幼馴染みックス! 作:サイバーN
「はぁ…」
授業中、蘭はため息をつきながらボンヤリと外を眺めていた。先生が言っていることはまったく耳に入らず、ただ昨日の出来事で頭がいっぱいであった。なぜ蘭がそこまで悩んでいるのか、それは昨日にまで遡る…
〜昨日〜
蘭はひまりに借りた漫画を返すためにひまりの家に向かっていた。借りた本は最近話題の恋愛漫画でモカやつぐも絶賛していたものだ。興味はなかったがひまりに「とりあえず読んでみて!」と無理やり渡されたので一応読んでみると意外にもおもしろくハマってしまった。返すついでに続きも借りようかなと思っているといつの間にかひまりの家に着いてしまった。
インターホンを押して誰か出るのを待つが、数秒経っても誰も出てこない。もう一度押しても何も反応がなかった。また後日にしようと思い、引き返そうとするが何故かひまりの家の中が気になった。第六感が反応しているのだろうか?理由はわからないが気になって仕方がない。気づいたらドアノブに手がかかっていた。ドアに鍵はかかっておらず、すぐに家の中に入ることができた。
家の中は昔から特に変わっておらず、至って普通の感じだった。だが二階から変な音が聞こえており、蘭は泥棒か何かがいるのではと不審に思う。蘭は音を立てないように廊下を歩き、ゆっくりと階段を登り始めた。階段を登り終えて二階に着くと奥の部屋、ひまりの部屋から変な音が聞こえた。その部屋の前まで行くがまだしっかり聞き取ることができない。ドアに耳を当て、聞き耳をたてようとすると…
「あ、ふぁぁん! あそこが搔き回され…壊れちゃうぅ…!」
「ひまりっ! ひまりっ!」パンッパンッ
「あぁん! すっごいぃぃ!ひぅぅん!」
「…え?」
聞こえてきたのは喘ぎ声と肉体がぶつかりあう生々しい音。いやでも部屋の中で何をやっているかわかってしまう。声の主は昔からの幼馴染の〇〇とひまりだった。二人が恋人関係なのは知っていたが、ここまで関係が進んでいるとは全く知らなかった。
「くぅぅん...ひぐぅ...んん! いっ...あふぅぅぅん! 凄いよぉ!」
「もう出る…!良い…?」
やめろ。
「出してぇ♡ ビューって♡ ビューって♡」
「イクよ…!全部受け止めて…!!」
お願いやめて。
「んん…!! 来てぇ♡」
頼むから…!
初恋の人が奪われた。その事実は蘭にとって耐え難いものだった。胸がズキズキと痛みだし、思わず胃の中のものを吐き出しそうになる。手で口を覆い何とか耐えようとするも、吐き気は一向に収まらず胸の痛みはさらに痛くなるばかりであった。
「(嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!!)」
蘭は必死に扉の向こう側で起きているとこを必死に否定するが、そんな蘭の思いを嘲笑うように部屋から聞こえてくる音は一段と大きくなっていく。蘭は持ってた漫画を床に落とし、耳をふさいでその音が聞こえないところまで逃げるのであった…
〜回想終わり〜
「蘭!しっかりしろー!」
「え、ご、ごめん…」
昨日のことを思い出していると急に誰かから声をかけられた。顔をあげると幼馴染の巴が心配そうに蘭の方を見ていた。蘭は心配かけまいと無理に笑顔を作るが、どうしてもひきつってしまう。
「どうしたんだよ?そんなボーッとして?」
「い、いや何でもない…」
幼馴染の二人がヤッてたなんて言えるはずがなく、何とかはぐらかそうとする。巴は不審そうな顔をしつつも特に言及することなく、「そうか」と短く言うとスッと立ち上がった。
「早く飯食いに行こうぜ。みんなももう待ってるぞ?」
「わかった…」
そう言い、机の横にかけておいたお弁当を手に取り二人はいつも皆でご飯を食べている屋上に向かった。屋上までの長い階段を二段飛ばしで一気に駆け上がる。屋上に着くと既に何人か集まって食事をしているグループがちらほらいた。幼馴染たちがどこにいるか周りを見渡すと一番奥のところに集まっていた。
「二人共ー! こっちだよー!」
「早く〜モカちゃんお腹ペコペコ〜」
「ごめん待たせて…」
「よしっ皆揃ったね!それじゃあ皆で…」
