美少年ハーレムを作りたい!! ~モブおじだけど転生したらチート勇者でした。なので盗賊になって好き勝手に生きることにしました~ 作:とけそうだら
「ぐへへへっ! どうだ見たか、じーさんよ! これぞ我が新奥義! その名も『可愛い孫を人質に、じーちゃんをボコボコにする殺法』よ!」
ジュリアンを羽交い締めにした権蔵が、勝利を確信したように高らかに宣言した。
その下劣極まりない技名と、勝ち誇った笑いが、水を打ったように静まり返った謁見の間に不快に響き渡る。
勇者の名に値しない卑劣さに、誰もが言葉を失い、凍りついていた。
「わー、ご主人さま、すごーい! さっきまでご主人さまが手も足も出なかった、あんなに強いおじいさんを、こーんなカッコ悪い方法で脅しちゃうなんて! ぜんっぜん勇者っぽくないところが、逆に痺れますぅ~!♪」
声の主はカイト。
その瞳は純粋な好奇心でキラキラと輝き、まるで最高のエンターテイメントでも観ているかのように興奮冷めやらぬ様子だ。
「ふん、おだてるのはよせ、カイトよ! この『勇者』たるわしの戦術の妙は、ここにいるボンクラどもには理解し難いものだろうがな!」
頬を染めて得意げに胸を張る権蔵。
それを見てグレイも口元をわずかに綻ばせた。
「さすがは我が主、窮地にあってなお、相手の急所を見抜き、それを利用するとは。その並外れた洞察力に、このグレイ、感服いたしました」
照れ隠しする権蔵、無邪気に称える小柄なカイト、そして主の策謀を冷静に讃えるグレイ。
その異質な三位一体の姿は、静寂が支配する謁見の間にグロテスクなコントラストを描き出し、周囲はただ理解を超えた光景に立ち尽くすしかなかった。
そんな中、マキシムから絶望に絞り出されたかのような、嘆きの声が漏れた。
「や、やめてくれ……勇者殿……。そのような非道な真似は……! 頼む! この老いぼれの命など惜しくない! だから...この子だけは...! この子だけは助けてくれぬか……!」
歴戦の顔は苦悩で歪み、『剣聖』の輝きを失った瞳から涙が滲む。
彼の手にした武器だけが、内なる葛藤を映すように微かに震えていた。
権蔵は、孫の命乞いを必死にする哀れな剣聖の姿に、陰湿な喜びを覚えるかのように目を細め、相手の絶望を味わうように低く笑う。
「くくく……そうそう、そのツラが見たかったんじゃよ。苦しいか? 悔しいか? どうじゃ、これでもまだ抵抗する気か? おぬしの可愛い孫がどうなってもいいってのか? ほれ、選べよじーさん。国か、孫か。さあ、どっちが大事じゃ?」
権蔵はわざとジュリアンを抱える腕に力を込め、ぐい、と揺さぶってみせた。
その瞳は、相手の苦痛を蜜のように味わう、サディスティックな光に満ちている。
だが、その権蔵の腕の中で、ジュリアンが顔を上げ、震える声で、しかし決して屈しない強い光を宿した瞳で叫んだ。
「お祖父さまを辱めるな! 卑怯者め! それでも勇者か!」
涙で濡れた蒼い瞳が、悔しさに権蔵を強く睨みつける。
「おー、ジュリアンくん。そんな可愛い顔してプリプリ怒っちゃったのかな? 怖い怖い。でも、わかるぞぉ? おぬしのせいで、ご自慢のじーさんが手も足も出せねえってのは、さぞ悔しいだろうなあ? あー、実に気分がいい! さっきまで偉そうにわしに説教してた『剣聖』様が、今じゃわしの前でボケ老人みたいにプルプル震えてるだけなんだからなあ!」
「黙れ! この人でなし! 私を人質に取ろうが無駄だ! 私はオルレアヌ王国騎士団、レステンクール家の騎士! この身はとうに国と陛下に捧げている! 貴様のような外道の脅しに屈するものか! いつでもこの命、投げ出す覚悟はできている!」
そして、彼は祖父に向かって、悲痛なまでの決意を込めて叫ぶ。
「お祖父様! どうか、私などに構わず戦ってください! この国賊を、この私ごと、その聖なる槍で貫いてください! それこそが、王国の騎士としての、私の誉れにございます!」
「ジュリアン……おお、我が孫よ……」
マキシムは一瞬言葉を失い、天を仰いだ。
自らの命と引き換えに国を守ろうとする、孫のあまりにも気高い覚悟に、彼の心は激しく揺さぶられる。
「ううっ、よくぞ……よくぞ言った……! その気概、その覚悟、まさにレステンクール家の誇りそのものだ……!」
感極まり、その声は震え、その目には、熱いものが止めどなく込み上げていた。
ジュリアンとマキシムの悲壮なやり取りに、謁見の間の空気はさらに重くなる。
貴族たちの中には、その崇高さに小さく息を呑む者、あるいは権蔵への燃えるような憎悪を瞳に宿す者もいた。
卑怯者、外道、という囁き声が、次第に大きな非難のうねりとなって権蔵へと向けられる。
