星たま☆放課後制服デート ~手〇きカラオケバトル~ 作:ナルキケーネ(ハーメルン支店)
星川サラに「好き」と言ったら、思った以上に好かれて……いろいろあって付き合うことになった少年、犬山たまき。
チャームポイントは、野性味たっぷりに輝く男らしい犬歯と、愛らしさを詰め込んだふりふりの尻尾。そして、頭に乗ったフカフカの制御装置であった。
男の娘である彼は、いつも通り女子の制服に身を包んだまま学園生活を送っていた。真面目に授業を聞いたと思えば奇行を重ね、すぐ傍で見守る妹のなんとも言えない視線に晒されることを日常としていた。
ある日の放課後。別のクラスで陽キャ全開にしていた、ギャルっぽさ満載の星川をデートに誘った。
「それでさぁ、あれがマジで臭くてさ~」
「おーい、星川ぁ~。今からボクとデート行かねぇ?(イケボ)」
「えっ、行くいくーッ!! ねえたまきくん、どこまでイく? どこでイきたい? えーっ、超楽しみなんだけど!! パンツ履き替えてこよっと!!」
「イくの意味合い変わってんじゃねえか。脳内ピンクすぎるだろ」
「ちなみに今日イッた? ひとりでチンコいじって精液ぴゅーってデキた?」
「イくワケねーだろ! 学校をなんだと思ってんだ!?」
「……遊ぶ場所?」
星川は目をまんまるにして、キョトンとしながら大真面目に答えた。
「ごめん、振っておいてなんだけどボクもわかんねえや!」
「あはははははっ!! バカ丸出しじゃん!えー、そういうところも超かわいい! めっちゃ好き!」
「オメーにもブーメランがブッ刺さってんじゃねえか!! 今日も最高にかわいいよ星川ァ!」
星川が話をしていた陽キャ友達に茶化されつつ、ふたりは抱き合って愛を確かめるのだった。
――――――
それから流れるように、居る意味がわからなくなった学校から離れることにした。離れていた下駄箱から靴を出し、トントンと足音を揃えて肩を並べた。
「じゃ、帰ろっか」
「うん」
「たまきくん、行きたい場所ある?」
「んー……特にない、かな? 星川は?」
「そうだねー……たまきくんの隣に行きたいかも」
「もう居るじゃねえか」
特に行くアテもなく、夕焼け色に染まる帰り道を並んで歩いていく。他愛のない話をしながら、通学路の横を忙しなく通る車に追い抜かれることも気にせずに……ゆっくりと、ちょっとだけ甘ったるい時間を共有していた。
なかなか変わらない信号を待つ時間も。会話に詰まってスマホを出して、「そういえばさぁ」と話のタネを思い出す空気感も。何もかもが、温かさに満ちていた。
「でもさぁ……なんか珍しくない?」
「なにが?」
「さっきのこと。普段のたまきくん……相手が誰かと話してたら、あんまり割り込んでこなくね?」
「……星川がかわいいからだよ(イケボ)」
「あ、そういうのいいんで。何かあったの? 星川でよければ悩みとかゼンゼン聞くよ?」
「いや、べつにそういうんじゃないけど……でも、そうだなぁ……。とにかく、星川に声を掛けたかったんだよな、うん」
「ふんふん? それで?」
「それで……って……えー、強いて言うなら……星川と早くおしゃべりしたかっただけ、かも?」
「……狙ってる? 星川をキュンってさせたいだけ?」
「な、何がだよ……星川がツッコんできたから、真面目に答えただけだろーが」
たまきはバツが悪そうに視線を逸らして、甘えるように手を差し出した。
星川の金髪が煌めきながら揺れ、たまきの尻尾と制御装置がフサフサと動いていた……そんな温かい時の流れが、少しだけスピードを落とした。
ふたつの心の揺らめきに生まれた刹那。心音の高鳴りを感じた星川は、唇をゆるく結んで……くすりと笑った。
美男美女で、意外とお似合いな影が――手を繋ぎ合ってひとつになる。
「えへへ……たまきくん、手ぇちっちゃいよね」
