※この作品はR-18です。

ショタマスターと雌サーヴァント達の遺伝子まぜまぜオーダー♡   作:ナンテコッタ・パンナコッタ

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プロローグ
序章 最弱の雄(エロ無し)


そんなバカなことが、あるはずがなかった

 

しかし、起こってしまったんだ…

 

…人理保障機関フィニス・カルデア

 

突如として消滅した『2017年』

 

その謎を解き明かしつつ、元通りにするのがカルデアの仕事

 

そう思ってくれればいい

 

具体的に何をするかと言うと、複雑な説明は抜きにすれば、ずぅっと昔から現在に至るまで、ピーッと引かれた紐が人類の歴史だとする

 

その紐のあちこちがほつれ、切れかかっている

 

それをきちんと捻直す

 

紐のほ(・)つ(・)れ(・)に触れるには、レイシフトと呼ばれる、ざっくり言えばタイムスリップ、空間転移が必要になる

 

レイシフトには適正があり、これが不足していると最悪死に至ることもある

 

こればかりは生まれ持った素質に頼らなければならない、そんじょそこらの軍人や魔術師でいいというわけではない

 

そこで、全世界からレイシフト適正のある人員を集め、そのバックアップも用意、準備は万全のはずだった

 

レイシフトを行うための補助設備、タイムカプセルとでも言おうか、コフィンの稼働実験として、遅刻した一(・)名(・)を除く全員を動員して試運転を行ったところ…

 

………

 

管制室

 

明かりの中にぼんやりと浮かぶホログラムのモニターが、絶えず計算をしている前で、男性が唸っている

 

そこへ、後方からコツコツと小気味良くブーツを鳴らし、近づく人物

 

その人物は、男性のデスクの前にス、とコーヒーを置き、肩を叩く

 

「順調かね、ドクター?」

 

「レオナルドか…、いや、芳しくない」

 

差し入れされたコーヒーに口を付けると、その横に壮(・)年(・)男(・)性(・)の顔が寄った

 

「まだサルベージ出来ないのか?」

 

「あぁ、どこに行ったかも分からない、お手上げだ」

 

文字通り、そして見た目通りのポーズをして見せると、レオナルドは笑った

 

「あぁ、ははは、それは私がついぞ口にすることのなかった言葉だ、…まったく、死後学ぶ機会があるとは思わなんだ」

 

「笑い事じゃないぞ、人理はボロボロのまま、まるで手探りの状態なのに、その『手』さえ無くなったんだからな」

 

そう、コフィンの試運転の瞬間、中にいた作戦人員は全員忽然と姿を消してしまった

 

まるで最初からいなかったかのように、コフィンの中は空だったのだ

 

人員は全滅、戻ってくる保証も無い今、カルデアは、いや人類は完全に手詰まりになってしまった

 

そういう意味で言ったのに、このナイスミドルの発明家は、キョトンとした顔をしていた

 

「『手』なら残ってるじゃないか、小さな小さな小指が一本」

 

レオナルドがピンと小指を立てると、ドクターは苦そうな顔をした

 

「あれは…ダメだ、数に入れるな」

 

「どうして?」

 

「どうしてもだ」

 

「…ドクター、何をまだ善人ぶっているんだい?我々に残された『手』なんてわかりきっているのに」

 

レオナルドがいたずらに微笑むと、ドクターが立ち上がる

 

そして、その怒気を孕んだ目で、頼りになるサーヴァントを睨みつけるのだ

 

それを意に介さず、レオナルドは続ける

 

「いいかげん腹を括ってあの子に話せよ」

 

 

 

…もうキミしかいないんだ、ってさ

 

 

 

レイシフトが可能な人員が一人だけ残っている

 

万物の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉はドクターの胸を貫いた

 

それは絶対に避けたかった事態だからだ

 

「…なぜ、よりによって…」

 

ため息をついた後、管制室の扉が開く

 

来たか、と身構える

 

自分はこれから…

 

彼の尊厳を壊してしまうようなことを、容認しなければならない

 

入室してきた人物は、トコトコと軽い足取りでドクターに近づいてきた

 

「ドクター、お呼びですか?」

 

声をかけられ、ようやく振り返る

 

黒い髪を雄々しくぴょんぴょんと跳ねさせ、その下では青い瞳が爛々と輝いている

 

だが、見るからに幼く、どこをどう見ても庇護対象であることがわかる少年

 

「…あぁ、作戦の日が近づいてきてね、…キミに、お願いしようと思う」

 

残酷な宣告

 

少なくとも、自分はそう思っていた

 

しかし…

 

「あ、はい!わ、わかりました!頑張ります…!」

 

…彼はポジティブに応えていた

 

「えぇ…?もうちょっとしんみりしない?普通…」

 

大人しそうな彼は、逃げなかった

 

こちらの期待は、変な方向に裏切られたのだ

 

「なら、こちらも応えてやらないとね?ドクター」

 

さっきからずっといるレオナルドが、また悪戯っぽく微笑む

 

「…こっちはそれなりに悩んでたんだぞ…」

 

眉間を指で押さえたドクターを尻目に、レオナルドは少年を連れて

 

「先にブリーフィングルームに入ってるよ」

 

そう言ってウインクした

 

 

ーーーーーーー

 

 

「…さて、最初にメインの目標を伝えておくよ」

 

前置きをして、ドクターは手元のタブレットを操作する

 