「ちっ、反吐が出るわい! くだらないお涙頂戴の三文芝居を見せおって! ……よかろう。そんなクソみたいな感傷に浸ってる、頭の悪いおぬしら全員に、もっと、もーっと面白い、極上の劇をこのわしが提供してやるわい」
その言葉は、これから起こるであろう更なる惨劇を予感させ、謁見の間を不吉な沈黙で満たした。
「さあ、ジュリアンよぉ。とびきり面白いことになるぞぉ? ここにいる王国のお偉いさんたちが、みーんな腹を抱えて愉快になるような、最高の劇が始まるんじゃからな」
ねっとりとした、悪意に満ちた声が響く。
その声に含まれた歪んだ愉悦に、ジュリアンは全身の血の気が引くのを感じた。
「な……貴様! その薄汚い手を離せ! 一体、何をする気だ!!」
「げへへ、そんなに怯えるでない。わしはただ、おぬしの可愛い顔の下に隠された、おぬしの恥ずかしい『本性』ってやつをぜーんぶ洗いざらい、ぶちまけてやるってだけじゃ! ここにいるお仲間の騎士たちや、おぬしの家族の前でな! 大したことじゃないじゃろ? げへへへへ……!」
「な、恥ずかしい『本性』ってまさか……! そ、そんな……! ちょ、やめろ! それだけは……! それだけは、駄目だ……!」
ジュリアンは顔面蒼白になり、全身をわなわなと震わせた。
権蔵が何を暴露しようとしているのか、その最悪の可能性に思い至り、彼の思考はパニックに陥る。
恐怖と絶望に彩られた瞳で、必死に懇願するように権蔵を見上げ、か細い声で「やめろ」と訴える。
だが、時すでに遅し。
権蔵は、その悲痛な懇願すらも、最高の娯楽のように嘲笑うかのように、抵抗する間すら与えなかった。
震える少年の唇に、有無を言わせぬ、深く激しい口づけを、まるで所有印を焼き付けるかのように、ねじ込む。
それは、少年の最後の抵抗を味わい、その尊厳を根こそぎ奪い去るかのような、あまりにも一方的な
「んんっ……! ふ、ぁ……! や、……め……! う、ぅ……!」
権蔵の舌が、ジュリアンの固く閉じられた唇をこじ開け、柔らかな口腔内へと滑るように侵入する。
少年は必死に身を捩り、顔を背け、舌を押し返そうとする。
だが、そのか弱い抵抗は赤子のそれのように虚しく、権蔵は構うことなく少年の甘い唾液を、まるで極上の蜜でも味わうかのように、ねっとりと味わい尽くした。
「勇者殿!? わしの孫に何を……! やめろ! その子から手を離さんか! 何をする気だ!!」
慌てふためくマキシムに、権蔵は勝ち誇った視線を投げかける。
「ぐふふ、じーさん、なにを慌てておるのじゃ? わしはただ、かわいいジュリアンとキスをしとるだけよ。ぐへへ……、ジュリアンの唇はぷるっぷるしてて、甘酸っぱくて、まるで果実みたいじゃわい! どうじゃあ、わしのキスの味は? 気持ちいいか? ん?」
権蔵は唇を離すと、今度は舌を伸ばして少年の頬をべろりと舐める。
そのおぞましい行為に少年は「ひいっ!」と悲鳴を上げた。
マキシムが困惑と怒りに表情を歪めるのを意にも介さず、権蔵は再び、見せつけるかのように、ジュリアンの唇へと吸い寄せた。
「じゅぷ……♡ じゅるるるる……♡ れる……♡ じゅぼぼぼぼ……♡」
今度は、より深く、より執拗に。
少年の尊厳を徹底的に蹂躙するかのような、一方的でねっとりとした熱い口づけに、少年はもはや抵抗する力すら失いかけていた。
「もうお止めくださいまし、権蔵様!? ジュリアンが苦しんでいます……! 男同士でそのようなことは不潔……男同士…………?」
それまで息を潜めて事の成り行きを見守っていたシャルロットが、ついに耐えかねたように、震える声で叫んだ。
その顔は血の気を失い、蝋人形のように青ざめている。
「いえ、まさか、都で囁かれていたあの忌まわしい噂は……でもっ、そんなことが!?」
勇者を心から敬愛し、信頼していた騎士として、どうしても信じたくはない。
しかし、目の前で展開される最悪の光景が、彼女の心を激しく掻き乱していた。
(そんなはずは……! 少年を誘拐し手籠めにしているという噂――権蔵様を貶めるための、悪意ある虚言のはず……ですが、目の前で行われているこれは…………)
権蔵は、なおもジュリアンの口内を蹂躙しながら、片目だけをゆっくりと開け、シャルロットに蛇のような不気味な微笑みを向けた。
「ぐふふ、純情なシャルちゃんはわしのことを誤解しておったようじゃのう。……よろしい、ならばはっきり教えてやろう。そうとも、わしはめちゃんこ強くてかっこいい勇者様。だがそれ以上に―――」
権蔵は天を仰ぎ見るように腕を高々と掲げ、満面の自信を湛えて言い放つ。
「三度の飯より美少年が好きな、エロいおっさんでもあるんじゃよ!」
ドーン!!