「そ、そう? 手の大きさで困ったことがないから気にしてなかったな……星川はデッカイ方が好きなの?」
「大丈夫だよ♪ たまきくんのチンコはでかいから」
星川は、とてもいい顔でそう続けた。温かくて甘い空気が、生ぬるくて臭みのあるものに変わっていた。
「頼むからボクと会話してくれ、そんな心配は1ミリもしてねぇんだよ。ボクは思慮深いだけで、べつに杞憂民じゃないんだよ」
「……んー……でも、星川はもっと大きい方が好きなんだよね。おとといのチンコはめっちゃでっかくて、入れるだけでアヘってたから……」
「……ぇっ……う、嘘でもグサるからやめてくんない? そもそもおとといって、ボクとクレープ食べてた日だろ……?」
「あ、そっか……たまきくんはそこまでしか知らないんだよね」
「そこまでって……あれ……? そういえば、あの日……いっつもボクを引き留める星川が、珍しく早めに帰ったような…………えっ?」
「ごめんね。『事実は人を傷付ける』ってよく言いますよね」
「……お前……ボク相手でアヘったことないよな……?」
「……たまきくんのこと、好きだけど…………ね……?」
星川が、申し訳なさそうに苦笑する。空いていた手で、親指を人差し指と中指の穴に突き入れて……スコスコと暗喩した。
「ねえ待って、ホントにヤバいからそれ……! ボクの星川が……ボクの星川が、NTRれてるんですか……!?」
「大丈夫、セフレだったから☆」
「そ、そっかぁ、セフレなら大丈夫かぁ~…………はぁ~っ……!! ボクの息子がムシキ〇グで負けたぁ……!!」
「いや嘘だよ、カレシ君なんだから信じちゃダメだろ。あと竿の見せ合いをムシキ〇グって言うのもアカンし」
うぷぷ、と口元を押さえて笑った星川に、してやられたたまきが歯ぎしりをする。
「……くっそぉ……星川のエロい冗談のライン、わっかんねぇよぉ……!! それさぁ、この前エッチな漫画で見たシチュだったもん……!!」
「ぅやははははははっ!! それ見た見た、めっちゃエロかったヤツ!! ハメ撮り見せられてるおじさんホントにかわいそうだったんだけど!!」
「くぅ……! おじさん、あんな気持ちだったんだね……ボクも今わかったよ……。つらいね、推しをチンコで取られるのって……鬱勃起しそうだった……」
「ちょっと目覚めかけてんの笑える!! いいね、今度ホントにヤッてみよっか?」
「冗談でもやめてくれ!! ボクはたしかに浮気性と言われますが……浮気されるのは無理なんだ……!!」
「めんどくさっ!! でもいいよ、イメージ以上に重たいのがたまきくんだもんね♪」
精神的ダメージを負ったたまきだったが……快活に笑った星川が、手を握る力をそっと強めて、求めるように指を絡め合う。
「ごめんね、からかって……星川のこと、嫌いになった?」
「……あ~……ッ……! ちくしょう、嫌いになれそうにねぇ……星川ぁ、もっとギュってしてぇ……!」
「はいはいはい、いいよ、ぎゅーってしようねぇ。たまきくん、すぐにヘラるもんねぇ」
「うえーん……星川がイジメたから、星川に癒やしてもらう~……!」
「どっちもできるとか、星川万能すぎん? お得かよ」
「お得すぎるぅ……おっぱいもでっけ~……!! 柔らけぇ~……」
星川のナマイキに膨れ上がった胸元。抱きついて、そこに顔を突っ込んだたまきがうりうりと頬ずりをし……顔全体で瑞々しい触感を堪能した。
もちもちの頬で、それ以上にハリがあって柔らかい乳房の温もりに包まれる。顔を膨らみに押し付けると、果肉がぷるりとたわんで体温をとろけさせ、傷心の溝にとろりと薬を流し込んでくれた。
「……あれ? なんか、ワイヤーの感触しなくね?」
「今日ノンワイヤーだから。体育なかったし、たまきくんが盛る周期だし」
「ボクの発情タイミングを知ってるとか……へへ……気の利く彼女かよ……」
「そうだよ?」
