丸呑みフェチの俺が憧れのセルになって色んな女の子を吸収する話 作:性癖
俺には人に言いづらい性癖がある。
丸呑み。キャラクターが呑み込まれる様に興奮するという性癖。まあ丸呑みにも色々種類があるんだが、その中でも俺が好きなのはドラゴンボールのキャラクター「セル」の尻尾を使った丸呑みだ。針みたいな尻尾が開いて口になり、獲物を頭から咥えて吸い上げて背中から体内に呑み込む。幼い頃にアニメでねっとり描写されていたのを見て俺の性癖はねじ曲がってしまった。許さんぞセル。やっぱ許す。
(今日も色々良いのが揃った……)
そして俺はコミケ帰りの一般人。貴重な丸呑み系の同人誌を買い気分はホクホクで帰宅中だ。丸呑みはニッチな性癖なので、こうして誰かが描いてくれるものがあるととても嬉しい。絵師さんありがとう。
腕から下げたマイバッグの中にしまってある同人誌の表紙を見て、その劣情を煽ってくれる素敵な表紙に笑みが溢れる。フフフ、家に帰ってじっくりお楽しみ───
「おい君!危ない!!」
「えっ───」
バンッ────!!
「………痛た、何がどうなった……?」
鈍い後頭部の痛みを手で押さえながら起き上がる。まだ視界がチカチカしてうまく見えない。まるで太陽拳でも受けたみたいだ。確か呑気にしてたらトラックが来て……あれ?なんで生きてる?
「あー……あー……?」
それに声も何か変だ。俺はこんなお爺ちゃんみたいなしわがれた声だったか?
試しに何度か発声してみるが、自分とは思えない別人の声が出てくる。
段々とぼやけていた視界もハッキリしてきて、自分の手元が見えてくる。
「……なんだ、これは」
俺の手じゃない。皺だらけの骨と皮だけのような細い手。掌にある丸いもの。これはまるで人造人間20号のような……
「………はあぁっ……!?」
よく見るとここも外じゃない。目の前にあったのは本棚と脚立。後頭部の痛みはきっとここから落ちたのが原因だろう。立ち上がってみると筋肉を動かした感触がしない。心音の代わりにチキチキと機械が動く音がする。ギシギシとぎこちなく歩いていくと、窓ガラスに俺の顔が映った。いや、正確には俺の顔じゃないけど。
そこに居たのは、俺の大好きなセルの製作者であり人造人間20号こと「ドクター・ゲロ」が立っていた。白いヒゲに、生体部品である頭脳がガラスケースに囲まれて頭に付いている。何度も顔を触って、ガラスに映るゲロが同じ動きをしたのを確認する。やっぱり俺、ドクター・ゲロに憑依して───
(ペタペタと触るんじゃない!!)
「うわああぁぁっ!?」
突如頭の中に声が響く。ビックリして俺は尻餅をついてかなり大袈裟にリアクションをとってしまった。今の俺と同じ声音がしたところから、この声の主はきっと元々のドクター・ゲロの魂ってやつだろう。
「え、えーと……ドクター・ゲロさん、で合ってます?」
(なぜ私の名を知っている。貴様は何者だ! いきなり人の身体に入ってきおって!)
ヤバいな、カンカンだぞこの人。まあ自分の身体に知らないヤツが急に入ってきたらそうもなるか。俺もそうなる気がする。とりあえず話合おう。
「あ、あの……俺は多分、事故であなたの身体に憑依してしまったみたいで。どうにかしたいのは俺も同じなので協力していただけると……」
(協力だと? ふざけるな! なぜ私がお前のようなヤツに命令されなければならんのだ! お前が私に協力しろ!)
スッゲーキレてるじゃん……でもこっちが下手に出れば穏便に済む感じだな。
「はい、協力します。どうかお力添えをさせていただけませんか、ドクター・ゲロ様」
(ふん、良いだろう。ならばまずそこの本を取れ! 貴様のせいで身体が動かせんのだ!)
