※この作品はR-18です。

女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き   作:RNOVEL

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2-32.レッドスコーピオン

「やっぱり、この誘拐事件の黒幕はてめえか。もう見るからに、てめえは怪しいんだよ」

「その方は早乙女らんまさんです。本物のレムール国・第一王女アムは、こちらです」

 

 姫がおさげを結わいていた紐を紐き、ロングヘアに戻し。占い師リムドの前に立った。

 

「姫、危険です、下がって……」

「いえ、いいんです。これは私とレムール国の問題ですから」

「んはっはははは、愉快、愉快。まだ、気づかないのかバカ姫にバカ国王」

 

 リムドの声が変わる。この低い籠もり声、何度も対峙してきた声だ。

 

「てめえ、ゼノリスだな」

 

 褐色の占い師がフードマントを脱ぎ捨てると身体を黒の妖気が覆った後に山羊の仮面の魔導士ゼノリスへと変わっていった。

 

「最初から狙いはレムール国でも、その姫でもない。このらんまだ。そして、らんまを失う恐怖を感じる勇者の心。それがこの私のエネルギーへと変わる」

 

 占い師リムドが魔道士ゼノリスの姿に変わり終えると、続くように水晶が黒く染まっていき、紫の魔力を放ちはじめた。

 ゼノリスが掲げた赤い宝玉に水晶から放たれた魔力が込められていくと、黒い霧の中から蠍型の大型モンスターが現れた。

 

「……まだ、達也とらんまを殺すには力が足りない。今日はこのレッドスコーピオンにオマエたちの相手をさせよう」

 

 ゼノリスはそう台詞を口にすれば、いつものように暗黒の妖気となって、その場から去っていった。

 

 追いかけるが、赤蠍のレッドスコーピオンが行く手を阻んだ。

 

【挿絵表示】

 

「こいつの相手はオレがします。姫はらんまの回復を」

 

 ヒーラーのアム姫を連れてきておいてよかった。勇者の呪文にも回復があるが、このレッドスコーピオンを相手しながら瀕死のらんまを回復させるのはオレにはできない。

 

「わかりました…!フォウ・ザ・フィアル・フィール・ヒアル・ヒール……らんまさんしっかり」

 

 ボロボロとなったらんまにアム姫が作り出した青い光が包んでいく。

 

 オレは洞窟の最深部からレッドスコーピオンを誘い出し、らんまとアム姫から遠ざけた。

 

 レッドスコーピオンが大きな鋏角を振り下ろすとオレに向けて、破壊力抜群の真空刃が放たれた。洞窟の壁に何度もあたれば、道が塞がれてしまいそうなほどの威力だ。

 

「これは広いところまで連れ出さないと、らんまとアム姫が生き埋めになっちゃうな」

 

 オレは小瓶からピクシーを取り出し、まばゆい光を放たせ、レッドスコーピオンを洞窟の外まで連れ出した。

 

 夕日が沈む山沿いの道でレッドスコーピオンと対峙する。

 

「最初から全力でいくぜ、蠍野郎……パラディアム!」

 

 オレがそう叫ぶと勇者の鎧が身を包み、力が溢れてくる。聖剣エクスカリバーはベリーヌに預けたままなのが残念だが、神斧ラブリュスを構え、レッドスコーピオンと交戦した。攻殻のモンスターだけあって、守備力が高い。

 

「兜割ぃ!」

 

 レッドスコーピオンの頭部を狙い、垂直に神斧ラブリュスを振り下ろしたが、寸前で鋏角にオレの身体が弾き飛ばされた。

 

「くぅ、けっこう強いじゃねえか」

 

 直撃は喰らわなかったものの。二本の鋏角を巧みに使いわけ、攻撃と防御を繰り返すのは厄介だ。

 

 その後、オレはレッドクコーピオンのボディや二本の鋏角を攻撃した。神斧ラブリュスでも傷つけるのがやっとだった。しかも、近づくと二本の鋏角がオレの身体を攻撃してくる。

 

「ちぃ、接近戦は無理か……なら、オーラアローだ」

 

 神斧ラブリュスをその場に置いたオレは、虚空から出現させたオーラソードの形を弓矢の形に変形させる。弦を引っ張り、オーラの矢を放った。

 

「シャイニング・アロォウ!」

 

 光の矢をレッドスコーピオンに向けて放つが、攻殻のボディにはまるで効いている様子がない。オレは転がり、体制を変えながらレッドスコーピオンの相手をする。

 

「さすがに矢の一本や二本じゃダメージを与えれないか……溜め撃ちをすれば」

 

 そのとき、聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

「無差別格闘早乙女流奥義!飛竜降臨弾!」

 

