---------登場人物---------
春日 悠人(はると):主人公
春日 諾子(なぎこ):悠人の母
春日 悠年(はるとし):悠人の父(M商事・開発部・課長)
加木 充司(じゅうじ):主人公の遠縁(悠年の母方の従祖母の孫娘(はとこ)の婿養子の夫)
加木 清充(きよみつ):充司の子
吉川 瑠璃:SSHにおける悠人の同級生
四谷 翔太:SSH男子寮でのルームメート・同級生
-----------------------------
「そう・・・黙っていればいい・・・何も言わなければ誰も気が付かねぇ・・・お前がとんでもない淫乱な女などと・・・〇学生とセックスし、レイプ魔に犯されて気をやる様なド淫乱な牝などと・・・俺も黙っていてやるぜ・・・オレの言う通りにしていれば・・・誰にも気が付かれずに・・・誰も迷惑かけずに・・・お前のどす黒い欲望をしっかりと満たしてやる・・・黙ってさえいればな・・・」
「・・・・・・・・・・・」
クチュ・・クチュ・・・
股間から淫らな反応を示す紛れもない音が響き始める。この卑劣な男は、私の肉體の反応を暴き立てる様に、股間を弄ぶ。この男の言う通りだと・・・身体が応えてしまっている事を暴き立てる。
「そして、分からせてやる。お前がどんな女なのか?・・・清らかで、貞淑で、清潔この上ない人妻なのか・・・薄汚く、淫らで、どうしようもない変態の牝豚なのか・・・」
「違う・・・違う・・・違う・・・」
クチュ・・クチュ・・クチュッ・・・
私はそんなに淫らな女ではない・・・私はそんな変態ではない・・・女性の人間としての尊厳をまるで無視する様な・・・そんな男の言う通りにはならない・・・
「優しく、強く、慈愛に満ちた母親なのか・・・・冷酷で、性にだらしない、自分勝手な淫母なのか・・・」
「ちっ・・・違う・・・あん・・・そ・・そんなんじゃ・・・ない・・・」
クチュ・・クチュ・・クチュッ・・・クチュ・・クチュ・・クチュッ・・・
私の言葉をあざ笑うように・・・私の股間からネットリとした淫らな液が次から次へと溢れ出し、私の欺瞞を暴き立てていく。
「やがて自分で分かるようになる。自分がどっちにふさわしい女なのか。無理してるんだろ?背伸びしてるんだろ?自分よりも他人を優先してしまう正義面した夫や、優等生で非の打ちどころのない出来すぎの息子・・・本当は息切れしてるんだろ?追い付いてないんだろ?夫の優しさだけでは物足りないんだろ?お前を必要としない手のかからない息子じゃ張り合いがないんだろ?」
「ひゃうっ・・・ちぎゃう・・・ひゃん・・・そ・・そんなりゃ・・にゃい・・・ひっ!」
ズブッ!
後ろから覆いかぶさるように・・・充司の巨大なモノが・・・後背位の体位で再び突き立てられる・・・その途端に・・・私は抗う言葉を失ってしまう。肉體が降参するように・・・淫らな反応をあからさまに返してしまう。
「へっ・・・じゃあなんだよこの締め付けは・・・ぐいぐい締め付けてくるこのマンコはなんなんだよ?・・・本当はそう思っているんだろ?・・・いらない亭主だと・・・不要な息子だと・・・おら?・・・おら!おら!」
「ひっ・・ひっ・・・あん・・・あん・・・あん・・・」
言い返せない・・・抗えない・・・肉體が認めてしまっている・・・・。後ろから串刺しにされ、私はまるで獣のように四つ這いになりながら、充司の一物を受け入れ、喜んでしまっている。
「やがておまえ自身の口から自分に意思で言わせてやるよ・・・役立たずの亭主だと・・・いらない息子だと・・・おら?・・・おら!おら!」
「はひっ・・・ちっ・・・ちがっ・・あんっ・・・あんっ・・・ちっあんあんあんっ・・」
「そしてやがて自分で・・・心の底から思うようになる。用なし亭主だと、不必要な息子だと。心の底からそう思い、自発的に言うようになる・・・夫や息子への蔑みの言葉を・・・。心から軽蔑し、罵倒するたびに背徳の快感が深まって、病みつきになる」
「ふっ・・・ふ・ざけないで・・・あんっ・・だっ・・だれがそんあこりょ・・・あんっあんっああああっ・・・」
「だったら・・旦那に電話してみろよ・・・すべて打ち明けてみろよ!・・・息子よりも小さな〇学生を犯したって!・・・夫の留守中に男を引き入れてマンコしてるって」
「らめ・・・らめ・・・ひぃつ・・・あっ・・そんなに・・・らめ・・・あっあっ・・・」
後ろから貫かれるたびに・・・、夫では届きようもない膣の奥の奥まで蹂躙されるたびに、何もかもが霞がかかり・・・私の心を蕩かせていく・・・。何も考えられなくなって・・・全てがどうでもよくなっていく・・・
「ほら・・・黙ってていいのかよ?・・・警察を呼ぶんじゃねえのかよ・・・夫に打ち明けるんじゃねえのかよ・・・」
「あん・・・あぁんん・・・くっ・・・らめ・・・あっあっあっ」
馬鹿になる・・・何も考えられない・・・ばかになりゅ・・・気をやってしまう・・・
ピロピロリン!
