前回までのあらすじ
いつものように平和に日常を過ごしていたてらもち。ある日の朝に幼馴染である幾四音から告白を受けた。最初は驚きはしたが、何故か朝に言われた言葉が頭から離れられなかった。そのことをもう1人の幼馴染であるのあにも見破られてしまったが、意外にも幾四音が俺のことを好きなのは小学校の頃から知っていたらしい。そのこともあり俺の恋には積極的に協力してくれた。普通は逆な気もするが………
職員室に呼び出され、先生との話を終わらせた俺は駐輪場へと向かった。向かう途中に校庭を見ると、ちょうど野球部がバッティング練習をしていた。よく見てみると、手前ら辺で幾四音がバッティングをしているのが見えた。しっかりとした筋肉、引き締まったフォーム、そして迷いのないあの瞳。
…………言っちゃ悪いが、幾四音って意外とエロい体してるよな。筋肉質で綺麗な体つき………
いやいやいや!何を考えてんだ俺は!確かに幾四音の事が好きだが、そんな目で見るものじゃ………
「なら丁度いいな!お前の初めて、もらってもいいか?」
そんなことを考えていると、いきなり幾四音に言われたあの言葉を思い出した。それは、幾四音が俺に告白(?)をした言葉だった。もしも、もしも俺が幾四音に告白をしたら、俺と幾四音との関係はどうなっちまうんだ?友達……なのは変わらないし。親友………なのは前からだし。まさか………恋人?
いやいやないない!あいつに限ってそんなことない………よな?
それからというもの、俺は完全に片想いをしている女子のようになってしまった。夜ご飯を食べている時も、お風呂に入っている時も、テレビを見ている時も、ずっとあいつのことを考えてしまう。俺が幾四音の事が好きなのは認める。だが、俺はあいつにどうやって気持ちを伝えるかとても悩んでいた。あいつ自身も俺のことが好きと言っていたから、告白すればすんなりOKがもらえるのはわかっている。だからこそ告白する事が恥ずかしくなっていく。
「考えても仕方ねぇなぁ、今日はもう寝よ」
髪を乾かし、歯磨きも完了させ、いざ寝ようと考えてた時、スマホから通知が来た。
「ん?なんだ?」
見てみるとダイスがグループLINEで何か発言をしていた。
「ねえねえ!明日終業式終わったら夏休みの予定とか立てない?」
「おぉそりゃいいな!やろうやろう!」
「いいねぇ〜なんか楽しそうじゃないの」
「んじゃ、場所はいつものファミレスとかでいいか?」
「「「OK〜」」」
俺がそう言うと、残りの3人はスタンプで返信した。
「お、楽しそうな話してんじゃん!俺も行っていいか?」
「あれ?幾四音さん部活は?」
「終業式だから予定表渡されるだけ!いつ行けるかもわかるし丁度いいだろ?」
「おぉ!珍しく幾四音も参戦か!いいぜ!」
「幾四音さんもくるの!やったぁ〜!」
「ほんじゃ、詳しい話はまた明日じっくりとやろうぜ〜」
幾四音がそう言うと、先程と同じく残りの3人がスタンプで反応していた。
………かんっぜんに油断した。去年のような関係ならこのままでいけたのだろうが、今年は去年とはわけが違う。今の俺は、ただでさえ幾四音の名前を聞くだけでバクバクしてんのに直接会うだと?胸が破裂してしまうかもしれないぞ?以前までできていた事がいきなりできなくなるってこんな感情なんだな………ってそんなこと言ってる場合じゃねぇ!そうだ!こういう時はもう1人の親友に頼むしかねぇ!俺はスマホを手に取り、のあの個人LINEを開いた。
「のあ!言いたいことはたくさんあるんだが簡潔にまとめる!助けてくれ!」
「んーーーー。お前が言いたいことはだいたい予想がつくが………ま、応援してるぜ」
………こんの裏切りもんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
「えー明日からは夏休みです。夏休みだからといって、あまりハメを外さず、しっかりとした生活リズムを……」
校長の長ったらしい話を聞き、夏休みの注意事項などを話され俺らは下校となった。
結局、のあからは何にも助言をされることはなかった。
あいつが言ってた協力してやるって言葉はなんだったんだよ、ちくしょう。
