【期間限定】魔鍵師育成学校N・T・R~爆乳美女たちを寝取ってハーレムを築く〜(未完) 作:ハルカ
「
「いや、そんなことは無いかな。変異体たちが活性化することはあっても、ここまでの規模は滅多にない、と思う……」
警報の説明を受けた狗郎とマリナは、数日後に控えた殲滅戦の準備をしながら久しぶりの会話をしていた。少し前までの気まずさは未だに抜けきることは無いが、会話をする程度には関係は良い方向へと修復が出来ている。
「何かしらの外的要因が働いていると見た方がよさそうだな」
前例がない事象は最も警戒しなければならないものだ。慣れ親しんだ状況でも一つの油断で全てが終わってしまうのだから、想定外のことだらけの状況で油断など出来るわけがない。
それは、記憶がなくとも戦士としての本能が覚えている数少ないことだった。
「そう、だね……ここまで大規模になれば社長も出て指揮を取らざるを得ない。A級の部隊も遺跡調査から戻ってくるはずだから、総勢で千名弱……最低でも現場での百名単位の部隊を統制する人が十人は欲しい所だけど……」
それに当てられたのだろうか、マリナも状況を精査し最善策を少しずつ選び取っていく。ふと、生徒会長としての自分が出ていることに気が付き思考を一度止める。
これは自分がやるべきことじゃない。きっと他の誰かがどうにかするはずだ、と切り替えるが、思考の片隅で作戦を組み立てている自分がいることに気が付いた。
「そ、そう言えば部隊に所属したんだってね。今回もその部隊で参戦するのかな?」
本来ならばB級以上の隊員しか出来ない実戦で、狗郎は特例としてB級扱いで参加することになっている。これはマリナやシルビィ、そして千空が彼の実力を加味して判断した結果だ。実際、単純な戦闘能力だけならばB級最上位と言っても過言ではないだろう。
「あ~、そうなんだが、今回は千空さんの指揮下で単独部隊ということになった。いきなり入り込んでは部隊が荒れるからな」
「そ、そうなんだ……でも、狗郎の戦闘能力で正式な魔鍵を使えばその方が良いのかもね。竜城隊もそんな感じで扱われると思うから……っと」
また止まらずに戦況分析を始めていることに気が付き、マリナは言葉を切った。彼がどのような魔鍵師へと成っていくのかは、今の自分には関係ないのだから。息を吐き、余計な思考を消していこうとする。
そして狗郎は、魔鍵の調整をしながらもマリナの葛藤を見逃さなかった。
「マリナ、あと二日で殲滅戦が始まる。その前に俺は、君に言いたい事が幾つかある」
「……まさか、また嫁に来て欲しいとかじゃないよね?」
「それもあるが、それとはまた別の話だ」
真剣な、貫かれそうなほど鋭い視線がマリナを捉える。茶化して誤魔化そうとも思ったが、今の彼にそれは難しいと悟った。一歩、二歩と狗郎が近づいてくるにつれて、マリナの下腹部から全身にズクンとした謎の疼きが広がっていく。
「え、あの……く、狗郎……っ?」
「少し大事な話だ。真面目に、俺の言葉を聞いてほしい」
あと一歩でも前に出れば、マリナの乳肉が狗郎の逞しい胸板に潰されてしまうほどの近さに、ゴクリと息を呑んでしまう。壱馬と話し、共にいる時に感じる酩酊状態にも似た心地よさはなく、緊張と興奮の混ざった甘い痺れが、成熟した凹凸の激しい肢体に満ちていた。
「君は、これからどうしたいのか、どこへ向かうのか決めなければならない。だが一つだけ、俺からの希望を言わせてくれ」
「は、はい……っ」
意識はハッキリとし、狗郎の言葉がどんな意味を持つのかも思考できている。ただ彼から目が離せず、汗が頬を滴り、体が熱くなるのを感じ取った。彼の言葉が入り込み、ビクンッと腰が震える。
この半月ほど狗郎と接してきた中でここまでなったのは初めてだ。吐息が甘くなり、火照って頬が紅潮した。
「あの日、俺を助けてくれた日の君は美しかった。願われたからではなく、請われたからでもない。あの日の君は、自分の意思で誰かを救ってくれていたように見えた。その姿も君自身の、大切な一面なんだ」
「あ……んっ……狗、ろう……?」
狗郎の手がマリナの頬を撫でる。突然のことで振り払えず、寧ろ火照った頬には彼の大きく、少し冷たい手のひらが心地よい。この距離はマズいと頭で理解していても、心は狗郎のことを受け入れようとしている。
自分は壱馬が好きなはずなのに、と声を出そうとするが、ソレをかき消す様に、本当にそうなのか、と本能が訴えてくる。
「だからどうか、戦うことを辞めるとしても、誰かに言われたからじゃない。自分で決めたことだと、胸を張って顔を上げてくれ。そうしなければ、君は一生救われない」
