女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
オレたちはエントリーを済ませ、受付で互いの足を繋ぐ布をもらった。オレが左側でらんまが右側となるように互いの足を結ぶ。レースのコースは全長8kmで、チェックポイントである隣街を折り返して、また、ここに戻ってきて、ゴールとのことだった。上位2組が入賞で、そこから先の優勝カップルを決めるために模擬試合を行う座組となっていた。
『ようこそ、太陽の街・チッタソラーレへ、街おこし委員会主催のカップル対抗二人三脚レース参加者は広場に集合してください』
会場でアナウンスが流れる。そういえば、昔にらんまはこのレースと同じように男女二人三脚レースで走る『温泉アスレチックレース』に出場してたっけ。ま、運動神経抜群のらんまと、一般人よりは走力も体力もあるようになったオレが出場すれば、優勝は間違いないだろ。
「ふっふっふ。腕がなるぜ」
「よっしゃ、らんま、頑張ろうな。あれ、さっきのカップルは?」
さっきの綺麗な長身女性と無口な男の姿が見えない。受付はしたはずだったけど。
「さっきの人、綺麗な人だったなって。あー、また、達也のスケベがはじまった。ちゃんとオレだけを見て」
らんまがオレの頰に手を添えて、キョロキョロしていたオレの顔を無理やり向かせた。これだけの至近距離のらんまは可愛い。それに二人三脚で密着している事で、正直、ムラムラしている。
「こういうのはスタートダッシュが肝心だからな、スタートの合図から、全力でいくからな」
「わ、わかった……!」
スタート位置につくと大勢のカップルが横並びでスタートの合図を待った。
『それでは、本日のメインイベント、カップル対抗!チキチキ・二人三脚障害レースをはじめます。それじゃ、皆さん、準備はいいですか? 位置について、よーい!スタート!』
ダーンっと!空砲の合図が鳴ると、一斉にカップルたちが飛び出していった。
「どいた!どいた、どいたぁあ!いくぜ、達也」
「あぁ、優勝だー」
しゅたたたっとオレたちはカップルたちの中を掻き分け、スタートダッシュに成功して、街をかけぬけていった。コース標識いに従って街を出る。ぶっちぎりの1位だ。街を出てしばらく走ると丸太に流れる河に出くわした。この丸太の上に乗って進んでいくらしい。
「よっ!」
係の人から「これで舵をとりなせぇ」と長い棒を渡され丸太に飛び乗った。運動神経の悪いカップルはこの足場の悪い丸太濁流ですでに脱落しているようだ。
「落後者続出だぜ♪」
「こりゃ、勝ったも同然だな」
『先頭は達也&らんまカップル。ぶっちぎりの一位だ!続いては絶叫ワニ川下り』
丸太に乗って川を下っているとマジックアイテムで拡張された実況が聞こえてくる。カップルって言われると、やはり小っ恥ずかしい。って、ワニの川下りだって?
丸太の濁流が終われば、そこにはワニが口を開いて、行く手を拒んだ。
「これなら、昔にアスレチック温泉レースでやったことあるぜ!達也、振り落とされるなよ」
らんまがオレとの密着を深めて、ワニに飛び乗り、踏み台にして進んでいく。息を合わせて飛びっていく。数々の冒険を経験してきたオレとらんまの息はぴったりだ。
「これなら、後ろはついてこれないだろ」
と、思ったが後続カップルがけっこう追い上げてきていた。
川下りコースが終わり、遠くに隣町であるブール・ソラーレが見えてきた。続いてのチェックポイントでも先頭のオレたちが辿り着くとアナウンスが流れた。
『それでは続いての関門はラブラブ・キッス・5分間です。もちろん、頰でのキスではなく唇と唇のキスですよ。それでは、着いた順にスタートしてください』
「よし、キス5分間だな、いくぞ。達也!」
「お……おう」
照れているオレの頰に両手を添え、らんまが口付けてきた。係の人や後続のカップルがいるというのに濃厚なキスを目を閉じてしはじめるらんま。そうか、目を閉じて恥ずかしさを消すのか。オレもらんまと同じように目を閉じて、オレは肩を抱くようにした。
「チュっチュ、ンムチュ、れろれろぉぉっ……はぁはぁっ……ンチュパ、チュパチュバァ、んちゅはぁはぁっはぁはぁっ……ンチュパ、チュパチュ」