その宣言と同時に漫画の効果音のような音が、何処からともなく響き渡る。
すると、グレイとカイトが風のように権蔵の両脇に現れ、色とりどりの花びらを取り出すと、主役の登場を彩るかのように、権蔵の周囲に華やかに舞わせた。
「げへへへへ! ジュリアンが勇者の従者じゃと? 魔王を倒すためにわしの下で訓練? くくっ、笑わせるわい! こいつはなぁ、わしと毎晩のように“特別訓練”と称した濃密ぅ~な夜を過ごして、その
「な……なんですとぉ!?」
「そ、そんな……! 信じられませんわ……! あの高潔で
マキシムとシャルロットの表情が、絶望の闇に沈んでいく。
目の前で露わになる忌まわしい真実と、権蔵の吐露する言葉が、信じたくないという彼らの最後の望みさえも、容赦なく打ち砕いていった。
「ああ……あああああああっ!! に、偽勇者! この裏切り者! 口外しないと約束したはずだ! なぜ…! なぜ一番知られたくなかったお祖父様とお姉様に…!」
顔を朱に染め、涙と怒りに潤む瞳で、ジュリアンが絶叫する。
その言葉は皮肉にも、権蔵の醜聞が真実であり、自身の無力さを証明してしまっていた。
「約束? ああ、確かにそんな言葉を交わした気もするのう。だが、それがどうしたというのだ? おぬしは、とうにわしの『もの』であろうが。違うか? 『悪さをやめるなら、奴隷でもなんでもなってやる』と……ドルテナでそう言ったのは、おぬし自身ではないか?」
「そ……っ、それは……。た、確かに、そう言ったかもしれない……。だが貴様は、私との約束を、何一つ守ってはいない! 悪さばかりしているじゃないか!」
ジュリアンは、権蔵に弄ばれる屈辱と恥辱に耐えかねたように唇を噛み、怒りに震える。
だがその反抗的な態度すら、権蔵にとっては嗜虐心をそそるスパイスでしかないようだった。
「げへへっ、勘違いするな。わしは悪さなどこれっぽっちもしておらんわ。わしはただ、わしが信じる『正義』に従って、わしが望む世界になるように事を進めておるだけよ。それを理解できぬおぬしのような頭の固いヤツが、ぜーんぶ悪いんじゃ! わかったか!?」
まるで世界の真理でも説くかのように、彼は堂々と、しかしその瞳の奥には狂的な光を宿して言い放った。
悪びれる様子など微塵もない。
それどころか、自らの行いを絶対の『正義』だと信じて疑わない、権蔵のあまりにも独善的で、常軌を逸した物言い。
ジュリアンは、まるで理解不能な怪物にでも遭遇したかのように、口を半開きにしたまま完全に思考を停止させた。
(この男は……本気で……本気で言っているのか…!? まるで話が通じない……! これが……伝承で世界を救うと伝えられている『勇者』だというのか…!? 正気ではない……! いや、もはや人間の思考ですらない……!)
彼の騎士道精神も、これまで培ってきた常識も、目の前の男の前では何の意味もなさない。
その絶対的なまでの価値観の断絶に、ジュリアンは言葉を失い、ただ打ちのめされるばかりだった。
「さあ、皆に見せつけてやろうじゃないか、ジュリアン! おぬしのじいさんとお姉さんに、このわしによって見事に『開発』された、おぬしの愛らしい肢体をな! ほれ!」
びりぃいいいい!
衣服が引き裂かれる鋭い音が響いた。
権蔵の一振りで、ジュリアンの守りは無に帰す。
銀の鎧は砕け散り、純白の衣は無残に引き裂かれた。
あらわになったジュリアンの肌は、傷一つない白磁のようで、淡いピンクの乳首が愛らしく映える。
だが、恥辱に染まるその肢体は、今や衆目に晒されている。
とりわけ下腹部に集まる視線は、彼の尊厳を容赦なく打ち砕いていた。
「や、嫌だ! 見ないでください、お祖父さま、お姉さま……!」
ジュリアンは顔を炎のように赤くし、必死にもがく。
だが、権蔵の万力のような拘束の前では、その抵抗はあまりにも虚しかった。
「おりょ? この立派にそそり立ったおちんこは何じゃ! ぐははは、これは愉快じゃのう! 嫌だ嫌だと言いながら、おぬし実は皆に見られて昂奮しておるではないか?」
権蔵の下卑た嘲笑に、マキシムとシャルロットは言葉を失い、咄嗟に目を伏せた。
「勇者殿! 孫に何という辱めを! 即刻、解放なされ!」
マキシムが怒りに声を震わせて叫ぶ。
しかし権蔵は意にも介さず、ジュリアンを前屈みにさせ、逃れられぬよう組み伏せた。
ジュリアンの必死の抵抗も、権蔵の怪力の前では子猫同然。
背後から、ジュリアンの幼ペニスを指で弄び、嘲るように撫で回した。
「ひぅっ…!? や、やめて……! こ、こんな場所で…! せめて人払いを……!」
ジュリアンは羞恥に頬を赤らめながら、懇願するように訴える。
しかし、権蔵はさらに嗜虐的な笑みを浮かべ、それを拒否した。
「そんなもったいない真似ができるか! せっかく面白くなってきたところだし、わしのデカマラもおぬしの中に入りたがっておる。ほれ、この通りな!」
権蔵はその巨大な肉棒を、ジュリアンの尻に擦り付けながら、下品極まりない言葉を並び立てる。
「ひっ……!? そ……そんな大きいの……入らない……から……お願いだから……許して……!」
ジュリアンは、恐怖と絶望に瞳を潤ませながら、いやいやと何度も首を振る。
そんなジュリアンの恥辱にまみれた姿も、権蔵にとっては興奮剤にしかならない。
「ぐふふ! おぬしがこの程度で音を上げるわけなかろうが! わしのデカマラで毎晩のように『開発』されて、すっかりメス穴になっておるのに!」
そう言うと権蔵は、背後からジュリアンに覆いかぶさって。そのピンク色の窄まりに自らの剛直をあてがった。
ジュリアンは嫌悪の表情を浮かべ、必死に身を捩るが、権蔵の拘束から逃れる術はない。
その無様な抵抗を楽しみながら、権蔵はマキシムとシャルロットへと向き直り、宣言する。
「ぐへへっ! さあてお次はお待ちかねの濃厚な『セックスショー』のはじまりじゃよ! ほっほっほっ、なぁに、お代は要らんよ! わしの可愛い『奴隷くん』がヒイヒイ善がり狂う無様な姿を肴に、思う存分楽しんでくれ!」
「や……っ!? い、嫌だ! た、助けて……お祖父さま! ……お姉さまぁ!」
ジュリアンが恐怖に顔を引き攣らせ、家族の名を絶叫した、その瞬間―――
弟の痛ましい叫びに、シャルロットの理性の糸がプツリと切れた。
「私の弟から……手を離しなさい! この、外道め!!」
怒りに燃える瞳で、彼女は聖剣ベルゲリューンを抜き放ち、権蔵へと疾風の如く斬りかかる。
「っ!? シャル! 待て!」
マキシムの制止も空しく、騎士の誇りと姉の怒りを込めた渾身の一撃が放たれる。
しかし、権蔵は迫る白銀の閃光を鼻で笑い、あろうことか己のハゲ頭で平然と受け止めた。
――ガキィィンッ!!
