんないや」

「もう諦めて現実みたらまりちゃん」

「いいや諦めない。こうなったらなりふり構っていられないからね。どんな事をしても私は・・・」

「いいかげんにしたら」

イインチョが神妙な顔つきをしてまりちゃんに言う

「え?」

「まりちゃん・・・こう言っちゃ悪いけどさ。惨めよ。今のまりちゃん」

がーん

親友の一撃でショックを受けるまりちゃん

「ひどい、ひどすぎるよ、親友の育代ちゃんにそんな事言われるなんて・・・わ~ん」

バアン

たまらずまりちゃんは泣きながら家を飛び出していった。

「イインチョ言い過ぎだよ。まりちゃんとは親友なんだろ?」

「そうだけど正直言うとヒロが海外に行って良徳がお菓子作りに目覚めてやっと二人から解放されたと思ったのに今度はまりちゃんの面倒を押し付けられてこっちの方がストレスたまってるのよね。言っちゃ悪いけどまりちゃんの方が扱いが疲れる」

「そうなんだ・・・ごめんね。イインチョ・・・でも友達でいてあげてね。まりちゃん友達居なさそうだから」

まりちゃんの将来が心配になってくる。

 

「どうかしたんですか汐音様?花丸さんの出て行った方を見て」

「いえね。ああはなりたくないわねと思って」

「え?」

「あそこまで惨めにお嫁さんもいるのに下手に出るのもよそから見ると哀れなものね」

「昔おっぱい丸出しになってでも迫った人の発言とは思ええませんが成長を感じれて私は嬉しいです」

「どうして蒼はそうやってすぐ私を痴女扱いしないでよ。まったく・・・ところで蒼、メイド服ってまだあったかしら」

「え?もしかして汐音様がかいがいしく他人に仕えるというのですか?」

「そ、そんなわけないじゃない。何度も言うけど下手に出るのはダメよ。恋愛は常に手綱を握った方が強い。でも私みたいな高貴な人がメイド服着るとかギャップ差良くない?思わずキュンとしない?」

「どこ情報ですか?それ。まあせっかくですし。じゃあ、訓練しますから私の言う通りにしてくださいね」

「は~い」

「おい、汐音。焼きそばパン買ってこいよ。3分以内な」

「ねえ?それパシリよね。メイド以前にただのパシリよね」

「いくんですか?いかないんですか?」

「い、いくわよーぷくぅーーーー」

バアン

 

なぜか汐音さんも走って家を飛び出していった。

「うちの評判がどんどん地に落ちていく」

乃々香がジト目で外も見つめる。

「なんか副会長毒吐きすぎじゃね?」

「蒼ちゃんセンパイ汐音さんを弄るのもそのくらいにしておいてくださいね」

「そうですね。ヒロ君にも言われてしまったのでそろそろいじるのもここまでにしておきましょう。では汐音様が残していらケーキを食べちゃいましょう」

何事もなかったように蒼ちゃんセンパイは笑顔でケーキを食べる。

「ただいま~なんか元会長さんが泣きながら外出ていったけどなんかあった?」

「はっや」

汐音さんとほぼ入れ替わりでまりちゃんがリビングに入って来る。

「ま、まりちゃんがいつまでも凹むようなキャラじゃないからね~」

先ほどの事を忘れたように平然と座るまりちゃん。

「ふっふっふヒロ君に由奈ちゃん。私が何も考えずに逃げたと思ったのかい。私は走って考えてついに由奈ちゃんに勝てる所を見つけたんだよ」

「へ~一体なんなんだろうね~まだ幼なじみとか付き合いの時間とかつまらない事言わないよね?」

「ヒロ君も由奈ちゃんも中卒でしょ?私高卒以上は確定だからね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

みんな絶句していた。

「まりちゃん・・・・それ本気で言ってるの?」

「あれ?あれ?」

不穏な空気に流石にまりちゃんも焦る。

「そもそもお前大学受かるのか」

「あんな生徒会長さんがいけるだから余裕余裕」

「汐音様は推薦ですからね。後ポンコツですけど優秀ですから汐音様」

「え?そうなの?」

「おい誰かこいつに世間の厳しさを教えるできなんじゃないか?てか程度の低い学歴でマウントをとるな。お前はいい加減そろそろ現実を見ろ。いつまで妻子持ちの男にアプローチかけてんだ。大体お前進路希望の時に進路『ヒロのお嫁さん』って書いて職員室で説教くらってただろあの時から全然変わって無いじゃ無いか!」