「…………ちょっとぐらい、たじろげよ……強すぎるだろお前……」
たまきの尻尾がブンブンと揺れて、空いていた手が星川の腰を愛しげに抱く。
「……星川ぁ……おっぱい触っていい? こんな巨乳、揉まない方が失礼だしさ……」
「えー。ここ野外なんだけど」
「野外って言うなよ。その言葉のお尻にはセックスしか続かないんだが?」
「頭トロトロになってるなぁ……たまきくんらしくないボキャ貧具合だ……」
そう言う星川も、たまきに甘えられて口元のニヤニヤを抑えきれていなかった。
星川はラズベリーのような甘酸っぱさを口いっぱいに感じながら、周りを見渡す。自分たちと同じ下校中の生徒たちも居るうえに、生徒がアヤしいことをしていないか目を光らせていた。
「……触るぐらいならいいけど、我慢できる? いつも、おっぱい触ったらエグいぐらい勃起しちゃわない?」
「うぐぅ~……! 正直、我慢できる自信はない……スカートだから隠せないし、人生詰むだろうな……」
「……めっちゃ発情しちゃうの、まだ慣れないの? どんだけムラムラしてんの?」
「し、仕方ないだろ……! 星川に教え込まれたせいで、ボクの身体……エロいこと、知っちゃったんだから……!」
みるくに『たまき君の可愛いところ見たーい!』とせがまれ、ゆずるに『タクマくんに送ってみようよ~!はぁはぁ!』と楽しまれ……妹たちに、抱き枕カバー風のえっち写真を撮らされたときには、たまきはまだ知らなかった。
自分の身体が有していた、収納可能だった〝男の子要素〟が想像以上に大きく……可愛い見た目にそぐわない、バキバキの性衝動を抱えていたことを。
星川と付き合い始めて二週間、初めてのディープキスから一気に初体験まで至ったあの日――バキィン!と轟雷が鳴り、煮えたぎるマグマが脳を支配し――エグイ角度で反り立った聖剣が、ついに覚醒したのだ。
のちに、たまきの脱童貞について星川は語る。『チンコはでかくてイイかたちしてるけど、腰振りセックスはわりと下手だった』と。
それ以降、星川のメス具合を感じると、たまきは迸るパッションを抑えきれなくなってしまった。勃起は時間が経っても自然に治まる気配を見せない……星川にヌいてもらわないと、〝見せ槍スカート男〟から〝可愛らしい男の娘〟に戻れないのだ。
「ま、その責任はちゃんと取るつもりなんだけど……ぶっちゃけ、チンコのせいでイチャイチャしづらいよね」
「それはガチである。心身の不一致を凄まじく感じる今日この頃」
「付き合って半年……最低でも3日に1日はエッチしてるよね? どんだけ不慣れなんだよ」
星川のえっちカウントは『3日に1回』と言わないところがミソだった。たまきもそれを反省しつつ、冷静に分析する。
「……たぶんだけど、星川がエロすぎるんじゃね?」
「マジ? 星川めっちゃ罪な女だね☆」
「…………はー……そういうところが一番好きだぞ、星川。お前は最凶だよ、うん」
「知ってる。星川もわかってくれるたまきくんが一番大好きだよ♪」
胸元で甘えていたたまきの顔を上げさせて、星川は……唇に触れるだけのキスをする。
花弁が柔肌を撫でるように、ふわりと。青き春風が鼻先を吹き抜け、女の子の甘い香りをそよがせる。
「ん……ぁ…………ほし、かわ……」
「今は……これで我慢、ね? 星川も我慢するから」
燃える想いのままに舌を絡ませると、たまきの男の子スイッチが入ってしまうことはわかっていた。だからこそ、今ここで許される最大の愛情表現で想いを伝えた星川だった。
「そんじゃ、普通に放課後デートしにいこっか?」
「……ぁ、うん……」
ぽーっと頬をゆるませていたたまきの手を引いて、楽しそうに笑った星川が街の方へと歩いていく。
風に舞う金糸は細かくなびいて、夕焼けの煌めきすらも自分の魅力に変えていた。
――たまきの瞳に、世界の一番星が揺らめいた。