あぁ、ヤバイ。外でらんまとキスをしてたら勃起がヤバい。よくも恥ずかしがらずにできるなと感心しながらもオレのペニスはすっかり勃起してしまう。時間が進むたび唾液を交換した。
「らんま……はぁっはぁはぁっ……ンチュチュッ…チュッ…チュパッ…チュッ…ュチュ」
「こら、達也、集中しろよ……れろれろぉぉっ……んちゅはぁは♡れろれろぉぉっ♡んちゅはぁは♡チュチュッ…チュッ…チュパッ♡れろぉぉっれろぉぉっ♡」
心臓の鼓動が高まる。唾液の糸が口内で繋がるほどの濃厚なキス。らんまって周りに人がいるほど燃えちゃうのか。
「んはぁ……うはぁ、やべえ……」
オレはズボンの中でキスだけで射精してしまった。係の人に気づかれないようん平然と立ち振る舞い、キスを終えたことを伝えるとスプーンと卵を渡される。
「おあ?!これは、かなりのスピードダウンが要求されるな、慎重にいくぞ、らんま」
スプーンから卵を落とさないで小走りで進む。隣町まで進むコースは直線だ。パンツの中が汚れてしまったオレはらんまとスプーンに卵を乗っけて、走り始めた。
「おう、承知だ!」
バランス感覚にも長けたオレたちは卵を落とさずに、徐々にスピードをあげていった。詰められていた後続カップルたちとの距離もかなり離れている。
折り返し地点である隣町に着くと、スプーンと卵と交換でクジBOXが出されてきた。
『このBOXの中から引いた紙に書かれた物を街で借りて、次のチェックポイントまで進んでください』
「なるほど、レースの定番借り物レースか。よし、なるべく借りるのが楽なものを引き当てろ」
「いよっしゃ、なら、これだーー!」
らんまが勢いよく一枚の折れた紙を引き、中を開けると。らんまの表情が固まった。
「嘘でしょ……むりむり、むりだー、むりだー、もうまけだぁ」
「まさか……?!」
らんまの手の紙を広げると、そこに書いてあったのはらんまが世界で一番嫌いなもの『猫』と書かれていた。
「ぐあー、まじかよ……よりによって」
オレたちが躊躇している間にもカップルたちが次々とBOXからクジを引き、借り物をするために街へと繰り出していった。
「くっそ、負けちまう。また、あのカップルたちにバカにされちまう。よし、らんま。ここはオレに任せろ」
オレはマントをらんまの顔にかぶせ、街の中へと走っていった。
「猫って、野良猫か、飼い猫か。どっちでもいい、どこだ、どこだ」
「いひぃいい、猫と一緒に走るなんて絶対、無理無理、死んじゃう、オレ、死んじゃうぅうう」
他のカップルたちの借り物はというと「毛布」「ハンマー」「旗」「手ぶくろ」など簡単なものばかりだった。次々と借り物を持ちながら、街の外へと出ていく。
にゃぁ〜。
そのとき、一匹の子猫の鳴き声が裏路地から聞こえた。
にゃぁ~にゃぁ~。
らんまに念入りにマントをかぶせ直した後、裏路地の猫を捕まえた。白をベースに黒やオレンジに近い茶色のまだら模様が体全体に広がっている三毛猫だ。おとなしそうな猫で、これなら、いけると思ったオレは片手でうまい事、掴んで脇に抱えた。
「よーし、おとなしくしててくれよー、にゃぁちゃん」
「今、いるのか?!達也、猫を抱きかかえているのか?うわぁあ、想像しただけで寒イボがぁ」
「らんま、今、見つけたから、このままいくぞ。オマエは耳も塞いでおけ」
「いっひぃいいーわかったぁあ、ホントに無理だからぁああ、いひぃいい!ギブアップしたいよぉおお、いひぃいああ、ひいいいい」
どんな勝負でも絶対にギブアップしないらんま。オレに忠告どおり、両手で両耳を塞いだ。よっぽど猫が苦手なのだろう。もう完全に、ひよっている。でも、ここはオレがらんまを助けなければ。
「このお姉ちゃん、猫苦手だから、静かにしててな」
猫はオレの手に抱かれていることが心地よいのか顔をかきながら、機嫌良さそうにしている。
猫を脇に抱え、らんまにはその姿を見せないようにマントをかぶせて、オレは街を出ていった。すでに先頭集団から、遅れをとってしまっているが、まだ、見える距離だ。
走るスピードを速める。
借り物を渡す場所にたどり着くと、カップルが次々と机の上に借りたものを返していった。
