※この作品はR-18です。

女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き   作:RNOVEL

111 / 480
2-37.髪飾り

 その夜、オレとらんま、長身の女性と無言の男らはチッタソラーレの宿屋に泊まり、町おこしの人らからディナーをご馳走になった。

 

「いやー、しかし、両カップルともすごかったですね。ぜひ、食べてください。明日の試合も楽しみにしていますよ」

「ありがとうございます」

「あれあれ、よく見ると、一年ほど前にこの街で格闘新体操の試合をやったらんまさんじゃないですか、あの試合は見応えありましたね。そうですか、レースに出場してくださっていたのですか」

「へへへ、まぁな♪」

 

 そうだった。この街でらんまは小太刀と格闘新体操の試合をしたんだ。オレがセコンドについたんだよな。ということは明日も同じリングの上での戦いかもしれないな。しかし、このカップル、ただものじゃない余裕があるな。

 

 金髪の美しい女性の名前はパラムで、無口の男のほうの名前はカイと紹介された。

 

【挿絵表示】

 

「カイ……、もしかしてレムール王国のアム姫に魔法を教えている賢者カイ様ですか?」

「…………」

 

—おい、こっちが質問してるんだから無視しないで答えろよ

 

「あ、ごめんなさい。人違いだとおもうわ、カイって名前もよくいるしね」

「そうですか、変な事を聞いてしまってすみません……」

 

 達也という名前も元の世界じゃ、よくいる名前と同様にこっちの世界でもカイって名前の男は多いのかな。

 

 食事の時間が済み、部屋に戻ろうとするところをパラムとカイに引き止められた。

 

「それじゃ、明日の試合はお手柔らかに……」

「ちょっとあなたたち、待ちなさい。街の方らは、ここで席を外してもらっていいかしら?」

「あ、はい。いいですよ。それでは明日の10時に試合会場前に集合でお願いしますね」

 

 宿屋のロビーでオレたち4人だけになった。

 

「…………オマエたち、その髪飾りをどこで手に入れた?」

 

 食事中もずっと無言だったカイが口を開いた。ここは正直にベリーヌからもらった『伝説の勇者がに贈った光の宝玉』であると答えるべきか、適当な答えではぐらかすべきか。オレが迷っている間にらんまが答えた。

 

「べつになんだっていいだろ? でも、なんで、この髪飾りにそこまで執着するんだ?怪しいぜ、オマエたち」

 

 たしかにらんまの言うとおり、もしかすると魔王軍やゼノリスの手先かもしれない。その場合、気安く、この宝玉の事を話すべきではない。少なくともゼノリスは、これが光の宝玉だってことは知っているはずなので。狙っていてもおかしくない。勇者の力が封印されているから。

 

「そうねぇ……わたしたちにとっても大事なもの……かもしれないわね」

「パラム、話すぎるな! ……人間は信用できん。話すべきではない。」

 

 無言の男カイが声を張り上げ、パラムを制した。

 

 オレたちの間で空気が張り詰める。

 

「ごめんね、カイはちょっと人嫌いなところがあって。それじゃ、こういうのはどうかしら?明日の試合は、そのアクセサリを賭けて戦うっていうのは」

「そ、それはできませ……」

「いいぜ、いいぜ、望むところじゃねーか。その勝負、乗った」

 

「ちょっと、らんま!」

 

 オレだけがアクセサリを賭ける事に拒否するも虚しく、三人の間では決まってしまった。

 

 パラムとカイは二人で顔を見合わせて、ニヤっと笑っている。

 

「それじゃ、決まりね……では、明日の試合、楽しみにしてるわ。正々堂々と戦いましょう。おやすみなさい」

 

 パラムとカイは部屋を出ていき、オレたちも今夜、寝泊まりする部屋に入っていった。

 

 部屋の扉をしめた後、オレはらんまに注意した。

 

「おい!らんま、それがどれだけ大切なものかわかってるのかよ。それは伝説の勇者様が奥さんとなったにあげたものなんだぞ。光の宝玉なんだぞ」

「だって、勝てばいいじゃねーか。そうまでしないと、アイツらあきらめないと思うぜ?」

「……わかったよ、じゃあ、絶対に勝つぞ。危なくなったら勇者の力も発動するからな」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。