ショタマスターと雌サーヴァント達の遺伝子まぜまぜオーダー♡ 作:ナンテコッタ・パンナコッタ
第二の特異点 セプテム
西暦60年、愛されし皇帝ネロ・クラウディウスが統治するローマを蹂躙せんとする『連合帝国』
月に魅せられたカリギュラ帝、軍略に長けたカエサルと、
いずれも王やそれに連なる名士ばかり、その攻勢は激しく、ローマは苦戦を強いられる
ローマを怨敵としつつも、人理を守るために抑える勝利の女王ブーディカ、
始皇帝暗殺未遂荊軻、叛逆者スパルタクス、乱世を圧倒した呂布、
いずれも愛に生きたローマの皇帝たちを退けつつ、カルデアはついに連合帝国の拠点へと突入
そこにいたのは
ほぼ神であるロムルスを、これまた極上の愛をもって打ち果たしたネロ
しかし、戦いはまだ終わらない
アッティラの王、そのままズバリ、アルテラがイレギュラーのように召喚
「壊さなければならない」と呟きながら、往く場すべてを焦土としていくアルテラを全力で迎え撃つカルデア
すんでのところで彼女の撃退に成功するが、その破壊衝動の源流はなんだったのか?まるで
それを理解できる日は来るのだろうか?それとも、永遠に来ない方がいいのだろうか?
…
…
…
カルデア内トレーニングルーム
ここでは、英霊が生前の癖のように体に染み付いた鍛錬欲求を満たす、非常に高負荷のトレーニングマシーンを完備している
こちらを利用せず、シミュレーター内で模擬戦を行う英霊も多いが、自身を鍛えることに重きを置く英霊たちには性に合っているようだ
ラットマシンを持ち上げているのは最古の英雄譚の主人公ベオウルフ
傷だらけの体に玉のような汗が浮いている
「精が出るなベオウルフ殿」
先に他のマシーンを利用していたフェルグス・マック・ロイが、同様に気持ちよくかいた汗をタオルで拭いつつ、近づいてきた
「おまえか、…今日は賑やかだな」
ベオウルフがちら、と目をやると、他にも多くの英霊がここにいる
「そうだな、普段よりは多かろう、…シミュレーターが満室でな、個人利用するサーヴァントも多い、今のカルデアの大所帯では、そちらからはあぶれてしまうのだろう」
そうか、と短く相槌を打ったベオウルフの隣のラットマシンに重りを乗せていくフェルグス
「…どう思う?」
マシーンについたフェルグスが短く問う
「何がだ?」
「カルデアのことだ」
少しの間
ベオウルフより先に、フェルグスが自分の意見を述べる
「…正直に言うが、俺は
ベオウルフは何も言わない
フェルグスも続けない
重りが持ち上がっては、下りる音が響く
「…間違っている、か…たしかに、あんなチビでガキのマスターに全部背負わせてる時点で間違っているよな」
「…それもそうだが、なんというか、
「あん?」
要領を得ない言葉に、言葉尻が上がる
「何かがおかしい、だがそれに俺たちが気付けていない、当たり前なのに、知ることが出来るはずなのに、それを直視していない」
疑念、疑惑、違和感…
感じないと言ったら嘘になる
だがフェルグスが言うように、ベオウルフにとっても、これは曖昧なものだ
これまでのカルデアの活動記録を見ても、
「気付けない以上、俺たちにできることは少ない、…マスターを守る、絶対に、彼を傷つけてはならない」
フェルグスの言葉は熱を帯びていて、いつもの気持ちいいくらいの爽やかさは鳴りを潜めている
それに当てられたか、ベオウルフにも炎が灯る
「…ああ、そうだな」
二人のマッシブな体は、熱気を、湯気を漏らしながら、重りを持ち上げた
…
…
…
口笛を吹きながら、クー・フーリンはカルデアの廊下を歩いていた
そしてレクリエーションルームが賑わっているにも関わらず、どこか独壇場のような、独り舞台のような空気に包まれているのを察知する
覗いてみると、そこには職員やマスター、いくらかのサーヴァントを含めた一団が、一人を中心に座っているのが見えた
「…あぁ、そういや言ってたっけか、これから毎週1日だけ、朗読会をやるってな…マスターにはいい安らぎになるだろうよ」
そのマスターも、ニコニコとしながらその朗読会の話者の言葉に耳を傾けている
…頭に巻かれた包帯や、折れた腕を気にすることもなく…
「…ちっ」
クー・フーリンは悔しそうに舌打ちをする
何故あんな小さな子供が、あんなに辛い目に遭わなければならないのか
過酷さを増していく特異点攻略
聖杯の強度が増し、現れる敵性体も強化されているらしい
…だが、絶対に守り切ってみせる
ケルトいちの死に損ないが、何があったって、守ってみせる
決意を固めた表情でその場を離れる
…レクリエーションルームの扉には、朗読会のポスターが掲示されている
『カルデア定期朗読会 毎週金曜日 夜8時から
…話者
シェヘラザード』