【期間限定】魔鍵師育成学校N・T・R~爆乳美女たちを寝取ってハーレムを築く〜(未完) 作:ハルカ
世は正に黄金の1週間ですが、このハルカさんには夢があるのであまり関係はないです。
「それで、魔鍵師になるって決めたきっかけは何かしら?」
「ん? ああ、切っ掛けかぁ……」
書類手続きをしている狗郎に声をかけたのは、同じ室内で別の書類を片付けている千空だった。マリナもシルビィもあの後に合流し、壱馬達と共に何処かへと行ってしまった。そこで狗郎は、彼女たちと別れた後、千空に連れられてN・T・Rへの所属手続きを始めていた。
「もしかして、うちの壱馬がモテモテなのに嫉妬しちゃった、とかなのかしら?」
「……そうだな。それが無いとは言わない」
千空の軽口に、狗郎は少し考えこんでから真面目に返答をした。竜城壱馬のような、他人の好意を踏みにじる類の人間に何人もの美少女が、マリナやシルビィのような強く気高い彼女たちが惚れこんでいる。そんな事実に僅かな憤りを感じたのは間違いない。
だが当然ながら魔鍵師になる決意を指せたのは、それだけではなかった。
「主な理由としては、罪悪感だな」
口元にニヒルな笑みを浮かべながら言う狗郎に、千空はキョトンとした顔をしながら首を傾げる。大人の色香を纏っている成熟した美女がする可愛らしい仕草だ。見惚れてしまい、男としての欲求に駆られそうになるほどの魅力がある。
「俺がそれなりに戦えることは理解できた。そんな人間が動かなかったら、何もしていなかったら。そう考えるとどうにも気分が良くないだろう」
千空の魅力に負けず、罪悪感の意味を説明していく。その間も書類を片付けていく手は止めない。自分が誰か理解できないことと、親類縁者がいるかどうかも分からないことを改めて理解していくが、だとしても狗郎自身の性根が変化していくわけではない。
「罪悪感に囚われたまま何もせず、誰かが不幸に見舞われたら。それはきっと俺のせいだと思う」
大いなる力には、大いなる責任が伴う。
かすかに残った記憶の欠片が、それを狗郎に強く訴えてくる。忘れるなと纏わりつき、泥沼へと引きづり込もうとしてくる。これを背負っては、きっと崩れてしまうと理解していながらも、狗郎は目を背けることが出来ずにいた。
「だから、自分が前に出るってこと? 世界の平和を守るために?」
「まあ、そうだな……誰かのためになりたい……んだと、おもう」
月並みな感想だった。千空も少し茶化す意味合いと共に言ったというのに、大真面目に考えこんだ狗郎に面食らってしまう。この時代は誰かの為よりも自分のために生きた方が圧倒的に楽で分かりやすい。それが記憶も保証も無いのならば猶更だ。
だが彼は、大真面目に誰かのために何かをしたいと言っている。そんなことが出来る人間が、一体どれだけいるのだろうか。そう千空が彼の横顔を見つめていると、やがて書類を片付け終わったのだろうか立ち上がって近づいてくる。
「だから、どうかよろしくお願いするよ。千空社長」
口元にニヒルな笑みを浮かべた狗郎から差し出された書類に目を通す。しかしながら、千空の思考は狗郎という人間への興味で満ちていた。
何をどうしたら彼のような存在が生まれてきたのか。記憶を失くしたと言うのに、どうして高潔な精神を失わずにいられたのか。
「……ええ、そうね。これからよろしく、狗郎くん」
出来ることならば、近くで彼の行く末を見ていきたい。
そんな欲求が千空の中に生まれていたことに、未だ誰一人として気が付いていなかった。
「そういえば、弟君のことだが……」
「え? ああ、いいのよ。少し気が短いところがあるから。むしろごめんなさいね」
「いや、だとしても全体的に無礼を働いたのは俺だ。部隊の彼女たちにも、彼にもきちんと謝罪をしておきたい」
真面目な男だと、千空は改めて笑を零してしまった。逆に壱馬に怒りを覚えても不思議ではないような対応だったとも思えるが、どうやら狗郎は怒らせた自分に原因があると考えたようだ。