「「「「「「いただきま~す!!」」」」」」
全員でいただきますをし、一斉に食べ始める。全員が美味しそうに食べている中、蘭だけはちびちびと自分のお弁当を食べていた。なぜなら先程考えていたことが頭から離れないからだ。そもそも悩みのタネである二人が目の前にいるので当然である。そんな蘭に気づいたつぐは不安そうに声をかけた。
「蘭ちゃん大丈夫? 具合でも悪いの?」
「そうなのか蘭? さっき教室でボーッとしてたのも具合が悪かったからか?」
「べ、別に大丈夫…」
「熱でもあんのか?」
〇〇は蘭のおでこに手を当て、熱を計ろうとする。急に〇〇の顔が近づき思わずドキッとしてしまうが、その瞬間〇〇とひまりがヤッている場面が脳裏に浮かんでしまい、思わず〇〇の手を払い除けてしまう。
「ら、蘭?」
「あ…。 ごめんあたし今日早退する。」
「え、ちょっと蘭!?」
蘭は食べかけの弁当を片付け、そそくさと行ってしまった。
「蘭…どうしちゃったの…?」
ひまりはそう呟くが誰も答えることはなかった…。
_______________________________
「はぁ…何やってんだろあたし…」
蘭はベットの上で横になりながらそう呟いた。いや嫌われたほうがよかったのかもしれない。そうすれば諦めもつくはずだから。お風呂に入ろうとベットから起きようとすると、急に電話がかかってきた。誰が電話をかけたのか確認せずにそのまま電話に出ると、聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
「もしもし?蘭?」
「〇〇…?なんで…?」
「なんでって…早退したんだろ?具合は?大丈夫なのか?」
電話をかけてきたのは〇〇だった。電話してきたことに驚きつつも、酷い態度をとったのにも関わらず電話して心配してくれる〇〇に蘭は嬉しさのあまり思わず笑みが溢れてしまった。
「うん…大丈夫かな…」
「そうか…じゃあ今日はゆっくり休んどけよ?皆には伝えておくから」
「あ…ちょっと待って…!」
「ん?どうした?」
「少し…聞きたいことが…あるんだけど…電話じゃ少しアレだから家まで来て欲しい…」
「えぇ?まぁいいけど…」
「うん…ありがと…」
そう言い、蘭は通話を切るとベットに座り、〇〇が来るの待つのであった。
「それで?聞きたいことって?」
数分後、蘭の家に着いた〇〇は目の前の蘭に質問した。異様なまでに落ち込んでいる蘭の姿に〇〇は何か重大な悩みがあるのではと不安になってくる。とりあえず〇〇は蘭が何か言うまで待つことにした。五分くらいたった後、ようやく蘭は口を開いた。
「…〇〇はさ、ひまりとヤッたの…?昨日…ひまりの部屋で…」
やばいバレた。○○は一瞬の内にそう感じ取った。汗がダラダラと出始め、心臓がバクバク鳴り続ける。頭をフル回転させ言い訳を考えようとするが何も思いつかず、口を閉じるしかなかった。そんな焦った姿の〇〇を見て、蘭は二人がヤッたことを確信してしまった。その瞬間、色んな感情が込み上げてきた。嫉妬、怒り、悲しみ…そんな負の感情が蘭の心を埋め尽くしてしまった。
「あ…えーとっ…これには…んむ!?」
〇〇が何か言おうとする前に蘭は〇〇に覆いかぶさり、口づけをする。
「んんっ…はむっ……」
「ちょ、蘭……んちゅ…」
蘭は無理やり舌を〇〇の口の中で暴れさせ、お互いの舌を絡め合わせる。蘭を押しのけようとする手をしっかり握りしめ、さらに体を覆いかぶさられているのでなかなか逃げることができずにいた。
「ふ、んんっ…ちゅ、うっ…んっ!」
お互いの舌が一つになりそうになるくらいにまで蘭は舌を口内を蹂躙させる。〇〇は戸惑いや驚きの感情があったが濃厚なキスによってそのような感情が吸われたのか、今はもう快楽だけが残っていた。数十秒後、蘭はようやく口づけを止めるとどちらのものか分からなくなった唾液が○○の顔にこぼれた。
「ねぇ○○、聞いてほしいの。あたし、○○のことが好き。大好きなの」
蘭は今まで見せたことのないその顔に思わず○○はドキッとしてしまう。
「だから...あたしがどれくらい本気かわかってほしい」