女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
事の一部始終はベリーヌがオレたちの代わりにレムール王へと話してくれた。
レムール王はらんまにした無礼を泣いて謝ったので許してやる事にした。オレにとってらんまがとても大事なように、レムール王にとってのアム姫は特別な存在なわけで。
日も暮れた城で今回の騒動のお詫びとして、レムール王はらんまとオレのためにパーティを開いてくれた。オレは慣れない燕尾服に着替えさせられた。らんまはボロボロになったドレスから、新しいパーティドレスに着替えた。アム姫も着替え、双子のお姫様といった具合で並ぶと列席者から拍手が起こった。でも、やっぱり違うな。アム姫と数日過ごした事で、オレは見分けがつくようになっていた。
「ホント、あの二人はよく似てる。最初は見た目だけかと思ったけど、アム姫もなかなかのおてんば姫さんだったね」
オレとは違って、フォーマルな服を着慣れたベリーヌがグラスを片手に現れた。手足が長く髪は金髪で青い目のベリーヌはこんなパーティによく似合う。
「らんまと一緒にいても退屈しないですけど、アム姫と一緒にいるのは、それはそれで疲労が…」
「ふふふ……どっちも年頃だしね」
「あ、そうだ。オレたちが魔王討伐をしたって事は話さないって約束したのに、話しましたよね」
「さて、なんのことかな?」
ベリーヌが口笛を吹いて、とぼけたのでオレはそこまでにしておいた。
らんまの件もあり、立場も悪くなった国王とは違い、アム姫は今日の戦いの様子をメイドや執事に笑いながら報告していた。まるで籠の中の鳥が外へ放たれたように活き活きしている。はじめて王の間で会ったときよりも表情が豊かに変わっていた。
その夜の宴は着慣れない格好だったが、オレとらんまも楽しめた。
宴が終焉を迎え、最後の締めの言葉を国王ではなくアム姫がスピーチする事となった。
「みなさん、今宵は本当に楽しかったわ。お父様の件は水に流すとして……いえ、流せないですね。でも、ほんと、今回、らんまさんと達也さんには世話になりました。レムール王国を代表して感謝します。本当にありがとう」
オレとらんまは皆に注目され、拍手をされながら、照れ臭く鼻をこすった。
「各地域では魔物の動きも活発化していると聞きました。このレムール王国でも城の警備ではなく、地域周辺の警備も強めていきたいと思います」
アム姫は豪胆な振る舞いを崩さずにスピーチが続けた。
「それから、私、決めました……これからの人生は自分で決めていくと。まずは結婚相手はお父様が決めた相手ではなく、そこにいる達也」
すでに注目されていたオレだが、その場にいた全員がオレに注目する。へ?これはハーレムフラグ?と思ったら、続いた言葉は、まったく予想外の言葉だった。
「そこにいる達也さんのような素敵な旦那さんを探す事です」
一度、オレがアム姫の結婚相手にならなくて、ほっとしたのか、今日一番の拍手が起きた。
「へへへ、あの姫さんも面白いジョークを言うようになったな、達也♪」
少しでも、らんまと同じ顔なのに、おしとやか……でもない姫を両手に花だと思った自分が恥ずかしくなっていた。
「そして、達也さんとらんまさん、ありがとう。困った事があれば、いつでも、このレムール王国に立ち寄ってください。力を貸します。それから、お店のほうにも遊び行かせてくださいね」
「ふふ、もちろんです」
宴が終わり、オレたちは城の中のゲストルームに泊まらせてもらう事となった。
部屋に入るなり、らんまと二人でベッドに倒れこむ。
「いっひゃぁーー、疲れたな」
「そりゃ、そうだ。ゼノリスに拉致されて、大きい蠍と戦ったんだからさ」
「それもそうだけどさ、こっちだよ、こっち」
グイっとドレスの胸元を開けて、中の鉄のコルセットを見せつけてきた。らんまの豊満すぎるバストが鉄のコルセットに窮屈に包まれている。
「これ、もう、3日間、ずっと着てるんだぜ? いい加減脱ぎてえよ」
久しぶりのらんまの口調。たった3日間だけ離れてただけなのに、懐かしくてオレは笑ってしまった。
「ははは、それに、3日間、そのコルセットと女モノの下着を着けてたんだろ? どうだ?これからは女モノの下着を履く気になったか?ふふ」
オレはらんまのドレスの裾をめくり、中の下着を覗こうとした。
「はぁー、やだねー。こんなんじゃ動きずらいったら、ありゃしない。それとさ……」
「どうした?なんか言いたいことでもあるか?」
「あのよぉ、アム姫とはなにもなかったか?一緒の宿泊まってんだろ」
「な、なにもねえよ、あるわけねーだろ」
「だって、オレと同じ顔だしさ、ちょっとというか、けっこう心配だった。夜はなにしてた?」
「夜は……えっと、街の酒場に遊びいったくらいかな」
オレは隠す必要もないし、まったくやましい事をしてもいないので正直に話した。
「えぇー、ずるい。オレも行きたかったな〜」
「らんまこそ、3日間、城の姫になった気分はどうだったんだよ?」
「それがさ、もう、朝から晩まで料理の練習や魔法の練習ばっかで、しんどかったぜ。周りにバレないように姫さんと同じ日課を繰り返したんだけどさ、ぜんぜんできなくて」
たしかに、らんまはタイプで気を使う事は得意でも魔法の詠唱は得意ではないよな。料理はそれほど苦手ではないだろうが。
「そのことなんだけどさ、賢者カイって男には会ったか?」
「あぁ、その賢者か、会ってないぜ。姫様に術を教えている先生だろ?」
「そうか。あれだけの術をアム姫に教えている賢者様なら会っておきたいんだよな」
「先代の勇者の仲間は、嫁さんとなったと、エルフの魔法剣士と賢者だって話なら聞いたぜ」
「エルフか……」
エルフは街の常連客の間では、この世界ではすでに絶滅した種族だと聞いた事があった。先代の勇者と同じパーティ編成を組む事が必要ではないが、オレとらんまと一緒に戦ってくれる強い力はやはり探しておく必要もあるな。
「いよっと……」
らんまがベッドから起き上がり部屋を出ていこうとする。
「どこ行くんだ?」
「これ、もう脱ぐからさ、鉄のコルセットの鍵取りに行ってくる」
「今夜はさ、それを着たまま……さ?」
オレは後ろから、らんまのドレスを下に降ろした。鉄のコルセット姿、女性モノパンティ、白いガーターベルト姿のらんまを後ろから抱きしめた。温もりがあるらんまの素肌の部分と違って、鉄のコルセットは冷たい。
これ、やっぱり、よく見るとらんまが『格闘ディナー』のときに着けてたコルセットと同じデザインのだ。
「えぇ〜?これ着たままでぇ?」