甲高く、硬質な破壊音が謁見の間に響き渡る。
次の瞬間、王国伝来の聖剣ベルゲリューンは、脆いガラス細工のように粉々に砕け散った。
「なっ……!? そん、な……!? わ、私の聖剣が……! こんな、簡単に……!?」
柄だけを握りしめ、シャルロットは愕然と立ち尽くす。
信じがたい光景に、彼女の戦意は根こそぎへし折られた。
そんな彼女を、権蔵は下卑た笑みを一層深くして見下ろした。
「ほう、威勢がいいな、小娘。そんなにこのわしに『構って』ほしいか? よかろう、おぬしもこの『見世物』の主役にしてやる。光栄に思うがよい」
権蔵は太い腕を伸ばし、シャルロットの細い手首を鷲掴みにすると、力任せに引き寄せた。
彼女の身体がよろめき、騎士服のスカートが翻って、フリルの下着と白い太ももが露わになる。
「なっ!? 放しなさい、この下郎!」
「まあまあ、お楽しみはこれからなんじゃから、そう興奮しなさんな」
「ふ、ふざけるのも大概になさい! 誰が興奮など……!」
シャルロットは必死にもがくが、権蔵の圧倒的な力の前では無力だった。
「おやめください勇者殿! この子はまだ……汚れを知らない、純潔の乙女なのですぞ!」
マキシムが悲痛な表情で叫ぶ。
「『純潔』じゃと……? ほう、そうなのか。シャルちゃんは処女じゃったか。そいつはちょっと申し訳なかったのう。では、そのお詫びに……皆にその『純潔』とやらが本物か、とくと拝ませてやろうじゃないか! ほれ!」
権蔵は無遠慮にシャルロットの騎士服の胸元を掴むと、獣じみた勢いで一気に引き裂いた。
絹が裂ける鋭い音が響き、シャルロットの肢体が一糸まとわぬ姿で晒される。
「えっ!?」
シャルロットが息を呑んだ次の瞬間、彼女の絶叫が謁見の間に木霊した。
「い、いやぁあああああああああ!!」
その叫びは王宮に響き渡り、同時に貴族や騎士たちの間にどよめきが熱波のように広がった。
「なんじゃ、この豊満な乳房は! このいやらしく尖った乳首は何じゃ! おぬしら、こんないやらしい乳を持つ女を『戦乙女』などと崇めてたのか? みっともない連中じゃのう!」
権蔵の嘲笑が轟き、シャルロットの誇りを容赦なく踏みにじる。
権蔵は侮蔑の目を彼女の裸体に這わせ、さらに周囲の男たちの反応を値踏みするように見回した。
彼らの視線は、抗いがたくシャルロットの裸体に注がれていた。
興奮を隠しきれずに息を荒らげる者、無意識に下腹部を押さえる者。
そして、中には自らの股間をまさぐり、自慰に耽る者さえいる。
そんな男たちの視線を一身に浴びたシャルロットは羞恥と怒りで顔を真っ赤に染め、唇を強く噛み締めて権蔵を睨みつけるが、それはむしろ彼女の肢体の魅力をさらに際立たせる結果にしかならなかった。
「ふむ、これは想像以上の反響じゃ! 実に愉快よ! よし、グレイ、カイト、この小娘を縛り上げろ。動けぬようにして、この城の者たちへの見世物にしてやる。勇者であるわしからの、有り難い『施し』じゃ! ぐひひ!」
権蔵の命令に、グレイは無表情に頷き、カイトは「はーい!」と無邪気に声を上げる。
二人は淀みない連携で動き、シャルロットを手際よく鎖で縛っていく。
その手際の良さにより、抵抗する暇さえ与えられない。
やがて彼女は、後ろに手を縛られ、M字開脚をさせられた姿で、裸身を隠すことも出来ずに縛り上げられてしまう。
彼女の最も秘められた部分が衆目に晒された。
無理やり開かれた柔らかな太ももの間から、潤んだ秘部が生々しく覗いていた。
「や……嫌ぁあああああ……! 見ないでぇ!」
シャルロットの哀願も虚しく、彼女の裸体は衆目に晒される。
その白い柔肌と豊満な乳房、そして鮮やかな薄紅色のヴァギナが、男たちの情欲をさらに煽っていく。
抑えきれないざわめきが、欲望と狂気の不協和音となって空間を満たしていく。
「信じられん……あの気高く誇り高いシャルロット様が、こんな……!」
「俺……ずっとシャル様のこと…! 毎晩、想像して慰めてたんだ…! このエッチな身体……たまんねぇ……!」
「憧れのシャルロット様の裸を拝めるなんて……! もう死んでもいい……!」
「それよりジュリアン様だよ! 高貴な家柄の美少年があんな汚らしい平民の中年男に