その時・・・私のスマホがいきなり鳴り始めた・・・。昨晩からリビングに置きっぱなしで忘れていたスマホが・・・家族の幸せをもっとも感じるリビングで・・・私の悪事を暴き立てる様に・・・夫の留守宅で卑劣な男と性交を重ねる妻の前で・・・訴える様に鳴り響き始める・・・。
「けっひひひっ・・・悠年の野郎・・・虫の知らせか?・・・」
スマホの画面の「パパ・悠年さん」という表示を見た途端・・・充司の一物がさらに大きく、さらに反り返る様に硬さを増していく・・・。
(出れる訳がない・・・悠年さんに顔向けできない・・・)
そんな様子を見下す様に、後ろから私を貫いていた充司は、意地悪く私の顎を後ろから掴んでスマホに振り向かせる。
ピロピロリン!ピロピロリン!
「ひっッく・・・ダメぁあ・・・あんっ・・・ひっっぁあ・・・っ」
「パパ・悠年さん」という表示がかえって私の中の何かに火をつける・・・ゾクゾクとした背徳感に襲われ、抗うことが出来ない・・・。
ピロピロリン!ピロピロリン!
「あめ・・・ダメッッ・・・ダメぁあ・・・ひっっぁあ・・・っ」
充司の腰を突き上げる動作が、そのまま腰を前に押し出すような動きに変わり始める。私は充司と繋がったまま、まるで調教された牝馬のように、前に向かって四つ這いで歩かされていく。
ピロピロリン!ピロピロリン!
「ひはぁあ・・・あんっ・・・あんっぁあ・・・あんっあんっぁっ・・・っ」
心では拒絶しているというのに、充司の一物を求めて腰が動き、良いようにあしらわれて、歩かされてしまう・・・。
リンッ・・・ッ
「ひゃああっぁっぁっ!!」
スマホの音がやむと同時に、最後にひときわ大きく・・・子宮の奥まで突かれた私は・・・弾かれた様にスマホのすぐ目の前に突っ伏す様に倒れ込んでいた。浅ましく絶頂を迎え、獣のような咆哮を上げながら・・・・。
「へへへっ・・・何で出なかったんだよ・・・訴えるんじゃなかったのかよ?・・・助けを求めるんじゃなかったのかよ?」
「・・・・・・・・・」
「へへっ・・言える訳ねえよな・・・レイプされながら感じてるなんて・・・〇学生の目の前でセックスしるって・・・黙っている他ないんだよ・・・黙って俺の言う通りにするほかないんだよ」
「くっ・・・・・・」
何も言い返すことなどできなかった・・・・。そして・・・スマホに出れなかったことにホッとしている自分に気が付いて・・・私は愕然としていた。
気が付くと清充君が、ニヤニヤとした軽蔑したような笑いを浮かべ、ゲーム機のコントローラを脇にどけてこちらを見ている。そして、獣のようにつながったままの私たちの方にむっつりと近づいて来ていた。
「おれもやりたい・・・」
中年の様な老成した表情には、少年のような輝きをもって目はなく、人間への不信と軽蔑が同居したような濁った眼があるだけだった。
ピロピロリン!