 宙にただよっている熱い“気”を、冷たい“気”で下方に打ち抜かれた事によって熱い“気”は集中しながら下降しレッドスコーピオンの体躯を揺れ動かした。

 

 レッドスコーピオンに気が放たれたほうを向くと、そこには完全回復したらんまとアム姫がいた。

 

「待たせたな、達也! 助けに来てくれてありがとな♪ それじゃ、オレたちの反撃開始タイムだ」

 

「私も援護します。ウィンディ・ブロウ・フェレ・イング・ウィンドウェーイブ!」

 

 続いてアム姫のゴッドロッドから風魔法が放たれる。接近戦に強いレッドスコーピオンに対しての遠距離攻撃可能な3名が揃った。

 

「ふふ、おせーよ、らんま。でも、反撃開始のスーパーヒーロータイムだ」

 

 遅くもない、むしろ復活できた事が嬉しくてしょうがないオレは嬉しさをそう表現してしまった。

 

 ドレスのらんまはおさげ髪を結わい直し、姫は旅人の服で赤いロングヘアをなびかせている。瓜二つのらんまとアム姫と合流した。

 

「よし、らんま、オレは闘気を溜めて、一気に撃ち抜く。その間に姫とアイツの足止めをしておいてくれ」

 

「任せとけって、姫さん、いくぜ」

 

 オレがレッドスコーピオンから距離を置き、オーラアローを目一杯ひく。ゲームでいえば、特定のボタンを延々押し続けているような状況だ。

 

「んぐぐぐぐぐぐ………」

 

 前方では、らんまが飛竜降臨弾を打ち続け、レッドスコーピオンを翻弄している。姫はらんまがダメージを受ければ、そこに回復魔法をあてながら、風魔法で援護した。

 

「でぇい!飛竜降臨弾」

 

「ウィンド・ウェーイブ!」

 

 レッドスコーピオンと交戦しながらも、攻撃と回復を繰り返していると二人の身体にも疲労が見えてくる。らんまの回避反応が遅くなり、何度もレッドスコーピオンの鋏角の攻撃を受けはじめた。姫の回復魔法も間に合っていない。

 

「達也、まだか…、この野郎、オレの飛竜降臨弾じゃ、足元をぐらつかせるだけで精一杯だぜ」

 

「もうちょっとだ……んぐぐぐ……もうちょい時間くれ」

 

 そのとき、ベリーヌが騎士団を連れてやってきた。その腰の鞘には聖剣エクスカリバーが。

 

「探したよ、北だったか……」

 

「わ、ベリーヌ。なに呑気なこと言ってんだ。その剣をはやく達也に」

 

 ベリーヌはらんまに指示され、慌てながら、オレの元へ来て、オーラの弓に聖剣エクスカリバーをセットした。オレは聖剣エクスカリバーにオーラを纏わせ、矢のかわりに引っ張る。

 

「これなら、やれる。やつを貫く……、よし、いくぞ。らんま、足止めを!」

 

「任されたぁー、無差別格闘早乙女流奥義!火中天津甘栗拳っ」

 

 らんまがレッドスコーピオンではなく、地面に向かってえぐるように甘栗拳を放った。足場が掘られ、砂煙をあげれば、レッドスコーピオン動きが一瞬、止まった。

 

 ググググ、グググ……

 

「いっけぇえええ! オーラアロー! 聖剣エクスカリバースペシャルゥアロゥ!」

 

 オレが放つと聖剣エクスカリバーは光の闘気の渦を突き進み、一気にレッドスコーピオンへと飛んでいき、突き刺さる!

 

 ……はずだったのが、レッドスコーピオンに避けられた。避けられ、聖剣が飛んでいった先はアム姫の元。

 

「バカ達也!なにやってんだ、姫ぇええ!」

 

「避けるんじゃねえよーーー、ここでええ」

 

 らんまが駆け寄ようとした瞬間。姫は両手を突き出した。

 

「私は箱入り姫じゃありません!」

 

 両手から風の呪文を繰り出し、聖剣エクスカリバーを一度、空中に止めた後。

 

「おゆきなさい、オーラアロー!聖剣エクスカリバー、アム・風魔法スペシャルゥウウ!」

 

 アム姫が聖剣エクスカリバーを風呪文で跳ね返すと、近距離で見事、レッドスコーピオンに突き刺さった。

 

 オレとらんまは間一髪のバトルに腰がぬけて、その場から崩れおちた。

 

「ははは、アム姫はすげえや……この場で無詠唱の風呪文で止めるなんて」

「危なかった、今のはホント、危なかったぞ、達也。気いつけろ!」

 

 それから、オレたちはレッドスコーピオンを倒した後に残った赤い宝玉を拾い、レムール王国へ戻っていった。

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