謁見の間に集まった末端の騎士団員たちが、好き勝手に歓喜の声を上げた。
中には涙を流しながら喜ぶ者さえいた。
シャルロットの裸体を凝視し、興奮を抑えきれずにズボンの中で手を動かし始める者も現れ、謁見の間は一気に
「どうじゃおぬしら、感謝しろよ? このわしがおぬしたちのために、極上の夜のオカズを用意してやったぞ! げへへ、見ろ、あれだけわしのことを罵っておった連中が、今はおちんぽおっ勃てておとなしくなっておるではないか! やはりエロこそが、この世を丸く収めるのじゃ!」
権蔵は、シャルロットの無防備な肢体を玩具のように眺め回し、傍らのジュリアンの体をねぶりつくように
その顔には、歪んだ愉悦と支配欲が醜く浮かび上がっていた。
「シャ……シャルロット……ジュリアン……わ、私は……すまない……本当に……すまない……」
絞り出すような、掠れた声。
力なく呟きながら、マキシムが、幽鬼のようにふらふらとした、覚束ない足取りで権蔵へと近づいてくる。
先ほどまでの『剣聖』としての猛々しい威厳は見る影もなく、そこにはただ、愛する孫たちを守れなかったことへの深い後悔と自責の念に打ちひしがれた、年老いた一人の男の姿があるだけだった。
権蔵は、無防備に近づく老いた英雄を、まるで腐肉に群がる
「げへへへ! 隙だらけじゃぞ、ジジイ! くらえ、『大・勇者パーンチ』!」
権蔵は、その言葉と共に、拳をマキシムの顔面目掛けて、一切の躊躇なく叩き込んだ!
「ぐはぁあああああっ……!?」
マキシムの口から、鮮血が飛沫となって舞う。
権蔵の鉄拳は老いた英雄の顔面を的確に捉え、その体はまるで人形のように軽々と宙を舞った!
凄まじい勢いで壁に激突し、跳ね返って天井に打ち付けられ、さらに床へと叩き落とされる――
無慈悲なピンボールさながらの軌跡を描いて。
そしてマキシムは、床に無惨に転がったまま微動だにせず、口から夥しい量の血反吐を吐き出し、力なく崩れた。
ジュリアンが悲鳴を上げ、憎悪と絶望に血走った瞳で、権蔵を睨み据えた。
「お祖父さまっ!! くっ……権蔵! お祖父さまになんてことを……! 貴様だけは……! 絶対に……絶対に許さない!!」
「ほーっほっほっほ! やれるもんならやってみぃ! だが、その前にじゃ。まだ『セックスショー』は終わっとらんぞ? お次は、この『勇者の棍棒』でおぬしと遊ぼうではないか。ほれ、ジュリアンよ! 観客たちも待ち遠しそうにしておるぞ!」
権蔵は、下卑た笑いを浮かべて、その太い指をジュリアンの尻穴に這わせる。
「や、やめろ……そこは、だめっ……あぁ! ひうっ、ん、ひぃん!……♡」
「げへへへへ、なんじゃ、もう感じておるのか? さっきまでの威勢はどうした? この淫乱小僧めが! ほれほれ、もっといい声で鳴いてみぃ!」
権蔵は素早くジュリアンの体内に指を滑り込ませ、腸壁を巧みに刺激した。
ジュリアンの身体は即座に反応し、快感に震え始めた。
「あ……ん、やぁあ……♡ だめ、だめぇえ……!♡ お祖父さまの前で、そんな恥ずかしい声……聞かせられないよぉ……!♡♡♡」
「ぐへへ、いまさらいい子ぶっても遅いというのにのう! おぬしの『メス』の声、たーっぷりと聞かせてやるとよいぞ! げひゃーっひゃっひゃっ!!」
権蔵は心底楽しげに笑いながら、ジュリアンの肛門を執拗に責め立てる。
その指の動きは巧みで繊細で、的確に快楽を与えてくる。
「あふぅ……!♡ お祖父さま……お姉さま……見ないでぇ!♡ あひぃいいい!!♡」
しかし、祖父も姉も倒れた今、ジュリアンには心を支える柱がない。
愛する家族に見られながら味わう羞恥と屈辱――そんな背徳感が興奮を煽り立て、ジュリアンは娼婦のような甘い嬌声を上げて身悶える。
「さぁて、おまんこがほぐれたところで……いよいよ本番じゃ! いくぞ、小僧!」
「ひっ、だ、駄目……許してぇ……♡」
「ぐふふ、皆の者、よく見ておくがいい! これが、わしとジュリアン、勇者と性奴隷の、熱~い愛の営みじゃ!」
権蔵が自身の肉棒をジュリアンに挿入しようとした、まさにその瞬間―――
背後から不意に近づく気配を感じ取った。
「ん?」
振り返った刹那――
パァンッ!!