「少なくとも、あの場で聞くべきことてはなかった。そこだけは謝罪しておきたい」
「そうねぇ……」
正直、千空としても壱馬は弟だから甘やかしたい気持ちはある。だが、今回は少しだけ話が違う。
罪悪感を抱いている本人が、記憶喪失であるという不安に苛まれているという事実が、神裂狗郎の本質を揺るがしているように見えるのだ。
過剰に行いを後悔し、揺れ動いた青少年を責めるほど、千空は大人げなくはなかった。
「それじゃあ、今度あの子たちと魔鍵遺跡の調査にでも行ってもらおうかしら。そこでお話して、仲良くなれたらいいんじゃない?」
「……ああ、感謝するよ」
安心したかのように狗郎が笑う。彼自身は気がついていないのだろう。きっと千空以外に気が付いている人はいない。
多くの生徒たちを見てきた彼女だからこそ、数時間という短い期間で気がついたことだ。
神裂狗郎は、不安定すぎる存在なのだと。
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寮生活が義務付けられているのは、会社に属することが前提で訓練校に在籍するからだろう。清潔感の溢れる建物は、つい先ほどまで狗郎がいた訓練施設に併設されており、何名かの青少年たちとすれ違っていく。今の狗郎が着ている制服と同系統のモノを着ており、楽し気に学友同士で会話をしている。
その中から、いくつかの視線が彼へと突き刺さっていた。恐らく個人ランク戦で行ったシルビィとの戦闘を見ていたものたちか、話を聞いたものたちだろう。敵意にも似た好奇の視線に晒されむず痒さに千空から渡された荷物を抱えなおす。
「俺の部屋は……ここか?」
宛がわれた部屋には既に誰かがいるようで、相部屋になることが確定している。つい先ほど同性の相手と揉めたばかりだ。今度こそ上手くいくことを願っていると、ようやくその部屋へと辿り着いた。襟を正し、咳払いと共に友好的な雰囲気を作り出していく。
出来ることならば、これ以上敵を作ることは避けたいのだから。
「すまない、今日から同室になったものだ。開けてもらえるだろうか?」
ノックをして声をかけるが返事はない。人がいる気配はあるのだが、ドアを開けようとする音も聞こえてこなかった。なんとも言えないいたたまれなさと、先ほどよりも強くなった視線の強さに居心地の悪さを覚えながら再びノックするが、やはり返答は返ってこなかった。
どうしたものか、と不意にドアノブへと手をかけたとき、鍵がかかっていないことに気が付く。
「……いや、よくない。良くないに決まっている」
勝手に、了承も得ないで部屋に入るなど許されるわけがない。ではどうすれば良いのだろうか、と少し考えこむが、依然として打開策が浮かび上がってくる気配は一切ない。少しずつ少しずつ時間が過ぎていくと、ドタバタと室内から誰かが駆け寄ってくる音が聞こえてきた。
「ごねんね、ちょっと今シャワー浴びてた……ところ、で……」
「あ……」
ドアが開かれ、ふわりと甘い香りが漂ってきた。シャンプーとシャワーの混ざりあったソレの発生源は、狗郎よりも少し背の低い美少女。髪を下ろしているから少し分かりにくいが、その清廉で優しげな美貌に加えて、ダプン♡と弾む爆乳を持った肉感的な肢体は見間違えるわけもない。
「マリナ……なぜ、ここに?」
間抜けな声を漏らしながらも、狗郎の視線は部屋から出てきたマリナから離れず凝視している。出会った時に着ていたボディスーツは、彼女の肉感的で凹凸の激しい肢体を強調してくるものだった。
それが今は、湯気と汗で濡れたむっちり♡とした肢体をワイシャツにショーツ一枚という無防備さの塊のような恰好をしている。
「そ、それはこっちの台詞だよ!」
声を荒げたせいだろう。胸元を大きく開け、汗が滴る深い谷間から熱を立ち込めさせながら爆乳がダプン♡と揺れる。それを隠して周囲の視線に気がついたマリナは、頬を真っ赤にしながら拳を握る。