「ひっ・・・」
再び私のスマホが目の前で鳴った。画面に現れた「パパ・悠年さん」という表示が・・・私の良心を痛いほどえぐる・・・その表示を見た途端・・・理不尽な怒りのようなものと、妖しげな背徳感が同時に沸き上がる。逝ったばかりだというのに・・・次第に妖しい感覚がシーンと股間に広がって私から正常な思考をはぎ取っていく。
「ほら?・・・悠年の野郎・・・感づいたんじゃねえか?・・・あんまり出ねえと怪しまれるぞ・・・ほら、いいチャンスじゃねえか・・・真実を伝えろよ!・・・ほら・・・出ろよ・・・助けを呼んでみろよ・・・チャンスだぜ・・」
「はっうう・・・くっ・・・らめ・・・あっあっあっ」
充司の一物が・・・衰えを知らぬ悪魔の様な一物が再び私を貫き始める・・・。
ピロピロリン・・・ズンッ!
ピロピロリン・・・ズンッ!!
スマホに出れない私をあざ笑うように、着信音に合わせて、充司が意地悪く腰を突き入れる・・・悠年さん専用の着信音が・・・私の中で卑猥な音に変り始める・・・今まで心ときめかす素敵な響きだったはずの音が、卑猥な音に変わっていく。私の中で徐々に永遠だったはずの愛が崩れ始める・・・
「オラ・・・出ろ!・・・夫にお前の喘ぎ声を聞かせろ・・・ほかの男のチンポを咥え込んでいる卑猥なマンコのグチュグチュ音を聞かせろ!」
「だめ・・・こんな状態・・・・ダメ・・・いやっ」
ピロピロリン・・・ズンッ!
ピロピロリン・・・ズンッ!ズンッ!!
「いやぁ!・・・ああぁ・・・いやぁ!・・・あぁんあんあん!」
一度、絶頂を極めてしまった肉體は、あっという間に充司の一物を受け止め、絡みつくように求めていく・・・。早くも軽い絶頂を迎えそうになり、頭の中に霞がかかり始める。
「へっ?・・っ」
そして・・・その動きが突然止まる・・・。膣の中には充司の一物が、大きさや硬さをとどめたまま、その動きを止めてひっそりと息づいている。充司はニヤニヤとほくそ笑みを浮かべながら、私のスマホを取り上げると、目の前で見せつける様に通話ボタンを押してしまう・・・。
「ひっ・・・」
何も知らない、能天気な夫の声が、レイプされている最中の妻の耳元で響き始める。
「あっ・・・忙しかったかな諾子?・・・悠年だ」
「・・・・・・」
もう少しで上り詰めそうなそのときに・・・いきなり現実に戻され、快感が急に中断された頭では、惚けて何も考えられない。
「さあ、何事もなかったようにやり過ごせ。俺たちの事を黙ってさえいれば、誰も迷惑かけずにいられる。黙っていれば誰にも気が付かれない。さあ・・・オレの言う通りにしろ・・・何か話せ」
挿話口のマイクを抑えながら私の耳元で、唆(そそのか)すように充司が囁く。蕩けて真っ白になった私の心に、悪魔のような嘲笑を浮かべながら・・・
「えっ・・・良く聞こえない・・・昨日の晩も、今朝も連絡がつかなくて・・・何か心配でさ。大丈夫かい?忙しいのかな・・・」
快感漬けになり・・・獣のような咆哮を上げていた私は・・・あまりにも呑気で、屈託のない、普段通りの夫の声に、戸惑いしか感じられない。いきなりの日常が・・・かえって羞恥心を際立たせ、苛立ちだけが残ってしまう。脳天気な夫に・・・正しいだけの夫に・・・話せる訳がない・・・セックスをした〇学生の目の前で、レイプされている最中だったなどと・・・
「わっ・・・わたしぃ・・・ひっ・・・」
喘ぎ声が思わず出そうになるのを、私は口に手を当てて抑えるのがやっとだった。口を開けることも出来ずに、ただただ妻を思いやる優しい夫の声が挿話口のスピーカーから聞こえて来るのをやり過ごす・・・。
「ゴメン・・・スマホの調子が良くないのかな・・・うまく聞こえない・・・とぎれとぎれで・・・」
何か言わなければ・・・。何か言い返さないと・・・。私は必死でそう考えていた。それが夫に対して真実を隠す事だと、夫に対する裏切り行為だと、気が付いていなかった・・・。
夫に迷惑を掛けてはいけない・・・
悠人に迷惑を掛けられない・・・
私はそう考える事で嘘を正当化していった。充司の巧妙な罠が、悪辣な暗示が、私をいつの間にか、充司の共犯者に変えようとしていた。しかし、強烈な快感に惚けた頭で、淫欲に溺れた頭で、何が考えられるのだろう。私は必死で、何かを取り繕い、何かを庇いだてしようとしていた・・・