乾いた音と共に、権蔵の頬に、想像だにしなかった鋭い衝撃が走った。
視線を上げると、そこには、玉座から降りてきていたオルレアヌの若き美少年王、エリオットが立っていた。
渾身の力で平手打ちを食らわせ、その小さな白い手が、僅かに赤くなっている。
その蒼穹の瞳には怯えの色が濃く浮かんでいるが、それ以上に強い、必死に奮い立たせた勇気と、燃えるような怒りの光が宿り、真っ直ぐに権蔵を睨みつけていた。
美少年王からのまさかの奇襲に、完全に虚を突かれ、権蔵はバランスを崩してよろめいた。
「う…………お、おおおおおお……!?」
そして、まるでスローモーションのように、その巨体が無様に傾ぎ、派手な音を立てて背中からすっ転ぶと、後頭部をごつんと床にしたたかに打ちつけた。
「うぎゃーーーーー!! いたたたたたたたた!!」
権蔵は床の上で手足をばたつかせ、まるで子供のように大げさに後頭部を押さえて痛がった。
「大丈夫ですか! 権蔵さま!」
グレイとカイトが慌てて駆け寄り、巨漢の体を抱き起す。
権蔵は、ジンジンと腫れてきた頬をさすりながら、エリオットにねめつけるような視線を送った。
「ぐぬぅ……痛いではないか、エリオットきゅんよぉ……。このわしに……この国を救った勇者様である、このわしに手を上げるとは……ちーっとばかし、おてんばが過ぎるんじゃないかなぁ?」
おどけた調子の言葉には、しかし脅しの色が
この程度で気弱な王は折れるはずだ―――
権蔵は、そう高を括っていた。
だが―――
「…………うるさい」
返ってきたのは、低く、氷のように冷たい声。
「え……?」
権蔵が間の抜けた声を漏らす。
エリオットは、奥歯で怯えを噛み殺し、ぐっと顔を上げた。
その蒼い瞳に、華奢な体に宿る全ての意志が、燃えるような光となって灯る。
そして――はっきりとした、もはや微塵の震えもない声で、彼は宣言した。
「黙れと言っている! この、人でなしめ!!」
それは、まさに魂の籠もった一喝だった。
その声音に込められたエリオットの意志と覚悟が、謁見の間にいるすべての者に圧倒的な力を持って響き渡る。
権蔵は、思わず口をぽかんと開けたまま固まった。
「よく聞け! そなたは余の大切な友ジュリアンと、余が信頼する多くの家臣たちを、卑劣極まる方法で辱めた! オルレアヌの王として、断じて、そなたの非道を許しはしない!!」
エリオットは、その華奢な体軀からは想像もつかないほどの迫力と威厳を持って、権蔵に言い放つ。
その堂々たる姿は、まさに一国の君主たる者の威風堂々とした佇まいであった。
(…………は? え、ちょ、何これ!? 何が起きてんの!? エリオットきゅんってば、宰相にいいように操られてるだけの、お飾り王じゃなかったのかよ!? もっとこう、気弱で、幸薄そうで、俺様が守ってやらなきゃって庇護欲そそる系天使だったはずじゃん!? なにこの気迫!? なにこの怒りオーラ!? やばい、これ完全に想定外なんですけどぉ!?)
権蔵は内心で激しく動揺し、冷や汗をだらだら流しながらも、必死で平静を装う。
引き
「…………あ、あはは、あはははは! ま、待て待て、エリオットきゅん! 落ち着けって! なんでそんなに怒ってるのかな? あー、そっかそっか! わかったぞぉ! これはエリオットきゅんなりの、照れ隠しなんじゃな!? もう、エリオットきゅんったらお茶目なとこもあるなぁ! よしよし、じゃあ、わしもお待ちかね! ネタばらしといくとするかの!」
権蔵は無理やりテンションを上げ、さも全て計算通りだったと言わんばかりに、ふんぞり返って胸を張る。
「い、今のは座興、そう! ちょっとしたパフォーマンスなんじゃ! いわゆるドッキリ大作戦ってやつよ! 国? 家臣? そんなもん乗っ取るわけねーじゃん! これはただの……そう! キミに楽しんでもらうための、エキサイティングなショーだったんじゃよ! どうじゃ? 迫真の演技だったじゃろ? わしの愛嬌たっぷりの悪役ぶりは!」
そう、この場で繰り広げられた一連の騒動は、実は初めから権蔵が周到に仕掛けた壮大な「恋の駆け引き」だった。
彼の中には、誰が何と言おうと譲れない『信念』があった。
すなわち――愛しの美少年は、力で奪うにあらず。
相手を心底自分に『惚れさせて』こそ、真の征服者たりうるのだ、と。
自分の魅力で相手を完全に籠絡し、身も心も自分だけのものにする……その過程にこそ至上の価値がある、と権蔵は固く信じている。
無理やり手に入れるなど、彼の美学が許さないのである。
だからこそ、今回は知恵を絞りに絞って考え出した。
手に汗握るハラハラドキドキのバトル! 抱腹絶倒の爆笑コメディ! そして、ちょっぴり刺激的なサービスシーン!
これら全てを豪華絢爛に盛り込んだ、空前絶後のエンターテイメント・パフォーマンスを!