しかものあからの提案で「せっかくだから、一旦家に帰って私服にしてからいつものファミレスで夏休みの予定立てようぜ!」なんて提案し始めた。あいつ、協力するとか言っといて、実は俺のこと面白がってんだろ。なぜか見えていないはずなのに、あいつのの笑い顔が目に浮かんでくる。
本格的に夏も始まってきており、日差しもガンガンと差し、蝉もみんみんと鳴いていた。
「まだ夏が始まったばっかだってのに暑すぎるだろ……」
「今年は特に猛暑日が続くらしいからな……ここで我慢した時のファミレスのクーラーは気持ちいもんだぞ〜?」
「そりゃわかってるわ」
そうやって話しながら俺とのあは、目的のファミレスへと向かっていた。
「というかのあ、お前がそんなコーデなんて珍しいな、いつもなら男子に寄せてるってのに」
「俺もこれでも一応女だからな。ファッションとかには結構気にするんだよ」
「意外だな、のあからそんな発言がでるなんて」
のあは見た目のことをコンプレックスに感じたことはなく、むしろ気に入っているほどだ。「どうせなら女じゃなくて男に生まれたかった」なんていっていたほどだ。
なんでもここ最近ファッションに興味を持ち始め、雑誌やネットの情報などを閲覧しているほどらしい。元々の顔立ちがいいから基本的になんでも似合うんだよな、こいつは。
「この服もバイド代ほとんど出して買ったんだぜ〜どや!似合うだろ!」
「へーへー似合う似合う」
なんだかんだで話していると、目的のファミレスへと着いた。俺はポケットからスマホを取り出し、LINEで着いた報告をした。
「今着いたぞー」
「先に中に入ってるから入ってきて〜」
この暑さに耐えきれないで先に入ってやがったか。ま、俺もおんなじ立場だったらやってたけどな。
「のあ、あいつらもう先に入ってるらしいから俺らも中に入ろうぜ」
「OK〜」
ちなみに幾四音は予定表もらうだけとはいっていたが、夏休みの試合の確認などのミーティングで少し遅れると言っていた。
「「ふわぁぁ〜〜」」
クゥ〜!やっぱクーラーが効いたファミレスはさいっこうだな!
「おーい!のあちゃーん!てらもちくーん!」
涼しさの余韻に浸っていると、大声で俺らの名前を呼ぶ声がした。その声の方へ目線を向けると、ダイスとプロパチの姿のほかに、意外な人物がいた。
「ん?あれ黒鉄さんじゃね?」
そう。そこにいたのは、ワンピースを着こなし、圧倒的美貌を光らせている黒鉄 加奈の姿があった。
「よーすダイスにプロパチ〜それに黒鉄さんこんにちは」
「こんにちは〜」
笑顔で挨拶をした黒鉄さんの姿を見て、のあは少し後退りしていた
「がは!さ……さすが学校一の美貌を兼ね備えているだけあるぜ……女である俺でも惚れちまうかもしれねぇ………」
「ははwwダイスとおんなじ反応してんなww」
あいつもおんなじ反応してたのかよ!俺がダイスに目線を向けるとプイッとそっぽを向きやがった。うちの女性陣はなんで初対面の人に迷惑しかかけられねぇのか……
「そんで、なんでここに学校のマドンナである黒鉄さんがいるんだ?」
「あ!その経緯は僕が説明するよ!」
さっきまでそっぽむいていたダイスが説明をし始めた
遡ること数時間前
「いや〜やっと学校終わったねぇ〜」
「そうだなぁ〜」
「みんなと夏休みの予定立てるの、楽しみだねぇ〜」
「そうだなぁ〜」
終業式が終わり、教室で夏休みの注意事項も終わって、僕とプロパチくんで帰っていた時。
「あの〜」
「ねえねえ!みんなで遠出とかして海とかいかない!?」
「おーいいじゃんか、それなら水着とかも買わねぇとなぁ」
「あの〜ちょっといいですか〜?」
「それで夏祭りとかいったり、水族館とかいったり……楽しみだなぁ〜!!」
「そうだな〜」
「あの!ちょっといいですか!」
「「んぁ?」」
あまりにも声が小さかったから気づかなかったんだよ!それで声の方に振り返ってみると……
「「こ……黒鉄さん!?」」
なんとそこには!あのクラスのマドンナ黒鉄さんの姿が!
初めは驚いたよ!まさかいきなり黒鉄さんから声をかけられるなんて!
「な……なんでここに黒鉄さんが!?」
「こ……ここじゃ話づらいから……帰りながら話そ?」
あわわわ!まさかクラスのマドンナである黒鉄さんと一緒に帰ってるなんて夢でも見てる気持ちでしたよ!でも、最初は驚いてたプロパチくんは意外と平気な顔してるなぁ。もしかしてこんなにも驚いてんのって僕だけ?嘘でしょ?