【俺たちの事さえ黙っていれば、誰も迷惑かけずにいられる。黙ってさえいれば誰にも気が付かれない】
充司の声が頭の中で木霊する・・・・私はその声に唆されるままに、夫に対してハッキリとした嘘をつこうとしていた・・・そう、この時私は明らかに夫を裏切ろうとしていたのだ・・・。私達の永遠であるはずの愛がこの時、綻(ほころ)び始めようとしていたことにも気が付かずに・・・
「っぁあ・・はなた・・・ご・・ごめんなさい・・・ここ・・ここの処・・・さ・・寒かったから・・・喉が・・・少し嗄(か)れているの」
つい嘘をついてしまった・・・。突然中断された快感の余韻で声が震え、良心の疼きに声が裏返っていた。
「あっ・・・やっと聞こえた・・・そうか寒かったのか・・・こっちはそんなに寒く無かったかな・・・そろそろ梅雨寒だから・・・お互いに気を付けないとね」
私を心配する夫の声が、私の心に強い痛みをもたらし始める。気付かれなかっただろうか・・・嘘をついた事実よりも、夫を裏切ってしまった事実よりも、事実の露見を恐れていた。夫の私への気遣いが、かえって私の心に突き刺ささり、激しい痛みをもたらしていた。
「父母会か何かで忙しかったのかい?昨日の晩や今朝は連絡がなかったけど、まさか体調が悪いんじゃないのかい?風邪でもひいたんじゃないよね?・・・」
夫の労わる言葉が、非難するような響きに聞こえ始める。夫の私を気遣う優しい声が、かえって無神経で、無遠慮で、憎々しい声に変わっていく。
「なつ・・・何でもないのよ・・・ホントだってば・・・」
私は理不尽にも声を荒げていた。夫が驚いたように口を閉ざす・・・
「ごっ・・・ごめんなさい・・・ここ・・ここの処・・・スマホの調子が悪くて・・・うまくメールやLineが届かなかったのかな・・・」
また嘘をつく・・・膣の中に卑劣な男の一物を咥え込んだままの姿で、夫を嘲笑する男に後ろからあざ笑われながら、私は嘘をハッキリとつき始めていた。夫とは比べ物にならない圧倒的な大きさと硬さをイヤと言うほど感じながら、優しさのこもった夫の声を耳にしながら・・・私は充司にそそのかされるままに、嘘をつき始めてしまっていた。「永遠の愛」を綻ばせながら・・・・。いったん嘘を口にした途端、次々と嘘が口を突いて出てきていた。充司はニヤニヤと満足げなほくそ笑みを浮かべると、意地悪く、ゆっくりと私の中で動き始めた。
「!・・っ・・・!!ぅう・・・・・」
充司の巨大な一物が、再び膣壁をムリムリと押し広げながら、ゆっくりと蠢きはじめる。取り繕うように嘘をつき続ける私をあざ笑うように、再び腰を振り始める・・・
「そうか・・・もしかしたら、こちらのスマホの設定もおかしいのかな・・・。悠人のスマホはどうなんだろうね・・・」
その何の疑いもない声が、かえって私を苛み、傷つけ、苛立ちを助長していく。
「はぅっ・・・悠人?・・・悠人からも返事が無いわ・・・私のスマホの・・せっ・・設定が・・・くっ・・狂っているのかも・・・あんっ」
「何だか今日は、声の感じが違うみたいだね・・・今日は早く寝た方がいいよ」
「くっ・・・狂う・・・ひっ・・・」
「えっ・・・何だって・・・また途切れ途切れになっている・・・こっちは電波が弱いのかな?・・・えっ・・・何だって?」
「っぁあ・・はなた・・・ご・・ごめんなひゃい・・・ひゃっぱり・・・スマホの調子が悪いみたい・・・狂って・・・ひゃっ・・・あっ・・・・ひっ・・・くるうっ・・・」
もう限界だった・・・喘ぎ声が抑えられない・・・いつの間にか・・・清充君が私の胸をむしゃぶりつくように吸い始める。軽蔑しきった目で清充君に見つめられながら、私は口からあふれる悶え声を押さえることが出来ない。顔を真っ赤に紅潮させながら、清充君を強く胸に押し抱いてしまっていた。まるで愛おしい我が子を抱く様に・・・。
「あうんんんっ・・・・」
「どうした・・・大丈夫か?」
「えつっ・・・だいじょ・・・丈夫・・・ごごめんな・・・さい・・・あっ・・あなた…調子が・・・ス・・ッ・・スマホの・・・ちょっ・・狂って・・・調子が・・・クルゥウ・・・」
「なんだか・・・よく聞き取れない・・・また後でかけなおすね・・・」
