星たま☆放課後制服デート ~手〇きカラオケバトル~ 作:ナルキケーネ(ハーメルン支店)
――これは、後日のことである。
仕事を終えたみしろとのりお先生は、食事をとった後にカラオケ店へとやって来ていた。
「ふっふっふ。今日はバッチリ歌うつもりだったから、お気に入りの店のカードをたまきの財布からうばっ――貸してもらったんだよね!」
「なんだか不穏な単語が聞こえた気がしますが、みしろはあえてスルーさせていただこうかと。それで……たまきちゃんから貸してもらうというのはどういう意味ですか?」
「こっちの世界だと私があやふやな存在になるせいで、メンバーズカードとかいろいろなモノがたまき名義なんだよ。なんか口惜しいけどさ」
「ああ、それはまあ……しょうがないというか、なんというか……。あれ? でも、たまきちゃんのクレカってのりおママのですよね?」
「お金関係はネットバンキングとか使えるしな。基本は〝二次元〟と言う名のメタバースみたいなモンだしな、この世界って」
「メタいこと言わないでくださいよ。むしろですね、みしろ的には……のりおママが〝のりおママ〟としてこっちに来ていることが一番すごいことのような気もするのですが」
「それな。私が『二次元的な概念を得ている』ってことだもんな……はー、美人で17歳で得したなー」
「はい? あ、そうですね、ええ。うふふふふ♪」
「もっと感情込めて笑えよ」
「あら、御冗談を。みしろ、自分にできることを全力でやる主義ですよ? この愛想笑いで手一杯です♪」
「なんだと貴様この野郎……また同人誌を暴露されたいらしいな……? 以前は名誉のために伏せたが、私はお前が〇〇を××でぬちゃぬちゃに――」
「うそ!嘘です、冗談です!! 自慢とか自画自賛って、当たってる部分が多いと乗りづらいモノなんです!! わかって美人さん!!」
「……それもそうだな、私も自虐ネタの対処に迷うタイプだし。わりィな、みしろ」
「ああんもう素直!! これだからこの人憎めない!!」
「んへっ。私は、過ちと納得できないモノだけは見過ごさないタイプの人間だからな」
「……くすっ。あなたは昔から、ホントに変わりませんよね」
カウンターの前で雑談をするふたりの耳を、けたたましいエラー音がつんざいた。
「あ、お客様……申し訳ありませんが、当店はもうご利用になれませんね」
「ああ、部屋とか機種はどこでもだいじょ…………はぁ!? それ以前の問題!?」
「あ、これ出禁の文言ですね。みしろ知ってますよ」
「でっ、出禁だとぉ!? なんで私が!?」
「そう言われましても……私が担当ではなかったのでわかりませんが、前回のご来店でブラックリストに入ったようです。うちの系列はどこもアウトですね。申し訳ありませんが、どうぞお引き取りを」
「ねぇ、店員さんが無慈悲すぎるんだけど!? カラオケ自体久しぶりに来たぐらいだし、この店で何も悪いことしてねえだろ!?」
「いえ、相当悪いことをしたからブラックリストに入っているワケで……えーっと……なになに……? 『恋人とぬちゃぐちょに性行為をして部屋を汁まみれにした』と書いてありますね……へぇ……」
若い店員は興味深そうにのりお先生の顔を眺めた。
「その下品すぎる容疑で私を見るな!! 知らん知らん、マジで知らねえって!!!! なんかの間違いだろ……!?」
「……………………」
「みしろォ!!その痛そうな目をやめろォ!! その目をするのはショート動画だけで充分なんだよ!!」
「あ、あはは……わかってますよ、はい。女の子ですし、おつゆがちょっと多くなっちゃう日もありますよね。うふふ♪」
「シてねぇって!! 生臭い話と生温かい視線がキツイんだよ!! 違うんだよぉ……ホントに私じゃないんだってぇ……!!」
「……ま、まあ、普通に……メンバーズカードを共有しているたまきちゃんの仕業なのでは……? 最近、星川さんと……そのぉ……とても、お熱い仲みたいですし……?」
「それか!! くっそ~、たまきのヤツ~……!! あとで×××に〇〇〇突っ込んで身体中△△まみれにしてやる……!! お仕置きの時間だオラぁ!!」
「………………………………」
苦虫を噛み潰した顔で、「カエルの親はカエルなんだなぁ」とドン引きするみしろであった。
おわり