その狙いはただ一つ。
王城という籠の中で退屈な日々を送るエリオットに、最高の娯楽を提供すること。
そして、この型破りで面白い自分に、抗いがたいほど強く惹きつけられるように仕向けること――。
それが彼の描いた完璧なはずのシナリオ――あくまで、彼の中では、だが。
悲しいかな、悪役を演じるうちに我を忘れ、その致命的な『やりすぎ』に、この男は気づいてもいない。
だが、権蔵の必死の弁明も虚しく、エリオットの表情は微塵も和らぐことはない。
むしろ、その蒼い瞳は氷のように絶対零度の冷たさを帯び、権蔵に向ける視線には、もはや隠すことすらない、底なしの軽蔑の色が浮かんでいた。
「……演技、だと? 座興? 全ては、余を楽しませるためだと? そのようなつまらぬことのためだけに……余の大切な友と臣下たちを……皆を、あのような目に遭わせ、危険に晒したというのか!」
エリオットの声が、怒りと嫌悪に震える。
「え……あのぉ……? エリオットきゅん……? まさか……本気で……怒ってらっしゃる……?」
権蔵は、ようやく事態の深刻さを理解し始めたのか、呆然として呟いた。
その顔から血の気が引いていく。
「……余が愚かだった。そなたのような卑劣で残忍で、人の心を踏みにじることしかできぬような男のことを、頼ろうとしてしまった……。だが、もう理解した。そなたの言う、誰にも縛られぬという身勝手な『自由』は、この国を背負う余の道とは、決して相容れぬということをな!」
「ちょ、ちょっと待て! エリオットきゅん! 違う、違うんだって! わしの話をちゃんと聞いてくれよ…!」
権蔵は狼狽して叫ぶが、その声はエリオットには届かない。
「黙れ! 余は、そなたのような……他者の痛みを顧みず、己の欲望のためだけに全てを踏みにじる、人の心を持たぬ人間が、この世で一番好かぬ!!」
エリオットは、もはや感情を抑えることなく叫んだ。
「よって、そなたとの婚約の話は、今この時をもって完全に破棄する! 二度と……二度と余の前にその姿を見せるな! 消え失せろ!!」
それは、絶対的な拒絶。
若き王が下した、冷たく、そして揺るぎない決別宣言だった。
権蔵の表情が、まるで能面のように凍りつく。
「な!? えっ、ちょ、ま、待ってくれ、エリオットきゅん! 頼むから…! わ、わしが悪かった! 本当に反省してる! 心から謝るから……! だから、どうか婚約の破棄だけは……! それだけは勘弁してくれぇええ!」
権蔵は情けなく手を伸ばすが、エリオットは侮蔑の視線を一度だけ向けると、毅然として背を向け、一人、謁見の間を去っていった。
その小さな背中は、しかし、一国の王としての確かな威厳を放っていた。
……後に残されたのは、まるで世界そのものから拒絶されたかのように、茫然と立ち尽くす権蔵だけだった。
長い、重い沈黙。
やがて、権蔵は「あ……」と小さく、空虚な息を漏らすと、次の瞬間、喉の奥から獣のような呻き声を上げ、「うわぁあああああああん!!」と、人目も
床を何度も何度も拳で叩きつけ、その巨体はわなわなと震え、その濁った瞳からは、まるで壊れた水道の蛇口のように、子供じみた大粒の涙が止めどなく溢れ出した。
「あ……あぁああ……ッ!! わし、フラれたのか!? 『吊り橋効果でエリオットきゅんと急接近作戦』は失敗したのか! う、嘘じゃろ? わしはただ……ただエリオットきゅんに、わしの強くてかっこいいところを見てもらって、惚れてほしかっただけなのに……! な、なんで……作戦が裏目に出てしまったんじゃあ……!」
ベタ惚れしていたエリオットからの完全な拒絶。
その耐え難い事実に打ちのめされ、権蔵は頭を抱え、みっともなく床にへたり込んだ。
予想だにしなかった結末に、彼の思考は完全に停止していた。
「権蔵さま……」
グレイが静かに傍らに寄り添い、その広い背中をそっとさする。
「…………ふ、ふふ……げはは……! やっちまった……やっちまったよぉ……! 完全に……。もう終わりじゃ……わしの……輝ける美少年ハーレム計画が……! エリオットきゅんという絶対的センターを失っては、この計画は成り立たない……! ああ、もう全てが終わりじゃあ! 異世界におけるわしの壮大な夢が! 希望が! すべて失われて……ぐへへへ…………へぼあぁあああっ!!」
「あわわわ、ご、ご主人さまがおかしくなっちゃいました! 落ち着いてください! きっと美味しいご飯を食べたら元気になりますよぉ! ね!」
カイトが必死になだめすかすが、権蔵はいやいやと駄々をこねる子供のように頭を振って泣きわめく。
「うぉおおおん! うるさーい! エリオットきゅんに……あそこまで嫌われるなんて……! あんな冷たい目で見られて拒絶されて……! もう……もう立ち直れん……わしはもうダメじゃ……」
「そんなことはありません」
グレイが静かに、しかし強い口調で言う。
「エリオット王はまだ若く、感情に流されやすいだけです。今は分からずとも、いずれ貴方の真価を理解する時が来るでしょう」
「そ、そうですよ、ご主人さま! きっと、時間が経てばまたチャンスが来ますって!」
カイトも懸命になって主人を励ます。
「そう……なのか?」
権蔵が涙目で二人を見上げる。
「はい。権蔵さまは、我々が出会ったあの日から、ずっと素晴らしいお方です。思い出してください。貴方がこの異世界に来られたばかりの頃、ご自身が右も左も分からぬ苦しい状況の中、それでも我々のような者たちをその御力で救い、ここまで導いてくださったではありませんか」
「そうです、ご主人さま! 今はちょっと運が悪くて凹んでるだけです! 元気出して行きましょう!」