「えっ・・ええっ・・・そつ・・・そうしててっっっっっっ・・・・」
「じゃあ・・・身体に気を付けるんだぞ」
ビクビクビクッ
ドプッ・・ドプッドプッ~
「はいっっあァぁ・・はいっ・・はいっ・・・はぃうっっっっっっ・・・・」
なんと言う事だろう・・・私は愛する夫のいたわる言葉を聞きながら、悪辣な男に犯されて絶頂に達していた。子宮に邪悪な精液を注入されながら、夫をハッキリと裏切る強烈な背徳感に浸りながら・・逝ってしまっていた・・・
「おーい大丈夫か?」
「ぃっッぃ・・・はぃっ・・・っ」
「ああっじゃあまたな」
ツーツー
ビク・・ビクガクッ・・・ゾクゾクッ
ツーツーという、スマホの切れた音が脳裏に響き渡る。夫との繋がりが途絶えたような強烈な背徳の快感が、深く私の心に刻み付けられていく・・・
「けへへっ・・・これでお前も俺の仲間だ・・・お前も俺様の共犯者になったんだよ・・・たった今な・・・」
「!!」
驚愕して凍り付く私を、悪魔のような嘲笑を浮かべた充司が見つめていた。まるで私を愛おしむように・・・。愛する女性をみるように・・・。レイプ犯の男が私を見つめている・・・。
「夫の知らない秘密の共有こそ、俺たちを強く結びつけるのさ・・・」
充司は嘯《うそぶ》くようにそう言った。その時、ゾクゾクとした得体のしれない何かが、私の心の中に取り込まれていったような気がした・・・・。ゾクゾクとした得体のしれない何かが心の中に根を張る様に・・・
(私は・・・私は・・・どうなってしまうの?・・・どうすればいいの・・・)
真っ白で清廉な心に、どす黒い小さな汚辱がしたたり落ち、少しづつ広がって染み込んでいった。少しづつ、確実に、二度と元に戻らないほど酷く・・・・
(悠年さん・・私がこんな女だと知ったら・・・あなたはどう思うの?・・・・悠年さん・・・助けて・・・たすけて・・・タスケテ・・・)
===========================
「全国から選ばれた一握りの生徒・・・って誇りだけが俺たちの支えだな。食事だけが唯一の楽しみだなんて、なんだか爺みたいだ。青春を浪費している感じがしないか?・・・」
悪友の四谷が、悠人にそう話しかけたのは、夜10時まで続く「夜授業」の前の、本日最後の自由時間の時だった。
「それはエリート意識の裏返しかい?」
四谷は単に「料理がうまいな」そう言いたいだけなのだろうが、彼にかかるとこんな表現しかできないようだ。確かにロングの実験授業が予定されている水曜日は17時と言うやや早めの時間に夕食時間が設定され、この食事時間以外に息を抜く時間は就寝時間となる11時までスケジュールされていない。平日は朝6時から夜10時まで、土日でさえ朝8時から夕方5時まで、SSHの生徒にはなにがしかのカリキュラムが実施され、食事時間以外の自由時間はほとんどないのだ。
「まあ・・・ここの建物と食事だけはすげえよな」
四谷が目の前の料理を見つめながらそう独り言ちる。確かに、SSHの寮生食堂は、モダンなカフェテリア方式を採っており、都心の有名大学をも凌駕するほど豪奢な造りだった。提供される料理も、この高校に集うエリート集団にふさわしく栄養バランスを十分に考慮しつつ、豪華レストランに変わらぬ見目麗しい華麗な料理が並べられている。
(母さんの質素だけど、素材重視で、手の込んだ料理の方がずっとおいしいのに・・・)
思わずそう四谷にそう答えそうになって、言葉を詰まらせる・・・
「そっ・・・そうかな?」
悠人は「マザコン」と指摘されたことを思い出し、もぐもぐと口の中のものを呑み込みながら曖昧にそう答えるだけだった。
「ああっ・・どうせお前は「母さんの手料理の方が良い」・・なんて思ってるんだろ?」
図星を刺されて思わず噎せ返りそうになっていた。
「なつ・・・馬鹿・・ちげえぇよ!」
悠人はそう言いながらも、思わず母親の事を考えていた。
(母さんは一人の食事で寂しくないかな?・・・黙って黙々と食事をしているのかな・・・)
-------------------------