「それで黒鉄さん。なんでいきなり俺らなんかに声かけてくれたの?」
「あ…あの、教室で皆さんたちが何やら楽しそうな話をしてて……それで……私も混ざりたいなぁ〜なんて……」
「がは!さ……さすが学校一の美貌を兼ね備えているだけありますねぇ……女である僕でも惚れちまうかもしれないよぉ………」
「落ち着けダイス。黒鉄さんどころか、周りの注目も集めてるから」
は!そうだった!
「なるほどなるほど〜つまり、俺らと一緒に遊びたいと」
「は……はい!」
「おお!丁度いいじゃん!これで男子3、女子3のちょうどいいバランスになるからいいねぇ〜それじゃてらもちくんたちに伝えよーっと!」
「ちょっと待てダイス」
そう言って僕はカバンからスマホを取り出そうとしたら、プロパチくんに手首を掴まれそのまま黒鉄さんの聞こえないように後ろを向いた。
「いいか?何度も言うが、ここにいるのは絶世の美貌をもってる黒鉄さんだぞ?そんなほいほい伝えたら、面白い反応見れねぇだろ?」
「た……確かに。でも、学校でもしょっちゅうあってるのに今更緊張とかするかなぁ?」
「馬鹿だなぁお前は!学校でちらっと会うのと、こうやって話し合ってるとでは全然違うだろ!」
「な…なるほど、つまりのあちゃんやてらもちくんがびっくりする所をみたいってことだよね?」
「よくわかったじゃないか!」
ベシ!
「あだ!」
「あ……あの〜」
「あぁ!悪りぃ悪りぃ!こっちの話!」
くぅぅぅ!プロパチくん痛いよぉ〜ちょっと強く叩いたでしょ……
「OKOK!もちろんいいぜ!」
「え!いいんですか!」
「あぁ、とりあえず一旦家に帰って私服になってから、学校の近くにあるファミレスに集合な!」
「わかりました!」
よっぽど嬉しかったのか、黒鉄さんは返事をした瞬間に、急ぎ足で満面の笑みをしながら帰っていった。
「………よっぽど嬉しかったんだな」
「そうだねぇ〜」
「ってな感じかな!」
「ヘェ〜黒鉄さんの満面の笑みねぇ〜それはみてみたかったなぁ〜ニヤニヤ」
ダイスの話を聞き終わったのあが、黒鉄さんの方に目線を向けた。そこには手で顔を覆い、顔を真っ赤にさせてる黒鉄さんの姿があった。みられたことがよっぽど恥ずかしかったんだな……
「よし!黒鉄さんもいることだし、今年の夏休みはめちゃくちゃ楽しくしてやろうぜ!」
「「おーー!」」
「お…おー…」
「わざわざコイツらに乗らなくていいんだよ黒鉄さん……」
一緒にのってくれるなんて優しいな黒鉄さんは………
というよりも、黒鉄さんが俺らなんかにつるむなんて少し意外だった。高貴な人だって勝手に認識していたせいであまり話しかけられなかったからなぁ。他の奴らもそう思っているせいで、あまり黒鉄さんの周りには人がいなかったし、もしかして黒鉄さん。友達が欲しいって思ってたのか?
「よぉ〜っす!」
俺らが席に着いた瞬間、遠くから声が聞こえた。遅れてくるとは言っていたが、まさかこんなにも早く来るなんて予想外だった。心の準備ができてない状態で彼と会って、俺はどうなってしまうんだ?
「お〜幾四音〜遅れてくるって言ってた割にはずいぶん早いじゃん」
「へへ!間に合わせるために走ってきたぜ!……ってうお!黒鉄さんじゃねぇか!」
「こんにちは〜」
「今年は黒鉄さんも一緒だから、楽しくなるよぉ〜」
「マジかよ!よろしくな黒鉄さん!」
「よろしくねぇ〜」
さすが元気っ子、誰とでも打ち解けてやがるな。挨拶も終わり、持っていたうちわをパタパタさせながら、幾四音はわざわざ俺の隣に座ってきた。
「おい!なんでわざわざ隣に座ってくんだよ!(やべぇ……心臓の鼓動が……)」
「いいだろ別に〜」
マジで今にも心臓がはち切れそうだ!落ち着け!落ち着け俺!俺が慌てていると、突然幾四音が俺の耳元に口を近づけ
「この前の返事、いつでも待ってるぜ☆」
………………エロすぎんだろお前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!