すると、少年側にも支給されているタブレットも連動して、画面を映し出す

 

「キミには、いくつかある特異点にレイシフトしてもらって、この異変を取り除いてもらおうと思ってる」

 

特異点

 

紐のほつれに当たる部分のことだ

 

「異変を取り除く、ってどうするんですか?」

 

「うん、各特異点にはそれぞれ異変のもととなる物や人があるはずだ、それを破壊したり、回収したりすればいい」

 

画面には、色々な形のものが示されている

 

「ただ、特異点には恐ろしい敵性生物もいる可能性がある、キミ一人ではまず無理だろう」

 

「そこで、私のようなサーヴァントの出番というわけだ」

 

レオナルドが前に出る

 

「我々サーヴァントにはそれぞれ戦闘能力があってね、ピンキリだが、彼らを頼ればいい」

 

特異点にレイシフトし、現地でサーヴァントと合流、解決に必要な行動をとる

 

「…これが大まかな流れかな」

 

ブリーフィングというにはあまりに簡素だが、年齢のことも考えると、作戦の複雑化は理解度を犠牲にする可能性が高い

 

「色々なことは、こちらでなんとかしよう、いざとなれば、作戦が未達成でも一時的に強制送還できる、必ず、生きて帰ってくるんだ」

 

「…はい!」

 

力強くはあるが、やはり少し緊張しているようだ

 

無理もない、彼はこれから、死地に向かうのだから…

 

「それじゃあ、レイシフト前に、改めてフィジカルチェックを行おう、…と言っても、ここで出来るのは医学的な視点、それと魔術的な視点だけだ、基礎的な運動能力は礼装…特別なスーツでなんとかなるから、考えなくていいよ」

 

「そこからは私の出番でもある、こう見えて『キャスター』クラスのサーヴァントだからね、キミの体に足りない要素を補う礼装の開発は私の担当、まあ大船に乗ったつもりでいたまえ」

 

レオナルドが胸を叩くと、老いの入った痩身に相応しい、軽い音が響く

 

「…おじさん、いい人そうだけど胡散臭そうだから、なんか大きなお船じゃなさそう…」

 

マスターの無垢な鋭さがおじさんの胸を貫く

 

「おやおや、不朽の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチに胡散臭さを感じるとは…よーしわかった、ぐぅの音も出ない、時計塔のロードも舌を巻く礼装を作ってやろうじゃあないか!具体的にはすごく手がキレイになる機能とかいる?」

 

「真面目にやってねおじさん」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「…ふぅ、とりあえずフィジカルチェック、お疲れ様!結果から見た礼装の必要値はこちらで調整しておくから、キミは休んでおくように」

 

「はい、お願いします!」

 

元気よく返事をして、マスターはテクテク医務室から出て行った

 

残ったのはドクターとレオナルドを含めた医療スタッフたち

 

「…ふーむ…」

 

計測された数値をタブレット端末で眺めていたレオナルドが指を顎に当てる

 

「これはまあ、当たり前と言えば当たり前だが…」

 

その数値のどれもが、一般的な男児のそれと大差ない、お手本のような『子供』だった

 

「…ひ弱!まったくの健康体なのがせめてもの救いか!」

 

「だから言っただろう?彼はレイシフト適正が100%なだけ、それ以外は魔術回路も開いてなければ、時計塔も、魔術師すらも知らないんだ、…非難するつもりはないが、ズブの素人そのものさ」

 

「ははは、この最弱のマスターに、人理を背負わせるとは!いやぁ、腕が鳴るねぇ!」

 

「もちろん、外道なのは我々さ、…だったら、道を外してでも彼を無事に親元へ帰す、せめてそれくらいはね…」

 

自身に言い聞かせるように、その場の全員に説くと、ドクターは端末を操作していく

 

特異点の解決、その成功率よりも、帰還率を1%でも上げるための尽力を

 

…尽くすんだ、文字通りに

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

数日後

 

管制室には、現状カルデアで動くことのできる、作戦部門のスタッフたちが勢揃いしている

 

その全員が、一人の子供をサポートするためにいる

 

「…よし、定刻だ」

 

レオナルドが壁一面にかけられた、あるいは表示された時計を見やる

 

ドクターは頷き、その場で立ち上がる

 

「…諸君、ついに最初の特異点攻略の日になった、…Aチームを含めた、レイシフト要員の消滅という不可解な現象を受けながら、我々は今日という日を後回しにはできなかった、それだけ人理焼却は急を要する事態であり、かつ失敗も許されない厳しいものとなる」

 

その場にいる全員が黙っている

 

平時には軽口を叩くスタッフも今ばかりは目尻に力が入っている

 

「所長、並びにカルデアと協力関係にあるロードの作戦への介入もないが、攻略中の進行や現地住人との交渉の判断は管制室で行う!円滑な任務遂行のために、専門分野のプロフェッショナルもいる、現状できる中で万全と言える状態だ」

 

何名かクセが強そうな人物もいるが、その実力はたしかだ

 

…そう、本当に全員が、彼のためだけにいる

 

「絶対に成功させよう、…では、人類最後にしてカルデア唯一のマスター、コフィンへ」

 

「はい!」

 

決意表明はさせない

 

これは最期の邂逅ではないのだから

 

少年がコフィンに体を預けると、装置が起動する

 

「場所はフランス!西暦1431年!百年戦争の時代だ!魔力反応多数!心してかかるんだ!」

 

 

 

 

任務開始…!

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