その晩、私は本来なら追い出さなければならない凌辱者達に、その日の夕食を提供したばかりか、まるで家族の一員の様に一緒に食事をとっていた。それはまるで本当の親子の様に、悠年さんや悠人と同じように、私は食事を作り、一緒に食べ、家族の団欒のような時間を共有してしまっていた。まるで凌辱者達の家族の一員になった様に・・・それはきっと真実なのだ。私は共犯者なのだから・・・共犯者であることを認めてしまったのだから・・・共犯者だと思い込まされてしまったのだから・・・・。年端も行かぬ子供とただならぬ関係を持ち、レイプ魔に犯されながら気をやってしまう不貞の人妻であると思い込まされ、認めてしまったから・・・。傍から見れば・・・夫の留守中に男を引き込み、裏切り行為をし続けている人妻・・・それが私なのだ。
「お前も共犯者なんだよ」
「俺たち親子の方こそがお前にはふさわしい」
「夫の知らない秘密の共有こそ、俺たちを強く結びつけるのさ・・・」
充司が囁いた言葉が重く胸に響き渡る。夫にハッキリとした嘘をついてしまった私は、夫の信頼を裏切ってしまった私は、もう充司の思うままだった。彼の命じるままに、夕食を作り、彼の言うままに食事を共にし、彼の言うままに与えられた服を着ていた。全て彼の言うとおりに行動するほかなかった。脅迫の動画が突き付けられ、その淫らな動画を見せつけられる度に、私は彼に逆らえなくなっていった。そして、彼に命じられるままに行う異常な行為に、変態的な行為に、次第に染まっていく事を自覚していた。こうして気が付くと私は、彼に淫らに染めあげられ、彼に依存するように、巧みに仕向けられていた。私の希望で許されたのは、ピルを飲むことだけだった。それは許してもらえることとはいえ、中出しセックスを容認し、求めているのと同じことだと気づくのに、大して時間はかからなかった。
そしてその晩、私は夫しか入ることが許されない夫婦の寝室で、居てはいけないはずの二人の男に挟まれて一夜を過ごした。
--------------------
もう深夜1時を回っていた・・・悠人は男子寮の自室で吉川瑠璃の手紙を前に途方に暮れていた。
「これ・・・フランス語で書いた手紙なんだけど・・・相手に送る前に、文法のチェックして欲しいの・・・」
その日の夕方、夜の部の授業が始まる前の食事を摂りに学寮に帰ろうとした時、吉川から渡された物だった。瑠璃の期待を込めたようなまなざしを受けて、悠人は断ることができなかった。その目がどことなく綾乃の目を思い出させたからだ。二人は全く違った顔立ちで、目の雰囲気も全く違うのに、その訴える様なひたむきな眼差しに、悠人は思わず「似ている」と思わずにはおれなかった。気が付くと、手を出して受け取ってしまっていた。しかし・・・すぐに後悔していた。悠人は第二外国語にロシア語を取っており、フランス語の知識は全くなかったのだ。
「辞書が無いとさっぱり分からん・・・」
その時ふと名案が浮かんだ・・・
「確か父さんも、母さんも、大学時代は第2外国語にフランス語を取っていたって言っていたな・・・もしかすると家に、辞書や文法書があるかもしれない・・・。それに・・・もしかしてもしかすると・・・二人の間で交わしたラブレターも見せてもらえるかも・・・」
思わずニンマリするのを抑えることが出来なかった。二人が熱烈なラブレターを結婚後も取り交わしていたことは何度か聞いていた。寝室に隠してあった母さんの手文庫の中に難しい言葉(外国語)で書かれていた手紙があったのを幼児期の頃に悠人は何度か見ていた。しかし幼い悠人ではフランス語どころかN国語ですらも手紙の内容を理解する事など叶わぬことだった。そして、物心がついてからはその手文庫の中を見ることは一度もしないようにしていた。見てはいけないもの・・見せてはいけないもの・・・それがこの世にはあると、大人になるに従い学んできたからだった。そしてそれ以上に、母親の心の奥底を覗くことがなんだか怖かったから・・・そう思うようになっていた。
「明日の朝・・・早速母さんに電話して聞いてみよう」
そう思いながら、悠人はやっと就寝に着くことが出来た。幸せな気持ちを抱きながら、目の前の手紙に書かれている事はとりあえず気にしない事にしていた。
本作品はPixiv(会員登録が必要)においても掲載しております。
https://www.pixiv.net/novel/series/8506983
(Pixivは予約投稿機能が有料のため不定期で遅れてアップしています