これは間違いなく殴り倒されても文句は言えない。甘んじて裁きを受けようと目を瞑った狗郎だったが、その瞬間はいつまで経っても訪れない。
「っ……着替えるから、話はそれからにして」
「わ、分かった。すまない」
フルフルと肩を震わせたマリナがドアを閉める。まさか相部屋の人間が女性だったとは思えなかった。まだマリナだったからマシ……いや、出会い方からして良くないのだからそうとも言えないか。
そんな悲観的なことを考えながらも、マリナという好意を向けた相手が同室ということに安堵し、彼女のあられもない姿を見て股間部は隆起している。
「お待たせ。入っていいよ……って、変なものを見せないでくれるかな!」
「いやすまない。正直今回に限って言えばどうにかしたいんだが……」
制服に着替えた彼女に促されて部屋に入る。荷物で前身を隠せば隆起した股間部は見えなくなるが、だとしても気まずい空気に変わりはない。つい先ほどまで口説いていた時とは違い、事故とは言え彼女の柔肌を見てしまっているのだから。
「で、どうして私の部屋に? まさか、後を付けてきた……わけじゃ、ないみたいだね」
「ああ、千空さんに言われてな。恐らくだが、顔見知りの方が良いと思ったんだろう」
「……そっか、壱馬くんとも揉めたんだってね。良くないよ、弟くん呼びなんて」
「反省しているさ……そうか、君の想い人は彼だったか」
そう言われ、ビクリとマリナは身体を震わせる。
美貌と呼ぶに相応しいマリナの頬が赤く染まっている。そんな様も可愛らしいが、僅かに不安や心配という感情が狗郎の中に浮かびあがっていた。竜城壱馬という男の本質は、端的に言ってしまえば悪性に近い。あくまで狗郎の主観なため口には出せないが、退いて良いのかと疑問符が脳裏に浮かぶ。
「なぁ、マリナ。彼のどういう所を好きになったんだ?」
「え、あ、いや、その……私は別に壱馬くんのことが好きなんてわけじゃなくてね、ただ気になるっていうか、その、えっと……」
「悪いが、俺はそこらへんには聡い方らしくてな。好ましく思っている相手なら猶更だ」
まるで幼い少女のように狼狽え、頬を真っ赤にしながら瞳を右往左往させるマリナ。それを見るだけでもどこか危うさを感じるが、ゆっくりと呼吸を整えていってベッドに腰かけた。視線は未だに合わず、タイツを履いた肉厚な太腿の上でもじもじと指を絡ませている。
「なんて、いうか……私が戦わなくてもいいって、強さとか見た目よりも、本当の私を見てくれたから……かな?」
「それは……なるほど」
ふむ、と狗郎が一つ頷く。荷物を置いてマリナが座っているモノとは別のベッドに腰かけ、ゆっくりと彼女がいった言葉を脳内で反芻していた。彼女が恋心を抱くきっかけとなった言葉がどういう意味を持つのか、ゆったりとした思考で精査していく。
「マリナは、戦うことが嫌いなのか?」
言葉を選んで問いかけた。戦わなくても良いと言われたから。それは彼女が戦うこと自体を忌避しているかのような言い方だったからだ。もちろん、その類に属する人間は数多いだろう。それを否定する理由は全くない。
だが、それならばどうしてマリナはここにいるのだろうか。
「そう、だね……親の言いつけで魔鍵師になって、鍛錬を積んでここにいるから……自分の意思じゃないのかも」
望まれたからここにいる。誰かに期待されたからここにいる。彼女の答えは記憶の片隅にある誰かと重なった。背負い、苦しみ、潰れていった誰かとよく似ている。ズキリと狗郎の心中に痛みが走った。
ああきっと、マリナ・シードフィールドという人間も、今の彼と同じように不安定なのだ。
「……なら、似た者同士だな」
「え?」
「いや、何でもない。とりあえずだ、同室の人間としてよろしく頼むよ。その生活の中で俺のことを好きになってもらえると嬉しい」
「……キミは本当に、変な人だね」
だがしかし、それとこれとは話が別だ。
壱馬にマリナを渡す気は無い。そんな決意と共に、民間魔鍵師機関N・T・Rでの生活が始まった。
やばいな……狗郎のキャラがぶれる……気をつけよう。