グレイとカイトの力強い言葉に、権蔵の表情にかすかな生気が戻り、嗚咽も少しずつ収まり始める。
「……うぅ……ありがとう。おぬしたちは本当に優しい子たちじゃなぁ……。じゃが……わしはどうすれば……? 他の美少年たちも大事だが、エリオットきゅんだけは……わしにとって唯一無二の存在だった……。彼を妻に迎え、幸せな家庭を……と夢見ておったのに……。拒絶されては……もう生きる気力も……」
力なくうなだれ、再び涙ぐむ権蔵。
その震える大きな手に、グレイがそっと、自身の手を重ね合わせた。
「……でしたら、権蔵さま。俺が、貴方の傍らに常に在る『一番』となりましょう。俺はずっと……貴方だけを心よりお慕い申し上げております。エリオット王の代わりには、なれないのかもしれません。ですが俺ならば……貴方を生涯支え、お守りすることを誓うことができます」
それは、冷静沈着な彼からは想像もつかない、熱のこもった誓いの言葉だった。
「グ、グレイ…!? お、おぬしが……わしの…『一番』に…?」
権蔵が、涙で濡れた目を驚きに見開く。
「もう、だんちょーったら、抜け駆けはずるいですよぉ~? じゃあ、ぼくも! ぼくもご主人さまのこと、だーい好きです! 振られちゃったご主人さまが、かわいそうだから、ぼくがずーっとそばにいて、いーっぱい甘やかしてあげますねっ♪ ねっ♪」
カイトが、まるで母親に甘える子供のように権蔵に抱きつき、屈託なく笑いかける。
「カ、カイトまで…!? …………ぐふ、ぐふふ……! ぐへへへへへ!!」
権蔵は、一転して下卑た、しかしどこか吹っ切れたような笑い声を上げ始めた。
「そ、そうか……そうじゃった! わしは……わしには……たとえ玉座の美少年王にフラれようとも! それでもなお、この異世界でこーんなに可愛い美少年たちに慕われる、超絶ナイスミドルなモテモテ中年勇者様ではないか! そうじゃ、なんでこんな簡単なこと忘れておったんじゃ、わしの馬鹿! ド阿呆が!」
彼は勢いよく立ち上がった。
その目には、早くも新たな欲望の炎が燃え始めている。
「げはははははは! こんな愛らしい美少年に愛されて、わしは世界一幸せな男じゃ! よし、思い立ったが吉日よ! 今からこの都で一番豪華な宿に泊まって、わしの可愛い愛妾たちと一晩中『種付けパーティ』を開催するぞい!」
権蔵は完全に立ち直り、いや、以前にも増して欲望を剥き出しにし、謁見の間に響き渡るほど高らかに宣言したのだった。
「あはっ♪ ご主人さまったら、おじさんなのにまるで子供みたいです! でも、そんなとこもかわいいですっ!」
「ふふ、それでこそ我らが権蔵さまです。今宵は存分に、我らがお慰めいたします」
愛する二人の少年からの、心酔しきった言葉に、権蔵はすっかり有頂天になっていた。
「ぐふふ、そうかそうか! よしよし、今夜は朝までコースじゃぞぉ~! あ~、楽しみじゃあ!」
「権蔵さまにお仕えし、その御心を満たすことこそ、我ら従者の至上の喜び……その原則に例外はありません。……あの生意気な巻き毛も、権蔵さまのご寵愛を賜れば、少しは素直になるやもしれません」
グレイは、壁際で未だ魂が抜けたように呆然としているジュリアンの方を、値踏みするかのように一瞥する。
そして、まるで道端の石でも拾うかのように、力なく項垂れるジュリアンの体を、音もなく肩に担ぎ上げたのだった。
「な!? グレイ!? き、貴様、一体何を……! 人を物みたいに扱うな! お、降ろせ! 今すぐ私を降ろせ! このっ!」
ジュリアンは虚しく抵抗しようとするが、グレイの鋼のような腕にがっちりと押さえ込まれ、身動き一つ取れない。
「ぐふふ、ジュリアンくんよぉ」
権蔵が、担がれたジュリアンを見下ろし、意地の悪い笑みを浮かべる。
「おぬし、さっきわしがあのクソジジイにボコられてる時、ちょっといい気味だって顔してたろ? ん? わしはちゃーんと見ておったからな。……悪い子には、罰として、ちゃーんと『お仕置き』が必要だよなあ?」
「そ、それは……貴様が陛下に対して、あまりにも不敬だったからだ! だが、その……少しだけ、胸がすっとした、かもしれんが……」
「ほう、やっぱりの。まあ、いいじゃろう。わしがきっちり、おぬしの立場と思い上がりを、その可愛い身体にたっぷりと、そしてねちっこーく、二度と逆らえなくなるまで『躾』け直してやるからな。覚悟しとけよ? ぐふふ……」
権蔵の粘つくような言葉と視線に、ジュリアンはこれから待ち受けるであろう、想像を絶する屈辱を予感し、血の気が引くのを感じた。
「さあ、こんな陰気臭い城とはおさらばだ! さっさと帰るぞ! パーティが待っとるからのう!」
権蔵が右手を高々と上げて合図し、グレイとカイト、そして肩の上で絶望的な抵抗を続けるジュリアンと共に、打ち捨てられた謁見の間の臣下たちを一顧だにせず、何事もなかったかのように去っていく。
「お、お待ちください、勇者様! どうか、お待ちを! 陛下を必ずや説得し、考え直させますゆえ! どうか、この国を見捨てないでくださいませ!」
背後から宰相ラソリーニの必死の叫び声が追いかけてくるが、権蔵は一度も振り返ることなく、悠然と立ち去った。
(ふんっ、美少年王を口説き落とせなかったのは計算外で残念だったが……まあいい。溜まった鬱憤は、今夜、他の可愛い子羊たちでたっぷりと晴らすとしよう! だが、これで終わりだと思うなよ、エリオットきゅん! 今日のところは諦めてやるが、近いうちに必ず、必ずおぬしを手に入れて、わしの最高の嫁にしてやるからな! 楽しみに待っておれよ!)
権蔵は、次なる征服へのリベンジを胸に誓い、王城を後にした。