こうして俺はドクター・ゲロに協力する事になった。と言っても、俺はあくまで彼の身体を動かすだけで特にそれらしい提案をするわけでもなく、彼の命令を淡々とこなすだけだった。とはいえ何も会話が無かった訳じゃない。俺は俺なりにここの情報を集めていた。
まずここはドラゴンボールの世界で間違いない。外に飛ばしているスパイロボットがモニターした映像を見ると、東西南北の都やカメハウスが映っている事から明らかだ。そして時系列はというと、ドクター・ゲロが居る事から原作で言う「人造人間編」の前だと思うのだが何かがおかしい。
人造人間が揃いすぎている気がする。ドクター・ゲロの意識が眠っている間に、この隠された研究所を色々と回ってみたのだが……確認できた限りだと人造人間21号まで既に造られていた。まだ全員封印されて眠ったままなのだが。
それと……何かが足りない。何か……
「あっ!!」
───「セル」だ。セルがまだ居ない。孫悟空やベジータ、ピッコロやクリリン等の様々なZ戦士達の細胞を集めて造られた究極の人造人間。それがセルだ。
おかしいぞ……人造人間編が始まる前なら、もうセルの開発に取り掛かっているハズなのに、これまでの研究中にはセルのセの字すら出てこなかった。
まさかここは……ドクター・ゲロがセルを造らなかった世界線だとでも言うのだろうか。ドラゴンボールには色々なIfストーリーが用意されている事が多い。これもそのひとつなのだとしたら、あり得る。
だがそんなのは納得できない。俺の性癖を決めてくれたセルが産まれないなんて許せない。
その時だった。俺の丸呑みフェチとしての邪悪な欲望がある提案をしたのは。
───俺がセルになればいいんだ。
(……究極の人造人間、だと?)
「はい。これなら必ず孫悟空を倒す事が出来るハズです」
俺は視界を通してドクター・ゲロに俺の描いたセルの計画書を見せる。非常にかいつまんで言うなら、スパイロボット達を使ってZ戦士達の細胞を集めてセルを造ろうという話だ。
(ふむ……まあ素人にしてはよくやった方だと褒めてやる。だがまだ問題があるぞ)
「問題?」
(どう制御するかだ。今までの人造人間達は皆私の手を離れ暴走を始めていたから封印したのだ。その究極の人造人間とやらが暴走すれば手をつけられんぞ)
「それならご安心を。ここにあるじゃないですか、抑える手段が」
とん、と胸に手を当てる。俺の思いついた考えをすぐに理解してくれたのか、ドクター・ゲロは「ふむ」と声を出す。
(……お前の魂を切り離してセルに宿すという事か)
「ええ。流石はドクター・ゲロ様です」
(ならばすぐにお前と私の魂を切り離す為の装置を造るぞ。準備しろ)
「はい!」
意外にもあっさりと俺の提案は受け入れられた。この提案をする頃には憑依してからもう3年は経過していたから、彼にもある種の信頼が生まれてくれたのだろうか。
そして、更に2年の月日を経てついに俺とドクター・ゲロの計画は実現した。
(ついに完成した……セルの培養装置と、魂の分離を行う装置が!)
「セルの幼体も順調に育ってます、やりましたね!」
(ああ……これが、究極の人造人間……)
培養装置に浮かんだ小さな肉片を見つめる。まだまだ俺の知っている姿ではないが、これがセルの「核」だ。人間で言うところの脳の役割を果たしてくれる。
そして培養装置の足元に設置されたスイッチが沢山付いた椅子が、俺とドクター・ゲロの分離を行う装置だ。これに座って起動すれば、俺の魂はあの小さなセルの中へ送り込まれる。ドクター・ゲロも晴れて自由の身だ。
早速起動しようと装置に座り、ヘッドセットを付ける。
(……おい小僧)
「何ですか?」
(……セルを造る事が出来たのは、貴様のおかげだ。礼を言う)
……信じられなかった。あの高圧的なドクター・ゲロが俺にお礼を言ってくれた。なんだか嬉しくて、つい笑みが浮かぶ。
「こちらこそ、楽しい5年間でした。ドクター・ゲロ」
スイッチを起動し、俺の魂はセルの中へと飛んでいった────
なんだかゲロとの友情ものみたいになりましたが、次回から性癖全力全開になります
18号の次の犠牲者は?
-
21号
-
ブルマ
-
チチ
-
パン(GT)
-
ランチ
-
ランチ(くしゃみ後)