早鐘を打つ心音がうるさい。だがそれよりも、狗郎の言葉が強く響いた。思考がクリアになり、言葉の意味を脳内で反芻するマリナは、その選択が果たして自分のモノだったのかと問い直している。自分の始まりを、自分の根源を覗こうとした時、部屋へと慌ただしく乱入してくる誰かがいた。
「てめぇ、何やってやがる!」
入ってきた人物は荒々しい声を上げながら拳を振るい、マリナと影を合わせようとしていた狗郎を殴り飛ばした。勢いよく放たれた拳は真っすぐ狗郎を捉えて身体を浮かせ、壁まで転がっていく。避けも受け身もしなかったせいで意外とダメージは大きかったようで、口元から血を流しながら顔を顰めている。
「く、くろう」
「この野郎、怪しいとは思ってたけど本当にクズだったのかよ! ぶっ飛ばしてやる!」
呻いている狗郎の胸ぐらをつかみあげ、再び握った拳を振るおうとしたのは、マリナが恋焦がれている
「狗郎、大丈夫!?うわっ、血出てるよ……ちょっと待って、冷やすの持ってくるから!」
「いや、平気だ。見た目が派手なだけで痛みはそこまでない」
「でも……」
「心配してくれて嬉しいが……話し合いは出来ないのか?」
駆け寄ってきたマリナに笑みを返した狗郎だったが、彼が見ているのは自分を殴り飛ばした相手、鼻息荒く拳を握っている壱馬だった。怒りで目が曇っているのか、それとも正義の鉄槌を降したことに気分を良くしているのか、言葉をまともに交わせるとは思えない状態だった。
「何してんだよ会長! そんな変態野郎から離れてこっちに来てくれ!」
「壱馬くん落ち着いて、私と狗郎は話をしてただけで」
「いいから黙ってこっちに来い! あとは俺が何とかしてやるから!」
「だ、だから話を、ッ!」
壱馬の端正な顔立ちが怒りで歪み、マリナの腕を取って自分の方へと掴み上げようとする。ギリリと力がこもり、血流が止まるほど強く捩じり上げられた状態だ。振りほどき受け流そうと思えばできただろうが、気が動転していた今のマリナではそれも難しい。
「やめろ竜城。女性は手荒に扱うべきじゃあない」
「っ、てめえどの口が言ってやがる! 会長に何を吹き込んでやがった!」
立ち上がった狗郎が壱馬の腕を掴み、離させる。マリナと壱馬の間に狗郎が割って入る形だ。その仕草からは淀みや躊躇いは除外されており、守ることに馴れた動きをしている。滴った血を拭う姿は何処か様になっており、凄みを纏っているように見えた。
「俺はただ、マリナに悔いの無い選択をして欲しいだけだ。少なくともいまの彼女は納得出来ているようには見えなかったからな」
「お前に会長の何が分かるってんだ! 会長は戦いたくないんだから、男が守ってやらなきゃいけないだろうが! お前の考えを押し付けんじゃねぇ!」
「その通りだ。誰の考えも言葉も押し付けてはいけない。全ての決定権は本人にしかない。お前もそれを理解しているのか?」
「何が言いたいんだよ手前は……!」
まるで対極にいる二人だった。狗郎は落ち着き払って言葉を受け止め、壱馬は声を荒げていきり立っている。部屋に剣呑な空気が溜まっていき、得物さえあれば今すぐにでも斬り合いを始めそうなほどだった。一触即発という空気の中で、先に動いたのは別の一人だった。
「壱馬くん、落ち着いてよ。狗郎にはなにもされてないし、ただ話し合ってただけだから。今日はとりあえず」
「だから信用できないって言ってんだよ! こんなロクでもない奴と話すなんて、会長もどうかしてるんじゃ」
「竜城壱馬訓練生」
穏やかで優しいマリナの声に、張り詰めたような鋭さが宿った。遮ってくる壱馬を一瞥し、刃のような眼光で言葉を切り捨てる。その声音は冷たく、思わず狗郎ですらも息を呑んで黙り込んでしまうほどの迫力を纏っていた。
「少なくとも、いまこの段階では貴方のほうが碌でもないよ。突然部屋に入ってきて暴力を振るってるわけだからね」
「そ、それは……」
「私の話も聞かず、声を荒げるだけで意見の正当性もない。そんな人より、話し合いの手段を取ってくれた狗郎の方がずっと信用できる。少なくとも今はね」
矢継ぎ早に畳みかけるマリナに、一つたりとも言い返すことが出来ず黙り込む。今の壱馬から見た彼女は、一か月と少しほど前に出会ったころに逆戻りしているような印象だ。冷たく、淡々と、必要な言葉だけを告げるマリナ・シードフィールドに、何も言えず後退ってしまう。
「……今日はもう帰って。お願い」
「っ……わ、かりました」
もうここまで来れば食い下がることすら出来ない。舌打ちしそうになるのをこらえ、壱馬は部屋から出ていった。残されたマリナは、深い溜息と共に狗郎へと向き合って頬に手を添える。血が滴った頬は痛々しく腫れあがっており、添えられた手を狗郎が取った。
「すまない、マリナ。君に想い人と仲違いさせるつもりはなかったんだ」
