女らんまと異世界冒険記 ※AIイラスト挿絵920枚付き 作:RNOVEL
試合の翌日、宿泊している宿屋にカイが訪ねてきた。誰もいないところで話したいという事で街外れの木陰に移動した。着くなり、カイが魔法を唱えると空中にゲートが現れた。縦に長い楕円形のゲート。これは魔王を倒したときにも現れたゲートとよく似ている。それよりは大きさは小さいが。
らんまとはパラムとカイに対して、オレたちは『違う世界』から来たことだけは秘密にして、もしも、また会う事があれば、他のことは色々と話そうと事前に取り決めていた。
「これは……?」
「……これは、転移魔法。べつに危険なものではない、安心してくれ」
濃いブルーの波打つゲートに入ると、静かな森の中に出た。移動した先にはパラムが待っていた。昨日の戦闘のときの気迫溢れる表情と違って、穏やかに迎えてくれた。
オレとらんまが移動した後に、最後にカイが移動するとゲートが閉じた。
らんまは不思議そうにゲートがあった場所の空気を撫でている。まぁ、魔法がある世界なら、ありえる「どこでもドア」みたいなものだから、オレはたいして驚きはしなかった。
「ようこそ、我が家へ」
「ここはパラムさんとカイさんの家?」
「それじゃ、さっそく本題を話させてもらうわね。そっちがちゃんと話してくれたら、こっちもちゃんと話すからさ。私たちは別に敵同士ではないから。達也くんとらんまちゃんが数ヶ月前に復活した魔王を討伐した勇者なのね」
「はい……」
ベリーヌとその関係者以外に、初めて、その事実を伝えた。
「このらんまのヘアアクセサリはその討伐前にベリーヌから譲り受けたものです。盗んだものではありません。それで、この光の宝玉からオレは伝説の勇者の力をらんまはの力受け継ぎました」
「秘密にしててごめん……もしかしたら二人は魔王軍かもしれないって疑ってから」
オレとらんまが話した後、オレも二人に聞きたいことはあるので質問させてもらった。
「それじゃ、こちらからも質問させてもらいます。お二人は何者なのですか?伝説の勇者の仲間である魔法剣士と言われていましたが?」
パラムがカイと目を見合わせ、頷いた。
「そう……私たちは、100年以上前に魔王を倒した伝説の勇者のパーティよ」
「えっ……カイさんも?」
すべてが納得いきそうだった。たしかに伝説のパーティは噂や言い伝えでは、勇者、武闘家、魔法剣士、そして賢者の4人パーティ。
「勇者アレルとヤオと私たちの4人で魔王を倒した……」
「で、でも、100年以上前なのに、ずいぶんと見た目が若いようで……」
「そうだ、そうだ。勇者はもう、とっくの昔に亡くなっているんじゃねえのか?」
一瞬の沈黙の後、カイがゆっくりと目を開き、少し申し訳なさそうに口を開いた。
「…………正直に話そう」