「いいじゃない。それほど私の意志は固いんだよ。第一まだヒロ君が離婚する可能性があるじゃない」

「絶対にありません。センパイ由奈の事大好きですもん」

「蓮菜ちゃんさ・・・そんな簡単に諦めていいの?そんなんだからカプ厨とか言われるんだよ」

「誰がそんな事言ってるのよ」

「だいたい。そん時に陰キャだって呼ばれてじゃん」

「あの時俺は真面目に書いたのに担任には冗談言ってんじゃないって諭されたからな」

「まあ、お菓子ってイメージ無いしいきなりだったからね」

「その後にじゃあ作れって言われて家庭科でケーキ作ったら担任と家庭科の先生にマジ泣きされたんだぞ」

「あ~」

その光景が目に浮かぶ。ギャップ差がすごいもんな。

「一応先生は納得はしたがその後は親にも反対されてよ・・・応援してくれたのばあちゃんとヒロと由奈さんとイインチョだけだぞ」

「イインチョも?」

「まあ・・・良徳がやる気を見せたんだから後押しくらいはって思ったんだけど・でもまさかその後すぐお菓子のコンクールに出て優勝するなんて思ってもなかったわ」

「そういえば育代ちゃん陰キャの決勝見に行ったんだっけ?」

「ええ」

「なんで?」

「な、なんでって。べ、別に・・・ただそう心配になっただけよ他の人に迷惑かけてないか」

「ふ~ん」

「な、なんですか由奈さん」

「べつに~頑張ってね育代ちゃん」

何か察した由奈がイインチョを見てにやにやしている。何を応援しているのだろう。

「でも大丈夫良徳?女の子ばっかだけど?」

女性にトラウマしかない良徳がそんな場所で生きていけるのかが不安だ。

「俺を誰だと思ってる。陰キャだぞ?誰とも会話なんてしないで卒業してやるよ」

「ポジティブだかネガティブだか分からないわね」

「でもあの良徳がこんなに成長するなんて僕は嬉しいよ」

「ホントよね。去年じゃ考えられないわ。今は栗井君の方が厄介だからね。は~」

「そうだそうだ。ドルオタの方が人生終わってんだぞ」

「いや・・・まりちゃんもどっこいどっこいよ」

「ひどいあんなのと一緒にするなんて」

「一体何があったの?」

「あのね。私と陰キャが進路希望提出した時に一緒にドルオタも呼ばれてその時に『由奈たその子供に転生するんだ!』って宣言してたんだよ」

「・・・・・・・・・・・・・」

まりちゃんの言葉の家の空気が一瞬で凍り付く

「うん。擁護できないね。最低だねそれは」

「だからよ。由奈さんの出産予定日絶対に言うなよ。千弥のやつマジで自殺するかもしれないからよ」

ある意味由奈と引き合わせた恩人だがここまでくると笑えない。結婚式をするときは招待しようと思ったけどやめる事を決心した。

 

「そうだ前からおもってたんですけど・・・」

食後に良徳が淹れた紅茶を貰う時に時イインチョが思い出したように聞いてくる。

「ヒロに取材のオファーとか無いの?由奈さんの旦那さんでマネージャーやってるんだからあると思うのだけど」

「えーと・・・」

その質問に僕は言葉を濁してしまう。

「あるわよ」

紫苑さんがその質問に答える。

「そりゃあ、現役アイドルと電撃結婚した男の子が今マネージャーさんなんてくりゃあ最高のネタじゃない」

「ですよね。でも、ヒロをテレビで観た事無いんですが?」

「う~ん・・・前々から浩孝君にもテレビ出演のオファーがあるのでも全部断ってるのよ」

「なんでまた」

「だって僕は由奈の為にいるんだから」

「お前・・・それって聞き方を変えると由奈さんより目立つって思ってるってことになるぞ?」

「それは無いよ。理由は簡単。由奈だけを見て欲しいから。僕というおまけじゃなくて小町由奈という一人の女優をみんなに見て欲しいから」

・・・・・・・・・・・・・

その場に居たみんなが沈黙する

「そんな事言われちゃあね~」

紫苑さんが同意を求めるようにみんなに聞き返す。

「でもあの番組には出たいな。新〇さんいらっしゃい」

「あ、私も~」

「ほんとごちそうさまね」

「胃もたれしそう」

みんな最後の惚気話にうんざりであった。

「えへへ」

そんなラブラブっぷりを見せつけて満足そうな由奈。

「ところで小町夫人。24日と言えば聖夜祭ですがヒロ君はどうするんです」

「そうだ。聖夜祭だとヒロどうするのコンサートの裏方があるでしょ?もし予定通りで由奈さんの出産と被ったら・・・」

「大丈夫その時にはヒロ君にはお仕事の方に行ってもらうから」

「「え?」」

イインチョと良徳が驚きの声をあげる。

「あの・・・・本当にいいんですか?」

「うん」

由奈はきっぱり言う。

「いや。俺が言いたいのは由奈さんはともかくヒロの方がだよ?」

良徳は納得していないようだった

「その気持ちは分かるよ。でも由奈が言うから・・・由奈頑固だから。大丈夫だよ。心配しないで」

「そんな事言って後でやっぱり心細くなったからセンパイを返してなんての無しだからね」

「大丈夫だよ。蓮菜ちゃんもヒロ君が見てるんだから失敗なんてダメだからね」

「当然よ」

「「・・・・・・・・」」

こうしてなんだかんだ有ったけど楽しいクリスマス会は終わりを告げた。

 

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