オレも猫をテーブルの上に座らせると、らんまがオレの合図の前に被っていたマントを取ってしまった。
「ひぃひぃ、もう、終わったのか……」
にゃぁあ〜♪
猫はらんまに挨拶をしたつもりなのだろう。機嫌よく、にゃぁ♪と一言だけ泣いただけなのだが……。
「ぎっひゃあ゙ぁあ゙あ゙あ゙!あ゙くまのえがおぉおあおおあ、ねごおおぎらいぃいあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
「うわ、しまった!まだ、マントとっていいって言ってないだろ」
時すでに遅し、らんまの恐怖は絶頂に達し、猫から猛ダッシュで逃げていった。オレは繋がれた足を引きずられられていく。猛スピードでらんまに引っ張られる。まるで西部劇で馬が倒れた人を引きずるように引きずられていく。頭が地面に打ち付けられる。
「だぁ?!あた、あた、痛ててて!ら、らんま、止まれぇえ、止まってくれえ」
「あ゙〜~~~~~っ。猫やだ、猫やだ、猫やだ、猫やだ〜〜〜っ」
「だぁ?!あた、あた、痛て!ら、らんま、止まれえぇ」
「あ゙~~~~あ゙~~~~っ。猫だいぎらいぃいい、猫やだ~~~っ」
まったくオレの声が届かないらんま。もう猫はいないというのに、腕を振り回して、爆走し続ける。すごいスピードで先頭集団を追い抜いていく。
ドドドドド!
「ねこ~~~~~~っ!嫌い〜アア!」
先頭集団を追い抜かした後、勢い余ったらんまが森の大きな木に顔面をうちつけて、そのまま、なだれ落ちた。
引っ張られていたオレも空中を飛び、同様に木を顔面にうちつけた後、
落ちた。
ごーん。ドササササ…
オレは草原に仰向けに倒れたらんまに覆いかぶさる形で落ちる。衝撃で体中が痛むが、それ以上に、柔らかい感触がダイレクトに伝わってくる。
この柔らかい感触は、まぎれもないオレの大好きならんまのおっぱいだ。
「この柔らかさ、まさにパラダイスだ、らんまのおっぱい、最高だぜ」
悪ノリしながら、オレは思わず顔を埋め、頬ずりしてしまう。まるで大きなマシュマロが二つ。オレは調子に乗って、さらに感触を確かめようとひしっと、手で捕まえる。
その瞬間、柔らかな感触がオレの全身に伝わり、興奮が一気に高まっていく。
「この感触、たまらないぜ……らんま、やっぱり最高だな……」
心臓がドキドキと早鐘を打つ。オレの体温は急上昇し、汗が滲み出る。らんまの甘い香りと柔らかな感触に包まれて、オレの理性は完全に崩壊する。
「あぁ……出ちゃう、出ちまう……」
オレの興奮は頂点に達し、体が震える。らんまの胸の柔らかさに顔を埋めたまま、オレの体は自らの意志とは無関係に反応し、気が付けば射精してしまっていた。
「わ、わわ、らんま、悪いぃ」
オレの驚く声に、らんまははっと気づき、むくっと起き上がる。その顔には一瞬驚きの表情が浮かぶが、すぐに冷静さを取り戻す。
「なんでー、達也じゃねーか。こうしちゃいられねー、レースは」
らんまは怒るどころか、レースのことを優先するその態度に、オレは心底驚かされる。外でおっぱいをむにむにしたのに怒らないなんて、本当に優しい。
「まだ、先頭集団はゴールしていないはずだ、急いでコースに戻れば」
「よし、いくぜえー、優勝だー」
さっきの猫にビビりまくっていたらんまとはまったく別人なくらいに気合十分に復活し、オレたちはコースへと戻り、多くのカップルを追い抜いていった。
「どいた、どいた、どいたぁああ!」
そして、なんとかゴール地点である太陽の街チッタソラーレへと帰ってきた。無事にゴールインしたオレたちが、ぶっちぎりの一位かと思えば、すでにゴールしているカップルがいた。
エントリーのときに出会った長身の金髪女性と無口な男のカップルだった。
「ふふふ、お先♪わたしたちが一番ね」
「…………」
笑顔で迎える長身女性とは違って、男のほうは終始、無言のままだった。
「達也、こいつら、只者じゃねーぞ」
「あぁ、そうだな」
この二人と明日、オレたちは勝負するのか。そう、決勝戦はこの二人との模擬試合だ。
明日の試合は二人三脚のレースではなく、カップルとカップル同士がリング上で戦う模擬試合だ。