※この作品はR-18です。

「居眠り磐音艶記゛」   作:松友 清司

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居眠り磐音艶記゛:第十七巻 紅椿ノ谷 第三章 冥加樽の怪 189ページ

磐音とおこん:居眠り磐音江戸双紙 第十七巻 紅椿ノ谷 第三章 冥加樽の怪 189ページに挿入

 

 

P188

おこんがそのことを案じた。

「なあに昼餉が遅かったから、腹も空いておらぬ。

それよりおこんさん、腹も空いたろう」

「ごめんなさいね、お父っつあんと一緒に食べたの」

と答えたおこんが、

「今、お酒の仕度をするわ。私のを食べて」

いつものおこんに戻ったようにてきばきと働き始めた。

その夜、三人は酒を酌み交わしたが、おこんの話は一度も出なかった。

磐音がロ火を切って、佐々木道場を見舞った冥加樽の盗難の一件をおこんに話した。

「玲圓先生もご心配ね」

「なにしろ道場改築を決断なされ、今津屋どののご好意の三百両で目処が立った

矢先のことだからな」

「それにしても、被害に遭われたお屋敷に詫びに行かれた玲圓先生がかえって激励されるとは、

先生の人徳ですな」

由蔵が言う。

 

P189

「先祖代々、佐々木家が神保小路で近所付き合いを大切にしてこられた賜物<たまもの>です」

「いかにも」

磐音一人が遅いタ餉を食して階段下の小部屋で眠りに就いたのだ。

布団を敷きのべてくれたおこんが、

「ごめんなさい、心配かけて」

と詫びた。

「そなたとそれがしの間だ、詫びの言葉など要らぬ」

おこんが磐音の顔を見て小さく頷く。

「ゆっくりと休まれよ」

磐音が差し伸べた手をおこんがそっと握り返した。

 

 

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ここからが挿入部分です

 

 

磐音は おこんを引き寄せて 背中に手を回し しっかりと抱きしめた。

「あっ」

おこんは 小さな声をあげたが 自分も 磐音の背中に手を回し 磐音の胸に 顔を埋めた。

しばらく 顔を胸に置いていたおこんが 磐音から少し体を離し 磐音を見上げた。

「どういたした おこんさん 眼に涙を溜めたりして」

磐音は おこんを見下ろし 驚いたように おこんに尋ねた。

「磐音様に 優しくされると こんは 胸がいっぱいになって うれしくなって 切なくなって、・・・、泣きたくなります。」

磐音は おこんの眼を そっと 親指で撫でて 涙を拭い取った。

「おこんさんに 泣かれるのは 困る。

 明るいおこんさんの方がよい。

 とはいえ 無理に明るくしているのを 見るのもつらい。

 とにかく おこんさんには それがしがいることを 知っておいてほしい。」

「ええ 十分知っているわ。

 ありがとう。」

おこんは スッと 背伸びをすると 磐音の唇に 自分の唇を 軽く触れさせた。

一瞬のことだった。

磐音もまた おこんの唇に 自分の唇を重ねた。

少し長い 口づけだった。

「もう遅い ゆっくりと休まれよ。」

「はい 磐音様も。

 あの〜 こんが 後ろを向いたら 今一度 抱きしめてくださいますか?

 後ろから しっかりと。」

「よいのか?」

「そなたとそれがしの間だ、断りの言葉など要らぬ。」

おこんは 最前磐音に言われた言葉に似せて にっこりとしながら おどけたようにいい 部屋を出るために 後ろ向きになった。

磐音は おこんを しっかりと抱きしめた。

おこんは おこんの体に回された 磐音の腕を握りしめていた。  

「ありがとう。

 お休みなさい。」

おこんは そっと 磐音の腕をほどき 部屋を出ていった。

磐音は おこんを 愛おしい と思った。

下腹部が 力を付けているに 苦笑し 深いため息をついた。

おこんもまた 磐音に抱きしめられた時 下腹部が濡れていくのを感じ 切ない思いをしていた。  

 

 

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ ここまでが挿入部分です

 

 

宮戸川の鰻割き<うなぎさき>がそろそろ終わりの刻限、鉄五郎親方に伴われて

竹蔵親分が姿を見せた。

「分かったところまでご報告にめえりやした」

という竹蔵の言葉に鉄五郎が、

 

 

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