「……別にいいよ。さすがに今のは、良くないことだって解ってたから」
好きな相手を邪険にして、心配してくれていたのを追い返したのだから、やってしまった、どうしようかと悩むことになるかと思っていた。だが、不思議とマリナの心は落ち着いている。むしろ思考に纏わりついていた靄が消えて、ずっとスッキリとしたものになっていた。
盲目だった視界が開けたような感覚だ。
「ねぇ、狗郎。私はどうしたらいいかな?」
それは最後の問いかけだった。
きっと彼女はこの答えによって自らの進む道を決めてしまうのだろう。
だからこそ、狗郎は心からの言葉を口にした。
「それは、君が独りで決めることだ」
突き放すような、しかし優しさと信頼を持った言葉を受け止めたマリナは、一つ、二つと息を吐いて思考の渦へと飲み込まれていく。
接敵まで、あと一日
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民間魔鍵師機関N・T・R。総勢数千名から成るこの戦闘機関は、規模だけを他社と比べればそこまで大きなものではない。例えば業界内でトップクラスの実績を上げている民間魔鍵師機関グリムノーツの所属魔鍵師はB級魔鍵師だけでも五千名を超えると言う層の厚さを誇っている。
しかしながら、だからと言って。
そこに所属している魔鍵師たちが劣っているというわけでは決してない。
「N・T・Rに所属する魔鍵師のみんな、あの獣畜生の群れが見えるかしら。私たちの城に近寄ってくる、不遜で下劣な獣たちの姿が」
最前線、数千名の魔鍵師を引き連れながら、テレパシー機能を使って千空の演説は始まった。彼女が身に纏っているのは、仮想戦闘態になることで纏うピッタリとした競泳水着に似た黒のボディスーツだ。
メートル越えの爆乳と安産型という言葉では言い表せないような爆尻、そして細く引き締まった括れのラインがハッキリと浮きだたされ、しなやかな腕と、肉厚な長い脚には流麗な甲冑が纏われている。
「奴らに意思は無いわ。ただ踏み荒らし、喰い漁り、蹂躙することしか小さい脳味噌には詰まって無いのよ。まだ生まれたての子供の方が分別があるかもしれないわね」
爆乳を持ち上げる様に腕を組んだ千空がおどけるような口調で語る。そこで僅かな笑いが流れ、緊張感を失わない中でも安心感が流れていった。
もうすぐで数万の変異体と接敵すると言うのに穏やかだ。目視できる限りでは様々な種類、四足歩行のモノから鳥類に類するようなモノ、少し目を凝らせば巨人型のものまで見ることが出来る。
それらを見ても、誰一人怯えたような態度をとったものはいない。魔鍵による強制帰還の恩恵があるのも一つの要因だが、最も大きな理由は彼ら彼女らの自分と仲間に対する信頼によるものだ。
「けれど、その程度の獣どもが何匹来ようと関係ないわ。N・T・Rがやるべきことは
千空が腰に下げていた身の丈近くの大太刀を引き抜き、左右に振るって銀色の剣閃を描く。その切っ先が変異体の群れへと向けられれば、N・T・Rの魔鍵師たちが戦闘態勢に入る。
千人単位の部隊が数部隊、それを取りまとめる指揮官級が数名、そして全体の指揮を取る千空に就くのが十名ほど。その中には、二尺八寸の打刀を構える狗郎の姿もあった。
「さぁ、N・T・Rの諸君、状況開始――!!!!」
千空が火蓋を切ると共に真っすぐ、ただ真っすぐ駆け抜けていった。それに続いて数千名の魔鍵師もかけていくが、彼女に追い付くことは出来ない。少しずつ、少しずつだがハッキリと距離が開いていき、一番槍の誉れを長である千空自身が手に入れようとしていた。
「ッ、あら、頑張るわね」
「そいつはどうも」
だが一人、彼女と並んでかけてくる黒い影があった。鋼色の打刀を引き抜き、殆ど地面と平行になるほど身体を前に倒して駆ける彼、狗郎は特別に千空の部隊へと入れた一人だ。同じく同部隊である千空の弟は未だ後方で走っていると考えると、彼が持つポテンシャルの高さに楽しくなってしまう。
「それじゃあ、行こうかしら」
「ああ、喜んで」
二人が口元に笑みを浮かべながら刃を構える。
黒と銀の剣閃が、変異体たちの群れへと滑り込み、一秒に数十合の斬撃を浴びせて刈り取っていった。
千空が背を向ければ、そこに狗郎が滑り込んで獣を討ち取り、狗郎に隙が出来れば千空が刃を振るって獣を斬り伏せる。
誰もが驚き、目を疑った。今まで千空に追い付き、その剣舞に合わせることが出来るものなど一人もいなかったのだから。
状況開始から僅かに数秒。
既に流れは、変異体の群れではなくN・T・Rのモノへとなっていた。
長くなりすぎたので次回に続きます。
なんでこうなったんだ……
ちなみに、後列から駆け抜けて一番乗り決める奴はアベンジャーズのアレをイメージしました。